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もともとデザインを学んで仕事をしていたのだけど、日々のストレスに爆発しそうになった時、たまたま募集していた絵本の公募に応募したのだ。
ほんの気まぐれだった。
ストレスが頂点に達して、半分現実逃避の様に描き上げ、勢いで応募したものだ。それが賞を取ってしまったのだ。
人生何が起こるかわからない。
一重にその思いに尽きる。
そこから僕はすっぱり会社を辞め、絵本一本で生きていくことにした。最初は不安もあり、実際に貯金を崩しての生活が続いたのだけど、本当に人生何が起こるか分からないもので、ある絵本がヒットを飛ばし、そこから絵本作家として安定した生活ができるようになったのだ。
と言っても贅沢ができるほどの稼ぎはないけれど、オメガが一人で生きていくには十分だった。
そんな時に出会った、Sさんと思われる絵の作者さん。
彼の事務所の社員になったと言うその子に、僕は絵の依頼をした。最初はいま大変な時期だから、と本人に話も通してもらえなかったんだけど、二ヶ月が経った頃、急にOKが出た。
すごくうれしかった。
でも急にどうして?
そんな思いを胸に、僕は久しぶりに彼に会うことになった。直接依頼する仕事の内容を告げるために。
なのにそこで聞いたのは・・・。
その子がオメガであるということ。
どうして?
オメガが苦手だったんじゃないの?
ずっとそばにいて、オメガの子が彼に近づいて来る度にそれはそれは嫌そうに、うんざりした顔をする彼を間近に見てきた。
だから僕は最初から諦めて、彼の友人に徹しようとしてきたのに・・・。
僕の心を知らない彼は、うれしそうにその子のことを話す。
『放って置けないんだ』
彼が好きになるくらいだから、訳ありなのだろうとは思っていたけど、その子の訳は予想を越えていた。
オメガのその子は妊娠して、一人で子供を生んで育てるというのだ。
その子を支えたい。
子供の父親になりたい。
純粋にそう語る彼の話を笑顔で聞きながら、僕は心の中が少しずつ凍えてくるのが分かった。
彼のそばにいると世界が輝く。
今も輝いて見える。
だけど、心が寒かった。
伝えられない思い。
報われない思い。
消すことの出来ない思い。
僕の心のその思いは少しずつ冷えていき、凍りついていく。
このまま心の全てが凍りついて、何も感じなくなればいいのに。
そんな心の闇を抱えながら依頼した絵を待っていると、それは思いのほかとても早く手元に届いた。
実は契約している出版社的には、僕の絵本に違う人が絵をつけるのに賛成ではなかった。なぜなら、僕の絵本を購入してくれる人はその内容と言うよりは、僕の絵を気に入ってくれているからだ。
正直、話の内容などどうでもいいのだ。逆に言ったら、違う人が書いた話に僕が絵を付ける方がいいと思っている。
それでも僕はそれをゴリ押しした。
出来上がってきた絵がイメージと合わず、出版社的にNGが出たとしても、僕は自費でその子の絵で絵本を出そうと決めていた。
なぜだか分からない。
僕の中のその子に対するこだわりだった。
僕の心を表したような絵を描いて、僕の望む彼の心を手に入れた子。
きっと僕は、自分が思っている以上にその子のことを気にしていた。
いっそ下手くそだったらいいのに。
そう思って見たその子の絵は、数年前に初めてネットで見た時と同じ・・・いや、それ以上の衝撃を僕に与えた。
涙が出た。
なんでこの子は、こんなにも的確に僕の思いを表すのだろう。
ほんの気まぐれだった。
ストレスが頂点に達して、半分現実逃避の様に描き上げ、勢いで応募したものだ。それが賞を取ってしまったのだ。
人生何が起こるかわからない。
一重にその思いに尽きる。
そこから僕はすっぱり会社を辞め、絵本一本で生きていくことにした。最初は不安もあり、実際に貯金を崩しての生活が続いたのだけど、本当に人生何が起こるか分からないもので、ある絵本がヒットを飛ばし、そこから絵本作家として安定した生活ができるようになったのだ。
と言っても贅沢ができるほどの稼ぎはないけれど、オメガが一人で生きていくには十分だった。
そんな時に出会った、Sさんと思われる絵の作者さん。
彼の事務所の社員になったと言うその子に、僕は絵の依頼をした。最初はいま大変な時期だから、と本人に話も通してもらえなかったんだけど、二ヶ月が経った頃、急にOKが出た。
すごくうれしかった。
でも急にどうして?
そんな思いを胸に、僕は久しぶりに彼に会うことになった。直接依頼する仕事の内容を告げるために。
なのにそこで聞いたのは・・・。
その子がオメガであるということ。
どうして?
オメガが苦手だったんじゃないの?
ずっとそばにいて、オメガの子が彼に近づいて来る度にそれはそれは嫌そうに、うんざりした顔をする彼を間近に見てきた。
だから僕は最初から諦めて、彼の友人に徹しようとしてきたのに・・・。
僕の心を知らない彼は、うれしそうにその子のことを話す。
『放って置けないんだ』
彼が好きになるくらいだから、訳ありなのだろうとは思っていたけど、その子の訳は予想を越えていた。
オメガのその子は妊娠して、一人で子供を生んで育てるというのだ。
その子を支えたい。
子供の父親になりたい。
純粋にそう語る彼の話を笑顔で聞きながら、僕は心の中が少しずつ凍えてくるのが分かった。
彼のそばにいると世界が輝く。
今も輝いて見える。
だけど、心が寒かった。
伝えられない思い。
報われない思い。
消すことの出来ない思い。
僕の心のその思いは少しずつ冷えていき、凍りついていく。
このまま心の全てが凍りついて、何も感じなくなればいいのに。
そんな心の闇を抱えながら依頼した絵を待っていると、それは思いのほかとても早く手元に届いた。
実は契約している出版社的には、僕の絵本に違う人が絵をつけるのに賛成ではなかった。なぜなら、僕の絵本を購入してくれる人はその内容と言うよりは、僕の絵を気に入ってくれているからだ。
正直、話の内容などどうでもいいのだ。逆に言ったら、違う人が書いた話に僕が絵を付ける方がいいと思っている。
それでも僕はそれをゴリ押しした。
出来上がってきた絵がイメージと合わず、出版社的にNGが出たとしても、僕は自費でその子の絵で絵本を出そうと決めていた。
なぜだか分からない。
僕の中のその子に対するこだわりだった。
僕の心を表したような絵を描いて、僕の望む彼の心を手に入れた子。
きっと僕は、自分が思っている以上にその子のことを気にしていた。
いっそ下手くそだったらいいのに。
そう思って見たその子の絵は、数年前に初めてネットで見た時と同じ・・・いや、それ以上の衝撃を僕に与えた。
涙が出た。
なんでこの子は、こんなにも的確に僕の思いを表すのだろう。
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