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この学園に編入し一ヶ月。
シオンとジュリアス様のおかげで、俺は漸くこの学園生活にも慣れて来て、友達も多くはないが作る事が出来た。
魔力も安定して来たし、新しい魔法もいくつか習得する事が出来た。
特に魔法の習得に関しては、先生に教えて貰うだけでなく、シオンが色々と教えてくれたのが大きかったかも。
「光魔法と闇魔法は、確かに違うものだけど……誰かの為を想い使うって所は一緒だよ。ロイス、これからも一緒に色々な魔法を覚えようね!」
「うん!ありがとう、シオン!」
シオンみたいな子が友達で居てくれるのは、本当に心強いな。
でも……俺がシオンとの仲を深めて行く一方で、最近ジュリアス様の様子が、何だかおかしい事に気付いた。
俺は帰りの馬車の中で、それとなくジュリアス様にその理由を訪ねてみた──。
※※※
「ジュリアス……俺、ジュリアスを怒らせるような事した?」
「いえ、そういう訳では……。これは、俺自身の問題です。」
「どういう事?」
「兄上のご友人のシオン様……。彼を見ていると……何故か、俺の心の中が騒めくのです。」
心が……?
ジュリアス様の中には、あの聖剣が眠ってるけれど……それとは……関係ないよね。
だって、シオンは光魔法の持ち主なんだから。
俺の指輪も……今の所、これといった反応は見せていないし。
「それに……俺は兄上より一学年下だから、あの人の様に常にあなたの傍にいる事は出来ない。そして……俺には魔力がないから、あなたに魔法を教える事も出来ない。それが……とても歯痒いのです。あの学園に入る前は、あの家でずっと兄上と一緒でしたから……。誰よりもあなたの傍に居たのは、この俺だったのに──。」
ジュリアス様は頬を僅かに赤くし、俺からフイと顔を背けた。
ジュ、ジュリアス様……お兄ちゃんである俺を、シオンに取られちゃったと思ってるの……?
嘘、何それ……俺の推し様、可愛すぎるでしょう──!
俺の身体は、嬉しさと感動でブルブル震えた。
でも……俺とシオンの仲を気にし、ジュリアス様の元気がなくなっちゃうのは、それはお兄ちゃんとしては望んでないし、放っておけないよね。
俺は俯いたままのジュリアス様の顔をそっと両手で包み、こちらを向かせた。
「あのね……前みたいにずっと一緒にはいられないけど、心はいつも傍にあるよ。俺はね、ジュリアス……今こうして魔法を頑張ってるのは……ジュリアスの為でもあるんだ。」
「俺の……?」
「俺が立派な闇魔法の使い手になれば、俺を守ってくれるジュリアスを守る事が出来るから──。どんなに離れてても、俺はいつだってジュリアスを大事に想ってるよ。新しい魔法を習得できたのだって、ジュリアスの事を想って練習したからだし。ジュリアスもそうでしょう?剣の腕前は学年一……上級生にも引けを取らないって聞いたよ。」
「俺は、あの学園一……いや、この国一の剣の腕前になりたいんです。兄上、今日は甘えた事を言ってしまい、申し訳ありませんでした。」
ジュリアス様は、少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「謝らなくても大丈夫だよ。だけど……昔の様に可愛らしいジュリアスは、久しぶりに見たかも。」
するとジュリアス様は、スッと目を細め、頬に置かれた俺の両手にそっと自身の手を添えた。
「俺は……昔はあなたに可愛いと言われる事が、とても嬉しかった。でも、今は少し複雑な気持ちです。俺はあなたにとって、いつまでもただの可愛い弟なのか、と──。」
「ジュ、ジュリアス……?」
「俺のこの独占欲は、もう弟だけのものではないんです。兄上……俺は、あなたの事が──。」
な、何……ジュリアス様の顔が近づいて来て……。
嘘、これ、まさか──!
俺は、ビクリと体を震わせ目を閉じた。
でもいつまで経っても、俺の唇にソレが触れる事はなく……目を開ければ、悲し気な顔をしたジュリアス様が──。
「申し訳ありません、気持ちが先走りすぎました。」
そう言って、ジュリアス様は俺から離れた。
ち、違うよジュリアス様……!
俺、あなたとのキスが嫌だったんじゃなく、突然だったから驚いただけで──!
ん?
嫌じゃない……?
俺はあくまで推し様として、弟としてジュリアス様が好きだったんじゃ……。
でもこの心臓のドキドキ、それにキスが嫌じゃない……むしろ、して貰えなかった事に寂しさを覚える自分が居る。
って事は……それって、そういう好きなんじゃなく……もっと特別な……恋愛感情の好きって事か──!?
シオンとジュリアス様のおかげで、俺は漸くこの学園生活にも慣れて来て、友達も多くはないが作る事が出来た。
魔力も安定して来たし、新しい魔法もいくつか習得する事が出来た。
特に魔法の習得に関しては、先生に教えて貰うだけでなく、シオンが色々と教えてくれたのが大きかったかも。
「光魔法と闇魔法は、確かに違うものだけど……誰かの為を想い使うって所は一緒だよ。ロイス、これからも一緒に色々な魔法を覚えようね!」
「うん!ありがとう、シオン!」
シオンみたいな子が友達で居てくれるのは、本当に心強いな。
でも……俺がシオンとの仲を深めて行く一方で、最近ジュリアス様の様子が、何だかおかしい事に気付いた。
俺は帰りの馬車の中で、それとなくジュリアス様にその理由を訪ねてみた──。
※※※
「ジュリアス……俺、ジュリアスを怒らせるような事した?」
「いえ、そういう訳では……。これは、俺自身の問題です。」
「どういう事?」
「兄上のご友人のシオン様……。彼を見ていると……何故か、俺の心の中が騒めくのです。」
心が……?
ジュリアス様の中には、あの聖剣が眠ってるけれど……それとは……関係ないよね。
だって、シオンは光魔法の持ち主なんだから。
俺の指輪も……今の所、これといった反応は見せていないし。
「それに……俺は兄上より一学年下だから、あの人の様に常にあなたの傍にいる事は出来ない。そして……俺には魔力がないから、あなたに魔法を教える事も出来ない。それが……とても歯痒いのです。あの学園に入る前は、あの家でずっと兄上と一緒でしたから……。誰よりもあなたの傍に居たのは、この俺だったのに──。」
ジュリアス様は頬を僅かに赤くし、俺からフイと顔を背けた。
ジュ、ジュリアス様……お兄ちゃんである俺を、シオンに取られちゃったと思ってるの……?
嘘、何それ……俺の推し様、可愛すぎるでしょう──!
俺の身体は、嬉しさと感動でブルブル震えた。
でも……俺とシオンの仲を気にし、ジュリアス様の元気がなくなっちゃうのは、それはお兄ちゃんとしては望んでないし、放っておけないよね。
俺は俯いたままのジュリアス様の顔をそっと両手で包み、こちらを向かせた。
「あのね……前みたいにずっと一緒にはいられないけど、心はいつも傍にあるよ。俺はね、ジュリアス……今こうして魔法を頑張ってるのは……ジュリアスの為でもあるんだ。」
「俺の……?」
「俺が立派な闇魔法の使い手になれば、俺を守ってくれるジュリアスを守る事が出来るから──。どんなに離れてても、俺はいつだってジュリアスを大事に想ってるよ。新しい魔法を習得できたのだって、ジュリアスの事を想って練習したからだし。ジュリアスもそうでしょう?剣の腕前は学年一……上級生にも引けを取らないって聞いたよ。」
「俺は、あの学園一……いや、この国一の剣の腕前になりたいんです。兄上、今日は甘えた事を言ってしまい、申し訳ありませんでした。」
ジュリアス様は、少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「謝らなくても大丈夫だよ。だけど……昔の様に可愛らしいジュリアスは、久しぶりに見たかも。」
するとジュリアス様は、スッと目を細め、頬に置かれた俺の両手にそっと自身の手を添えた。
「俺は……昔はあなたに可愛いと言われる事が、とても嬉しかった。でも、今は少し複雑な気持ちです。俺はあなたにとって、いつまでもただの可愛い弟なのか、と──。」
「ジュ、ジュリアス……?」
「俺のこの独占欲は、もう弟だけのものではないんです。兄上……俺は、あなたの事が──。」
な、何……ジュリアス様の顔が近づいて来て……。
嘘、これ、まさか──!
俺は、ビクリと体を震わせ目を閉じた。
でもいつまで経っても、俺の唇にソレが触れる事はなく……目を開ければ、悲し気な顔をしたジュリアス様が──。
「申し訳ありません、気持ちが先走りすぎました。」
そう言って、ジュリアス様は俺から離れた。
ち、違うよジュリアス様……!
俺、あなたとのキスが嫌だったんじゃなく、突然だったから驚いただけで──!
ん?
嫌じゃない……?
俺はあくまで推し様として、弟としてジュリアス様が好きだったんじゃ……。
でもこの心臓のドキドキ、それにキスが嫌じゃない……むしろ、して貰えなかった事に寂しさを覚える自分が居る。
って事は……それって、そういう好きなんじゃなく……もっと特別な……恋愛感情の好きって事か──!?
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