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第六章:奪われた王冠に、炎の誓いを――動乱の王都で少女は革命を選ぶ
第100話:明星、神罰を下す
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王都の廃校をきっかけに、学生たちの抗議運動が勃発した。
それはもちろん、クセリオス公爵の耳にも届いている。
「いかがなさいますか、公爵さま」
執事のサバスはクセリオスに指示を仰いでいる。
「制圧なさい。兵器も持たないゴミどもに、いつまでも手こずっているな。リーダー格は必ず捕らえ、見せしめの極刑に処す……そうすれば、もう反逆を口にする者などいなくなるだろう。民は導かれる者であり、導く者ではない」
「かしこまりました。直ちに」
「それと、“公爵”ではなく、“王”であるぞ」
*
学校の正門前。かつてこの学校に通った生徒たちがここに集まっている。
彼らの手にあるのは武器ではなく、抗議の看板と横断幕。
「カズキ王の解放を要求する!」
「学校の廃校断固拒否!」
「民に自由を、国に平等を!」
こうした文字が書かれていた。皆、学生になる前は奴隷か農民しかなかった底辺の出身。
だが、カズキ王の“異世界の思想”の影響で、彼らはこうして集まり、昔は恐れていた権力者たちに、いま反抗している。
一つのテントには、その抗議活動のリーダーがいた。
それがダスだ。グラナール平民出身の彼は、ルキエルとの出会いで人生を変えた。将来、彼と一緒に冒険するために王都の学校に入学し、今に至る。
「ダス! うちの姉ちゃんが米を届けたぜ!」
抗議中でも食事は必要だ。そのため、マリ商会が密かに彼らを支援している。
その仲介役が、マリの弟トム。今、テントに入ってきた少年がそうだ。
「ありがと、助かった。マリさんのおかげで、俺たちは今日まで続けていられた。彼女に感謝しなきゃ。でも、できればもっと抗議する人を増やしたい……カズキ王の処刑はもう近い」
「本当に成功できるか? 剣を取って反抗した方が早くねぇか?」
「それは最後の手段だ。武装革命になれば、たくさんの血が流れる。それはカズキ王も望んでいないだろ」
「わかった。じゃ、俺は他の人たちに声をかけてくる」
「お願いだ。衛兵には気をつけろ。あいつが、どこまでやるつもりか、俺たちには分からない」
トムがテントを出ていき、ダスは“約束の羽”を見つめながら、ルキエルのことを思い出す。
(ルキエル、俺に勇気と勝利をくれ――)
彼は心の中でそう祈った。
*
だが運命は、残酷で、予兆すら見せてくれない。
異変を最初に感じたのは、トムだった。
今日もいつものように抗議者を増やすため、市場へ出たはずだったが――誰もいない。
静かすぎる……
夕飯の時間なのに、買い出しの主婦たちもいなければ、店の人間も、旅人すらいない。
その原因は、すぐにわかる。
トムは聞いた。何かが、高速で空気を掠める音――その音は次第に近づき、
「うわあああっ!」
仲間の悲鳴と共に、矢が降り注いだ。
「矢だ! 衛兵たちが矢を放った!」
その声が届く前に、無数の矢が空から雨のように舞い降りた。
武力制圧――しかも、前触れもなく。
クセリオス公爵は、彼らと交渉する気など最初からなかった。
独裁者は、“自由の芽”が大きくなる前に、根こそぎ焼き払おうとしたのだ。
たとえ、いくら血を流しても――構わずに。
「早く、ダスに知らせないと……! みんなが危ない!」
トムはダスがいる場所へと走った。だが――もうすべてが、遅かった。
悲鳴があちこちから上がる。
それは、仲間たちの絶叫だ。
王国の衛兵たちは、抗議のために集まった武器も持たぬ学生たちを、無慈悲に虐殺していた。
空気は、血と鉄の匂いに包まれた。
抗議の看板は地面に散らばり、書かれていた文字は血に染まり、もう読めなかった。
惨劇は止まらない。
それは、山崩れのように突然現れたのに、終わりは糸を引くようにゆっくりだった。
一秒ごとに、絶望が世界に滲み出ていた。
夕方の街が赤く染まって見えるのは――夕陽のせいか、それとも……
*
学校正門の状況も、当然のように酷かった。
戦争でもないのに、そこには屍の山ができていた。
衛兵たちは、残った学生を一人残らず掃討している。
――地獄ですら、こんな光景は見られないだろう。
ダスは襲撃に遭った際、近くにいた教師が彼を庇ったおかげで致命傷は免れたが、左肩と右目に矢が刺さっていた。
それでも、仲間の死を悼む時間も、痛みに嘆く暇もなかった。
逃げなければならない――
リーダーである自分が死んでしまえば、この抗議運動は失敗に終わる。
それは、死んだ同志たちの流した血が“無駄”になるということだ。
それだけは、絶対に避けなければならない。
今まで盗みの経験を利用し、ダスは王都の路地を縫うように走る。
その途中、仲間たちが次々と殺されていく様も、見てしまった。
だが、助けることはできなかった。
すべてを飲み込み、奥歯を噛みしめ、彼は“生き延びる道”を探した。
――だが、ここはクセリオス公爵が支配する王都。
逃げ場など、どこにもない。
教会の前で、ダスはついに衛兵たちに囲まれた。
そこへ駆けつけたトムも、すでに背中に矢を何本も受けており、虫の息だった。
「……あのガキが首謀者だな。クセリオス王の命により、打ち首にして、その頭を三日間、城門に晒すことにする」
(神よ……あなたは、なんと残酷な……
我々が、あなたの神殿の前で理不尽な死を迎えるなどと……)
ダスは最後の気力を振り絞り、ポケットから“あの時の羽”を取り出す。
「……お願い……助けて……ルキエル……!」
その願いを聞き届けたかのように、金色の羽がふわりと宙に舞い、眩い光を放った。
その光を浴びて、ダスとトムの傷は徐々に癒えていく。
さらに――羽は翼となった。
2枚、4枚、6枚……そして12枚の金色の翼がすべて展開され、そこに現れたのは――
《明けの明星》
「“ルキエル様”だ……」
その言葉は、彼の存在の威厳を示すものであり、
この瞬間、神よりも頼もしく感じられた。
衛兵たちも、突如として降臨した彼の存在に戸惑っていた。
やがて、隊長らしき者が声をかける。
「天使様、我々はただ、あの罪人たちを捕らえるだけでして……どうか……」
「僕に命令する気か? たかが人間風情が。身の程を知れ」
「い、いえ……これはお願いで……我々は、あなた様と敵対するつもりは……!」
「僕が、それを聞く義理などあると思うの? 敵対したらどうなるか――お前らに、何かできる?」
ルキエルは一歩も譲らぬ気配を見せた。
しかし、衛兵たちは功を焦るあまり、彼の恐ろしさから目を逸らしてしまった。
――そして、誰かが矢を放った。
だが。
その矢は、ルキエルに近づくことすらできず、空中で蒸発した。
彼の周囲は“神の領域”。
そこに至らぬ攻撃など、届くはずもない。
「……面白い。まだこの僕に喧嘩を売る愚か者が存在するとはね。……高く買おう」
その言葉と同時に、風が巻き起こる。
ルキエルの身を纏っていた白衣が、光に焼かれて一枚ずつ剥がれ落ちていく。
代わって彼の体を包んでいったのは、金属の重厚な輝き――
《全能神の要塞〈エルシャダイ・バスティオン〉》
熾天使が纏うべきとされる神鎧が、光の粒子となって彼の全身へと編み込まれていく。
肩には獅子のエンブレム。
胸には十二翼の刻印。
背には光の羽根を模した意匠。
そして最後に――
彼の右手に、“それ”は降りてきた。
《神罰の聖槍〈ロンギヌス〉》
神すら貫くと伝えられる裁きの神器が、天より雷と共に落ち、彼の手に収まった。
その刃先は、あらゆる悪を拒まず穿つ。
――ただの武器ではない。“意志”そのものだ。
ルキエルは静かに瞳を開いた。
そこに、先ほどまでの柔和な面影はなかった。
「……この姿は、“神魔大戦”以来か。光栄と思え。僕が――“本気”で戦ってあげる」
彼は天へと舞い上がり、《ロンギヌス》を高く掲げる。
そして、破滅の詠唱が始まった。
「暁の子、明けの明星よ――
天に登らんと欲し、神の座に己を並べし者よ。
されど汝、地に墜ち、墓所に堕ちぬ」
「我は天の剣、主の右に立ちし執行者――
汝が傲慢と罪に代価を。汝が流した血に裁きを。
汝が穢せし法に、永劫の焔を」
「汝が心に“われは神に等し”と誓うならば、
我はここに告ぐ――
『否、汝は塵なり。塵に還れ』と」
「神の名のもとに、いま、神罰を下す。
明星よ、堕ちよ…」
ロンギヌスは放たれた。
世界は“無音”に包まれた。
風が止まり、雲が裂け、空気が逆巻き、
ただ一筋、“神の意志”だけが光の矢となって地を貫く。
轟音は、ほんの一呼吸遅れてやってきた。
それはもはや“音”ではなかった。
神話の時代に交わされた天地創造の雷声――その残響にも似た衝撃だった。
着弾点は、一点。
だが次の瞬間、そこを“核”とした半径百メートルの地表が、塩のように崩れ去る。
爆発も閃光もない。ただ無慈悲な“消失”。
敵の身体は跡形もなく穿たれ、心臓の位置だけが虚空に浮かぶように焼き切られ、
その周囲にいた者たちは、裁かれた神の怒りをそのまま受け――骨すら残らず、光に還った。
残されたのは、巨大な“穴”。
罪が存在していたという痕跡すら残さぬ、“神の槍”の筆致だった。
ルキエルは手を静かに下ろし、ただひとこと、厳かに呟いた。
「――審判、完了。」
それはもちろん、クセリオス公爵の耳にも届いている。
「いかがなさいますか、公爵さま」
執事のサバスはクセリオスに指示を仰いでいる。
「制圧なさい。兵器も持たないゴミどもに、いつまでも手こずっているな。リーダー格は必ず捕らえ、見せしめの極刑に処す……そうすれば、もう反逆を口にする者などいなくなるだろう。民は導かれる者であり、導く者ではない」
「かしこまりました。直ちに」
「それと、“公爵”ではなく、“王”であるぞ」
*
学校の正門前。かつてこの学校に通った生徒たちがここに集まっている。
彼らの手にあるのは武器ではなく、抗議の看板と横断幕。
「カズキ王の解放を要求する!」
「学校の廃校断固拒否!」
「民に自由を、国に平等を!」
こうした文字が書かれていた。皆、学生になる前は奴隷か農民しかなかった底辺の出身。
だが、カズキ王の“異世界の思想”の影響で、彼らはこうして集まり、昔は恐れていた権力者たちに、いま反抗している。
一つのテントには、その抗議活動のリーダーがいた。
それがダスだ。グラナール平民出身の彼は、ルキエルとの出会いで人生を変えた。将来、彼と一緒に冒険するために王都の学校に入学し、今に至る。
「ダス! うちの姉ちゃんが米を届けたぜ!」
抗議中でも食事は必要だ。そのため、マリ商会が密かに彼らを支援している。
その仲介役が、マリの弟トム。今、テントに入ってきた少年がそうだ。
「ありがと、助かった。マリさんのおかげで、俺たちは今日まで続けていられた。彼女に感謝しなきゃ。でも、できればもっと抗議する人を増やしたい……カズキ王の処刑はもう近い」
「本当に成功できるか? 剣を取って反抗した方が早くねぇか?」
「それは最後の手段だ。武装革命になれば、たくさんの血が流れる。それはカズキ王も望んでいないだろ」
「わかった。じゃ、俺は他の人たちに声をかけてくる」
「お願いだ。衛兵には気をつけろ。あいつが、どこまでやるつもりか、俺たちには分からない」
トムがテントを出ていき、ダスは“約束の羽”を見つめながら、ルキエルのことを思い出す。
(ルキエル、俺に勇気と勝利をくれ――)
彼は心の中でそう祈った。
*
だが運命は、残酷で、予兆すら見せてくれない。
異変を最初に感じたのは、トムだった。
今日もいつものように抗議者を増やすため、市場へ出たはずだったが――誰もいない。
静かすぎる……
夕飯の時間なのに、買い出しの主婦たちもいなければ、店の人間も、旅人すらいない。
その原因は、すぐにわかる。
トムは聞いた。何かが、高速で空気を掠める音――その音は次第に近づき、
「うわあああっ!」
仲間の悲鳴と共に、矢が降り注いだ。
「矢だ! 衛兵たちが矢を放った!」
その声が届く前に、無数の矢が空から雨のように舞い降りた。
武力制圧――しかも、前触れもなく。
クセリオス公爵は、彼らと交渉する気など最初からなかった。
独裁者は、“自由の芽”が大きくなる前に、根こそぎ焼き払おうとしたのだ。
たとえ、いくら血を流しても――構わずに。
「早く、ダスに知らせないと……! みんなが危ない!」
トムはダスがいる場所へと走った。だが――もうすべてが、遅かった。
悲鳴があちこちから上がる。
それは、仲間たちの絶叫だ。
王国の衛兵たちは、抗議のために集まった武器も持たぬ学生たちを、無慈悲に虐殺していた。
空気は、血と鉄の匂いに包まれた。
抗議の看板は地面に散らばり、書かれていた文字は血に染まり、もう読めなかった。
惨劇は止まらない。
それは、山崩れのように突然現れたのに、終わりは糸を引くようにゆっくりだった。
一秒ごとに、絶望が世界に滲み出ていた。
夕方の街が赤く染まって見えるのは――夕陽のせいか、それとも……
*
学校正門の状況も、当然のように酷かった。
戦争でもないのに、そこには屍の山ができていた。
衛兵たちは、残った学生を一人残らず掃討している。
――地獄ですら、こんな光景は見られないだろう。
ダスは襲撃に遭った際、近くにいた教師が彼を庇ったおかげで致命傷は免れたが、左肩と右目に矢が刺さっていた。
それでも、仲間の死を悼む時間も、痛みに嘆く暇もなかった。
逃げなければならない――
リーダーである自分が死んでしまえば、この抗議運動は失敗に終わる。
それは、死んだ同志たちの流した血が“無駄”になるということだ。
それだけは、絶対に避けなければならない。
今まで盗みの経験を利用し、ダスは王都の路地を縫うように走る。
その途中、仲間たちが次々と殺されていく様も、見てしまった。
だが、助けることはできなかった。
すべてを飲み込み、奥歯を噛みしめ、彼は“生き延びる道”を探した。
――だが、ここはクセリオス公爵が支配する王都。
逃げ場など、どこにもない。
教会の前で、ダスはついに衛兵たちに囲まれた。
そこへ駆けつけたトムも、すでに背中に矢を何本も受けており、虫の息だった。
「……あのガキが首謀者だな。クセリオス王の命により、打ち首にして、その頭を三日間、城門に晒すことにする」
(神よ……あなたは、なんと残酷な……
我々が、あなたの神殿の前で理不尽な死を迎えるなどと……)
ダスは最後の気力を振り絞り、ポケットから“あの時の羽”を取り出す。
「……お願い……助けて……ルキエル……!」
その願いを聞き届けたかのように、金色の羽がふわりと宙に舞い、眩い光を放った。
その光を浴びて、ダスとトムの傷は徐々に癒えていく。
さらに――羽は翼となった。
2枚、4枚、6枚……そして12枚の金色の翼がすべて展開され、そこに現れたのは――
《明けの明星》
「“ルキエル様”だ……」
その言葉は、彼の存在の威厳を示すものであり、
この瞬間、神よりも頼もしく感じられた。
衛兵たちも、突如として降臨した彼の存在に戸惑っていた。
やがて、隊長らしき者が声をかける。
「天使様、我々はただ、あの罪人たちを捕らえるだけでして……どうか……」
「僕に命令する気か? たかが人間風情が。身の程を知れ」
「い、いえ……これはお願いで……我々は、あなた様と敵対するつもりは……!」
「僕が、それを聞く義理などあると思うの? 敵対したらどうなるか――お前らに、何かできる?」
ルキエルは一歩も譲らぬ気配を見せた。
しかし、衛兵たちは功を焦るあまり、彼の恐ろしさから目を逸らしてしまった。
――そして、誰かが矢を放った。
だが。
その矢は、ルキエルに近づくことすらできず、空中で蒸発した。
彼の周囲は“神の領域”。
そこに至らぬ攻撃など、届くはずもない。
「……面白い。まだこの僕に喧嘩を売る愚か者が存在するとはね。……高く買おう」
その言葉と同時に、風が巻き起こる。
ルキエルの身を纏っていた白衣が、光に焼かれて一枚ずつ剥がれ落ちていく。
代わって彼の体を包んでいったのは、金属の重厚な輝き――
《全能神の要塞〈エルシャダイ・バスティオン〉》
熾天使が纏うべきとされる神鎧が、光の粒子となって彼の全身へと編み込まれていく。
肩には獅子のエンブレム。
胸には十二翼の刻印。
背には光の羽根を模した意匠。
そして最後に――
彼の右手に、“それ”は降りてきた。
《神罰の聖槍〈ロンギヌス〉》
神すら貫くと伝えられる裁きの神器が、天より雷と共に落ち、彼の手に収まった。
その刃先は、あらゆる悪を拒まず穿つ。
――ただの武器ではない。“意志”そのものだ。
ルキエルは静かに瞳を開いた。
そこに、先ほどまでの柔和な面影はなかった。
「……この姿は、“神魔大戦”以来か。光栄と思え。僕が――“本気”で戦ってあげる」
彼は天へと舞い上がり、《ロンギヌス》を高く掲げる。
そして、破滅の詠唱が始まった。
「暁の子、明けの明星よ――
天に登らんと欲し、神の座に己を並べし者よ。
されど汝、地に墜ち、墓所に堕ちぬ」
「我は天の剣、主の右に立ちし執行者――
汝が傲慢と罪に代価を。汝が流した血に裁きを。
汝が穢せし法に、永劫の焔を」
「汝が心に“われは神に等し”と誓うならば、
我はここに告ぐ――
『否、汝は塵なり。塵に還れ』と」
「神の名のもとに、いま、神罰を下す。
明星よ、堕ちよ…」
ロンギヌスは放たれた。
世界は“無音”に包まれた。
風が止まり、雲が裂け、空気が逆巻き、
ただ一筋、“神の意志”だけが光の矢となって地を貫く。
轟音は、ほんの一呼吸遅れてやってきた。
それはもはや“音”ではなかった。
神話の時代に交わされた天地創造の雷声――その残響にも似た衝撃だった。
着弾点は、一点。
だが次の瞬間、そこを“核”とした半径百メートルの地表が、塩のように崩れ去る。
爆発も閃光もない。ただ無慈悲な“消失”。
敵の身体は跡形もなく穿たれ、心臓の位置だけが虚空に浮かぶように焼き切られ、
その周囲にいた者たちは、裁かれた神の怒りをそのまま受け――骨すら残らず、光に還った。
残されたのは、巨大な“穴”。
罪が存在していたという痕跡すら残さぬ、“神の槍”の筆致だった。
ルキエルは手を静かに下ろし、ただひとこと、厳かに呟いた。
「――審判、完了。」
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