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ドラゴンの肉編

22ー③.魔王の城へ向けて

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「はぁ………、はぁ…………….。」





ゆうしゃさんはだいぶ息が上がってますね。










「みてみてー、おにいちゃん!」








「こ、今度は何?」










「ゆきだるまー。」






娘はそう言うと両手を上に掲げ、ゆうしゃさんの頭上に大きな模様を作り出します。









「何でこんな高度な魔術を複雑に組めるんだよー、やめてー。」






ゆうしゃさんの叫びむなしく、模様から巨大な雪だるまが出てきました。









「く、仕方ないっ!」






雪だるまがゆうしゃさんを押し潰そうとした時、ゆうしゃさんは咄嗟とっさに剣を抜き、雪だるまを一刀両断しました。








「おぉー!凄いですゆうしゃさん。」







「ははは、ありがとうございます。」








あの巨大な雪だるまを見事に切り裂くとは………。







ゆうしゃさんは剣道の達人でしょうか。









「手加減するつもりだったけど、守りに関しては全力で挑ませてもらうよ。」







「こっちもほんきでいくもん。」







そして娘とゆうしゃさんはお互いに全力で遊び始めました。










「何てレベルの高い戦いだ………。」







「あの子供があれほどの。」






「ゆうしゃさまに剣を抜かせるとは………あの子は天才じゃ。」






いつの間にかたくさんのギャラリーがいらっしゃっていました。






……まぁ、こんなに派手にやっていたら仕方ない気もしますが。







それから数十分間、ゆうしゃさんと娘は休むことなく遊び続けていました。












そしてようやく…………。









「お疲れ様でした、ゆうしゃさん。」







ちょうど長い針が12をさし、終了です。









「や、やっと終わった。………あの子があなたの娘だということを忘れていました。」






そう言うとゆうしゃさんはぐったりと眠ってしまいました。









「たのしかったー。」






娘はまだまだ元気です。






この勝負娘の勝ちのようですね。





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