37 / 43
ドラゴンの肉編
22ー③.魔王の城へ向けて
しおりを挟む「はぁ………、はぁ…………….。」
ゆうしゃさんはだいぶ息が上がってますね。
「みてみてー、おにいちゃん!」
「こ、今度は何?」
「ゆきだるまー。」
娘はそう言うと両手を上に掲げ、ゆうしゃさんの頭上に大きな模様を作り出します。
「何でこんな高度な魔術を複雑に組めるんだよー、やめてー。」
ゆうしゃさんの叫びむなしく、模様から巨大な雪だるまが出てきました。
「く、仕方ないっ!」
雪だるまがゆうしゃさんを押し潰そうとした時、ゆうしゃさんは咄嗟に剣を抜き、雪だるまを一刀両断しました。
「おぉー!凄いですゆうしゃさん。」
「ははは、ありがとうございます。」
あの巨大な雪だるまを見事に切り裂くとは………。
ゆうしゃさんは剣道の達人でしょうか。
「手加減するつもりだったけど、守りに関しては全力で挑ませてもらうよ。」
「こっちもほんきでいくもん。」
そして娘とゆうしゃさんはお互いに全力で遊び始めました。
「何てレベルの高い戦いだ………。」
「あの子供があれほどの。」
「ゆうしゃさまに剣を抜かせるとは………あの子は天才じゃ。」
いつの間にかたくさんのギャラリーがいらっしゃっていました。
……まぁ、こんなに派手にやっていたら仕方ない気もしますが。
それから数十分間、ゆうしゃさんと娘は休むことなく遊び続けていました。
そしてようやく…………。
「お疲れ様でした、ゆうしゃさん。」
ちょうど長い針が12をさし、終了です。
「や、やっと終わった。………あの子があなたの娘だということを忘れていました。」
そう言うとゆうしゃさんはぐったりと眠ってしまいました。
「たのしかったー。」
娘はまだまだ元気です。
この勝負娘の勝ちのようですね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる