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第5話 迫り来る恐怖ー5
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そして遂に――彼らの戦いが始まった!
数台の船舶で取り囲み、9機のヘリが上空から近づく、精鋭チームの警官たちが中島への上陸を開始したのだ。
しかし厳鬼たちも、ただ見ているだけで済ませられるはずもなく、銃とロケットランチャー、ありとあらゆる武器で応戦したため、気がつけば島じゅうで激しい戦闘が繰り広げられた。弾丸が飛び交い、船舶やヘリに向かってランチャーの砲弾までも炸裂した。
そんな中、辛うじて戦渦を掻い潜って進攻する上陸部隊の姿もあった。とはいえ、彼らでさえ必死で前進を試みたものの、抵抗が激しく思うほど容易にはいかなかった。結局、相当な時間を要しながらミサイル発射台に向かった訳だが、漸く目標地に着いた時には、発射までたった10分しか残っていなかった。
「さあ、あと10分ほどね」厳鬼がニヤけた顔つきで言った。奴は廃屋のコントロールルーム内にある、発射装置のデジタルカウンターの数字を見て、運命の瞬間を一日千秋の思いで待っていた。
が、その時、連続発砲音が突如聞こえてきた! それには、咄嗟に身構える厳鬼。ただその音量は小さく、ここからは少し遠いような気がした。それ故、すぐに窓の隙間から情勢を窺ってみると、ミサイル発射台を据え置く建物へ向かう一団の警官に対して、それを阻むため交戦する子分たちが見えた。もうそこまで追っ手の方も迫ってはきていたのだ。となれば、戦況は奴らにとって不利に思えた。けれど厳鬼に焦りがない。逃げもせずじっと静観しているだけだった。
「うーん、ちょうどそのあたりだね」次に奴は、意味あり気なことを呟く。直後――爆発音が轟いた!――発射台の十数メートル近くに警官が足を踏み入れた途端の爆発! 警官は噴き飛び、地面から大量の砂塵を舞い上げ大穴が開いた。
これは?……発射台の回りに埋め込んでいた地雷だ。やはりそれなりの用意をしていたのだった。
逆に警官たちにとっては最悪の事態を迎えたようだ。これ以上踏み入られないまま、時間だけが刻々と過ぎてゆく羽目に。当然彼らは苛立つ様相を見せた。
「隊長、どうします? これでは迂闊に近寄れません」と部下の1人が草木の間から叫んだ。
「うっくくっ、地雷か! それなら、ここからバズーカで壁を破壊するしかないな」と言うなり、隊長は小岩の影からバズーカを構えた。こうなっては強行突破も止む無しか。さらにもう1基、狙いをつけさせ……そして、続け様に撃った!
――2発の発射音が鳴り響く――けたたましい白煙を噴出し、高さ15メートルのコンクリート壁に直撃した! 激しい爆発音が耳を劈き、凄まじい衝撃を伴って破裂する! 辺り一面、煙と粉塵で霞んだ……
ところが建物の方は、コンクリート壁を多少削られただけで、びくともしていなかった。
まさに、無駄骨! 厳鬼も、その行動を見て彼らを嘲笑う。
「ふっ、馬鹿め、外壁は厚さ1メートル以上のコンクリートだ。メガトン級のロケットでしか破壊はできないわ」
対して警官は、悔しそうに声を出した。
「駄目か! 残り時間は……5分だ」と。
そこには、どうにか破壊できないかと懸命に模索する警官たちがいた。ただし、何故かミサイルの方だけを攻撃し、発射装置には目もくれないでいる。弾道弾を阻止するのに、発射装置を抑えることでもいいはずだ。それなのに機器がある厳鬼のいる所には、今の時点で攻め入らないみたいだ。この場所を把握していないのか? それとも何か作戦……
としても、既に周りは多くの警官たちで取り囲まれていた。早々に厳鬼たちの居場所も突き止められるだろう。
ただ厳鬼は、それでも余裕の笑みを浮かべていた。己が捕まることなど考えていないのだ。片やそれとは反対に、側にいる6人の子分の方は、コンクリートの柱が散在する50畳ほどの部屋内をうろつき、周りを必死で警戒している様子だ。常に外を注意し、敵の侵入を恐れているのが見て取れた。
するとその時、不意に小さな落下音がした! 小石が落ちてきたかのような微かに床をタップするノイズ。しかもその怪しい音に、1人の子分が気づいたみたいだ。部屋の隅の2階に続く昇り階段からだと推測したのか、そちらを注目し始める。――その階段というのは、装置の真正面にあたる、部屋の中でも装置との距離が一番遠い所に位置していた――子分は迷ったに違いない。それでも、警戒心より好奇心が先に立ったのだろう、自然と音に導かれているかの態で、ゆっくりと近づいた。
そして、徐に階段を見上げた……
次の瞬間、鈍い打撃音が鳴った! 子分は首を殴られ倒れ込んでしまう。さらにその後――何発もの銃声が響く!?――厳鬼たちに向かって撃ち込む者さえ現れたのだ!
むううっー? いったい何者の襲撃だ!
それは……信二? よもや信二が、島から脱出せずまだ残っていたのか。そのうえ彼の後方から、数名の警官たちまでも飛び出してきた。やはりいつの間にか忍び込んでいたようだ!
数台の船舶で取り囲み、9機のヘリが上空から近づく、精鋭チームの警官たちが中島への上陸を開始したのだ。
しかし厳鬼たちも、ただ見ているだけで済ませられるはずもなく、銃とロケットランチャー、ありとあらゆる武器で応戦したため、気がつけば島じゅうで激しい戦闘が繰り広げられた。弾丸が飛び交い、船舶やヘリに向かってランチャーの砲弾までも炸裂した。
そんな中、辛うじて戦渦を掻い潜って進攻する上陸部隊の姿もあった。とはいえ、彼らでさえ必死で前進を試みたものの、抵抗が激しく思うほど容易にはいかなかった。結局、相当な時間を要しながらミサイル発射台に向かった訳だが、漸く目標地に着いた時には、発射までたった10分しか残っていなかった。
「さあ、あと10分ほどね」厳鬼がニヤけた顔つきで言った。奴は廃屋のコントロールルーム内にある、発射装置のデジタルカウンターの数字を見て、運命の瞬間を一日千秋の思いで待っていた。
が、その時、連続発砲音が突如聞こえてきた! それには、咄嗟に身構える厳鬼。ただその音量は小さく、ここからは少し遠いような気がした。それ故、すぐに窓の隙間から情勢を窺ってみると、ミサイル発射台を据え置く建物へ向かう一団の警官に対して、それを阻むため交戦する子分たちが見えた。もうそこまで追っ手の方も迫ってはきていたのだ。となれば、戦況は奴らにとって不利に思えた。けれど厳鬼に焦りがない。逃げもせずじっと静観しているだけだった。
「うーん、ちょうどそのあたりだね」次に奴は、意味あり気なことを呟く。直後――爆発音が轟いた!――発射台の十数メートル近くに警官が足を踏み入れた途端の爆発! 警官は噴き飛び、地面から大量の砂塵を舞い上げ大穴が開いた。
これは?……発射台の回りに埋め込んでいた地雷だ。やはりそれなりの用意をしていたのだった。
逆に警官たちにとっては最悪の事態を迎えたようだ。これ以上踏み入られないまま、時間だけが刻々と過ぎてゆく羽目に。当然彼らは苛立つ様相を見せた。
「隊長、どうします? これでは迂闊に近寄れません」と部下の1人が草木の間から叫んだ。
「うっくくっ、地雷か! それなら、ここからバズーカで壁を破壊するしかないな」と言うなり、隊長は小岩の影からバズーカを構えた。こうなっては強行突破も止む無しか。さらにもう1基、狙いをつけさせ……そして、続け様に撃った!
――2発の発射音が鳴り響く――けたたましい白煙を噴出し、高さ15メートルのコンクリート壁に直撃した! 激しい爆発音が耳を劈き、凄まじい衝撃を伴って破裂する! 辺り一面、煙と粉塵で霞んだ……
ところが建物の方は、コンクリート壁を多少削られただけで、びくともしていなかった。
まさに、無駄骨! 厳鬼も、その行動を見て彼らを嘲笑う。
「ふっ、馬鹿め、外壁は厚さ1メートル以上のコンクリートだ。メガトン級のロケットでしか破壊はできないわ」
対して警官は、悔しそうに声を出した。
「駄目か! 残り時間は……5分だ」と。
そこには、どうにか破壊できないかと懸命に模索する警官たちがいた。ただし、何故かミサイルの方だけを攻撃し、発射装置には目もくれないでいる。弾道弾を阻止するのに、発射装置を抑えることでもいいはずだ。それなのに機器がある厳鬼のいる所には、今の時点で攻め入らないみたいだ。この場所を把握していないのか? それとも何か作戦……
としても、既に周りは多くの警官たちで取り囲まれていた。早々に厳鬼たちの居場所も突き止められるだろう。
ただ厳鬼は、それでも余裕の笑みを浮かべていた。己が捕まることなど考えていないのだ。片やそれとは反対に、側にいる6人の子分の方は、コンクリートの柱が散在する50畳ほどの部屋内をうろつき、周りを必死で警戒している様子だ。常に外を注意し、敵の侵入を恐れているのが見て取れた。
するとその時、不意に小さな落下音がした! 小石が落ちてきたかのような微かに床をタップするノイズ。しかもその怪しい音に、1人の子分が気づいたみたいだ。部屋の隅の2階に続く昇り階段からだと推測したのか、そちらを注目し始める。――その階段というのは、装置の真正面にあたる、部屋の中でも装置との距離が一番遠い所に位置していた――子分は迷ったに違いない。それでも、警戒心より好奇心が先に立ったのだろう、自然と音に導かれているかの態で、ゆっくりと近づいた。
そして、徐に階段を見上げた……
次の瞬間、鈍い打撃音が鳴った! 子分は首を殴られ倒れ込んでしまう。さらにその後――何発もの銃声が響く!?――厳鬼たちに向かって撃ち込む者さえ現れたのだ!
むううっー? いったい何者の襲撃だ!
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