ハナキリンの恋

お粥定食

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シャルルはナキと共に街の人達の人命救助に励み、声掛けをしていく。
シャルル「大丈夫ですか?手を貸します。」
瓦礫を退け、中から人を助け出していく。
老人「ありがとう。若者。」
老人はシャルルに身体を支えられながら、町の広場の救護所に向かう。
救護所には人が沢山おり、治療を受けている人が多数いる。
シャルル「これで全部ですか?」
町の若者「ああ、これで全部だ。」
ナキ「畜生、ドラギオンめひどい事をしやがる。」
ナキは憎々しげに舌打ちをする。
老人「そういえば、あんたら二人はこの辺では見かけない顔だが、旅の人かな?」
シャルル「はい、ドラギオンに攫われたマリーを救い出す為に旅を続けております。」
シャルルは老人に説明をする。シャルルの説明を聞き終えた老人は一呼吸置いてシャルルに言う。
老人「そうか、ドラギオンが奴等はディロガンテにいるらしいがあの森に入った騎兵隊達は全員帰ってこなかった。」
シャルルは老人の話を聞いて、眼を見開いて驚愕させる。
老人「あの森は人に幻覚を見せ、人を狂わせる魔の森だ迂闊には入ってはいけない。」
シャルル「それでも行きたいんです。マリーを救い出す為に。」
シャルルの強い意志が籠もった瞳を見て、老人はシャルル達に向けてこう言う。
老人「そうか、そんなにマリーを助けたいのか。なら、儂の話をよく聞け。」
老人はシャルル達にディロガンテの対処法を言う。
老人「良いか?あの森は人々を喰う為に幻覚を見せ人々を狂わせるんだが、決して己を見失ってはならない。
でないとあの森の餌食になるぞ。」
老人は真剣な目つきでシャルル達に言う。
シャルル「はい。」
ナキ「おう。」
老人「ところで、あのギデリオンとかいうドラギオンの団長は魔法とかいう不思議な力を使って人々の命を奪うから用心しろよ。」
シャルル「魔法!?」
この世界では魔法を使うことは各国で禁じられており、もしも破ったら死刑にされてしまうのにそんなのを使う相手と戦う事になるとはシャルルは思ってもみなかった。
ナキ「おいおい、魔法かよ。これは中々手強そうだぞ。」
ナキはシャルルに言う。
シャルル「ナキ、それでもやるしかない。マリーを救い出す為にそしてこの世界を救う為に。」
シャルルは拳を握りしめ、ナキにそう諭す。
老人「とりあえず、儂についてこい。ディロガンテという森が何処にあるか教えてやる。」
老人の案内で街を離れて郊外に出たシャルル達はディロガンテという森を見た。
そこは昼なのに薄暗く獣の気配も鳴き声もしない鬱蒼とした静けさがある森だった。
老人「どうだ?行ってみるか?」
シャルル「行きます。行くよナキ。」
ナキ「おう、故郷を取り戻す為に俺は行くぜ!」
シャルルとナキはディロガンテという森に一歩足を踏み入れる。
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