愛してると言いたかった

エピローグ

咲が残したUSB・・

俺は、自分のノートパソコンにそのUSBを差し込んでそして俺はその中のファイルを一人でみる事にした。


あれ？これでいいのかな・・。

そんな事を言いながら元気そうな咲が映っている。


「凱・・これを見ているという事は何か私にあったって事かな？」


そんな言葉から始まる咲が残した動画・・

お前元気じゃねーかよ！って言いたくなる。


「今は、元気なんだけど・・少し前に癌になってねあと数年で五年になるの。完治ってなったら凱に連絡するつもりだったのよ。」

完治なんてしなくても癌になった時に連絡しろよ・・。

「ほら、凱のお母さんが癌で亡くなってお父さんが落ち込んじゃって色々あったから完治してからちゃんと連絡するつもりでいたの。少し前に篠原さん捕まったから凱に言わないといけない事を言おうと思っていたら今度は病気で・・。
実は、あの時に凱と私の間に赤ちゃんが出来ていたの・・忍や登には凱がお父さんだとは言ってなくてでも子育ては手伝ってくれてるの。
本当はね、すぐに報告してそっちに行きたかったけど嘘に騙されて一時凱を信じれなくなったの。」

俺もだよ・・咲。


馬鹿だよな俺達・・あんな女の言葉に騙されて脅されて。

「桜って名前なんだけど可愛いのよ。」

ああ知ってるよ可愛いよな。

「ごめんね。子供との時間を奪ってしまってごめんね。」


泣くなよ。

俺はパソコンの画面に映る咲の顔に手を伸ばす。

届かねーよ咲・・。


「もしかしたら私が桜の側にいれなくなって凱がこれを見てるかもしれないね。あのね凱。」

なんだ？咲。

「凱には好きだとは言ったけど愛してるって言ってないんだよね。愛してる今でもずっと・・言いたかったよ、愛してるって。」

俺も愛してるって言いたかったよ‥咲。

俺は、咲以外をこれから愛する事は無いって言いきれるよ。

咲が残したUSBは俺へのメッセージだった。

手紙は、自分がいなくなった時に篠原が桜の前に現れたりした時なんかの為の篠原が咲を脅した証拠だった。

これからは桜を俺が守るからお前は魂だけでも側にいてくれ。


咲・・今でも愛してるよ。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Fin