ほたるのゆめ

ruki

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うっ・・・う・・・ん・・・んっ。

漏れそうになる声を唇を噛んで堪え、震える身体を壁に手を当てて必死に支える。

発情期の熱と後孔の中を掻き出す指の動きに身体が反応し始め、膝が崩れて身体から力が抜ける。それを腰に回した手で支えた優人はその腕に力を込めると僕の身体を引き寄せる。

ぎゅっと後ろから抱きしめた優人が、僕のうなじにその鼻を埋める。その感触にかろうじて残った理性が反応する。

「やだっ」

僕は身を起こして、力の入らない手で必死に優人の腕を外そうとする。

離して・・・!

暴れる僕をさらに強い力で抱きしめると、優人はそのまま僕のうなじに鼻を押し付けた。

「や・・・めて・・・っ」

もう頭はパニックを起こし、今何が起こっているのか理解できない。

なんで?
なんでこんなことするの?

嗅がないで。
僕の溢れ出す発情期のフェロモン。
優人が嫌いな香り。

優人の嫌いな発情期のオメガ。
その浅ましい姿といやらしい香り。

僕は絶対に見せなくない姿を見られ、香りを嗅がれて、凍った心が砕け散るのを感じた。

もう・・・ダメだ・・・完全に優人は僕のことを嫌う。

ヒックと喉がなった。それを皮切りに、嗚咽が込み上げてくる。

こんなに悲しくて心が粉々に砕け散ったのに、発情した身体はアルファに抱きしめられて歓喜している。

子供のようにしゃくり上げて泣く僕に、戸惑ったように優人が囁く。

「オ・・・じゃ・・・のか・・・?」

優人の手から離れたシャワーがその勢いで浴室内を暴れ、優人の声をかき消す。

聞こえなかった言葉に僕の頭は反応しない。

ただただ理解を越えたこの状況に、僕の嗚咽は止まらない。
もう僕は抵抗すら忘れて、床にへたりこんで泣いていた。そんな僕の背中を倒れないように支えながら、優人は暴れるシャワー止めた。すると浴室には僕の嗚咽だけが響き渡る。

「蛍、ごめん。泣かないで」

耳元で囁かれたその声は、今度はちゃんと聞こえたけれど、僕はそのまま泣き続けた。

もういやだ・・・。

何もかも嫌だ。
こんなところで裸で座ってるのも、なんでか優人に抱きしめられていることも。

もう元に戻して。
さっきの・・・優人が来る前の時間に。

順調に発情期を過ごしていたあの時間に戻して・・・!

そもそもなんで優人がいるの?
なんで来たの?
なんで部屋に入ってこれたの?
鍵はかかってたはずなのに・・・。

発情期の香りを嗅がれるのも嫌なのに、その姿を見られ、しかもこともあろうにその最中まで・・・!

絶対に見られた。
僕が誠也としてるとこ。

僕が誠也のものをあそこに・・・。

その時鼓動が大きくなった。

ただでさえ発情した身体は感じやすく、すぐ反応してしまうのに、その上再びやってきた波が僕の意識を飲み込もうとしている。

いやだ。
こんなところで、優人の前で意識を飛ばすなんて・・・!

発情で意識を飛ばしたオメガはただのケモノ。
アルファの精を求め、ひたすら淫らに乱れていく。

そんな姿を見せたくない。

けれど、嫌だと言っても発情の波は容赦なく僕を飲み込んでいく。

上がる呼吸と上気した顔。そして何も付けずに晒された下肢は大きく膨らみ、その頭をもたげる。

呼吸を荒くし身体を小刻みに震わす僕を、優人はいったん壁に寄りかからせて僕から離れると、すぐにバスタオルを持って戻ってきた。そして、それで僕を包み込む。
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