銀髪美少女JKの清楚で無口な昼と変態で囁く夜

黒兎しろ

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17話 想い

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 雪本と仲直りして、俺の平穏な学校生活が再び戻ってきた。

 俺はあの、おかしくなった挙動言動がさっぱり無くなりいつも通りの自分に戻った。とは言っても、いつも通りの自分は冴えなくて、あんまり人と関わらない影の薄い人間であることにはかわりないが。

 というか、昨日俺は雪本とデート?したんだよな……

 今に思っても、あれは俺の夢だったのでは無いのか、そんなふうに考えてしまうほど夢のような出来事だった。

 俺はそれほど雪本を意識していたんだと思う。
 雪本は俺の事を意識してくれていただろうか。
 こんな提案ができる時点で意識なんてしていないだろうか。

 俺は雪本のことが好きだ。そして、これから、その想いを少しずつ伝えていきたいと思っている。いきなりぶつかって、振られて終わるのは怖いから。
 でも、その伝え方なんてどうすればいいのか。

 その方法を考える。雪本に俺を意識させる方法。でも何度考えても、男の俺にそんな良い方法は思いつかなかった。逆に俺だったら……と考えても、意味が無い。男と女は違う生き物で、優しくされたり、ボディタッチされるだけで意識してしまう生き物と同じにしてはいけないからだ。男は単純だが、雪本はそんな風にはいかないだろう。

 結局、くよくよ考えたが答えは出なかった。
 でも、俺にはこれまでの失敗経験がある。

 具体的な方法は思いつかないけど、とにかく想いに真摯になるんだ。

 誰かさんの言葉を借りるなら、好きだという〝誠意〟を見せればいいのだ。

 ◇

「昨日は、ありがとうございました」

 いつものように俺たちはデートした翌日も屋上に集まっていた。

「こ、こちらこそ」

「ふふ、私が付き合ってもらったんですけどね」

「ま、俺も楽しかったしな」

「それは良かったです」

 屋上を吹き抜ける風は、いつもと変わらない。それでもいつもより心地よく感じた。

「最近、ハマってることがありまして、」

「なんだ?」

「VTuberを見るのハマってるんです」

「男の?」

「いえ、女の子の」

「へえ、ジビエ料理の店長とも話してたもんな」

「はい。並木くんは見ないんですか?」

「俺はVは見ねぇかなあ」

「はぁ、なぜ?声かわいい子いっぱい居ますよ?」

「俺は、星霜 冷一筋だから」

「な、なるほど?そ、それなら納得です」
 少し動揺した雪本の態度に俺は手応えを感じた。
 やはり、渡辺の言うことは正しかったのだ。〝誠意〟をストレートに言葉にして見せれば、想いは伝えられるのかもしれない。誠意は言葉よりも金額という言葉なんてクソ喰らえだった。

 ただ言葉でさり気なく伝えても、意識させるだけで好感度向上に直結するかは分からない。それに俺は、。雪本に対する俺の責任を果たしたい。今度は、俺のためじゃなく、100%雪本のために。

 そして、俺は次の日から、学校での雪本の行動観察をし始めた。決して、変な意味はふくまれない。雪本を助ける手立ての第一歩なのだ。

 雪本の声がバレた以上、雪本は、色んな交友関係が増えた。それは本来ならいい事なのだが、当の本人である雪本は、声のせいで周りと上手くいかなかった過去のトラウマを抱え、傍から見て、ぎこちないコミュニケーションが続いている。

 そして俺は、上手くできるか分からないけど、責任を果たすために重い腰を上げた。

「なぁ、みんな、質問は一気にされると雪本が困ってるからさ。ゆっくりゆっくり」

 そう言って俺は、雪本を取り囲む女子たちをなだめた。

「並木くん……?」

 雪本は驚いた顔をしていた。

「並木君、雪本さん係じゃん!!」

 一人のクラスメイトの女子がニヤケ顔で突っ込むと、雪本を囲う周りの女子もそれに乗じて俺や雪本、そしてお互いにからかいの雨を降らせるのだった。

 それに俺たちは互いに顔を背け合い、違うから!と否定するのだった。そこでも同じよう謎ぶりで否定したのでからかいに火に油を注ぐ感じになったのだが…………

「今日はありがとうございました」

 放課後、雪本にお辞儀付きの畏まったお礼をされた。

「いいよ別に」

「でも、どうして急に?」 

「別にただ、、俺がやりたかっただけだから」

「ふふっ、そうですか」

 雪本は、鳥が囀《さえず》るかのような声を出して小さく綺麗に笑った。心底、嬉しそうな笑みだった。

 俺は、この笑顔を見るのが好きだった。

 ◇  

 次の日の事だった。今日も雪本の行動観察をと思い、雪本の席を見たが一向に姿を表さなかったり

 雪本は学校を休んだのだ。珍しかった。

 一日、雪本の以内学校生活を過ごすことになった。俺は授業中も休み時間もずっと窓の外、遠くの町を見つめていた。

 雪本のいない日常がこんなに寂しいなんて。

 RIZEを送ろうか?ただの風邪だったら厚かましいだろうか?いや、クラスメイトを心配するのに別に深い意味は無いだろうと、うだうだ考えてしまう。

 もし、俺が雪本の恋人なら、こんな事ない。それどころか看病に行っているかもしれないし、そもそもこんな寂しい思いもしない。

 結局、雪本へ何も行動を起こすことは出来なかった。しかし、雪本は次の日ちゃんと学校へ来てくれた。

「実は、さ、サボりです」
 屋上で、昨日のことについて聞くと意外な答えが返ってきた。

「お前が?ズル休みしたのか?意外すぎるな」

「大変だったんですよ。いろいろと!!」

「な、なんかあったのか?」

「これ、あげます」

「何これ?」

「ASMRの音源です。昨日休んであなたのために撮ってきました」

「最近、その、色々と気を回してもらったので、そのお返しです」

「休んでまでしなくてよかったのに」

「べ、別に、私がしたかったことなので」
 雪本は、俺のようにそう言った。
「俺のために……?」

「は、はい」

 もうこの際、彼女が俺を意識してるとか、してないとか、好きだとか嫌いだとかはどうでもいいんだ。

 俺の気持ちが大事なんだ。

 俺も、雪本のために、雪本を支えたいと思った。こんな無理をさせたくない。そして、近くにいたい。寄り添いたい。守りたい。できるだけ傍で見ていたい。できるだけ多く雪本を笑顔にさせたい。雪本の笑顔を守りたいと思った。

 綺麗な言葉を並べたけど、これはひとつでまとめられる。

 俺は雪本と付き合いたいんだ。

 雪本を俺のものにしたい。俺は雪本が欲しい。独り占めにしたい。そういう願望、欲望だった。
 独りよがりな欲望かもしれないけど、エゴかもしれないけど、これが俺の雪本に対する真摯な想いだった。
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