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3章 東西都市国家大戦編
魔都2
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引き続きクロム分隊は奥へ進み、トウキョウ兵に備える。
今更ながら、ここの地形は入り組み過ぎる構造で
把握するにも一苦労するばかりだ。
(地下はずいぶんと冷える)
おまけに暗く、円柱状の空洞が曲がりくねった構造により
土地勘が目まぐるしくなりそうだ。ここは面積が狭いとはいえ、
あれだけの武装を備える量があるのは地下整備場を設けるために
縦長の構造をしているくらい予測できている。
タツキはオキナワCNへナビゲートさせるために待機、
関西の後続部隊として任せようとした。
タートルを装着していてなおさら狭い感覚、
スムーズに先へ進める状態じゃない。
「狭いエリアだからとはいえ、安全に行ける保証はない。
当然、敵もここで待ち伏せしている可能性がある」
「「分析だとそこの通路は港への地下通路として造られた可能性が
あるみたいで、敵も待ち伏せていると思う。
でも、こっちでも反応が今一つで色々おかしいわ」」
イリーナ達の見解で、俺達は確かに海域からの潜入に成功できた。
約101年にわたるトウキョウ攻略においてやっと到着できた今、
目的を果たせそうな気がする。
ただ、静けさは安心ある場所などといった解釈ができない。
前にもこんな感じがした経験があったかもしれない。
皮肉にも、その予想は現実のものとなる。
「3時の方向205m」
ダンッ
暗がりの先から銃声がした。
クロム達にとって、その音は聴き慣れたもの。
いや、あってはならない恐るべきものだと言い換えるべきだ。
音感を計測したイリーナも少し声色を変えて発言した。
「「この銃声音って、もしかして」」
「・・・・・・あの人がいる」
ダンッ キィン
「ぐぅんっ!?」
1人、メンバーが撃たれた。
前方を確認しても、敵の姿がないあの戦法を目にしたならば
なおさら相手の正体は決まっている。
しかし、そんな光景よりも、先程の攻撃に違和感が生じた。
「弾が跳ね返ってくるぞ!?」
「跳弾だ、ただの鉛玉じゃない」
この仕様はアイチ兵の誰もが覚えのあるものだった。
蒼ざめて戦慄するイリーナが応答する。
「「大丈夫、クロム!?」」
「大丈夫だ、だが相手の方が大丈夫すぎる」
「「ニイガタ兵隊長、トム。
まさか、あの人とここで遭遇するなんて・・・」」
「中部から分裂以降、こうなるのは予測していた。
やむを得ず対抗するが、まだ決め手がない」
「「的確に敵影を捉える人でしょ?
私も前からその人のスキルを不思議に思ってた」」
でも、タートルを来ているから弾を恐れる事もない。
あの人が出ていってから造った規格、情報はどこにも漏れていないはずで
爆破武器以外ダメージを受けるはずがない。このまま進んでも問題ないと
モブ兵が一歩足を踏み出した時。
ビリイッ
「ぼごぉぶぐぐぐぶるるるみょおおおぉぉ!?」
「電圧!?」
「下がれェ!?」
3Dモールで改めて周囲を再検知させる。
外観はほぼコンクリートブロックで敷き詰められた天井も4mくらいの
細道だが、黒い配線が並んでいる場所もある。
「タートルは危険か・・・外していく」
「りょ、了解」
通常の靴底ならゴム製で絶縁体だから感電の危険がなくなる。
ただ、銃弾や砲撃の方が大きく偏るので心配は変わらず続く。
こちらから向かいはまったく見えない、そんな状況でかいくぐらないと
いつまでも解決できないからだ。
ダンッ
「むごおっ!?」
また1人、数回跳ね返ってくる塊に当たる。
普通は反射する物体を当てるなんてしない、角度を計算する必要もあり
威力も低減してしまうから軍事行動としてもおかしい。
見回したところ、監視カメラの類はない。小型などはあるかもしれないが、
あったとしても動いているこちらをエイムできる技量は難しいはず。
ただ、正確に位置を捉えられる者なら話は別だろう。
イリーナの方はどう視えているのか聞く。
「機械を利用、頼らずにできるはずがない。ないが、実際にやっている。
物理化学の観点から、何か分かる事はないか?」
「「離れた場所の相手を特定する方法か・・・。
監視カメラ、赤外線センサー、3Dモール・・・
ああっ、でも電波障害の区域じゃ」」
「この深さと死角だらけで観えるわけがない。
もっと現実的な要素はないのか?」
「「なら熱や音しかないじゃない。
昔のデータで気功なんていう力について、
それが遠赤外線の話もあるけど、不確定要素だし。
人体から出るものなんて、それくらいしか・・・」」
「熱と音・・・」
わずかな時間でも、振り絞って頭を回転させる。
そして、有りえそうな可能性を1つ見出した。
「体の震えによる空気振動で位置を特定している?」
グンマ兵と遭遇した時もそうだった。
視覚ではなく、聴覚で判断している節があったからだ。
かつてニイガタを訪れた時、決して配置から動かないポジショニングの
先鋭的な兵士は目に頼らない者達ばかりだった。
降雪量の多いあの地域はどこよりも狭さと静けさがある。
トム達はあの環境を糧に、そんな能力を身に付けていたのだろう。
この閉ざされた空間ならばなおさらだ。
イリーナが俺の見方を言い返す。
「「震える振動? そんな現象を離れた人がどうやって?」」
「ヨゼフィーネが前に似たような事を言ってた。
格闘技でも相手がいつパンチを繰り出すのか、肩の動き以外で
身体のわずかなブレを読むとか・・・気配というのか」
共通点があるのかまで定かじゃないが、人は居るだけで何かしら
波を立てる事もある。呼吸、放熱、ニイガタの気候はそういった動物の
存在に敏感で慢性的な者には感じ取れない何かが分かるのだろう。
だが、乗り越えられる可能性はある。
アイチにはない備品、兵器以外の物を与えられてチャンスをさらに
広げられていたからだ。
「9・・・10・・・11・・・ん、増えたな?」
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ
「!?」
地下道に震える鈍い音が鳴りだした。
バイブレーションの振動音は地下に張り巡らされたからだ。
「「うわぇう、うるさ!?」」
「電気変換の出力消音器を外した、しばらく我慢してくれ」
「ほう、この聴きなれた振動音はアイチの物。
彼がここにやって来たのか・・・」
音に紛れて死角に守られつつ近づいていく。
正念場であるこの瞬間、もうここからは逃げられない。
ライオットギアの駆動音が響くこんな空洞内でも、
トムは冷静に敵の気配を追跡していく。
「「3Dモール通信に切り替え、5人ずつ分かれて前進。
単独にならないようまとまって行く」」
「「了解」」
アイチ兵はまとめて攻撃できない地形と分かり、複数のグループに
陣形を変えて行動を取り直す。メンバーの誰しもが避けられない中で、
最低限の勇気をもって進む。
ダンッ ヒュンッ
「はうっ、うわおっ!?」
「「大きな声を出すな、気付かれる」」
跳ね返る弾が横切り、アイチモブ兵もつい驚く。
暗い、撃たれる、そんな場に身を置く時点で恐怖に踊らされるだろう。
ただ、弾を撃ちだす方もそれなりの節がある。
通常の発射音でなく、サプレッサーを装着しているようで小さいものの、
反射する数も減っている。つまり、射出部が身近にいる証拠。
そして、とうとうクロムの居場所を突き止めた。
(突き当たり角、3m・・・俺の動きでも)
といった自信があるかは保障がない。だが、俺が先に行かなければ
部下達に示しがつかない。一歩、どうにか無心に足を踏み込んで跳ぶ。
目標がすぐ目前にいた。
「君はそこに居るのだろう?
あまりにも聴きなれた音だよ、的が自らやって来るのに等しい。
残念ながら 私が察知しているのは機械音だけではない」
「・・・・・・」
お互いの距離約2m、トムと対面した。
クロムの右手にする武器が彼の方へ真っ直ぐ定めていく。
ズシャッ
「「君の勝ちだ」」
ドサッ
トムが倒れる、俺は銃でなくマチェットで攻撃。
座っていたトムに目がけて突き刺して、行動を停止させる。
文字通りの瞬間決着だ。
「はあっ、はあっ」
息切れしそうになる、恐怖のプレッシャーを解放していく。
地上、及び地下によるクロムにとっての初勝利。
相手が相手だけに、重圧も尋常ではない。
それと先程の違和感の正体もようやく気付きだした。
この地下エリアにはトム隊長1人しかいなかったのだ。
「あなただけ、ここを守備していたとは・・・」
「「ふふっ、部下達は・・・ここに・・・置けんよ」」
薄暗い天井に目を向けて事情を話す。
トウキョウ第710部隊に就いていたのは私のみ。
巻き添えにさせたくなく、部下はここに連れてこなかった。
そして、アイチ兵が侵入してきた事はとっくに理解できていたが、
突然感知が無数にブレ始めて判断を誤ってしまう。
「「君の振動は・・・的確に捉えていたはず・・・何故だ?」」
「申し訳ないが、それも誤魔化しました・・・」
デコイで誤認を狙ったのだ。先のラメッシュから受け取った物。
装甲の内部と外では温度が異なり、温度変化で振動音も変わる
ドップラー効果でトムの感覚を狂わせたのだ。
「「やはり・・・内側からでは避けられんな・・・ゴフッ」」
「すみません・・・」
この人も優秀な軍人で数々の功績を上げてきた。
かつての中部の重鎮の1人、能力も歴代で類をみない能力をもって。
だが、もう助かりそうもない。手加減の許されない世界で
こちらもCNを解放させるためにここまで来た。
トム隊長は最後の言葉を途切れ途切れに語る。
「「君は・・・勝利したんだ・・・若者らしく
後ろを・・・振り向かずに・・・進むんだ、
部下達に・・・示しが・・・つかんぞ」」
「はい」
トム ロスト
俺は黙祷をささげ、トムの扱っていた機材からデータを調べ上げ、
本部に報告する。
「トウキョウのエリアマップを入手した。今からそちらにデータを送る」
「「了解」」
「「やったわね!」」
素直に喜べない、かつての同胞を討ったから当然。
彼の遺体は運ばれて艦へ収容されていく。
こんな時でも、うまく感情をだせない自身らしい発言を
周りに聞かせるだけだ。
「人の命まではスキャンできない」
今更ながら、ここの地形は入り組み過ぎる構造で
把握するにも一苦労するばかりだ。
(地下はずいぶんと冷える)
おまけに暗く、円柱状の空洞が曲がりくねった構造により
土地勘が目まぐるしくなりそうだ。ここは面積が狭いとはいえ、
あれだけの武装を備える量があるのは地下整備場を設けるために
縦長の構造をしているくらい予測できている。
タツキはオキナワCNへナビゲートさせるために待機、
関西の後続部隊として任せようとした。
タートルを装着していてなおさら狭い感覚、
スムーズに先へ進める状態じゃない。
「狭いエリアだからとはいえ、安全に行ける保証はない。
当然、敵もここで待ち伏せしている可能性がある」
「「分析だとそこの通路は港への地下通路として造られた可能性が
あるみたいで、敵も待ち伏せていると思う。
でも、こっちでも反応が今一つで色々おかしいわ」」
イリーナ達の見解で、俺達は確かに海域からの潜入に成功できた。
約101年にわたるトウキョウ攻略においてやっと到着できた今、
目的を果たせそうな気がする。
ただ、静けさは安心ある場所などといった解釈ができない。
前にもこんな感じがした経験があったかもしれない。
皮肉にも、その予想は現実のものとなる。
「3時の方向205m」
ダンッ
暗がりの先から銃声がした。
クロム達にとって、その音は聴き慣れたもの。
いや、あってはならない恐るべきものだと言い換えるべきだ。
音感を計測したイリーナも少し声色を変えて発言した。
「「この銃声音って、もしかして」」
「・・・・・・あの人がいる」
ダンッ キィン
「ぐぅんっ!?」
1人、メンバーが撃たれた。
前方を確認しても、敵の姿がないあの戦法を目にしたならば
なおさら相手の正体は決まっている。
しかし、そんな光景よりも、先程の攻撃に違和感が生じた。
「弾が跳ね返ってくるぞ!?」
「跳弾だ、ただの鉛玉じゃない」
この仕様はアイチ兵の誰もが覚えのあるものだった。
蒼ざめて戦慄するイリーナが応答する。
「「大丈夫、クロム!?」」
「大丈夫だ、だが相手の方が大丈夫すぎる」
「「ニイガタ兵隊長、トム。
まさか、あの人とここで遭遇するなんて・・・」」
「中部から分裂以降、こうなるのは予測していた。
やむを得ず対抗するが、まだ決め手がない」
「「的確に敵影を捉える人でしょ?
私も前からその人のスキルを不思議に思ってた」」
でも、タートルを来ているから弾を恐れる事もない。
あの人が出ていってから造った規格、情報はどこにも漏れていないはずで
爆破武器以外ダメージを受けるはずがない。このまま進んでも問題ないと
モブ兵が一歩足を踏み出した時。
ビリイッ
「ぼごぉぶぐぐぐぶるるるみょおおおぉぉ!?」
「電圧!?」
「下がれェ!?」
3Dモールで改めて周囲を再検知させる。
外観はほぼコンクリートブロックで敷き詰められた天井も4mくらいの
細道だが、黒い配線が並んでいる場所もある。
「タートルは危険か・・・外していく」
「りょ、了解」
通常の靴底ならゴム製で絶縁体だから感電の危険がなくなる。
ただ、銃弾や砲撃の方が大きく偏るので心配は変わらず続く。
こちらから向かいはまったく見えない、そんな状況でかいくぐらないと
いつまでも解決できないからだ。
ダンッ
「むごおっ!?」
また1人、数回跳ね返ってくる塊に当たる。
普通は反射する物体を当てるなんてしない、角度を計算する必要もあり
威力も低減してしまうから軍事行動としてもおかしい。
見回したところ、監視カメラの類はない。小型などはあるかもしれないが、
あったとしても動いているこちらをエイムできる技量は難しいはず。
ただ、正確に位置を捉えられる者なら話は別だろう。
イリーナの方はどう視えているのか聞く。
「機械を利用、頼らずにできるはずがない。ないが、実際にやっている。
物理化学の観点から、何か分かる事はないか?」
「「離れた場所の相手を特定する方法か・・・。
監視カメラ、赤外線センサー、3Dモール・・・
ああっ、でも電波障害の区域じゃ」」
「この深さと死角だらけで観えるわけがない。
もっと現実的な要素はないのか?」
「「なら熱や音しかないじゃない。
昔のデータで気功なんていう力について、
それが遠赤外線の話もあるけど、不確定要素だし。
人体から出るものなんて、それくらいしか・・・」」
「熱と音・・・」
わずかな時間でも、振り絞って頭を回転させる。
そして、有りえそうな可能性を1つ見出した。
「体の震えによる空気振動で位置を特定している?」
グンマ兵と遭遇した時もそうだった。
視覚ではなく、聴覚で判断している節があったからだ。
かつてニイガタを訪れた時、決して配置から動かないポジショニングの
先鋭的な兵士は目に頼らない者達ばかりだった。
降雪量の多いあの地域はどこよりも狭さと静けさがある。
トム達はあの環境を糧に、そんな能力を身に付けていたのだろう。
この閉ざされた空間ならばなおさらだ。
イリーナが俺の見方を言い返す。
「「震える振動? そんな現象を離れた人がどうやって?」」
「ヨゼフィーネが前に似たような事を言ってた。
格闘技でも相手がいつパンチを繰り出すのか、肩の動き以外で
身体のわずかなブレを読むとか・・・気配というのか」
共通点があるのかまで定かじゃないが、人は居るだけで何かしら
波を立てる事もある。呼吸、放熱、ニイガタの気候はそういった動物の
存在に敏感で慢性的な者には感じ取れない何かが分かるのだろう。
だが、乗り越えられる可能性はある。
アイチにはない備品、兵器以外の物を与えられてチャンスをさらに
広げられていたからだ。
「9・・・10・・・11・・・ん、増えたな?」
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ
「!?」
地下道に震える鈍い音が鳴りだした。
バイブレーションの振動音は地下に張り巡らされたからだ。
「「うわぇう、うるさ!?」」
「電気変換の出力消音器を外した、しばらく我慢してくれ」
「ほう、この聴きなれた振動音はアイチの物。
彼がここにやって来たのか・・・」
音に紛れて死角に守られつつ近づいていく。
正念場であるこの瞬間、もうここからは逃げられない。
ライオットギアの駆動音が響くこんな空洞内でも、
トムは冷静に敵の気配を追跡していく。
「「3Dモール通信に切り替え、5人ずつ分かれて前進。
単独にならないようまとまって行く」」
「「了解」」
アイチ兵はまとめて攻撃できない地形と分かり、複数のグループに
陣形を変えて行動を取り直す。メンバーの誰しもが避けられない中で、
最低限の勇気をもって進む。
ダンッ ヒュンッ
「はうっ、うわおっ!?」
「「大きな声を出すな、気付かれる」」
跳ね返る弾が横切り、アイチモブ兵もつい驚く。
暗い、撃たれる、そんな場に身を置く時点で恐怖に踊らされるだろう。
ただ、弾を撃ちだす方もそれなりの節がある。
通常の発射音でなく、サプレッサーを装着しているようで小さいものの、
反射する数も減っている。つまり、射出部が身近にいる証拠。
そして、とうとうクロムの居場所を突き止めた。
(突き当たり角、3m・・・俺の動きでも)
といった自信があるかは保障がない。だが、俺が先に行かなければ
部下達に示しがつかない。一歩、どうにか無心に足を踏み込んで跳ぶ。
目標がすぐ目前にいた。
「君はそこに居るのだろう?
あまりにも聴きなれた音だよ、的が自らやって来るのに等しい。
残念ながら 私が察知しているのは機械音だけではない」
「・・・・・・」
お互いの距離約2m、トムと対面した。
クロムの右手にする武器が彼の方へ真っ直ぐ定めていく。
ズシャッ
「「君の勝ちだ」」
ドサッ
トムが倒れる、俺は銃でなくマチェットで攻撃。
座っていたトムに目がけて突き刺して、行動を停止させる。
文字通りの瞬間決着だ。
「はあっ、はあっ」
息切れしそうになる、恐怖のプレッシャーを解放していく。
地上、及び地下によるクロムにとっての初勝利。
相手が相手だけに、重圧も尋常ではない。
それと先程の違和感の正体もようやく気付きだした。
この地下エリアにはトム隊長1人しかいなかったのだ。
「あなただけ、ここを守備していたとは・・・」
「「ふふっ、部下達は・・・ここに・・・置けんよ」」
薄暗い天井に目を向けて事情を話す。
トウキョウ第710部隊に就いていたのは私のみ。
巻き添えにさせたくなく、部下はここに連れてこなかった。
そして、アイチ兵が侵入してきた事はとっくに理解できていたが、
突然感知が無数にブレ始めて判断を誤ってしまう。
「「君の振動は・・・的確に捉えていたはず・・・何故だ?」」
「申し訳ないが、それも誤魔化しました・・・」
デコイで誤認を狙ったのだ。先のラメッシュから受け取った物。
装甲の内部と外では温度が異なり、温度変化で振動音も変わる
ドップラー効果でトムの感覚を狂わせたのだ。
「「やはり・・・内側からでは避けられんな・・・ゴフッ」」
「すみません・・・」
この人も優秀な軍人で数々の功績を上げてきた。
かつての中部の重鎮の1人、能力も歴代で類をみない能力をもって。
だが、もう助かりそうもない。手加減の許されない世界で
こちらもCNを解放させるためにここまで来た。
トム隊長は最後の言葉を途切れ途切れに語る。
「「君は・・・勝利したんだ・・・若者らしく
後ろを・・・振り向かずに・・・進むんだ、
部下達に・・・示しが・・・つかんぞ」」
「はい」
トム ロスト
俺は黙祷をささげ、トムの扱っていた機材からデータを調べ上げ、
本部に報告する。
「トウキョウのエリアマップを入手した。今からそちらにデータを送る」
「「了解」」
「「やったわね!」」
素直に喜べない、かつての同胞を討ったから当然。
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