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Chapter11 - Side:Salt - C
157 > 追憶 ー04(違和感)
しおりを挟む加藤はゆっくりと顔だけをオレの方に向き直り、真剣な表情で見下ろした。
『なに、言って……』
『……俺さ……性欲強いんだって』
『っは?』
『まぁね。1日に3回は抜いとかないと下っ腹、重くなるからさ』
『なん、の話だ……』
言いながら加藤は目を細めてオレを見る。
『部活前はいっつも部活棟裏にあるトイレで抜いてんの、俺』
『?! っそ、んなこと! 聞いてない!』
『うん。運動してると紛れるんだけどさ、引退してからは、な……』
加藤はオレと会話をする気がないのか、制止を意味した言葉を無視して続ける。その視線がオレの顔、いや、もう少し下の方を向いていて。
『菜摘はさ、髪も短くて、ボーイッシュなんだけど巨乳でさ。もろタイプなんだよな』
『……』
心なしか、加藤の体がオレの方に向いてきてるような気がする。それも、ゆっくりと……
『目も……吊りあがってる感じのキツめな方が好みで……』
『そ、そうか……』
距離が近い気がする。
加藤にいつもの少しおちゃらけた雰囲気が消えている。
家族の、特に父親の話をするときのような重苦しい空気が流れる。
〝な、なんだ……なんか……〟
オレは一息つこうと、思わず座卓に置かれたコップを取って、麦茶を一息に流し込んだ。口をつけた瞬間、鼻を掠めた麦茶とは少し違う匂いの違和感ごと飲み干してしまった。コップを置いたオレは手持ち無沙汰にならないよう両手でコントローラーを握りしめる。
すると、体ごとオレに向き直した加藤の右手が、胡座をかいていたオレの右膝に触れてきて
『うしお……』
『な、なんだよ、なんかお前今日、変だぞ?!』
『……みう……』
『っから! その呼び方やめろって!』
『菜摘と別れたら……代わりにお前が相手してくれるか?』
『はっ?! なにをっ』
『これ』
そう言うと、加藤はコントローラーを握っていたオレの右手を取って、自分のモノに触れさせた。
『!!! っお、おまっっ!!』
明らかに勃起した硬さと熱さだった。
制服のズボン越しとはいえ他人のモノに触れたことなど一度もない。
しかも、想像以上の大きさに驚いたオレは、一瞬固まってしまった。
『彼女の代わり、シてくれるん、だろ?』
『?! っんなこと言ってない!!』
加藤のその言い草に、オレは我に返って加藤の手を跳ね除けた。
『……俺は発散できるんだったらお前でもいいよ』
『な、なんだそれっ! オレは女じゃないっ!』
〝「でも良い」ってなんだっ!〟
『知ってる……だから、さ……擦り合いっこしよ……』
『ふっ、ふざけんなっ!!』
友達付き合いも3年になる加藤が、そんなこと言うなんて信じられなかった。
オレは猛烈に嫌な衝動を感じて立ち上がり、加藤の家を出ていこうとした。
が。
『っ…!!!』
突然の立ちくらみを感じて、そのまましゃがみ込んでしまった。
〝やばい……ヤバイ……なんだ、コレ……〟
右隣にいる加藤の気配が、いつものそれとは違っている。
いや、いつもの、というのは若干違う。
加藤がオレに無遠慮に触れてくる時、時折感じるゾワゾワする感覚が足元から這い上がってくる。
〝ヤバイ……ヤバイ……に、げないと……〟
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