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第三部
Sky's The Limit・23-3
しおりを挟む事後の気怠さの中、裸で抱き合ってお互いの体温を確かめる。
ずっと、こうしたかった。辛そうなきいくんを見ているのは私も辛かったし、ここ一週間は心が死んでいて、向き合うことすら出来なかった。
私は、この人を失わずに済んで良かった。
「なかちゃん、お願いがあるんだけど」
甘えた声が耳をくすぐる。
「なあに?」
私の額やまぶたにキスを落とす。
「なかちゃんの実家に行きたい」
「え?」
ちょっと言ってる意味が分からないです。
「一年後に籍を移すんだったら、やることしないとじゃない?」
「というと?」
仰向けにされ、上に乗っかられて身動きが取れない。
「ご挨拶しないとでしょ?なかちゃんのご両親に」
きいくん、口だけじゃなかった。ガチで進めようとしてる。
「本気だったんだね」
「嘘だと思ってたの?!」
ムッとして睨まれた。いやはや、そういう顔も本当にお可愛くて困りますね。
「計画的に進めるんだな、と思いまして」
「行き当たりばったりですることじゃないでしょ。それに、なかちゃんのご両親にちゃんと認めて欲しいし」
大騒ぎになるだろうな、と思った。
「嫌なの?」
「いえ、その場合はそれぞれ別日程にしないとかな、と思いまして」
「えー、やだ!前に俺が運転してくって言った」
あれもガチでしたか。私の妄想かと思ってた節ある。
「それまでに車買う」
「えっ、買うの?!」
「レンタカーはやだ」
「何で?」
きいくんは少しだけ目を逸らして、口を尖らせる。
「……カッコつけたいじゃん」
なにそれ……もう無理。胸がギュンッてした。いやずるいわ、伴喜一まじでずるいわ。そんなのってある?やめてくださいよ、これ以上ときめかせて、どうするおつもり?
「録画したい…心のレックボタンを押すしかない…」
「やめてよ、恥ずかしいじゃん」
「これだから、これだからもう!」
はー信じられない!かっこよすぎる!
「何の車買うの?」
よくぞ聞いてくれました、と子どもみたいな顔で笑った。
「アメ車!一択!」
田舎だと目立ちそうだなーと思った。うんまあ、住宅密集地帯じゃないから、多分大丈夫だとは思う。多分だけど。
心配だから、きいくんには目立たない服装にしてもらおう。
「それで、スーツで行くね!」
「いや目立つわ!」
きいくんのスーツとか、オーラ出まくりなんだから半径五キロでもバレるわ!
「うん、普段着にしようね。うちの両親、格式張ったの苦手だから」
「えー?オーダーメイドで作ろうと思ったのに」
それはそれでめちゃくちゃ見たいけれど、別の機会にお願いしたい。
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