巨大魔物討滅作戦

広畝 K

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第十五章:専行

83話

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 となれば当然、彼女たちはその場からの離脱を最優先としたはずだ。
 攻撃によって生じるであろう余波に乗じて、その『手負い』から遠くに飛び退いたと考えるのが最も自然であり、この場において彼女たちの痕跡が残されていないことにも納得がゆく。

 攻撃が直撃するということは万に一つもありえず、そして攻撃の余波によって死んだ可能性もない。
 もし余波によって死んだとするなら、周囲の地や倒木に血溜まりの一つや二つ、或いは身につけていたであろう装備が発見できたことだろう。

(これほどの威力なら……余波で怪我を負ったとしても、遠くに逃げて潜むことは可能のはず。
 だが逆に、これだけの威力を出すには、相応の代償が必要だろうな……)

 窪地ができるほどの攻撃、その方向性として考えられるのは、魔物による大規模魔法攻撃、或いはそれに準ずる、魔力による大幅強化を施した物理攻撃であると思われた。

 その根拠に、ソルトの探索した範囲全体に渡って、澱んだ魔力が地面に染み込んでいたことが挙げられる。
 空気中に存在している魔力は他の場と比して明らかに薄まっており、地に染みついている魔力の一部は、空気中の魔力であると推察される。
 ちなみに、これらの魔力の推移現象については、人間が大規模魔法を使った後の現場においてしばしば確認されている。

 魔物が魔法を行使することについては認識されてはいるものの、窪地を形成するほどの攻撃力を有していたという記録は無い。
 可能性として高いのは、魔物による魔法の行使ではなく、魔力で肉体を強化した魔物が、力任せに攻撃を繰り出すことである。
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