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ドラゴンの肉編
15.魔王様のこと
しおりを挟むチョコレートにクッキー、スナック菓子といった物をみるのは初めてのようで女の子はキラキラとした目でお菓子を見つめて、頬張っていきます。
「こんな食べ物初めてだわ!」
幸せそうで何よりです。
「ジュースのむ?」
娘が女の子に紙コップに入れたアップルジュースを渡します。
「何よこれ、見たことのない液体ね。」
そう言いつつも女の子はアップルジュースを飲みます。
「お、美味しい。」
アップルジュースも初めて飲むようで女の子はゴクゴクと飲んでいきます。
とりあえず、元気になって良かったです。
そして私は女の子に再度、あることを聞きます。
「"まおうさま"ってどんな人なのか教えていただけないですか?」
「……なんであんたが興味津々なのか知らないけど、そんなに知りたいなら教えてあげるわ。」
そう言うと女の子はコップのジュースを飲み干します。
「まおうさまは知っての通り、あんた達人間とは敵対する存在にある最高位の御方よ。」
「へぇー。」
「『へぇー』って、あんたそんなことも知らないの?」
女の子は呆れています。
私はもっと世の中のニュースとかを見た方がよさそうですね。
女の子は続けます。
「でっ!そんな魔王様が世界を征服するために世界中からいろんなアイテムを集めているの。」
「へぇーー……って、『世界征服』ですかっ!」
「そうよ!まったくうるさいわね。……やっぱり黙っとくんだったわ。」
そう言って女の子は口を閉ざしました。
このことはヴァーグ将軍達は知っているのでしょうか?
……ん?
そういえば恐竜さん達も人間とは敵対しているみたいな言い方をしていましたね。
もしかして、そのまおうさまとやらが恐竜さん達の言っていた『上のやつら』なのでしょうか。
「ねぇねぇ、恐竜の着ぐるみとか、豚の着ぐるみを着た人達のこと知りませんか?」
「何よ急に。あいつらがどうしたの?」
やっぱり知っていらっしゃいました。
もしかして、この女の子が魔女だったりするのでしょうか……。
って、さすがにそれはないですね。
「ほら、用はもう済んだんでしょ?さっさと出ていきなさい。」
そう言われ私達は今度こそ外に追いやられてしまいました。
「あんた達はよく分からない連中だったけど、まぁ楽しかったわ。また、来ても良いからね。」
閉めているドアの隙間から女の子は話します。
「また、遊ぼうねー。」
娘は手を振っています。
「また、美味しいお菓子を持ってきますね。」
「………待ってるわ。」
そしてドアを閉められました。
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