可愛い女の子と浮気したら付き合ってる同僚がヤンデレ化した話

蔓巍ゆんた

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浮気してごめんなさいです

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 アプリで見るより実物の方が可愛いーーそんな奇跡の女の子だった……。


 
 同僚との爛れた関係に最近飽き始めた俺はちょっとした好奇心……いや、恐怖心からかも知れないーーからそれをインストールした。
 だってチンコを擦ることもなく、同僚に開発され尽くした尻穴を、同僚の意味わからんデカチンでズコズコされて射精するんだ。
 男としてのプライドなんて物は体内を抉られる快楽の前ではグズグズに壊れてしまう。最初はその事にも興奮していた俺だが段々と慣れてきてしまい、そうすると不安感の方がどんどん強くなってしまった。

ー果たして、俺のチンコは本来の用途で使用出来るのかとーーー…

 プロフィール、顔写真、職業、年収、趣味、etc…ぽちぽち入力して投稿すると直ぐに複数人からアプローチを受けた。その中から選んだ子だ。
 こんにちはー、初めまして、何処住みですか?からの雑談、雑談、雑談……直ぐに会ってみようとなった。
 正直あまり期待はしていなかった。ああ言うのって盛るのが基本だろう?
 しかし予想は覆された。
 待ち合わせ場所で振り返ったその子は最近テレビでよく見るアイドルによく似た顔立ちで、肉感的な身体はふんわりと柔らかく、しかしきゅっと締まるところは締まった魅力的な肉体は積極的で、それはそれはもう最高な夜だった。
 特にお尻が良かった。後ろを向いた騎乗位で奔放に跳ね回る楽しそうなお尻は久しぶりに男性器の悦びを思い出させてくれた。
 おねだりされて買った鞄の額は思い出したく無いが「またね♡」の微笑みでプライスレスだ。

 るんるん気分で半ば同棲寸前の同僚家に帰ると速攻でバレた。昼帰り+カード明細でバレました。
 ちなみに俺自身のカードだが使用すると通知が同僚のスマホに飛ぶように設定されていた。いつの間に。迂闊だった。

 そんなこんなで正座させられた俺の目の前ではいつもの爽やかイケメンは何処へやらの同僚が餌を前にした肉食獣のごとく行ったり来たりしている。
 かき乱された髪に一睡もしていない血走った目。人間って怒ると本当に瞳孔が開くんだなーと冷や汗をかきながら俺は床に縮こまっていた。

「…どこで何してたんだ」
「………だからぁ、昔の知り合いとちょっと飲んでてー、…酔っちゃってさっ!…」
「……嘘を…つくなあぁッ!!!じゃあ何でッ!わざわざ!電源も切ってッ!!心配で、何度も何度も何度も何度も何度も連絡したのに…ッ!!!」

 ビリビリと鼓膜が震える。こ、こえー…。
 こんなに低く大きな声を出すなんて知らなかった。
 俺の予想では『みなと、遅かったな?帰って来ないから心配した。…え?たまたま知り合いに会った?もー、みなとは自由だなぁ。まぁこれからは一言でいいから連絡してくれよ?』なんて、ちょっと苦笑いしながら許してくれるコイツを想像してたんだ。
 どこまでも俺を甘やかす優しい同僚の事を正直俺は舐めていたのだった。ちょっと言い訳して誤魔化せば許してくれるだろうと。
 ーーそんなのは都合のいい俺の妄想だったんだ…。

「で、電池…切れちゃって…ご、ごめん???」
「じゃあスマホかせよ」
「え?」
「今すぐ」
「……………あっ、でもここに戻る時に少し充電したからっ!今ならつくかもっ!」
「………」

 俺の白々しい言い訳を冷たく光る瞳が見据える。その威圧に負けて俺はしぶしぶスマホを取り出した。差し出す手が震えてしまう。
 同僚のでかい手が無造作にスマホをもぎ取った。
 大丈夫大丈夫…ロックかけてあるし、指紋認証だし…流石に中身まで見せろなんて言ってきたらプライベートに踏み込みすぎだなんて文句も言える…はず……。

 ポヨっ!…と。

 同僚が電源を入れた瞬間この場に似つかわしくない明るい音が響いた。
 俺の全身の毛穴が開き、ブワッと冷や汗が溢れた。


 い、いやな…予感……。


 その動きはやけにゆっくりだった。

 
 通知内容を確認した同僚はスマホを握った腕を真上に持ち上げた。
 
 そして。

 思い切り上から叩きつけられたスマホは物凄い音をたてて床を凹ませたーー。
 クルクル回りながら俺の前まで滑ってきたスマホ画面は粉々にひび割れている。その隙間から空気の読めないメッセージが浮かんでいた。

【今日はありがと♡昨日の夜はすごかったね♡バッグも嬉しかった♡大事にするね!また一緒に気持ち良いことしよーね♡】


 …そして、アイコンは可愛い女の子なわけで。

 
 チガウヨ?コノコハシンセキノオンナノコデ。ヨル?ヨルゴハン、スゴカッタネッテイイタインダヨ。バックハニュウガクイワイデ。キモチイイコト?エット…イッショニサウナニハイッタトカデドウデショウ!!……今から入れる保険はありますかー???あっないですよねー。そうですよねー。て言うかここまでされる事か?俺のスマホやばい事になっているが??弁償してくれるんだよね???そもそも女の子とちょっとラブラブしたら怒られるような関係でしたっけ、俺ら。付き合ってるとか恋人とかそういうのじゃないだろ???欲求不満を解消し合う、いわゆるセフレっていうやつだろ????好きとか愛してるとか……は、まぁ同僚は俺とラブラブしてる時はよくほざいてるけど。でも最初は酔った勢いだったじゃん。『みなと、最近忙しくて抜いてないんだろ?…はは、ちょっと触っただけで…硬くなった。……なぁ、抜きあいっこしよ…』なんて始まりだったじゃん。今ではコイツの家にほとんど居座ってほぼ毎日セックスしてるけど。


 なんて頭の中の文句いいわけは一言も出て来ない。


 だって唇が震えちゃってるんだもん!…俺の歯がカチカチ音をたてた。
 恐怖を抑え込んで恐る恐る同僚の顔を見上げた。
 予想に反して同僚はいつものように優しくにっこり笑っていた。
 …あれ?許してくれた?へへっ…。
 そんなわけもなく、愛想笑いを浮かべる俺に、勢いよく腕が伸ばされた。そうして憎しみが籠ったそのてのひらが俺の髪を鷲掴む。そのままズルズルと寝室に引き摺られていった。

「い!痛い!痛い!ちょッ…はなせっ!馬鹿!ハゲるッ!」
「いっそハゲちゃえばいいんだよ~。俺はハゲたみなとも愛せるよ?………全部切っちゃおっか」
「そ、それは、許してっ!何でもするから!ハゲは嫌だっ!」
「何でも…、ねー。…みなとの言葉って、軽いよなー」

 ギリギリとした痛みを感じながら寝室に放り込まれる。
 バタンッと勢いよく扉が閉められ鍵がかけられた。内鍵だからすぐに開けられるが、数秒はかかるだろう。
 怒れるコイツの横を潜り抜けて脱出するのはその数秒でも難易度が上がる。脱出は難しそうだった。
 同僚の指には引っこ抜けた俺の髪が数本絡んでいる。なんて事をしてくれたんだと思ったが、これ以上髪の話をして本当に丸坊主にされたらたまったもんじゃないと口をつぐんだ。

「今さぁ、何でもするって言ったよね?」
「う、うん!」
「じゃあさぁ…」
「……」

 何を要求されるのか、緊張してゴクリと生唾を飲み込む。ほんの少し前の俺自身の発言を後悔した。

 いや、でも、コイツはなんだかんだ俺に優しいし、そんな無茶な事は……。

「おしっこしろ」
「へ?」
「俺の目の前で!今すぐ!おしっこしろ!!」

 予想外の言葉に思考が止まる。おしっこ??コイツの前で排泄しろと???
 今まで同僚の前で精液はビュルビュル出してたが、液体が変わるだけで抵抗感は倍増だ。俺は潮吹きなどもした事はない。ていうか潮吹きっておしっこの事だよね??違うの???成分が違うって聞くけどどうなんだろう。世界の七不思議。という現実逃避をしている場合じゃあない。

「と、トイレ…とか………せめてバスルーム…」
「今すぐここでだ!撒き散らせ!!」

 その、言い方は、どうなんですか??いやはや、額に血管が浮き出ていらっしゃる。
 いや、普通に嫌ですけど。だって幼児や動物じゃないんだから。犬や猫だってトイレぐらい決まった場所でする。うれションする犬のように理性なく撒き散らせと言っている。それは見てて楽しいか?…そもそもこれは浮気した罰なのだから、俺が嫌がる事をさせるのが正しい。いや、でも、ここで???
 青ざめていた俺の顔にどんどんと血が昇っていく。俺の顔は真っ赤に染まっているだろうと思った。

「……うっ…」
「は、や、く」

 急かされて俺はノロノロと動き出した。同僚は腕を組んでイライラと俺を見下ろしている。かたや俺は惨めに床に崩れ落ち、ズボンを脱ごうとしている。膝立ちになり震える指でベルトを取った。ゆっくりジッパーを下げ、手を離すとストンと膝までズボンが落ちた。そこからゆっくり足を抜く。
 パンツも、脱がなきゃ、ダメだよな…?
 チラリと同僚を伺うが怒りの視線しか返ってこない。
 性器は何度もコイツに見せているのに、状況が変わると恥ずかしくて堪らなくなった。
 どんなに時間稼ぎを行なっても雰囲気が和らぐ事はない。寧ろどんどん空気が悪くなっていくので、しぶしぶ下着に指をかけ最後の防御を剥ぎ取った。

 そこから現れたのは昨日のハッスル具合など忘れてしまった縮こまったおちんちんだった。

 俺自身、こんなに小さくなるんだと感心してしまう。俺に同調して哀れにフルフル震えるそれはチンコと呼べない。子供のようなそれはおちんちんと呼ぶのが相応しいだろう。この思考が虚しい。

「シャツを捲ってもっとよく見えるように」
「…ぅ…」
「足を開いてしゃがめ」
「…まじで?…あっ…はい…」

 ちょっと確認しただけで物凄く睨まれた。膝立ちだった俺はしょうがなくガニ股ポーズでしゃがんだ。おまるにまたがる子供ような格好だ。脱ぎそびれた白い靴下が哀れさを更に引き立てた。嫌だけど、しょうがなく片手をちんちんを支えるように添える。早くこの空気から逃れたい一心だった。大した事ない…大した事ない…。おしっこするだけだもん…。

「手で支えるな」
「………」

 なんとか自分に暗示をかけようと頑張っていたのに、それを邪魔するようにヒヤリとした声がかけられる。
 守るように添えていた手を離す。安定感の無くなったちんちんは不安そうに垂れて揺れた。惨めだ。泣きそうになりながら両手でシャツの裾を握り締め同僚に哀れなこの姿がよく見えるように持ち上げる。
 伺うように顔を見上げると、目線だけで同僚が俺を急かした。
 いよいよ俺は覚悟を決めて、真っ赤な顔でぎゅっと強く目を瞑った。

 尿道を緩め、膀胱に溜まった液体を排泄していく…。

 チョロロ…と最初は控え目だったが、出始めるともう止められない。思いの外溜まっていたのだろう。ジョロジョロと勢いが増し、支えがないちんちんは水が通ったホースと同じ原理で尿を撒き散らした。
 羞恥心の最高潮だ。いい年した大人が浮気した罰で成人男性に見下みくだされながらお漏らししている。最悪だ。

 段々と尿の勢いはなくなっていく。ショロロ…と最後まで出し切ると排泄した満足感が広がるが俺の心中は空虚な気持ちになっていた。
 俺の体温を維持している液体が、モアっと湯気を上げる。独特の臭気を感じ、ジワジワ涙が出てくる。

 几帳面な同僚の清潔で綺麗な部屋を、俺はおしっこで汚した。

 命令されたからと言って、なんて事をしてしまったんだと思う。早く拭かないとフローリングに染み込んでシミになってしまうかも知れない。この惨状をどうにかしたいが、指示が無いのでこの後はどうしたらいいのか分からずプルプル震えながら俺は目を薄く開け同僚を伺った。

 あっ。

 そこには無茶苦茶興奮した顔をした同僚が、俺にスマホを向けていた。同僚チンコは勃起しているのだろう。ズボンをギチギチ押し上げ存在を主張している。

 そのスマホのカメラはいつから撮影していたのだろうか…。今度は恐怖からガタガタと全身が震えた。えっ?足をカッ開いて下半身だけ丸出しでおしっこ撒き散らす成人男性の動画を撮っている(白靴下付き)???しかもどうぞ見てくださいと言わんばかりに自らシャツを持ち上げている姿の???マジ社会的に死ぬわ。

「な、なんで、撮ってんだよ…っ!…い、いつから…」
「………」

 同僚は答えてくれない。その代わりに俺の方に近づいてくると、脱ぎっぱなしの俺のズボンを掴んで尿だまりに落とした。ジワジワと染み込んで布地の色が濃くなった。脱いだ意味ないじゃん!

「お、おれの…ズボン…」
「どうせ捨てるんだからいいだろ?………こんなッ!汚い服は!全部ッ!!」
「!?!?」

 しゃがんでいる俺の肩に同僚は足を当てると思い切り蹴飛ばした。後ろに勢いよく転んでしまう。
 ガニ股に足を開いたまま尻餅をついた俺はガタガタ震えるしかなかった。暴力反対!暴力反対!!
 同僚の足が無防備な俺のちんちんを踏みつける。床と足に挟まれて物凄い恐怖心が湧き上がる。そして同僚は徐々に力を加えていくのだった。痛い痛い痛い!

「…!?…ひっ!…ッ!」
「なあ、みなと」
「ッ…!ッ!…??」
…………入れたのか?」

 同僚の問いかけは俺の逸物を本来の用途として使用したのかという問いかけだった。端的に言えばおまんこ様に挿入したかどうかの確認だ。
 ……した!!思いっきりしました!!!久しぶりに気持ちかったです!!!…なんてこの状況で言える訳ないだろ馬鹿野郎が!もし素直に答えたらプチッと俺のJr.が潰される危険性がある。ふはは、愚かだな同僚よ。ちんちんを人質に取られたならば男はどんな嘘でもつくものさ!それに女の子とイチャイチャした事はもうどうにも誤魔化しようがないが挿入の可否は確かめようがない!よって俺は嘘を付く!!!

 俺はちょっぴり唇を舐めて真っ直ぐ同僚を見つめ自信満々にその問答に答えた。

「入れてない!!!」
「……」
 
 完璧だ。人は嘘をつく時右上を見るという事も俺は知っている。瞬きにも注意だ。自然に同僚と目を合わせ、誠意を伝える。俺は嘘なんてついてない!!!

「…………みなとさぁ…」

 ギリギリと俺を踏みつける力が強くなっていく。なんで???いたただただッ!あっ、すごく優しい微笑み。

「嘘つくとき、唇舐める癖があるの……知ってた?」
「………」

 そんなん知らんわ。終わった。
 
 自らの罪を無事白状した俺はあとは祈るのみだった。次に生まれ変わるのならば唇を舐めず、真っ直ぐ嘘をつける人に生まれ変わるね。さようなら。

 そんな無我の境地に達した俺のちんちんから同僚が足をゆっくりとどけた。終わり?終わり??
 同僚は手にしていたスマホのカメラを俺に向けたまま胸ポケットにしまいもう片方の手で持っていた物の蓋を開ける。
 俺はちんちんの圧力が無くなった事にホッとしつつ怯える。それは何ですか?目を凝らしてパッケージを確認する…アルコール?
 飲酒用のアルコールではなく、手などを消毒する時に用いるアルコールだ。あの…その…それをいったいどうするおつもりで…。
 
 カッとした衝撃だった。

「!?!?…ッ~!!!」

 熱いッ!熱い!!
 燃えるようなビリビリとした刺激がちんちんからあがる。チンコがもげそうなほど痛かった。

 そう、コイツは俺のチンコにアルコールをぶっかけやがったのだ!ふざけんなッ!痛い!熱い!痛い!熱い!ジンジンする!
 俺はあまりの刺激の強さに両手でちんちんを包み込み縮こまる。なんとかこの痛みから逃れようとシャツの端で拭うが液体自体はすでに気化して衝撃が残るばかりだった。

「おまッ!?…やっていい事と悪い事がッ…!!」
「……」

 同僚は空になったアルコール容器を手から離した。軽い音が場違いに呑気に響いた。俺の言葉なんてもう微塵も届いてない様子だった。
 その表情は抜け落ちて。何を考えているか分からないほど深く澱んだ目をしていた…。…こわい。これだったらさっきの激オコ状態の方がマシだわ。

 

 そんな同僚の口が開いた。



「浮気チンポめ…」
「……」
「こんなのが、ついてるのが、悪いんだ…」



 ぶつぶつとなんだか不穏な発言が聞こえる…。
 もしかして髪の毛を諦めていた方がマシだった……?



「そう、切っちゃえばいいんだ。……切り落としてやる」
「ひぃ…っ…!?」


 いっそそれは静かな声だった。逆に本気度が伺える。
 逃げたくてジタバタ動くが足がガクガク震えて立てず、ただ床をずりずり後退するだけだ。
 怯える俺に気にも止めず同僚はポケットから何かを取り出した……ハサミだ。
 どこにでも売っている事務用のやっすいハサミ。
 なんでそんな物がポケットからすぐに出てくるのでしょうか???




 …………あっ、コイツ、俺が、帰る、前から、こうするって、決めて…………。




「みなとにはおれがいるんだから。もうひつようないだろ?」




 同僚の目はとても澄んでいた。
 声に安堵と喜びが滲んでいる。


 
 に、逃げなきゃ、逃げなきゃ!腰が抜けていて立てない俺は恐怖から震える身体を無理やり動かし四つん這いで逃げる。しかしそんな俺にすぐに追いついた同僚は背中を踏み潰して俺の両手を背中で縛り上げた。
 コロンと表にされる。それでも必死で足をばたつかせ蹴り上げるが物凄い力で捩じ伏せられ抑え込まれた。 
 俺は必死に首を振る。

「いや…いやだ…っ!…きらないでっ…」
「………」

 同僚は無言で俺のちんちんを摘んで持ち上げ根本にハサミを当てた。金属のひんやりとした冷たさに背筋が凍える。



 その刃がゆっくりと閉じていき、俺の、チンコに、食い込んで………。



「ごめんなさいごめんなさい!!浮気しましたごめんなさい!!!ケツイキして怖くなって女の子に逃げました!!!ごめんなさい!!!射精しないでイクなんてそれもう男としてどうなんだろうって不安になって血迷いました!!!もう2度と浮気はしません!!!!金輪際女の子と2人で会いませんッ!!!申し訳ありませんでした!!!」



 顔面グチャグチャで俺は必死に謝った。この世に生を受けてから1番の謝罪だった。



「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ…」
「………」



 ひたすら謝り続ける俺に同僚は何を考えているか分からない目を向けてきた。

 しばらくの沈黙の後……。

 ゆっくりとハサミが遠のいた。



「2度目はないからな」
「…はいぃぃ」



 地の底から響いてきたのではないかと思うほどの低い声で最後に脅すと一転、とても悲しそうな顔をした同僚が現れたのだった。


「ごめんな、みなと。俺がこんなに好きで好きで好きで好きで好きで大事にしてたのに…女の子と遊ぶなんて…。許せなくて…。…でもそっか。不安にさせちゃった俺も悪かったよ。こないだお尻だけでイったのすっごく可愛かったけど…怖くなっちゃったんだ?…でも大丈夫。不安にならないくらい、いっぱい可愛がって中イキが普通になればもうこんな事しないもんな?俺の努力が足らなかったんだ。それなのにみなとばかり責めるのは良くないね。怖かった?ごめんね。本気じゃなかったんだよ?…でもみなとが嘘つくからさ…。我慢出来なくなって……許してくれる?」
「………」

 俺はコクリ…とゆっくり頷いた。肯定を示しとかないと何をされるかわからない怖さがあったからだ。そうして頷いたまま下を眺める。
 さっきまでハサミが食い込んでいた部分から血が滲んでいた。…ほんとうに、本気じゃなかった…?
 そんな俺の思考を読んだかのように同僚は片手で俺の両頬を掴むように顔を上げさせると表情を消してこう言った。

「本気だったらもっとよく切れるハサミを用意してる」
「…はぃ」

 やばい奴だ。
 コイツは本気でやばい奴だった。
 優しくて爽やかな仮面の下にこんなドロドロしたものが隠れていたなんて俺は想像もしていなかった。もしかしたら俺がこんな馬鹿な事をしなければ一生知らないままで過ごせたのかも知れない。

 ああ…浮気なんてしなければ、よかった…。
 一瞬の快楽と引き換えにするには代償が大きすぎたよ…。

 そして多分なんだけど俺が平謝りしなければ実行してたよね?切れないハサミの方が痛いからってチョイスじゃないの??……なんてねっ!本気じゃないって言ってんだからそっちを信じよっ!!な!俺!!

「最後に」
「はいッ!」
「確認しなくちゃいけないんだけど…」

 同僚は血が滲む傷口を爪で抉る。いた…痛いんですけど。俺はまだこの尋問が続くのだと緊張した。しかしもう隠し事なぞないぞ!浮気しただけだからな!もう何も怖くないっ!バッチコイだぜ!!

「ちゃんとゴムつけた?」
「つけましたっ!!」

 間髪入れずに答える。流石の俺も初対面の女の子とヤルのに生は怖い。きちんと俺のチンコはぴっちりとしたゴムをつけて楽しみましたとも!…全然自慢できる事じゃないな。
 
「よかった」
「…」

 同僚はそれはもう綺麗に微笑んだ。…もし生で致しちゃってたらどうなっていたのだろうか。去勢?去勢されてた??今度こそ???
 まぁ、ありもしない出来事を不安に思っていてもしょうがない。これでやっと恐怖のお仕置きタイムが終わったんだ。早く解放してっ!んでちょっと同僚と距離を取りたい!物理的に!俺自分家帰る!
 微笑む同僚に合わせるように俺は引き攣った笑顔を浮かべた。腕さえ解放してもらえればあとは適当に同僚に合わせてから何気なくここから逃げよう。そう心に決めて。

 ジョキン…とハサミが鳴る。

 ジョキジョキと俺のシャツが切られていく…。躊躇いなどない。ある程度切れ込みを入れると同僚は左右からそれを引っ張り思い切り引き裂いた。ビリビリと破けていくそれはもはや服ではなくボロ切れだ。
 お仕置き終わりじゃないの…?涙目続行だ。
 ひんやりとした外気に当てられた乳首がピンと立つ。
 それをもて遊ぶかのようにハサミが当てられてクリクリと弄った。冷たい金属面と衝動的に切り取られてしまうかも知れない恐怖でぷっちりと硬くなる。つつつ…と金属が敏感な突起の上を滑るたびに走るゾクゾクするそれは恐怖なのか快楽なのか…。

「んんっ……な、なんで……」
「服にさぁ…染み付いてるんだよね……くっさい女の臭いが……染みついた事に気が付かないほど……女とベタベタくっついて………それなのに平気な顔で帰って来て……」 

 今度は顔の輪郭をなぞるようにハサミが滑る。こめかみから頬骨を通って顎下にくるとクイッと俺の顔を上げさせた。

 瞳孔の開いた目が、俺の全てを呑み込むかのように見つめている。

「どういう風に触れ合ってどこを触らせてどんなセックスをしたんだキスはしたのか舌を入れたのかペニスを舐めさせたのかまさかアナルは触らせてないだろうなそこは俺専用のまんこなんだぞ最近じゃ後ろいじらないとイケない癖に女にオモチャで掘らせてないだろうな俺が丹精込めて開発した身体を他人に預けやがってこの可愛い乳首もいじらせたんじゃないだろうな相手は1人か万がいち男がいたらこの程度じゃ済まさないから好き勝手触らせたんだろう皮膚を全部剥いでしまいたいくらいムカつくのに実行しない優しい俺に感謝して欲しいくらいだなのにみなとはいま俺から逃げることしか考えていないのはお見通しだぞ胸によく手を当てて冷静に考えたら誰が悪いのかわかるだろうずっと優しく甘やかしてやったのにその仕打ちがこれかだったらもう優しくなんてしてやらない2度と愚かな事をしないように徹底的に身体に覚えさせてやる絶対に逃がさないからな」
「………」

 人には踏んではいけない地雷がある。
 普段優しい奴ほどキレたら怖いって本当だね。
 もともと、同僚の本性に気が付かないまま流されるように肉体関係を続けていた俺にも非がある。
 ていうか浮気した俺が全面的に悪い。それはわかってます。
 でも俺たちってセフレじゃなかったっけ~?
 付き合おうとか恋人同士とかそう言うの言い合った事ないじゃん。半同棲状態はもう付き合ってるのと同じ???
 そんな事今確認したらもっと酷い事されそうだから言わないけど。

 でもさ、ちょっと女の子と遊んだだけでこんなに怒るなんて。

(こいつ、俺のこと好きすぎじゃね?)

 なんて思ったり。
 怖くて逃げたいけど…同時にちょっとだけ愉悦感があった。
 
 こんなに取り乱すくらい俺の事好きなんて…可愛い奴じゃないか。
 まぁ、それはそれとして物理的に距離は取らせてくれ。具体的に言うとちんちんの傷が癒えるまで。ちょこっとトラウマになりつつあるので女体を思い浮かべると同時にこの痛みを思い出して勃起しない可能性がある。そしたらコイツの作戦勝ちだな。わはは…。

「全身消毒しないと…ああムカつくなぁ。みなとが女の感触を思い出せなくなるまで俺を上書きするから。誰と会っても俺の存在を思い出せるように叩き込んでやる」
「…うん」

 同僚が俺の全身をたどる。俺の中にある女の子の存在を塗り潰すように。宣言通り常に同僚の事しか思い出せなくなるまで離してくれないだろう。でも正直あんなに可愛いと思えた女の子の顔を思い出せなくなってきていた。
 今や俺の中にあるのはヤバい本性を曝け出したコイツだけである。

 そうして俺のちょっと逃げたいなという些細な願いは叶いそうもなく。
 お仕置き第二ラウンドのゴングが鳴った。
 なるべく早く終わる事を願って俺は引き攣った笑顔を返すのだった。
 

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