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特別な人
特別な人 第104話
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「瑛大、悪いことは言わねぇ。謝っとけ」
「! 葵! ごめっ、悪かった! 野宿かと思ったら頭真っ白になっちまって……」
顔面蒼白って言葉がぴったりな表情で頭を下げる瑛大。その後ろでは茂斗が「許してやれよ?」って肩を竦ませて見せて、まるで僕が『許さない!』って癇癪を起しかねないって言いたげだった。
別に怒ってない僕は茂斗の言葉に引っ掛かりを感じながらも、でも瑛大を先に安心させてあげないと! って思って「大丈夫だよ」って笑いかけた。
「それより、なんで野宿? 泊まって行かないの?」
「え?」
「え? 何で驚くの?」
びっくりしてる瑛大にびっくりした。
瑛大は「だって……」と虎君の表情を伺うように視線を向けてて、虎君と一緒に行動するつもりだったんだなって分かった。
だから僕は虎君が答えるよりも先に瑛大に「大丈夫だよ」って笑いかける。
「虎君も泊まってくれるし、ね?」
「まぁ、そういうことだな」
今日も泊まってくれるんだよね? って確認の意味を込めて虎君の腕に抱き着いたら、『もちろん泊まるよ』って笑顔を返してくれる。
虎君は僕から瑛大に視線を移すと、
「野宿が嫌ならお前も泊めてもらえよ」
なんて笑った。
(もう! 意地悪な言い方するんだから! 瑛大、また泣きついてくるよ?)
何度も大好きな『お兄ちゃん』に邪険にされるのは流石に可哀想。
フォローっていうわけじゃないけど、僕は虎君の言葉に苦笑いを浮かべながら瑛大に昔みたいに泊まって行ってってお願いしてみた。
でも、瑛大から帰ってきたのは泣きつく言葉とかじゃなくて……。
「虎兄の部屋、今日から葵が使うんじゃねーの?」
「そうだよ?」
「だったら虎兄、何処で寝るんだよ?」
「? 虎君の部屋だよ?」
状況が理解できないって眉間に皺を寄せる瑛大だけど、なんでそんな怖い顔になってるのか僕の方こそ理解できない。
とりあえず瑛大の疑問を解消するために聞かれた言葉に応えてみるんだけど、「えぇ……」ってますます意味が分からないって顔をされてしまった。
「! あぁ! そっか! 虎兄の部屋も移ったのか!」
「移ってねぇよ。虎はこの家もう出てってるんだぞ」
瑛大は「理解できた!」って表情を輝かせて一人頷いてるんだけど、そういうことじゃないって茂斗が訂正。
その言い方が乱暴だと思ったから今度は僕が虎君は一人暮らしをしてるからこの家にもう自室は不要だからって瑛大に説明する。
でも、僕の説明が終わる前に瑛大は何故か膝から崩れるように廊下に手をついて蹲ってしまった。
「え、瑛大……? どうしたの……?」
「葵……、虎兄の部屋って、お前の部屋だよな……?」
「う、うん。そうだよ」
おなかでも痛くなった? って心配になってしゃがみ込んで瑛大の顔を覗き込もうとしたら、震える声。
本当におなかが痛くて痛みを耐えてるのかもしれないって虎君と茂斗に助けを求めるように視線を向けるんだけど、二人は瑛大の事を全然気にかけてなかった。
茂斗は「凪待ってるって言ってんだろうが」ってイライラしてるし、虎君も携帯を取り出してメールの確認でもしてるみたいだし、これじゃ本当に瑛大が可哀想だ。
「二人とももう少し瑛大の事を――――」
「葵」
「! 何? 瑛大、大丈夫?」
大事な幼馴染が苦しんでるんだから心配ぐらいしようよ!
そう訴える僕の声が瑛大自身の声に遮られ、僕は二人からもう一度瑛大に視線を戻した。
すると瑛大はすごく真剣な顔をしてて、限界を超える痛みなのかもしれないって眉が下がってしまう。
けど瑛大は僕の心配を余所に、正直に答えてくれって真剣な声で変な事を聞いてきた。
「お前、虎兄と一緒に寝てるのか?」
「え? 今それ大事なこと? 体調悪いのにどうしてそんなこと気にしてるの?」
状況分かってる? って僕が眉を顰めるも、瑛大は「答えてくれ」って凄んでくるし、一体何をそんなに気にしてるんだろう……。
「一緒に寝てるけど、それが何?」
「マジかぁ……」
瑛大が納得するならと思って答えたら凄く大きなため息と一緒にまた廊下に蹲るし、本当にどうしちゃったんだろう。
「瑛大、とりあえず体調が悪いなら横になってた方がいいよ?」
「いや……いい……大丈夫だ……。あんまり大丈夫じゃないけど……」
「! やっぱり大丈夫じゃないんじゃない!」
肩が震えてるし、事態は思ってた以上に深刻みたいだ。
焦る僕は「病院行こ!?」って瑛大の腕を引っ張るんだけど、瑛大は「そうじゃない、そうじゃないんだ……!」って廊下に頭擦り付けて動かないし、どうしよう……。
「なぁー、マジでいい加減にしてくれねぇ? 凪が待ってるって何回言わせんだよ」
「そうだな。凪ちゃんも樹里斗さんも待ってるし、遊んでる場合じゃなかったな。……葵、行こう?」
我慢の限界とばかりに不機嫌な声を掛けてくる茂斗にはこの状況が目に入ってないの?
でも、茂斗だけじゃなくて虎君もいつも通り笑いかけて来るし、僕はパニック状態に陥りそうだった。
「! 葵! ごめっ、悪かった! 野宿かと思ったら頭真っ白になっちまって……」
顔面蒼白って言葉がぴったりな表情で頭を下げる瑛大。その後ろでは茂斗が「許してやれよ?」って肩を竦ませて見せて、まるで僕が『許さない!』って癇癪を起しかねないって言いたげだった。
別に怒ってない僕は茂斗の言葉に引っ掛かりを感じながらも、でも瑛大を先に安心させてあげないと! って思って「大丈夫だよ」って笑いかけた。
「それより、なんで野宿? 泊まって行かないの?」
「え?」
「え? 何で驚くの?」
びっくりしてる瑛大にびっくりした。
瑛大は「だって……」と虎君の表情を伺うように視線を向けてて、虎君と一緒に行動するつもりだったんだなって分かった。
だから僕は虎君が答えるよりも先に瑛大に「大丈夫だよ」って笑いかける。
「虎君も泊まってくれるし、ね?」
「まぁ、そういうことだな」
今日も泊まってくれるんだよね? って確認の意味を込めて虎君の腕に抱き着いたら、『もちろん泊まるよ』って笑顔を返してくれる。
虎君は僕から瑛大に視線を移すと、
「野宿が嫌ならお前も泊めてもらえよ」
なんて笑った。
(もう! 意地悪な言い方するんだから! 瑛大、また泣きついてくるよ?)
何度も大好きな『お兄ちゃん』に邪険にされるのは流石に可哀想。
フォローっていうわけじゃないけど、僕は虎君の言葉に苦笑いを浮かべながら瑛大に昔みたいに泊まって行ってってお願いしてみた。
でも、瑛大から帰ってきたのは泣きつく言葉とかじゃなくて……。
「虎兄の部屋、今日から葵が使うんじゃねーの?」
「そうだよ?」
「だったら虎兄、何処で寝るんだよ?」
「? 虎君の部屋だよ?」
状況が理解できないって眉間に皺を寄せる瑛大だけど、なんでそんな怖い顔になってるのか僕の方こそ理解できない。
とりあえず瑛大の疑問を解消するために聞かれた言葉に応えてみるんだけど、「えぇ……」ってますます意味が分からないって顔をされてしまった。
「! あぁ! そっか! 虎兄の部屋も移ったのか!」
「移ってねぇよ。虎はこの家もう出てってるんだぞ」
瑛大は「理解できた!」って表情を輝かせて一人頷いてるんだけど、そういうことじゃないって茂斗が訂正。
その言い方が乱暴だと思ったから今度は僕が虎君は一人暮らしをしてるからこの家にもう自室は不要だからって瑛大に説明する。
でも、僕の説明が終わる前に瑛大は何故か膝から崩れるように廊下に手をついて蹲ってしまった。
「え、瑛大……? どうしたの……?」
「葵……、虎兄の部屋って、お前の部屋だよな……?」
「う、うん。そうだよ」
おなかでも痛くなった? って心配になってしゃがみ込んで瑛大の顔を覗き込もうとしたら、震える声。
本当におなかが痛くて痛みを耐えてるのかもしれないって虎君と茂斗に助けを求めるように視線を向けるんだけど、二人は瑛大の事を全然気にかけてなかった。
茂斗は「凪待ってるって言ってんだろうが」ってイライラしてるし、虎君も携帯を取り出してメールの確認でもしてるみたいだし、これじゃ本当に瑛大が可哀想だ。
「二人とももう少し瑛大の事を――――」
「葵」
「! 何? 瑛大、大丈夫?」
大事な幼馴染が苦しんでるんだから心配ぐらいしようよ!
そう訴える僕の声が瑛大自身の声に遮られ、僕は二人からもう一度瑛大に視線を戻した。
すると瑛大はすごく真剣な顔をしてて、限界を超える痛みなのかもしれないって眉が下がってしまう。
けど瑛大は僕の心配を余所に、正直に答えてくれって真剣な声で変な事を聞いてきた。
「お前、虎兄と一緒に寝てるのか?」
「え? 今それ大事なこと? 体調悪いのにどうしてそんなこと気にしてるの?」
状況分かってる? って僕が眉を顰めるも、瑛大は「答えてくれ」って凄んでくるし、一体何をそんなに気にしてるんだろう……。
「一緒に寝てるけど、それが何?」
「マジかぁ……」
瑛大が納得するならと思って答えたら凄く大きなため息と一緒にまた廊下に蹲るし、本当にどうしちゃったんだろう。
「瑛大、とりあえず体調が悪いなら横になってた方がいいよ?」
「いや……いい……大丈夫だ……。あんまり大丈夫じゃないけど……」
「! やっぱり大丈夫じゃないんじゃない!」
肩が震えてるし、事態は思ってた以上に深刻みたいだ。
焦る僕は「病院行こ!?」って瑛大の腕を引っ張るんだけど、瑛大は「そうじゃない、そうじゃないんだ……!」って廊下に頭擦り付けて動かないし、どうしよう……。
「なぁー、マジでいい加減にしてくれねぇ? 凪が待ってるって何回言わせんだよ」
「そうだな。凪ちゃんも樹里斗さんも待ってるし、遊んでる場合じゃなかったな。……葵、行こう?」
我慢の限界とばかりに不機嫌な声を掛けてくる茂斗にはこの状況が目に入ってないの?
でも、茂斗だけじゃなくて虎君もいつも通り笑いかけて来るし、僕はパニック状態に陥りそうだった。
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