愛してると言いたかった

アタラン

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真相 2

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「あの女が何処にいるか知ってるか?」

俺は自分に対する不甲斐なさと女への怒りでどうにかなりそうだ。


過去には戻れないがあの女のせいで俺は失ったんだ。

咲との夢にみた生活も大事な女が産んでくれた子供と過ごす時間も失ったんだ。

しかし忍は、残念ながらあの女と会うのは難しいと言った。

「あの女は、その後に付き合った男にもストーカー紛いな事そして今から数年前に別れた相手と女を刺して現在服役中だよ。」

あの女の名前を忍が記憶していたのは、篠原が起こした事件が新聞に掲載され記憶に残っていたようだ。

その事件で、篠原が拘束された後で咲が初めて女が何かと絡んできていた事を二人に話したらしい。

「咲が俺と連絡を取らなかったのは?」

俺に女がいると思ったのもあるだろうけど、もしかしたら他にも理由があったのかもしれないと考えていたら忍が。

「篠原が咲親子を監視していると思っていたみたいだ。」

彼女一人ならもしかしたら連絡してきたかもしれないが子供がいて子供に危険があるかもしれないと思ったら連絡もできないのは合点がいった。

でも篠原が捕まった時点で連絡できたんじゃないのか?と新たな疑問を抱いた時に忍がその疑問に答えるように言った。

「凱、咲が最初に癌になったのは篠原が捕まる前だったんだ。初期だったけど再発を考えたのだと思うんだ。」

俺は自分が忍達に咲の事を聞かなかった事を悔いた。

俺が聞かなかった理由は、単純な事だった咲が他の男を選んだという事を聞きたく無かったからだ。

俺が意地を張らずに怖がらずに咲に連絡さえしていれば状況は変わったかもしれない。

「全て俺が悪いんだ。」

後悔と苦悩の入り混じった感情をなんといっていいか解らない。

俺は、項垂れるしかなかった・・もしあの時どればかりが脳内で繰り返される。

そんな俺に忍はまさかと思うような事を言い出した。

「俺は、妊娠中に篠原に殴られて入院していた咲に俺の所に来たらいいって言ったんだ。」

忍は、一人で子供を産んで育てる決意をしていた咲にプロポーズしたと告白した。

「俺は、ずっと咲が好きだった。でも咲がずっと見ていたのは凱だったんだ。お前と咲はお互い変な距離を置いていたようだけど俺は知っていたんだよ。二人とも不器用で想いがすれ違っている事とかもどかしく見ていたんだ。」


凱と咲は、お互いに想い合っているのに何故かお互いの想いに蓋をするような行動ばかりしていた。

そんな二人を見ていてもどかしくもあったが、変わらない俺達の関係が壊れるのも怖かったから傍観していた。

凱のいない時に咲が弱っている所に付け込むように彼女を手に入れようとしたんだ。

卑怯だと言われても俺は、咲を手に入れたかったしそのチャンスを逃したくなかった。

「咲は、自分が愛しているのは一人でその男の子供だから自分で育てる。」って言った。

咲の意志は、強くて今でもその男を愛していると言われたらそれ以上強引には言えなかった。

そんな俺達二人をみていた登が言ったのは・・・。

「その男が咲の元に帰ってきて子供を認めるまで俺達が父親の代わりをする。それだけは俺は譲らないぞ。」

俺は、もちろん咲も迷いながらもその提案には素直に「ありがとう」と言った。

凱にも言うなら俺達から言ってやろうかと提案したら咲は・・。

「凱ってこういうの怒るから言わないで。向こうで大変だろうし帰国した時にでも言うから。子供が産まれてからでも遅くないかな。」

最初は子供が産まれたら。

その次は桜が一歳になったら。

気がついたら咲は病気になって次は治ったら。

凱は、凱で帰国もしないし咲の事を俺達にも聞いてこなかったから。

咲も咲で凱が元気だったかとかどうしてたと聞くくらいで深い話は聞いてこなかった。

登は、気がついていなかったかも知れないが、俺は何となく二人の間になにかあったんじゃ
ないかと思ってはいた。

普通に「咲に桜って娘がいるんだ。」と言わなかった理由は。

もし凱が父親だったら?

桜の父親役を俺は降りたくなかった。咲の夫になれなくても桜の父親役は譲りたくなかった。

俺は、どこかで桜の父親が凱じゃないかと解っていたんだ。

解っていたからこそ聞かなかったし言わなかった。


言えなかったんだ。


マスターは口を挟む事なく俺達の話を聞いていたがタバコに火をつけると。

「それで今後はどうするんだ?登には話すのか?」

登にとっても咲は幼馴染の大事な親友で恋愛感情はないが大事な存在だった
事には変わりなかった。





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