海洞窟

お粥定食

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渚視点

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私の名前は渚。清良様の王宮に勤めるしがない召使い。
そんな私はある日伝説ともいわれた海洋族の長である亜人を捕まえたとお知らせを受けただけではなく、海洋族のそれも長である亜人の世話係を私に清良様は任命した。
私はその時、不安と恐怖で胸がいっぱいだった。
だって今まで一度も見た事のない亜人の世話なんていくら清良様の命令でも私としてはとても受けがたい命令だったけど、これも帆奈叔母さんの為に私はその亜人の世話を清良様から承ったわ。
私はその日生きた心地がしなかったわ。
今日から亜人の世話をするんだもの、いつもの清掃や食事を作るのとじゃあ訳が違うわ。それで意を決して清良様から授かった地下室の扉の鍵で解錠し部屋の中に入って見たら
とても顔立ちの整った青年がいたの。
少し、精液が付いていたけど、肌は真珠のように白く、濡れ羽色の髪、瞳はまるで深い海のように透き通った青色。
まるで石膏像のように精巧な殿方が私の目の前にいる事にとても驚いてしばらく見入っていたわ。
でも、いつまでもそれだと仕事にならないから私から声を掛けたわ。
そしたらその人は驚いて私の方を見て咄嗟に身体を隠し、私から顔を背けたの。
その時、私はいくら亜人でも異性は恥ずかしいのだと思って自分でも気の利いた言葉を掛けていたわ。
それでも中々、私に身体を洗わせてくれなかったから、直接自らその人の身体を無理矢理起こして浴衣を脱がしたわ。
すると、とても恥ずかしそうに顔を歪ませていたわ。
その顔を見て何だか私は自分の中でもっとこの人を辱めたいと思うようになって、身体を洗いながら、直腸の中をたっぷりと時間を掛けて洗った。
その時の彼の顔はとても恥じらう乙女のように可愛らしかった。
それからというもの私の中であの亜人の世話をするのが毎日の楽しみになっていったわ。
彼の恥ずかしげな顔と綿のように絹のように柔らかな肌を手触りで触りながら、身体を洗い流すのがとても楽しい作業なの。
そんなとき、私は段々とそれだけでは足りなくなってきて、やがて彼の事をもっと知りたくなってきた。
でもそんな事は清良様が許さないからどうしても私からは言う事が出来なかった。
けど、彼から喋ってくれたの。私とお話がしたいと。
彼が言うには私がとても優しい人間だから。でも、それは間違い私は優しくはないわ。だって私は貴方の苦しんでる姿や顔を見て夜も興奮して眠れない毎日を送っているのよ。
彼の名前は海羅と言って海洋族の長を務めているらしいの。
とても仲間思いの良い人で、誰よりも心優しいのは海羅様なのは私でも分かる。
それで私は少しでも海羅様が安心し心の傷が癒される事ができるように話し相手を努めた。
今日は海羅様が初めて殿方に身体を犯された日、
その日海羅様はとても落ち込んでいて話し掛けられる雰囲気じゃなかったけど、ほうっておけなくてつい励ましたけれども大丈夫だったかしら?

今日は食堂で洗い物をしていたら、何やら次元転移装置室で火事が起こって大変みたい私も避難しようと城の外に向かっていたら、偶然にも海羅様が地下室から脱走していたの。
咄嗟に私は海羅様に地下室へ戻る事を言ってしまったけど、非常時にとんでもない事を口走ってしまったわ。
だけど、海羅様はもうあの地下室に戻りたくないと言っていたから私は海羅様に城からの脱出するための出口を海羅様に案内した。
海羅様はいつか私を迎えに行くと言って、いたけど城の外での生活を海羅様一人で送れるか心配だわ。
数カ月後
何と私の叔母さんである帆奈叔母さんが海羅様の面倒を見てくれたの。
こんな奇跡の偶然ってあり得るかしら?
とにかく私は電話越しで海羅様と会う約束をした。
久し振りに会った海羅様はとても生き生きとしていて、活発になっていて私としては安心したわ。
だけどその後、海羅様はこの地球の海の為に自分の命を捨ててまでこの海の全てを浄化しようとしているの。
その時の私は目の前が真っ暗になったわ。
数ヶ月振りに会って、いきなり自分の愛しい相手が突然海の為に自分の身を犠牲にしようとしているのよ。
そんなの許せるわけないじゃない。
私は必死になって海羅様を止めたわ。だけど海羅様の意志は堅く、私に待っているようにと言って一人海の中へ潜っていったわ。
私は小さい頃から、海が大嫌いだった。
私の亡くなった両親は海の水を少しでも浄化しようとして海を研究していたけど、海の汚染された水が原因で死んでしまって見かねた帆奈叔母さんが私を引き取って、育ててくれたの。
私はお父さんとお母さんを奪った海がとても憎い。
そして私の大事な人である海羅様を奪った海がとても大嫌い。
それで私は王宮でどんどん出世をして、やがて清良様の側近になる事が出来て清良様から王座を譲渡してもらって今に至るわ。
これも全て海羅様を見つける為よ。
私は海羅様がいなくなった後、海洋族について沢山調べたわ。海洋族は肉体さえ無傷であればいくらでも再生できると。
それで私は今でも浄化された海の中を部下達に命じて海羅様を探させているわ。
海羅様、待っていて下さいね。必ず私が貴方様をお救いしますね。


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