【R18】ありふれた二人の、ありふれない性活

はこスミレ

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第11話





週末、晴れ。
約束の日時よりはるかに早く目的地駅に着いてしまった四葉は、弾む心を抑えながら駅ビルのカフェでソイラテを購入した。
普段は色味の抑えた大人しめのオフィスカジュアルで過ごしている為、今日のようにプライベートで外出する時は明るい服装を心がけている。ミントグリーンのカシュクールブラウスに、膝丈の白いタイトスカート、大きめのバッグは濃いグリーンで様々な荷が詰まっていた。
カフェのカウンターチェアに座ると、スラリとした足が目立ち、前を通る男性から視線を受ける。
今までその視線に悔しい思いをして来たが、今日は余裕がある。
ーだって私、童貞卒業するんだもーん!
どいつもこいつも、ジロジロ見てくるやつはみんな非童貞だと思うと腹が立っていたが、今や昔。四葉は機嫌良くソイラテを飲んだ。
空のカップを返却棚に戻し、ヒールを鳴らしながら夏の装いを展開するマネキンの前を通り過ぎる。
ウィンドウに映る自分は、とても嬉しそうだった。

思い出せば、ここまで長かった。
小中と悩み、高校で初めて出来た彼氏には拒否をされ、それならばと彼女を作ろうとしたけれど、自分はヘテロなのだと確信しただけだった。
女の子の中に入れたいのではなく、男の中に突っ込みたいのだ。
入れられたいし、入れたい。
けれど、どんなに頑張って交友関係を深めても、ふたなりだと告白することは出来なかった。
拒否をされるのが怖かった。
そして、より深まるのは性欲への探究心。
気がつけば、部屋のチェストのほとんどは大人の玩具で埋め尽くされ、自身の性感帯は開発されまくっていた。
だからこそ、今日という日を楽しみに仕事に打ち込んだ。
ー絶対に、二回は出す!
むふふ、と笑っているとスマホが鳴った。
「はい?」
「着いたけど、どこ?」
「もうすぐ着くから改札出たとこで待ってて。」
「…おう。」
心なしか、相手の声が緊張している。
「ちゃんと来られて偉いじゃない。期待通り、後ろじゃないといけない体にしてあげるから。」
「は?!絶対無い!」
「はいはい、いくらでも言ってなさいよ。」
「無いから!これっきりだから!」
電話口で必死になっているのが想像できて笑える。
エスカレーターを降り駅ビルを出ると、改札前でムッツリとしている志信が立っていた。
白いVネックに薄手の柔らかな黒のジャケット、薄染の太めジーンズという、普段のスーツ姿からは真逆のカジュアルなコーディネート。
「おまたせ。」
「…で、どこに行くわけ。」
視線を彷徨わせつつも、チラチラと四葉を見ている。
「そんなの決まってるでしょ。ラブホテルよ!」
「えっ、すぐのすぐ?」
「何しに来たと思ってんの?」
「いや、でも、普通ってこう、お茶したり買い物したりするんじゃ」
「デートしに来てるんじゃないんだから、時間がもったいない!」
「まじか…」
違うのか、という独り言を無視して、四葉はズンズン歩き始めた。


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