1 / 17
プロローグ
しおりを挟む
何気なく忙しい毎日を送り気がつけばこの街に住んで15年になる。
15年前に大手商社から転職して渡米してこのNYに住んだ事については後悔は一ミリもしていない。
同年代ではかなり成功している方だと思うし、今住んでいるアパルトマンやこの街の空気は俺は嫌いじゃない。
この街は成功と失敗が同居しているように毎日思う、今は地下鉄に乗る事も少なくなったが、ビジネスマンが行きかう横で寝そべっている人も珍しくはない。
彼等の中にも昔は、成功していた人間もいる俺にしても、今日は成功者で明日は彼等と同じかもしれない。
そんなスリルも自分一人だから楽しく感じるのだと思う。
「家族がいたら怖いかもな。」
結果が全てのこの国で自分のオフィスを持つまでに成功した桐生 凱は毎日通っているカフェでコーヒーを注文して昨日の売買の数字を目で追っていた。
スマホが着信を知らせる。
「日本から?むこうは夜かな・・。」
そう思いながら見知った顔のアイコンをタップした。
「おはよう。どうした?」
幼馴染の一人の伊集院 忍は、医師をしている数か月前にアメリカで会ったばかりだった。
「落ち着いて聞けよ・・咲が息を引き取った。」
「えっ?!」
カフェの壁に飾られているカレンダーを見て4月1日ではないと確認した。
「咲が・・咲が・・。」
忍は普段は冷静な男だ、そんな男が泣きながら言う。
「嘘だろう?」
俺は、ここ何年も会っていない・・・実際には15年ほどちゃんと会っていない幼馴染の彼女の姿を思い出した。
「なんでだよ・・お前は医者だろう?今から行くからさ心臓動かせておけよ!助けろよ。」
無茶な事を言っているのは解っているそれでもそう言うしかなかったしそうとしか言葉がでなかった。
そこから飛行機のチケットを取って日本についてからも夢の中にいるような信じられない信じたくないそんな感情に襲われている。
スマホには四人で写る俺達の写真。
「なんなんだよお前はよ・・。」
懐かしい町まであと少し、
「この海岸は変わらないな。」
海沿いの道路をタクシーの運転手にお願いして走ってもらう。
何も変わらない俺達が育った町。
俺は今はまだ彼女がこの世にいないとは思えずにいる。
それほど何も変わらない町はあちらこちらに若い自分達の映像がうかぶ。
冗談とか大がかりな悪戯かもしれない、そうであって欲しいと思いながら待ち合わせの場所に向かった。
俺達の「いつもの場所」に
15年前に大手商社から転職して渡米してこのNYに住んだ事については後悔は一ミリもしていない。
同年代ではかなり成功している方だと思うし、今住んでいるアパルトマンやこの街の空気は俺は嫌いじゃない。
この街は成功と失敗が同居しているように毎日思う、今は地下鉄に乗る事も少なくなったが、ビジネスマンが行きかう横で寝そべっている人も珍しくはない。
彼等の中にも昔は、成功していた人間もいる俺にしても、今日は成功者で明日は彼等と同じかもしれない。
そんなスリルも自分一人だから楽しく感じるのだと思う。
「家族がいたら怖いかもな。」
結果が全てのこの国で自分のオフィスを持つまでに成功した桐生 凱は毎日通っているカフェでコーヒーを注文して昨日の売買の数字を目で追っていた。
スマホが着信を知らせる。
「日本から?むこうは夜かな・・。」
そう思いながら見知った顔のアイコンをタップした。
「おはよう。どうした?」
幼馴染の一人の伊集院 忍は、医師をしている数か月前にアメリカで会ったばかりだった。
「落ち着いて聞けよ・・咲が息を引き取った。」
「えっ?!」
カフェの壁に飾られているカレンダーを見て4月1日ではないと確認した。
「咲が・・咲が・・。」
忍は普段は冷静な男だ、そんな男が泣きながら言う。
「嘘だろう?」
俺は、ここ何年も会っていない・・・実際には15年ほどちゃんと会っていない幼馴染の彼女の姿を思い出した。
「なんでだよ・・お前は医者だろう?今から行くからさ心臓動かせておけよ!助けろよ。」
無茶な事を言っているのは解っているそれでもそう言うしかなかったしそうとしか言葉がでなかった。
そこから飛行機のチケットを取って日本についてからも夢の中にいるような信じられない信じたくないそんな感情に襲われている。
スマホには四人で写る俺達の写真。
「なんなんだよお前はよ・・。」
懐かしい町まであと少し、
「この海岸は変わらないな。」
海沿いの道路をタクシーの運転手にお願いして走ってもらう。
何も変わらない俺達が育った町。
俺は今はまだ彼女がこの世にいないとは思えずにいる。
それほど何も変わらない町はあちらこちらに若い自分達の映像がうかぶ。
冗談とか大がかりな悪戯かもしれない、そうであって欲しいと思いながら待ち合わせの場所に向かった。
俺達の「いつもの場所」に
0
あなたにおすすめの小説
さようなら、私の初恋
しょくぱん
恋愛
「さよなら、私の初恋。……もう、全部お返しします」
物心ついた時から、彼だけが世界のすべてだった。 幼馴染の騎士団長・レオンに捧げた、十数年の純粋な初恋。 彼が「無敵」でいられたのは、アリアが無自覚に与え続けた『治癒の加護』があったから。
だが婚約直前、アリアは知ってしまう。 彼にとって自分は、仲間内で競い合う「賭けの対象」でしかなかったことを。
「あんな女、落とすまでのゲームだよ」
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
噂の聖女と国王陛下 ―婚約破棄を願った令嬢は、溺愛される
柴田はつみ
恋愛
幼い頃から共に育った国王アランは、私にとって憧れであり、唯一の婚約者だった。
だが、最近になって「陛下は聖女殿と親しいらしい」という噂が宮廷中に広まる。
聖女は誰もが認める美しい女性で、陛下の隣に立つ姿は絵のようにお似合い――私など必要ないのではないか。
胸を締め付ける不安に耐えかねた私は、ついにアランへ婚約破棄を申し出る。
「……私では、陛下の隣に立つ資格がありません」
けれど、返ってきたのは予想外の言葉だった。
「お前は俺の妻になる。誰が何と言おうと、それは変わらない」
噂の裏に隠された真実、幼馴染が密かに抱き続けていた深い愛情――
一度手放そうとした運命の絆は、より強く絡み合い、私を逃がさなくなる。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
雨降る夜道……
Masa&G
恋愛
雨の夜、同じバス停で白いレインコートの女性が毎晩、誰かを待っている。
帰ってこないと分かっていても、
それでも待つ理由がある――
想いが叶うとき――
奇跡が起きる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる