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自分では決して描き表せない世界。けれどそれは、紛れもなく僕の思いそのままだった。
嫌いになれたら良かったのに。
でも、少なくともその絵を見て僕はその子を嫌いになれなかった。
その絵を僕の担当に見せ、直ぐにOKが出ると、僕は連絡をする時間も惜しんで彼の事務所に行った。
この絵の作者に会うために。
嫌なやつだったらいいのに。
絵を見たときと同じことを思って行ったのに、実物のその子はそんなことを思うのも悪いくらいいい子だった。
その子は今回『さかな』ちゃんという名で絵本に載ることになった。そしてやっぱり、『S』さんと同一人物だった。
初めて会ったさかなちゃんは、とてもかわいらしかった。柔らかい笑顔で、大きなお腹を撫でる。そしてはにかんだように笑って、
『好きな人の子です』
と言ったその笑顔はとてもキレイだった。
ああ、彼が好きになるのが分かる。僕も応援してあげたくなっちゃう。
純粋で素直なさかなちゃんは、本当にいい子だった。
嫌いになんてなれるわけが無い。
僕も大好き。
応援するね。
二人のこと。
だからちゃんと二人が上手くいったら、今度こそちゃんと僕も諦めるよ。
だから早く、二人の幸せな姿を見せてね。
なのに僕のこの恋は、とことん上手くいかないらしい。
なんと彼が、さかなちゃんと元彼のよりを戻してしまったのだ。
バカじゃないの?
僕の目から見ても、さかなちゃんの彼に対する印象は良かった。
彼の優しさに申し訳ないと感じつつ、それでも遠慮しながら甘え、そして一生懸命彼の思いを受け入れようとしているのが僕にも分かった。
あのままにしていれば、きっとさかなちゃんは彼を好きになったかもしれないのに・・・。
彼だって今回は本気だった。
今までにないくらい早い段階で思いを告げ、相談に乗るだけじゃなくて積極的に手も貸していた。
本気で父親になるつもりだったくせに・・・。
健診にもついて行って、出産に立ち会うための講習も受けて、なのになんで・・・。
『好きな子には幸せになってもらいたいでしょ?』
そう言って笑ったけど、その顔は悲しげだった。
僕だって幸せになってもらいたかったよ。
僕は決して口に出来ない言葉を心の中で叫んだ。
それでも、無事出産したさかなちゃんにお祝いを言いたくて行った病院で、本人にはまだ会えなかったけど、赤ちゃんを見ることが出来た。
すやすや眠るその赤ちゃんは、さかなちゃんに似てとても柔らかいお顔をしている。
無条件にかわいい。
隣でも彼が優しい顔で赤ちゃんを見ている。
この人の子供が欲しい・・・。
その横顔を見ながら、無意識に思ってしまった。
さかなちゃんに初めて会った時も、その大きなお腹を愛おしげに撫でるのを見て、羨ましいと思った。僕も赤ちゃんが欲しい、と。
でも僕は、好きな人の子供を授かることは出来ない。だから誰かに子種だけでももらおうかな、と半分本気で思ったのだ。
だけど、やっぱりこの人の子が欲しい。
だから帰りに送ってもらった車の中で言ってしまった。
今までずっと隠してきた思いを。
『もう僕にしときなよ。こんなに一途にずっと思ってあげてるんだから』
びっくりしてこちらを見る彼に、僕は真剣な思いをぶつけた。
なのに彼は・・・。
『オレ、お前にそんな心配されるくらい落ち込んでた?ダメだな。これじゃああの子にも心配かけちゃうな。悪い、お前にそんなことまで言わせて』
そう言って僕の頭をグリグリ撫でた。
・・・冗談にされた?
僕の本気の言葉は、彼を慰め奮い立たせるための冗談として彼は受け取られた。
僕の心は一瞬で凍りつき、ヒビが入った。そして、端から崩れていく。
もう限界だった。
嫌いになれたら良かったのに。
でも、少なくともその絵を見て僕はその子を嫌いになれなかった。
その絵を僕の担当に見せ、直ぐにOKが出ると、僕は連絡をする時間も惜しんで彼の事務所に行った。
この絵の作者に会うために。
嫌なやつだったらいいのに。
絵を見たときと同じことを思って行ったのに、実物のその子はそんなことを思うのも悪いくらいいい子だった。
その子は今回『さかな』ちゃんという名で絵本に載ることになった。そしてやっぱり、『S』さんと同一人物だった。
初めて会ったさかなちゃんは、とてもかわいらしかった。柔らかい笑顔で、大きなお腹を撫でる。そしてはにかんだように笑って、
『好きな人の子です』
と言ったその笑顔はとてもキレイだった。
ああ、彼が好きになるのが分かる。僕も応援してあげたくなっちゃう。
純粋で素直なさかなちゃんは、本当にいい子だった。
嫌いになんてなれるわけが無い。
僕も大好き。
応援するね。
二人のこと。
だからちゃんと二人が上手くいったら、今度こそちゃんと僕も諦めるよ。
だから早く、二人の幸せな姿を見せてね。
なのに僕のこの恋は、とことん上手くいかないらしい。
なんと彼が、さかなちゃんと元彼のよりを戻してしまったのだ。
バカじゃないの?
僕の目から見ても、さかなちゃんの彼に対する印象は良かった。
彼の優しさに申し訳ないと感じつつ、それでも遠慮しながら甘え、そして一生懸命彼の思いを受け入れようとしているのが僕にも分かった。
あのままにしていれば、きっとさかなちゃんは彼を好きになったかもしれないのに・・・。
彼だって今回は本気だった。
今までにないくらい早い段階で思いを告げ、相談に乗るだけじゃなくて積極的に手も貸していた。
本気で父親になるつもりだったくせに・・・。
健診にもついて行って、出産に立ち会うための講習も受けて、なのになんで・・・。
『好きな子には幸せになってもらいたいでしょ?』
そう言って笑ったけど、その顔は悲しげだった。
僕だって幸せになってもらいたかったよ。
僕は決して口に出来ない言葉を心の中で叫んだ。
それでも、無事出産したさかなちゃんにお祝いを言いたくて行った病院で、本人にはまだ会えなかったけど、赤ちゃんを見ることが出来た。
すやすや眠るその赤ちゃんは、さかなちゃんに似てとても柔らかいお顔をしている。
無条件にかわいい。
隣でも彼が優しい顔で赤ちゃんを見ている。
この人の子供が欲しい・・・。
その横顔を見ながら、無意識に思ってしまった。
さかなちゃんに初めて会った時も、その大きなお腹を愛おしげに撫でるのを見て、羨ましいと思った。僕も赤ちゃんが欲しい、と。
でも僕は、好きな人の子供を授かることは出来ない。だから誰かに子種だけでももらおうかな、と半分本気で思ったのだ。
だけど、やっぱりこの人の子が欲しい。
だから帰りに送ってもらった車の中で言ってしまった。
今までずっと隠してきた思いを。
『もう僕にしときなよ。こんなに一途にずっと思ってあげてるんだから』
びっくりしてこちらを見る彼に、僕は真剣な思いをぶつけた。
なのに彼は・・・。
『オレ、お前にそんな心配されるくらい落ち込んでた?ダメだな。これじゃああの子にも心配かけちゃうな。悪い、お前にそんなことまで言わせて』
そう言って僕の頭をグリグリ撫でた。
・・・冗談にされた?
僕の本気の言葉は、彼を慰め奮い立たせるための冗談として彼は受け取られた。
僕の心は一瞬で凍りつき、ヒビが入った。そして、端から崩れていく。
もう限界だった。
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