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【第5世・綾小路輝光の行方】
消したいもの
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「不思議なこともあるもんやなぁ…」
探しても探しても探しても、ビルから落ちた綾小路輝光の姿が見つからない。
なにせ高いビルから落ちたのだから、ビル風に吹かれてどこか離れたところに飛ばされていたとしても、人二人が落ちた痕跡がどこにもないのは有り得ない。
正直、あの高さから落ちてまともな人の形状をしてないのは覚悟して、人ではない形も探したが、どこにもそんなものはなかった。
まず人が落ちたのに、警察どころか、通行人すらも反応しないのはおかしい。
人々も車も普通に道を行き交い、ビルの真下でさえ、あれだけ大きな窓ガラスが割れたのに、人どころかガラスの破片ひとつなかったのだ。
一体、何が起きたのか。
一哉はめげずにまだ探しているが、正直ボクはもうどこを探しても綾小路輝光の姿はないと思っている。
「一哉~、もうええやろ。会社帰ろ」
「だって、お前…消えるとか、有り得ないだろ」
一哉はまだ諦める様子はないようだ。だからといって一哉ひとり置いて帰ってもよかったが、それは可愛い弟に対して酷い仕打ちだと思うので、ここは一哉の説得をしようと思う。
「消えたとかそんな魔法みたいなことあるわけないやろ。もっと現実的に考えや」
「じゃあ…」
「消えたのは"死体"やない、ヴァイカウントがいた"痕跡"や。つまり、その痕跡を別の誰かが意図的に消したわけや」
「そんなこと、誰が…」
「ヴァイカウントの目的は社長を殺すことやった。それが失敗して、一番痕跡を消したいのは誰や?」
「………五等爵……」
ようやく可愛い弟は状況を把握できたようで。
これでやっと会社に帰れると溜息をついた矢先、可愛い弟は突然不吉なことを言い出した。
「…待てよ兄貴。痕跡を消したいなら落ちた二人とガラス片だけじゃだめじゃないか?」
「なんやて…?」
嫌な、とても、嫌な予感がした。
「あの部屋も廊下にも、建物内には…、無数の監視カメラがある。カメラの映像だけじゃない、毛髪や服の繊維、指紋、…ヴァイカウントの何から何まで痕跡を消すなら、建物ごと消さないとダメなんじゃないか…?」
「た、建物ごとって、まさか…。それは、ちょっとお前…」
それこそ有り得ないだろ。と、言いたかった。
しかし、背後で聞こえたとても大きな爆発音によって、ボクの言葉は消されることとなった。
「なっ…!」
爆風がここまで届いた。
探しても探しても探しても、ビルから落ちた綾小路輝光の姿が見つからない。
なにせ高いビルから落ちたのだから、ビル風に吹かれてどこか離れたところに飛ばされていたとしても、人二人が落ちた痕跡がどこにもないのは有り得ない。
正直、あの高さから落ちてまともな人の形状をしてないのは覚悟して、人ではない形も探したが、どこにもそんなものはなかった。
まず人が落ちたのに、警察どころか、通行人すらも反応しないのはおかしい。
人々も車も普通に道を行き交い、ビルの真下でさえ、あれだけ大きな窓ガラスが割れたのに、人どころかガラスの破片ひとつなかったのだ。
一体、何が起きたのか。
一哉はめげずにまだ探しているが、正直ボクはもうどこを探しても綾小路輝光の姿はないと思っている。
「一哉~、もうええやろ。会社帰ろ」
「だって、お前…消えるとか、有り得ないだろ」
一哉はまだ諦める様子はないようだ。だからといって一哉ひとり置いて帰ってもよかったが、それは可愛い弟に対して酷い仕打ちだと思うので、ここは一哉の説得をしようと思う。
「消えたとかそんな魔法みたいなことあるわけないやろ。もっと現実的に考えや」
「じゃあ…」
「消えたのは"死体"やない、ヴァイカウントがいた"痕跡"や。つまり、その痕跡を別の誰かが意図的に消したわけや」
「そんなこと、誰が…」
「ヴァイカウントの目的は社長を殺すことやった。それが失敗して、一番痕跡を消したいのは誰や?」
「………五等爵……」
ようやく可愛い弟は状況を把握できたようで。
これでやっと会社に帰れると溜息をついた矢先、可愛い弟は突然不吉なことを言い出した。
「…待てよ兄貴。痕跡を消したいなら落ちた二人とガラス片だけじゃだめじゃないか?」
「なんやて…?」
嫌な、とても、嫌な予感がした。
「あの部屋も廊下にも、建物内には…、無数の監視カメラがある。カメラの映像だけじゃない、毛髪や服の繊維、指紋、…ヴァイカウントの何から何まで痕跡を消すなら、建物ごと消さないとダメなんじゃないか…?」
「た、建物ごとって、まさか…。それは、ちょっとお前…」
それこそ有り得ないだろ。と、言いたかった。
しかし、背後で聞こえたとても大きな爆発音によって、ボクの言葉は消されることとなった。
「なっ…!」
爆風がここまで届いた。
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