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Chapter06 - Side:EachOther - A
79 > 佐藤宅で2人ー4〜 汐見のポケット(Side:Sugar)
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【Side:Sugar】
「ハンドマッサージ……オレやったことないけど……」
「やってみると結構良くてさ。あ、こないだやってもらった時にもらった残りのがあるから、ちょっと待ってろよ」
そう言い残すと、汐見をリビングに残したままあの部屋に向かった。
汐見と出会ってから俺は、秘蔵オタクグッズが目に見えて減っていた。
そりゃそうだ。目の前にリアルで現実の最推しがいるのに他のことに金と時間を費やしてられないだろう。ということで、写真だけはどんどん増えていった。
まぁ、後は色々……汐見の職場にあるペンとか定規とかはある……汐見が愛用している文房具と全く同じものをでかい文具店で入手して汐見のものとすり替える、とか……。あ! でも限定品とか名前入りとかまではない。本当は欲しいけど、そういうのは流石に同じものは入手しづらいからだ。
後は……汐見はA4サイズの印刷し損じた紙を4分割して切ってから自分のメモがわりに使うことが多く、手癖なのかなんなのかそれによく落書きされていた。どこぞのキャラクターを模したものなのかなんなのかわからないが、デフォルメチックな猫が描かれてることが多かった。それが足元のゴミ箱追いやられているのを確認したら汚れていないかチェックしてそのまま持ち帰ることも多い。
──正直引く。自分でも。
でもその汐見の見た目とのギャップがおかしくて可愛くてしょうがなくて見てしまったら持ち帰らずにはいられない……これって立派なストーカーだよな……。でも流石に汐見が使った使い捨ての箸とかそういうのは自制してる……(一回持ち帰ろうとして思い直して名残惜しいけどちゃんとティッシュに包んで捨てた)
〝だけど……多分、この壁見たら流石にヤバいんだろうな……〟
もう数えることすらしてないけど【ロール壁面】で隠しきれないくらいの数に写真が増えてしまってからは、大判の写真は机の鍵付きの引き出しに入れて、後は見やすいサイズのものと小さいやつをコラージュっぽく大量に貼り出している。遠目で見たら一瞬何かの模様かと思うくらいだ。
〝とりあえず、汐見がいる間は、鍵掛けといてあまりこの部屋に出入りしないようにしよう〟
俺はそう決意すると、先月行ったアロママッサージ店でもらったハンドマッサージ用のオイルを探した。
〝確か、この辺に……〟
左袖机の引き出し2段目に入れていたはず、と思って探していると。
「あった。これだ」
よくわからないが
『アレルギーが出にくいキャリアオイルを使ってます。保存期間は長い方ですけど、手に出してみて油の匂いを強く感じたら使わないでくださいね。配合したエッセンシャルオイルには鎮静効果や鎮痛効果もありますよ』
そう説明されて渡されたプッシュボトルに入っているそれは少しエキゾチックな香りがした。ワンプッシュした少量を手に出して確認してみたが、大丈夫。先月使った時と香りはさほど変わってない。オイルでマッサージした後でもすぐにサラっとした感触になって、お気に入りになった一品で、こればかりリピートしている。
その小さい小瓶を手に持ったまま俺がリビングに戻ると、そこには。
外したメガネが無造作にローテーブルに置かれ、でかいソファにそのままうつ伏せて寝そべってしまっている汐見がいた。
リビングに俺がいないと、汐見は時々こうやってソファにうつ伏せて寝そべるんだが、俺が戻ってくる足音を聞くと慌てて起き上がり、何事もなかったかのように振る舞う。人の家のソファに寝そべるのは汐見的には行儀が悪いこと、と思っているんだろう。
それがおかしいくらい可愛くて、寝そべってソファを堪能している汐見を邪魔しないようにちょっと鑑賞し、一拍置いた後、わざと足音を立ててリビングに戻るのが日常化していた。
〝はー……かわいぃ……うつ伏せてるとその尻の盛り上がり具合が一段とヤバイよな……〟
汐見の尻の形が絶品なのは俺と一部の男性社員だけが知っている。
筋トレを日常的にやってると姿勢が良くなるんだが、背筋から腰、腰から臀部にかけてS字を描くカーブが……主に尻の部分が、通常の男よりちょっと上向いてるんだ、汐見は。だから、異様にエロく感じる。
最初に見た時の衝撃も凄かったが、もう今やその尻を生身で見たくて触りたくて揉みたくてどうしようもない。
〝……まじで昨日で済ませといてよかったよな、俺……〟
抜いてない状態でこんなの見たら理性飛んでその臀部めがけて襲い掛かってたと思う……
とりあえず、舐め回すようにその尻を少し遠目で堪能した後、いつものように足音を立てて戻ろうとするが、ふと思い直して忍び足でソファの裏まで移動した。
至近距離で確認するとソファの背もたれ越しからは後頭部が見えた。右手だけソファからだらしなく肩先から落ちた状態で静かな呼吸が聞こえてくる。時計をみると、まだ8時前。
「お~い、寝る前に風呂入らないのか~?」
小声で話しかけても反応がない。完全に寝入った寝息じゃないから起こしたら起きると思うが、どうしたものかと思った俺は
〝まぁ、口実もできたから大丈夫だろ〟
ソファの前に回り込んで汐見を確認した。右側を向いてうとうとしている汐見の寝顔を堪能しながら、その右手を手にとった。ちなみに至近距離から尻を直視してはならない、ということを俺自身に試練として課している。その視覚情報は確実に俺の股間を直撃するからだ。
〝相変わらず体温高いなぁ……〟
俺も体温が低い訳じゃないけど、汐見の体温に触れると安心する。もっと触れていたい。
ワンプッシュしてトロ味のあるオイルを自分の手に馴染ませた後、汐見の右手を取ってゆるゆるとマッサージを施す。
「んん……」
〝っ! なんだその声! た、立つだろ!〟
気を紛らわせるように声をかけた。
「汐見? 寝るのか? 風呂は?」
問いかけてる間もゆるゆるとマッサージをしてやると、汐見が目を薄く開け、口元が緩んだとろりとした表情をする。
「……それ、気持ちぃいな……」
〝ぅぉお! お、おっまえ! このっ!〟
そんなこと言われて俺は若干ヤバさを感じていた。主に股間から。
「だ、だろ? このオイル、鎮痛効果もあるんだと。点滴の箇所はまずいと思うから、そこは避けて肩までやるか?」
「……いいのか?」
〝いちいち股間に来る……この姿勢なら多分見えないと思うけど……〟
すでに甘く立ち上がってる俺……の息子が汐見から見えないように隠す。
もぞもぞと動く汐見の尻がゆるゆると動くのがまたさらにエロくて……、ん?
「汐見? お前、尻ポケットに何か入れてるのか?」
「?」
「何か入ってるぞ、なんだ……?」
俺はテーブルにあるティッシュでオイルを拭き取ると、恐る恐るその禁断の尻……に触ってしまわないようにポケットから少しだけ顔を覗かせている何かを取り出そうとした。すると汐見が
「あっ!」
「な、なんだ?!」
〝まだ尻には触ってないぞ?!〟
でっかい声を出したもんだから、ビビってその手を引っ込めた。
「そうだ! 忘れてた!」
言うと、汐見はオイルが着いたままの右手を尻ポケットに回してそれを取り出した。
「これ! この人に連絡しないと!」
「へ?」
どこぞの印籠のように見せられたそれは一枚の名刺。その中央部には
【弁護士 池宮 秋彦】という名前が印字されていた────
「ハンドマッサージ……オレやったことないけど……」
「やってみると結構良くてさ。あ、こないだやってもらった時にもらった残りのがあるから、ちょっと待ってろよ」
そう言い残すと、汐見をリビングに残したままあの部屋に向かった。
汐見と出会ってから俺は、秘蔵オタクグッズが目に見えて減っていた。
そりゃそうだ。目の前にリアルで現実の最推しがいるのに他のことに金と時間を費やしてられないだろう。ということで、写真だけはどんどん増えていった。
まぁ、後は色々……汐見の職場にあるペンとか定規とかはある……汐見が愛用している文房具と全く同じものをでかい文具店で入手して汐見のものとすり替える、とか……。あ! でも限定品とか名前入りとかまではない。本当は欲しいけど、そういうのは流石に同じものは入手しづらいからだ。
後は……汐見はA4サイズの印刷し損じた紙を4分割して切ってから自分のメモがわりに使うことが多く、手癖なのかなんなのかそれによく落書きされていた。どこぞのキャラクターを模したものなのかなんなのかわからないが、デフォルメチックな猫が描かれてることが多かった。それが足元のゴミ箱追いやられているのを確認したら汚れていないかチェックしてそのまま持ち帰ることも多い。
──正直引く。自分でも。
でもその汐見の見た目とのギャップがおかしくて可愛くてしょうがなくて見てしまったら持ち帰らずにはいられない……これって立派なストーカーだよな……。でも流石に汐見が使った使い捨ての箸とかそういうのは自制してる……(一回持ち帰ろうとして思い直して名残惜しいけどちゃんとティッシュに包んで捨てた)
〝だけど……多分、この壁見たら流石にヤバいんだろうな……〟
もう数えることすらしてないけど【ロール壁面】で隠しきれないくらいの数に写真が増えてしまってからは、大判の写真は机の鍵付きの引き出しに入れて、後は見やすいサイズのものと小さいやつをコラージュっぽく大量に貼り出している。遠目で見たら一瞬何かの模様かと思うくらいだ。
〝とりあえず、汐見がいる間は、鍵掛けといてあまりこの部屋に出入りしないようにしよう〟
俺はそう決意すると、先月行ったアロママッサージ店でもらったハンドマッサージ用のオイルを探した。
〝確か、この辺に……〟
左袖机の引き出し2段目に入れていたはず、と思って探していると。
「あった。これだ」
よくわからないが
『アレルギーが出にくいキャリアオイルを使ってます。保存期間は長い方ですけど、手に出してみて油の匂いを強く感じたら使わないでくださいね。配合したエッセンシャルオイルには鎮静効果や鎮痛効果もありますよ』
そう説明されて渡されたプッシュボトルに入っているそれは少しエキゾチックな香りがした。ワンプッシュした少量を手に出して確認してみたが、大丈夫。先月使った時と香りはさほど変わってない。オイルでマッサージした後でもすぐにサラっとした感触になって、お気に入りになった一品で、こればかりリピートしている。
その小さい小瓶を手に持ったまま俺がリビングに戻ると、そこには。
外したメガネが無造作にローテーブルに置かれ、でかいソファにそのままうつ伏せて寝そべってしまっている汐見がいた。
リビングに俺がいないと、汐見は時々こうやってソファにうつ伏せて寝そべるんだが、俺が戻ってくる足音を聞くと慌てて起き上がり、何事もなかったかのように振る舞う。人の家のソファに寝そべるのは汐見的には行儀が悪いこと、と思っているんだろう。
それがおかしいくらい可愛くて、寝そべってソファを堪能している汐見を邪魔しないようにちょっと鑑賞し、一拍置いた後、わざと足音を立ててリビングに戻るのが日常化していた。
〝はー……かわいぃ……うつ伏せてるとその尻の盛り上がり具合が一段とヤバイよな……〟
汐見の尻の形が絶品なのは俺と一部の男性社員だけが知っている。
筋トレを日常的にやってると姿勢が良くなるんだが、背筋から腰、腰から臀部にかけてS字を描くカーブが……主に尻の部分が、通常の男よりちょっと上向いてるんだ、汐見は。だから、異様にエロく感じる。
最初に見た時の衝撃も凄かったが、もう今やその尻を生身で見たくて触りたくて揉みたくてどうしようもない。
〝……まじで昨日で済ませといてよかったよな、俺……〟
抜いてない状態でこんなの見たら理性飛んでその臀部めがけて襲い掛かってたと思う……
とりあえず、舐め回すようにその尻を少し遠目で堪能した後、いつものように足音を立てて戻ろうとするが、ふと思い直して忍び足でソファの裏まで移動した。
至近距離で確認するとソファの背もたれ越しからは後頭部が見えた。右手だけソファからだらしなく肩先から落ちた状態で静かな呼吸が聞こえてくる。時計をみると、まだ8時前。
「お~い、寝る前に風呂入らないのか~?」
小声で話しかけても反応がない。完全に寝入った寝息じゃないから起こしたら起きると思うが、どうしたものかと思った俺は
〝まぁ、口実もできたから大丈夫だろ〟
ソファの前に回り込んで汐見を確認した。右側を向いてうとうとしている汐見の寝顔を堪能しながら、その右手を手にとった。ちなみに至近距離から尻を直視してはならない、ということを俺自身に試練として課している。その視覚情報は確実に俺の股間を直撃するからだ。
〝相変わらず体温高いなぁ……〟
俺も体温が低い訳じゃないけど、汐見の体温に触れると安心する。もっと触れていたい。
ワンプッシュしてトロ味のあるオイルを自分の手に馴染ませた後、汐見の右手を取ってゆるゆるとマッサージを施す。
「んん……」
〝っ! なんだその声! た、立つだろ!〟
気を紛らわせるように声をかけた。
「汐見? 寝るのか? 風呂は?」
問いかけてる間もゆるゆるとマッサージをしてやると、汐見が目を薄く開け、口元が緩んだとろりとした表情をする。
「……それ、気持ちぃいな……」
〝ぅぉお! お、おっまえ! このっ!〟
そんなこと言われて俺は若干ヤバさを感じていた。主に股間から。
「だ、だろ? このオイル、鎮痛効果もあるんだと。点滴の箇所はまずいと思うから、そこは避けて肩までやるか?」
「……いいのか?」
〝いちいち股間に来る……この姿勢なら多分見えないと思うけど……〟
すでに甘く立ち上がってる俺……の息子が汐見から見えないように隠す。
もぞもぞと動く汐見の尻がゆるゆると動くのがまたさらにエロくて……、ん?
「汐見? お前、尻ポケットに何か入れてるのか?」
「?」
「何か入ってるぞ、なんだ……?」
俺はテーブルにあるティッシュでオイルを拭き取ると、恐る恐るその禁断の尻……に触ってしまわないようにポケットから少しだけ顔を覗かせている何かを取り出そうとした。すると汐見が
「あっ!」
「な、なんだ?!」
〝まだ尻には触ってないぞ?!〟
でっかい声を出したもんだから、ビビってその手を引っ込めた。
「そうだ! 忘れてた!」
言うと、汐見はオイルが着いたままの右手を尻ポケットに回してそれを取り出した。
「これ! この人に連絡しないと!」
「へ?」
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【弁護士 池宮 秋彦】という名前が印字されていた────
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