ハナキリンの恋

お粥定食

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森の中は物凄く、じめじめとした空気が漂い、方向感覚を狂わせる。
シャルル(凄い森だ早く出よう。)
その時、シャルルの眼の前にガサッと草木を掻き分けるような音がする。
シャルル「ん?」
ナキ「おい、シャルル?」
ナキの返事をものともせず、シャルルは音のする方に行ってみると、眼の前にマリーらしき姿の女の子が立っている。
シャルル「マリー!?無事だったのか!?」
マリー?「シャルルお願い、私と一緒に来て欲しい所があるの。」
シャルル「それは何処なんだ?」
マリー?「ついてきて。」
シャルルはマリー?に案内されるがまま深い森の中を進んでいく。
マリー?「ここよ、この湖の中に入って、その下には楽園があるから。」
シャルル「楽園?そんな所に行かなくても僕にはマリーさえいれば十分だよ。」
マリー?「シャルル、貴方の美貌はとても美しすぎて世の男達を狂わせるわ。そんな世にいても嫌な事ばかりが続くわ。
さあ、私と共に楽園で過ごしましょう。」
シャルル「分かったよ、マリー。」
シャルルが足を湖につけようとした時、ナキが湖に入ろうとしているシャルルを止めに入る。
ナキ「シャルル、止めろ!」
シャルル「ナキ!」
ナキ「シャルル、コイツはマリーじゃない!この森の幻覚だ!」
マリー?「オマエタチヲイキテココカラダサナイ!」
マリー?は身体がドロドロになり、次の瞬間、湖から図体のでかい青緑色の化け物が出てきた。
森の主「オマエタチヲホネモノコサズクッテヤル!」
森の主は図体の割に物凄いスピードでシャルル達を追い掛けてくる。
ナキに「何とかアイツを倒さないと!」
シャルル「ナキ!コイツを倒すにはあの赤い部分を狙って!そうすればコイツは倒せる!」
森の主の頭のてっぺんにある赤い部分はどうやら森の主の弱点らしい。
ナキ「でもどうやればいいんだ!?」
シャルル「僕が囮になってナキがその銃であの赤い部分を狙って!」
ナキ「分かった!」
シャルル「おい!化け物!僕が相手だ!」
シャルルは剣で森の主を攻撃する。
森の主「グオオオオオオッ!」
森の主は刃物の着いた触手を使って、シャルルに攻撃を繰り出す。
キインッ!
刃物同士の金属音が辺りに響く。
触手を器用に使い、シャルルに向けて刃物を振り下ろす。
キイインッ!
シャルルはそれを剣で受け止める。
ナキ「やってやる化け物!」
ナキは森の主の赤い部分に銃口を定めて、トリガーを引く。
ズドオンッ!
森の主「グオオオオオオオオオ!オマエラアアア!」
森の主は物凄い音を立てて、地面に倒れ伏し身体が塵のように風に乗って飛んでいった。
シャルル「ありがとうナキ!お陰で助かったよ!」
ナキ「ヘヘッ!まあ俺の手に掛かればざっとこんなもんだ!」
ナキは鼻を擦りながら、シャルルに向けて言う。
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