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馴れ初め Q and A
Q.第一印象は?
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A.みなと
俺は一目見た時からそいつの事が大っ嫌いだった。
入社式、代表に選ばれたそいつは俺の横を颯爽と歩く。伸びた背筋で人生に何も不安など無いと言う出立ちだ。
同年代のはずなのに、爽やかに整ったその顔は大人びていて自信に溢れている。しかし下ろされた前髪が少し幼さも演出していて、新入社員としての可愛らしさも醸し出している。その計算し尽くされた姿に、うっげー…だった。
まぁ特に気に入らなかったのはさっきまで仲良く喋っていた隣の席の同期女子がそいつが現れた瞬間俺の事なんて視界から消し去り、流暢な提携文を読み上げるそいつのスピーチに聞き惚れている事だ。その後いくら話しかけても上の空だった。おい!俺の方が絶対付き合ったら楽しい(はず)なのに!
俺よりモテるやつは大っ嫌いだッ!!
その後同じ部署に配属になってその爽やかイケメン有能振りに更に嫌いになった。
まぁでも上手くやりますよ。大人なんでね。
そして仲良くなって、コントロールして俺の引き立て役として使い潰す。これに決まりだ。
見た目も中身も完璧な人間なんてこの世に存在しない。
内側に入り込んで、利用して、お前の中の汚い部分を暴いてやる。
A.大晴
チロリ、と唇を微かに舐めるその舌が印象的だった。
ほんの一瞬だけ、その薄い唇から現れるそれが艶めかしい。誘われているのかな。なんて勝手に想像するが同性愛者と日常生活でそうそう出くわす事はない。
よくよく観察するとそれは嘘をつく時の癖のようだった。
ちょっと問題のある上司をペラペラ褒め称えている時にペロリと唇を舐めていた。ちょっとご年配のお局様に気に入られようとしている時もチロリ、だ。
でもその行為はそんなに頻繁ではない。だから彼のその癖は俺以外誰も気が付いていない。
基本の彼は調子よく、愛想がよくてお喋り。誰とでも仲がよくて可愛がられている。しかし。
俺と話していると、よく、やる。
何気ない会話の中で真っ直ぐこちらを見ながらほんの少しだけチラリとその姿を見せる。だからちょっと勘違いをしてしまったのだった。
何故こんなにも頻繁に…。そうして考えて、ああ俺の事が嫌いなのか。と納得した。
嫌いなのに、無理矢理仲良くしようとするから嘘をつく。
そんな調子の良い嘘吐きな彼だが、分かりやすすぎて逆に物凄く素直な奴なんだなと感じた。
にっこにこして楽しそうに喋っているのにペロリ…だ。
コイツまた嘘ついたな。と俺もにこやかに笑った。
周囲から爪弾きにされるような下手な生き方はしていないと自信を持って言えるが、時々どうしても合わないやつはいる。しょうがない事だ。
でもそんな奴らの中でも、仕事の足を引っ張るでもなくちょっとわかりやす過ぎる嘘をつくだけの彼とは仲良くしてもいいかな。
オモチャとして見れば面白いし。
俺は嫌われている事を楽しみつつ彼が利己的に距離を詰めてくるのを微笑んで受け入れた。
俺は一目見た時からそいつの事が大っ嫌いだった。
入社式、代表に選ばれたそいつは俺の横を颯爽と歩く。伸びた背筋で人生に何も不安など無いと言う出立ちだ。
同年代のはずなのに、爽やかに整ったその顔は大人びていて自信に溢れている。しかし下ろされた前髪が少し幼さも演出していて、新入社員としての可愛らしさも醸し出している。その計算し尽くされた姿に、うっげー…だった。
まぁ特に気に入らなかったのはさっきまで仲良く喋っていた隣の席の同期女子がそいつが現れた瞬間俺の事なんて視界から消し去り、流暢な提携文を読み上げるそいつのスピーチに聞き惚れている事だ。その後いくら話しかけても上の空だった。おい!俺の方が絶対付き合ったら楽しい(はず)なのに!
俺よりモテるやつは大っ嫌いだッ!!
その後同じ部署に配属になってその爽やかイケメン有能振りに更に嫌いになった。
まぁでも上手くやりますよ。大人なんでね。
そして仲良くなって、コントロールして俺の引き立て役として使い潰す。これに決まりだ。
見た目も中身も完璧な人間なんてこの世に存在しない。
内側に入り込んで、利用して、お前の中の汚い部分を暴いてやる。
A.大晴
チロリ、と唇を微かに舐めるその舌が印象的だった。
ほんの一瞬だけ、その薄い唇から現れるそれが艶めかしい。誘われているのかな。なんて勝手に想像するが同性愛者と日常生活でそうそう出くわす事はない。
よくよく観察するとそれは嘘をつく時の癖のようだった。
ちょっと問題のある上司をペラペラ褒め称えている時にペロリと唇を舐めていた。ちょっとご年配のお局様に気に入られようとしている時もチロリ、だ。
でもその行為はそんなに頻繁ではない。だから彼のその癖は俺以外誰も気が付いていない。
基本の彼は調子よく、愛想がよくてお喋り。誰とでも仲がよくて可愛がられている。しかし。
俺と話していると、よく、やる。
何気ない会話の中で真っ直ぐこちらを見ながらほんの少しだけチラリとその姿を見せる。だからちょっと勘違いをしてしまったのだった。
何故こんなにも頻繁に…。そうして考えて、ああ俺の事が嫌いなのか。と納得した。
嫌いなのに、無理矢理仲良くしようとするから嘘をつく。
そんな調子の良い嘘吐きな彼だが、分かりやすすぎて逆に物凄く素直な奴なんだなと感じた。
にっこにこして楽しそうに喋っているのにペロリ…だ。
コイツまた嘘ついたな。と俺もにこやかに笑った。
周囲から爪弾きにされるような下手な生き方はしていないと自信を持って言えるが、時々どうしても合わないやつはいる。しょうがない事だ。
でもそんな奴らの中でも、仕事の足を引っ張るでもなくちょっとわかりやす過ぎる嘘をつくだけの彼とは仲良くしてもいいかな。
オモチャとして見れば面白いし。
俺は嫌われている事を楽しみつつ彼が利己的に距離を詰めてくるのを微笑んで受け入れた。
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