嫉妬と、傲慢。

Yura

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1話

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人を殺した…








自分の両親だった…







僕は幼少期から虐待されていた。
何もしていないのに忌み嫌われ…殴る蹴るの暴行はもちろん、言われるがままに盗みをさせられたこともあった。

物心ついた時には学校には行けず、1人家で親の虐待に震えながらの生活を送っていた。

お風呂も何日も入っていない状態なんていつものことだった…。






ある日、珍しく両親2人が一緒に外出した日があった…。

僕ひとり、家で留守番させられた時…偶然、回覧板を持ってきた人がいた。

普通なら汚い状態の僕を見て早く退散すると思っていたが、その人は僕を見るなり…

『…お腹空いてない?ご飯ちゃんと食べてる?』

と聞いてきてくれた。

人と話してはいけないと教えられていた僕は、首を小さく横に振ると回覧板と一緒に持っていたコンビニの袋からパンをひとつ差し出してくれた。

食べ物が目の前にある…そんな状況で食べたい気持ちはあったが…親にバレたらまた殴られる…。そういう気持ちから自分の服の袖をギュッと掴み、要らないという意味を込めて首を横に振った。

そうすると…

『はい、食べて…ちょっとでも食べなきゃ死んじゃうよ』

パンの袋を開けて小さくちぎったパンを口に放り込まれた…。

甘くて美味しいパンの味は僕を満たしてく…。

飲み込む度に小さくちぎって無理矢理、口に放り込まれるような形でまるまるひと袋のパンと小さなパックジュースを食べ飲みさせられるような形で僕はお腹を満たした…。

「ありが…と…ございます」

すごく幸せな気持ちから自然と感謝の言葉が出た。

『また持ってくるね。君のご両親には内緒…だよ』

そう言って去って行った人のことを僕はただ閉められたドアを見つめるまま名残惜しい気持ちで部屋に戻っていった。













その後も何回かその人は回覧板を持って来ていたようだが、僕は会う機会…というより親の監視があったため会うことは出来なかった。

それでも親切にされたことが初めてだった僕はずっとその事を覚えていたし、それが思い出になり、虐待される度にいつかまた会えたらいいな…という励みになっていた。














そんなある日…

寝室で眠っていた僕は、リビングに灯りが付いていることに気づき目が覚めた…。

両親2人ともがお酒を飲んでいるようで、大きな話し声の中…身売りの話が決まったと言う言葉を聞いてしまった。

なんでも、子供を奴隷のように扱うのが好きな場所に売られるという事だった…。

ついにここまで来たか…と涙が出そうになる。

生まれてこの方、僕は不幸だと思いたくはなかった…。

いつかこの状況が変わる日が来るんだと…何かがきっかけで…きっと…と思っていた。

でも、誰も助けてはくれないし状況は悪化していくばかりだ…。

それなら、もう自分で道を切り開くしかない…

絶望の中…僕は…決心とともに誓った…。















人なんて呆気なく死ぬ



僕が今まで生きていたことが不思議なぐらい両親の死は呆気なかった。


泥酔した2人を刺し殺すぐらい容易かった。


非力な僕でも包丁があれば…すぐだった…。


飛び散った血が部屋を赤く染めている。


それさえも綺麗だな…と思えているのが僕の中の狂気な1部だったのかもしれない…。

















僕はその後、汚れた姿で外に出た際に警察官に見つかり保護された。


刑務所に入る年齢ではないこと…虐待されていたことも加味され、施設に入ることになる…。


施設の中で殺人犯がいることなんてすぐに広まった…。


予測していたことだ。


一人で生きていく…人を殺した罪は死ぬまで持っていく…そう思っていたから大丈夫…。


そうやって僕の人生の1部は終わりを迎えた…。


そして…。
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