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ベッドの上で、どうにも眠れずにゴロゴロしていた俺──。
すると突然ベッドが光り……慌てて掛け布団を捲ったら、そこには漫画とかに出てくるような、魔法陣(?)みたいなのがあって……。
驚きの声を上げる余裕もないまま、俺はその中にスルリと吸い込まれた──。
※※※
何……?
何か……やたらとフカフカして、あったかい。
それに、すっごくいい香りがする。
俺は、そおっと目を開けてみた。
「ようこそ、優衣。」
「な、何……?あ、あなた誰ですか!?」
って……ここ、ベッドの上!?
いや……俺、見知らぬこの人に、ギュウって抱き締められてる状態なんだけど──!?
俺はジタバタと暴れ、彼の腕から何とか抜け出した。
そしてそんな俺を見て、彼は一瞬悲し気な表情を浮かべたけれど……すぐに優しい笑顔を浮かべ、俺を見た。
「驚かせてしまってごめんね、優衣。君と会えた事が嬉しくて……つい抱き締めてしまったんだ。俺はね、この国の第一王子ルーカス。……ルーと呼んでくれればいいよ。」
え……王子様なのに、そんな呼び方していいの?
でも彼の目は、俺にそう呼ばれる事を、凄く期待して……ううん、待ち望んでいるようだった。
「ル、ルー……。俺、どうしてここに……ルーのベッドに居るの?」
「それはね……俺が召喚魔法を使って、優衣をここに招いたからだよ。優衣……俺はね、君に是非ともお願いしたい事があるんだ。」
「お、お願い……?」
王子であるルーが、初対面の俺にお願いって……。
っていうか……今、召喚魔法って言ったよね?
ここは、そういう事が出来る異世界……って事でいいのかな──?
「あの……俺に出来る事なら、力になりますけど……。それで望みを叶えたら……俺、元の世界に帰れるんですか?」
「……そうだね。ちゃんと返すよ。」
「じゃあ……ルーのお願い、聞くね。俺に、一体何がして欲しいの?」
俺の言葉に、彼は目を輝かせ……ニッコリと、幸せそうな笑みを浮かべた。
あ、れ……?
何か、今の笑顔……俺、前にも見た事が──。
「優衣にはね……俺の、夜の相手をして欲しいんだ。」
※※※
……はい?
今、ルー……夜の相手って、言った?
それってつまり、俺に、そういう事をしろと──?
「俺、帰ります。っていうか、帰らせて下さい。今すぐ、あの魔方陣出してよ──!」
俺は近くにあった枕で、ルーをポカポカと叩いた。
「ゆ、優衣……そういう意味じゃなく……!お、俺の言い方が悪かった!誤解だから、落ち着いて──!」
「誤解……?」
俺は、枕をギュウッと抱き締め、ルーをジトリと見た。
「実はね……最近、よく眠れないんだ。それで、優衣を……君を傍に置き、抱き締めていたら、よく眠れるんじゃないかと思ってね。」
「それって……いわゆる抱き枕、的な?」
「まぁ……そういう事だね。」
「で、でも、何で俺なの?ルーは王子様なんだから……そういう相手、呼べばいくらで来てくれるんじゃ──」
俺の言葉に、ルーは悲しげな顔を浮かべ、こう言った。
「そうだね……。でも……そうやって来てくれた者は皆、俺が王子だから、次期王だから来てくれるだけで……決して、俺自身の事は、愛してはくれないからね──。」
「ル、ルー……?」
俺、何か悪い事言っちゃったみたいだ──。
※※※
「あの……ごめんね?お、俺で良ければ、いくらでもギュッてしていいよ?俺、寝相いいし、いびきもかなないし、寝言だって言わない!ちゃんと、いい抱き枕になれるよ?」
そう言って、俺はルーに向かって手を広げた。
「優衣……それって、抱き締めてもいいって事かい?」
俺は若干の恥かしさに頬を染め、コクリと頷いた。
「じゃあ、遠慮なく。」
ルーは俺を抱き締め、そのままベッドにゴロンと横になった。
「お休み、優衣。」
そしてルーは、俺のおでこにチュッとキスをすると、目を閉じ……やがて彼からは、穏やかな寝息が聞こえて来た。
い、今……ルーが……俺のおでこに、キ、キスを──!
俺は恥ずかしくてベッドの上をゴロゴロと転がり回りたくなったけど……でも、ルーの幸せそうな寝顔を見て、それは辞めた。
だってよく見たら、目の下、隈が出来てる……。
ルー、本当にずっと眠れてなかったんだ。
「ルー……俺、ちゃんと抱き枕するから。だから……いい夢見てね?」
そして俺は、ルーの温かさと、あのいい香りに包まれ……知らない内に、夢の世界へと旅立った──。
すると突然ベッドが光り……慌てて掛け布団を捲ったら、そこには漫画とかに出てくるような、魔法陣(?)みたいなのがあって……。
驚きの声を上げる余裕もないまま、俺はその中にスルリと吸い込まれた──。
※※※
何……?
何か……やたらとフカフカして、あったかい。
それに、すっごくいい香りがする。
俺は、そおっと目を開けてみた。
「ようこそ、優衣。」
「な、何……?あ、あなた誰ですか!?」
って……ここ、ベッドの上!?
いや……俺、見知らぬこの人に、ギュウって抱き締められてる状態なんだけど──!?
俺はジタバタと暴れ、彼の腕から何とか抜け出した。
そしてそんな俺を見て、彼は一瞬悲し気な表情を浮かべたけれど……すぐに優しい笑顔を浮かべ、俺を見た。
「驚かせてしまってごめんね、優衣。君と会えた事が嬉しくて……つい抱き締めてしまったんだ。俺はね、この国の第一王子ルーカス。……ルーと呼んでくれればいいよ。」
え……王子様なのに、そんな呼び方していいの?
でも彼の目は、俺にそう呼ばれる事を、凄く期待して……ううん、待ち望んでいるようだった。
「ル、ルー……。俺、どうしてここに……ルーのベッドに居るの?」
「それはね……俺が召喚魔法を使って、優衣をここに招いたからだよ。優衣……俺はね、君に是非ともお願いしたい事があるんだ。」
「お、お願い……?」
王子であるルーが、初対面の俺にお願いって……。
っていうか……今、召喚魔法って言ったよね?
ここは、そういう事が出来る異世界……って事でいいのかな──?
「あの……俺に出来る事なら、力になりますけど……。それで望みを叶えたら……俺、元の世界に帰れるんですか?」
「……そうだね。ちゃんと返すよ。」
「じゃあ……ルーのお願い、聞くね。俺に、一体何がして欲しいの?」
俺の言葉に、彼は目を輝かせ……ニッコリと、幸せそうな笑みを浮かべた。
あ、れ……?
何か、今の笑顔……俺、前にも見た事が──。
「優衣にはね……俺の、夜の相手をして欲しいんだ。」
※※※
……はい?
今、ルー……夜の相手って、言った?
それってつまり、俺に、そういう事をしろと──?
「俺、帰ります。っていうか、帰らせて下さい。今すぐ、あの魔方陣出してよ──!」
俺は近くにあった枕で、ルーをポカポカと叩いた。
「ゆ、優衣……そういう意味じゃなく……!お、俺の言い方が悪かった!誤解だから、落ち着いて──!」
「誤解……?」
俺は、枕をギュウッと抱き締め、ルーをジトリと見た。
「実はね……最近、よく眠れないんだ。それで、優衣を……君を傍に置き、抱き締めていたら、よく眠れるんじゃないかと思ってね。」
「それって……いわゆる抱き枕、的な?」
「まぁ……そういう事だね。」
「で、でも、何で俺なの?ルーは王子様なんだから……そういう相手、呼べばいくらで来てくれるんじゃ──」
俺の言葉に、ルーは悲しげな顔を浮かべ、こう言った。
「そうだね……。でも……そうやって来てくれた者は皆、俺が王子だから、次期王だから来てくれるだけで……決して、俺自身の事は、愛してはくれないからね──。」
「ル、ルー……?」
俺、何か悪い事言っちゃったみたいだ──。
※※※
「あの……ごめんね?お、俺で良ければ、いくらでもギュッてしていいよ?俺、寝相いいし、いびきもかなないし、寝言だって言わない!ちゃんと、いい抱き枕になれるよ?」
そう言って、俺はルーに向かって手を広げた。
「優衣……それって、抱き締めてもいいって事かい?」
俺は若干の恥かしさに頬を染め、コクリと頷いた。
「じゃあ、遠慮なく。」
ルーは俺を抱き締め、そのままベッドにゴロンと横になった。
「お休み、優衣。」
そしてルーは、俺のおでこにチュッとキスをすると、目を閉じ……やがて彼からは、穏やかな寝息が聞こえて来た。
い、今……ルーが……俺のおでこに、キ、キスを──!
俺は恥ずかしくてベッドの上をゴロゴロと転がり回りたくなったけど……でも、ルーの幸せそうな寝顔を見て、それは辞めた。
だってよく見たら、目の下、隈が出来てる……。
ルー、本当にずっと眠れてなかったんだ。
「ルー……俺、ちゃんと抱き枕するから。だから……いい夢見てね?」
そして俺は、ルーの温かさと、あのいい香りに包まれ……知らない内に、夢の世界へと旅立った──。
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