110 / 345
第一章:領主一年目
赤髪亭の開店と鶏
しおりを挟む
宿屋兼酒場の赤髪亭が開店した。開店したとは言っても、まだ酒場としてしか使われていない。宿屋の方を開けてもほとんど泊まる者はいないからだ。
だが宿屋兼酒場というからには、朝から夜までいつでも食事ができることになる。宿泊客もいないのに朝っぱらから食事に来る者がいるのかと思えば、それが意外にも多かった。
「以前はそれほど面倒だとは思わなかったけど、手間ではあるわな」
「パンとスープで簡単に食事を作るのも、一度面倒だと思うとダメだな」
そのような声が聞こえてくる。主に独身の農夫たちだ。徹夜明けの職人たちも来るようだ。
だがここで食事をする者が増えればパン屋の売り上げが落ちると思ったが、そうではなかった。
「うちのを買ってもらってますからね」
「量としてはあまり変わらないですね」
「私ではまだリリーさんやイーリスさんほど上手には焼けません。いずれもっと上手になれば自分で焼いて出そうと思います」
「アタシらにもずっとパンを焼いてきたプライドがありますからね。いきなり超えられちゃ立つ瀬がないってもんです」
「当分の間は買ってもうことになりますよ」
「お世話になります」
赤髪亭にはパン焼き窯があるが、あれはパン専用ではなくて肉だろうが何だろうが焼くことができる。ザーラは石窯の隅の方でパンを焼く練習は続けるそうだ。
◆ ◆ ◆
「これはどうですか?」
「うむ。これなら十分だろう」
空いた時間を利用して、昼と夜に出す料理の改善をする。できたばかりの店なので、まだメニューが固まりきっていない。ここ何日かはどれがよく注文されるかを確認しながら、翌日どうするかを考えている。
朝はブロートとズッペとヴルストかシンケンなどだが、昼は腹が膨れるもの、夜は味が濃くて酒に合うものが中心になる。
ザーラの料理はアンゲリカに比べれば落ちるが、それでもやはり宿屋の娘らしく十分美味い。だが量が感覚として分かりにくいそうだ。それは仕方がないだろう。一〇代の小柄な少女と四〇代の農夫とを比べたら、農夫の方が食べる量が多いのは当然だ。こればっかりは慣れるしかないだろう。そういうわけで値段と量を考えながら残すメニューと残さないメニューを選んでいく。
「ヴルストや卵が町で手に入るといいのですが」
「それはそうだが、なかなか難しいな。家畜や家禽は買うのも難しいが、育てるのもなかなか大変だ。それにヴルストやシンケンは技術が必要だろう」
畜産が盛んなバーランやジンドホルツなら牛も豚も手に入るだろうが。
「魔獣の肉では作れませんか?」
「作れなくはないが、狩りに行かなければ材料が手に入らないのでは問題だろう」
狩りに行けば肉は手に入る。だが狩りに行かなければ作れない。だが家畜や家禽を育てるのとどちらが大変かを考えれば……
「狩りに行った方が楽と言えば楽か」
「でも卵は無理ですよね?」
「さすがにな。魔獣の卵というのもあるそうだが、このあたりにはいなさそうだからな」
鳥や蛇の魔獣は卵を産むから、それを食べることもあるそうだ。出回ることはほとんどないそうだが。
「鶏は購入する必要があるな。今度ジンドホルツで聞いてみるか」
「はい。早いうちにお願いします」
「……俺は今度と言ったよな?」
「遅らせてもいいことはないと思います」
「それはそうだが……分かった、行ってこよう」
「よろしくお願いします」
◆ ◆ ◆
「ノルト男爵様、いらっしゃいませ」
「ルーカス、久しぶりだ」
ジンドホルツでいつも寄る養鶏場に来ている。町の端の草地には数百羽はいるだろうか。何度も卵を買いに来ているので顔馴染みだ。
「実は今日は鶏を購入したいと思っていて、その相談に来たのだが」
「ようやく養鶏を始めるのですか?」
「ああ、そろそろ生活も落ち着いたから、来年以降に向けて色々とな。購入はできるのか?」
「ええ、問題ありません。こちらにどうぞ」
そもそもここやバーランはヴァイスドルフ男爵の領地になる。王都からかなり北ということもあり、間にあるマーロー男爵領も含めて辺境という感覚だ。ノルト男爵領ができる前は、一番北がマーロー男爵領で、その南がここだからな。挨拶に行ったときには、なんとなくだが大変な場所にやって来た仲間という雰囲気で迎えられた。その際にうちには家畜がほとんどいないので場合によっては購入させてほしいと伝えて了解を得ている。
「鶏は雄が一に対して雌が一〇から二〇くらいにすると卵をよく産みますし、ヒヨコもよく孵ります」
「なるほど」
「エサは麦を始めとして何でも食べます。草もよく食べますが、干し草は食べません」
「刈りたてなら大丈夫なのか?」
「はい。刈ってその日のものなら大丈夫です。そして狭い場所に入り込んで卵を産みます。産卵箱と呼ばれるものですが、膝くらいの高さの場所にそれをたくさん用意しておけば、勝手に入って卵を産みます。傾斜を付けることで卵が転がって集めやすくすることもできます」
「だが割れないように注意が必要だな」
「そこまで割れやすくはありませんが、必要があるなら麦わらなどを敷いてください。そして鶏は寝るときは止まり木に乗ります。それと、水はまめに交換してください」
エサは色々な種類を与える。水はできる限りきれいなものを与える。これはどんな家畜でも同じだろうな。
それ以外に教わったことは、鶏が自由に出入りできるような小屋を作っておく。冬は寒くならないように気をつける。膝くらいの高さに産卵箱を作っておくと勝手に入って卵を産む。同じく膝くらいの高さの止まり木を作っておくとそこで寝る。草地の方は、ある程度の砂地を用意した方がいい。鶏は砂の中に穴を掘って砂浴びをすることがある。
「先ほどの説明は、卵を産ませるためのものです。最初のうちに孵化させて個体数を増やすのであれば、しばらくは好きにさせるのもいいと思います」
「ありがとう。助かった」
◆ ◆ ◆
ジンドホルツとバーランを周ると城に戻り、牧場の一部を使って養鶏場を作る。鶏の小屋は……石でいいのか? とりあえず城にあった予備の柱を二本持ってきて、小屋の中に立てて固定する。これは一年中快適な気温に保ってくれるものだ。床は砂と砂利と麦わらを混ぜたものを敷き詰める。
エサはとりあえず小麦、大麦、トウモロコシ、魚の粉末など。魚は川にいる。あまり口にすることはないので、一部は鶏の餌にしてもいいだろう。これらを入れたものを何か所かに用意する。水は小屋の中だけではなく外にも用意しておくか。産卵箱は小屋の中にまとめて作ろう。止まり木はさすがに石で作ると冷たいだろう。止まる部分は木にして、土台は石でいい。次は外だな。
牧草地の一部を鍬で起こして土を露出させる。これは砂遊びをさせるためだ。そして牧草はこの時期は育ちがよくないので、一部の場所に竜の鱗の粉末を蒔いておく。これで時期に関係なく牧草がよく育つだろう。これを刈ればエサになる。勝手につつくことも多いらしいが。そして外にも温度調節の柱を何本か転がしておく。屋内ほど効き目はないだろうが、この柱の周辺は冬は暖かく、夏は涼しくなるはずだ。
ここまで準備ができたら、鶏たちを放つ……前に柵を作っていなかった。柵は細い棒状の石を網のようにしたもので、思い切り蹴れば壊れるかもしれないが、それなりに強度はある。これを養鶏場の外側にぐるっと刺して固定する。
「コケーーーッ!」
「コッコッコッコ……」
「コココココ!」
元気だな。さっそく横倒しにした柱に飛び乗っている鶏もいれば、地面をつついている鶏もいる。
「なかなか賑やかですね」
馬の世話をしているホルガー、カイ、ニックの三人がやって来た。
「慣れるまでは気になるかもしれないが、これも美味いものを食べるためだと思ってくれ」
「産みたての卵は美味しいですからね」
「美味いっすよね」
「卵は生が一番ですよね」
「「「え?」」」
卵を生で?
「え? 食べませんか?」
「俺はなかったな。腹を壊すと言われていた」
「私もそう言われました」
「俺もそっすね」
まあ普通はそう教えられるよな。生で食べられるものは果物か野菜くらいのもので、生き物から採るものは絶対に生では食べるなと教えられる。
「子供の頃から[殺菌]をかけた卵は生でも大丈夫って言われて食べてましたよ。醤油をかけて」
「まあ腹を壊しても自分で治せるから大丈夫なんだが……勇気がいるな」
「エルマー様、一度この四人で試してみませんか?」
「そうだな。ものは試しだ。ところでニック、生の卵と醤油でどうするんだ?」
「麦か米を炊き上げたものにかけて食べました。米の方が美味しいですね」
「米と醤油か。少しあるんだが、それで食べてみるか? 腹を壊しても俺が治す」
いい年をした男四人が屋外で米を炊いて生卵をかけて食べるという不思議な光景だが、この日以降、産まれた卵にはすべて俺が[殺菌]を使ってから店に並べることになった。
だが宿屋兼酒場というからには、朝から夜までいつでも食事ができることになる。宿泊客もいないのに朝っぱらから食事に来る者がいるのかと思えば、それが意外にも多かった。
「以前はそれほど面倒だとは思わなかったけど、手間ではあるわな」
「パンとスープで簡単に食事を作るのも、一度面倒だと思うとダメだな」
そのような声が聞こえてくる。主に独身の農夫たちだ。徹夜明けの職人たちも来るようだ。
だがここで食事をする者が増えればパン屋の売り上げが落ちると思ったが、そうではなかった。
「うちのを買ってもらってますからね」
「量としてはあまり変わらないですね」
「私ではまだリリーさんやイーリスさんほど上手には焼けません。いずれもっと上手になれば自分で焼いて出そうと思います」
「アタシらにもずっとパンを焼いてきたプライドがありますからね。いきなり超えられちゃ立つ瀬がないってもんです」
「当分の間は買ってもうことになりますよ」
「お世話になります」
赤髪亭にはパン焼き窯があるが、あれはパン専用ではなくて肉だろうが何だろうが焼くことができる。ザーラは石窯の隅の方でパンを焼く練習は続けるそうだ。
◆ ◆ ◆
「これはどうですか?」
「うむ。これなら十分だろう」
空いた時間を利用して、昼と夜に出す料理の改善をする。できたばかりの店なので、まだメニューが固まりきっていない。ここ何日かはどれがよく注文されるかを確認しながら、翌日どうするかを考えている。
朝はブロートとズッペとヴルストかシンケンなどだが、昼は腹が膨れるもの、夜は味が濃くて酒に合うものが中心になる。
ザーラの料理はアンゲリカに比べれば落ちるが、それでもやはり宿屋の娘らしく十分美味い。だが量が感覚として分かりにくいそうだ。それは仕方がないだろう。一〇代の小柄な少女と四〇代の農夫とを比べたら、農夫の方が食べる量が多いのは当然だ。こればっかりは慣れるしかないだろう。そういうわけで値段と量を考えながら残すメニューと残さないメニューを選んでいく。
「ヴルストや卵が町で手に入るといいのですが」
「それはそうだが、なかなか難しいな。家畜や家禽は買うのも難しいが、育てるのもなかなか大変だ。それにヴルストやシンケンは技術が必要だろう」
畜産が盛んなバーランやジンドホルツなら牛も豚も手に入るだろうが。
「魔獣の肉では作れませんか?」
「作れなくはないが、狩りに行かなければ材料が手に入らないのでは問題だろう」
狩りに行けば肉は手に入る。だが狩りに行かなければ作れない。だが家畜や家禽を育てるのとどちらが大変かを考えれば……
「狩りに行った方が楽と言えば楽か」
「でも卵は無理ですよね?」
「さすがにな。魔獣の卵というのもあるそうだが、このあたりにはいなさそうだからな」
鳥や蛇の魔獣は卵を産むから、それを食べることもあるそうだ。出回ることはほとんどないそうだが。
「鶏は購入する必要があるな。今度ジンドホルツで聞いてみるか」
「はい。早いうちにお願いします」
「……俺は今度と言ったよな?」
「遅らせてもいいことはないと思います」
「それはそうだが……分かった、行ってこよう」
「よろしくお願いします」
◆ ◆ ◆
「ノルト男爵様、いらっしゃいませ」
「ルーカス、久しぶりだ」
ジンドホルツでいつも寄る養鶏場に来ている。町の端の草地には数百羽はいるだろうか。何度も卵を買いに来ているので顔馴染みだ。
「実は今日は鶏を購入したいと思っていて、その相談に来たのだが」
「ようやく養鶏を始めるのですか?」
「ああ、そろそろ生活も落ち着いたから、来年以降に向けて色々とな。購入はできるのか?」
「ええ、問題ありません。こちらにどうぞ」
そもそもここやバーランはヴァイスドルフ男爵の領地になる。王都からかなり北ということもあり、間にあるマーロー男爵領も含めて辺境という感覚だ。ノルト男爵領ができる前は、一番北がマーロー男爵領で、その南がここだからな。挨拶に行ったときには、なんとなくだが大変な場所にやって来た仲間という雰囲気で迎えられた。その際にうちには家畜がほとんどいないので場合によっては購入させてほしいと伝えて了解を得ている。
「鶏は雄が一に対して雌が一〇から二〇くらいにすると卵をよく産みますし、ヒヨコもよく孵ります」
「なるほど」
「エサは麦を始めとして何でも食べます。草もよく食べますが、干し草は食べません」
「刈りたてなら大丈夫なのか?」
「はい。刈ってその日のものなら大丈夫です。そして狭い場所に入り込んで卵を産みます。産卵箱と呼ばれるものですが、膝くらいの高さの場所にそれをたくさん用意しておけば、勝手に入って卵を産みます。傾斜を付けることで卵が転がって集めやすくすることもできます」
「だが割れないように注意が必要だな」
「そこまで割れやすくはありませんが、必要があるなら麦わらなどを敷いてください。そして鶏は寝るときは止まり木に乗ります。それと、水はまめに交換してください」
エサは色々な種類を与える。水はできる限りきれいなものを与える。これはどんな家畜でも同じだろうな。
それ以外に教わったことは、鶏が自由に出入りできるような小屋を作っておく。冬は寒くならないように気をつける。膝くらいの高さに産卵箱を作っておくと勝手に入って卵を産む。同じく膝くらいの高さの止まり木を作っておくとそこで寝る。草地の方は、ある程度の砂地を用意した方がいい。鶏は砂の中に穴を掘って砂浴びをすることがある。
「先ほどの説明は、卵を産ませるためのものです。最初のうちに孵化させて個体数を増やすのであれば、しばらくは好きにさせるのもいいと思います」
「ありがとう。助かった」
◆ ◆ ◆
ジンドホルツとバーランを周ると城に戻り、牧場の一部を使って養鶏場を作る。鶏の小屋は……石でいいのか? とりあえず城にあった予備の柱を二本持ってきて、小屋の中に立てて固定する。これは一年中快適な気温に保ってくれるものだ。床は砂と砂利と麦わらを混ぜたものを敷き詰める。
エサはとりあえず小麦、大麦、トウモロコシ、魚の粉末など。魚は川にいる。あまり口にすることはないので、一部は鶏の餌にしてもいいだろう。これらを入れたものを何か所かに用意する。水は小屋の中だけではなく外にも用意しておくか。産卵箱は小屋の中にまとめて作ろう。止まり木はさすがに石で作ると冷たいだろう。止まる部分は木にして、土台は石でいい。次は外だな。
牧草地の一部を鍬で起こして土を露出させる。これは砂遊びをさせるためだ。そして牧草はこの時期は育ちがよくないので、一部の場所に竜の鱗の粉末を蒔いておく。これで時期に関係なく牧草がよく育つだろう。これを刈ればエサになる。勝手につつくことも多いらしいが。そして外にも温度調節の柱を何本か転がしておく。屋内ほど効き目はないだろうが、この柱の周辺は冬は暖かく、夏は涼しくなるはずだ。
ここまで準備ができたら、鶏たちを放つ……前に柵を作っていなかった。柵は細い棒状の石を網のようにしたもので、思い切り蹴れば壊れるかもしれないが、それなりに強度はある。これを養鶏場の外側にぐるっと刺して固定する。
「コケーーーッ!」
「コッコッコッコ……」
「コココココ!」
元気だな。さっそく横倒しにした柱に飛び乗っている鶏もいれば、地面をつついている鶏もいる。
「なかなか賑やかですね」
馬の世話をしているホルガー、カイ、ニックの三人がやって来た。
「慣れるまでは気になるかもしれないが、これも美味いものを食べるためだと思ってくれ」
「産みたての卵は美味しいですからね」
「美味いっすよね」
「卵は生が一番ですよね」
「「「え?」」」
卵を生で?
「え? 食べませんか?」
「俺はなかったな。腹を壊すと言われていた」
「私もそう言われました」
「俺もそっすね」
まあ普通はそう教えられるよな。生で食べられるものは果物か野菜くらいのもので、生き物から採るものは絶対に生では食べるなと教えられる。
「子供の頃から[殺菌]をかけた卵は生でも大丈夫って言われて食べてましたよ。醤油をかけて」
「まあ腹を壊しても自分で治せるから大丈夫なんだが……勇気がいるな」
「エルマー様、一度この四人で試してみませんか?」
「そうだな。ものは試しだ。ところでニック、生の卵と醤油でどうするんだ?」
「麦か米を炊き上げたものにかけて食べました。米の方が美味しいですね」
「米と醤油か。少しあるんだが、それで食べてみるか? 腹を壊しても俺が治す」
いい年をした男四人が屋外で米を炊いて生卵をかけて食べるという不思議な光景だが、この日以降、産まれた卵にはすべて俺が[殺菌]を使ってから店に並べることになった。
10
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる