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特別な人
特別な人 第233話
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「ねぇ海音君、『皆分かってる』って言ったけど、海音君以外も、知ってたの……?」
虎君の腕の中、僕は新たに浮かんだ疑問を口に出す。虎君が僕を想ってくれていたことを、海音君以外に誰が知っているの? と。
僕は虎君のことを誰よりも知っているつもりだったけど、それは勘違いだったってことは分かった。僕よりもずっとずっと海音君の方が虎君を理解していたから。
でも、本当に海音君だけなんだろうか?
「え? いや、葵以外全員知ってたぞ?」
「へ?」
「いや、だから葵以外全員虎が葵に惚れてること知ってるから」
呆然とする僕に、海音君は笑う。俺だけじゃないっていうか、葵以外全員だから。って。
僕は理解できず助けを求めるように虎君を見上げる。虎君は困ったように笑って、ただ「ごめん」って謝ってきた。
それは海音君の言葉が正しいという肯定を意味していて……。
「う、うそ……」
「残念ながら、本当のことだよ。先輩が葵のこと激ラブだってみんな知ってるよ。学校で葵にちょっかい掛ける輩がほとんど居ないのってそう言う理由だからね?」
慶史は苦笑交じりに頭が真っ白になる。
そして次の瞬間、僕の頬は一気に高揚した。あまりの恥ずかしさに。
(嘘、嘘嘘嘘っ! 僕、僕、全然虎君のこと理解できてなかったの!? それなのに僕、一番の理解者だって豪語してたの!?)
何それ? そんなの恥ずかしすぎて穴があったら入りたい―――っていうか、穴を掘ってでも隠れたいレベルで恥ずかしいんだけど!?
みんなは、一番肝心なことを知らない僕の『理解者面』をどう思っていたのだろう?
呆れた? それとも、バカだと思った?
赤くなった顔が青くなる僕。
それを見た虎君は僕を抱き締めると「ずっと隠してたから知らなくて当然だから」って言ってくれる。
「なんで? なんで隠してたの……? 言ってくれたら、僕だってもっと早く虎君のことを―――」
「葵に自分の意志で好きになって欲しかったんだ。俺が言ったからじゃなくて、葵から俺のことを好きになって欲しかったんだ……」
だから僕にだけはずっと隠していた。
そう告げた虎君は僕を更に強く抱き締めると、もう二度と隠し事はしないと約束してくれた。僕には全てを見せてくれると誓ってくれた。
「絶対……? 僕、虎君の一番になれる……?」
「俺の一番はずっと葵だよ」
「そうじゃなくてっ! ……そうじゃなくて、僕、虎君の一番の理解者になりたいよ……」
他の人が虎君の一番なんて、嫌だよ……。
震える声で零れたのは、子供染みた独占欲。誰にも、そう、誰にも虎君を渡したくない。そんな僕のワガママ。
「俺も、葵に俺の全部を知って欲しいよ。俺のことを知って、その上で俺を愛して欲しいよ……」
「なら、教えて? もっともっと虎君のこと好きになるから、大好きになるから、だから……」
「ありがとう、葵。ありがとう……」
虎君が望むなら、望んでくれるなら、僕は今日から虎君の一番になるために努力しようって決めた。
(そうだよ。昨日までは確かに何も知らなかったかもしれないけど、けど、今日から知ればいいだけだよね!)
虎君が傍にいてくれるから、僕はこんなに前向きになれる。
僕は虎君を見上げ、少し照れくさいと思いながらも笑った。
「今日からは僕が虎君の一番になるからね? 海音君達には絶対負けないからね?」
と。
「お! なんだ葵。俺と張り合おうってか? いいねぇ。負けねぇぞ? なんたって俺は―――」
「年の差はどうしようもないけど、でも、僕だって負けないよ!」
親友の座を明け渡す気はないと言う海音君に、笑顔で宣戦布告。
海音君は受けて立つと不敵に笑った。
でも、僕の視界は海音君から一転、虎君だけになる。
「俺以外にそんな可愛い笑顔見せるの禁止」
「! もう! 虎君ってば!」
ちゅっとキスしてくる虎君はどうやら海音君にヤキモチを焼いたみたい。
僕はそんな愛しい人に頬を緩ませ、虎君がいるから笑えるんだよって教えてあげた。
「虎君が傍にいてくれるなら、僕はずっとずっと幸せだからね? だから、ずっと一緒に居てね?」
「葵が一緒に居てくれるなら、いつまでも一緒に居るよ」
ギュって抱き合う僕達。その後ろでは、海音君と慶史の声が聞こえる。
「とりあえずハッピーエンドでよかったよかった」
「全然良くないから。ていうか俺はこれからも邪魔する気満々ですからね!!」
安心したと大笑いする海音君に、僕の目を醒まさせると言ってる慶史。
僕は虎君と抱き合って、そんな二人の声に笑うのだ。
虎君の腕の中、僕は新たに浮かんだ疑問を口に出す。虎君が僕を想ってくれていたことを、海音君以外に誰が知っているの? と。
僕は虎君のことを誰よりも知っているつもりだったけど、それは勘違いだったってことは分かった。僕よりもずっとずっと海音君の方が虎君を理解していたから。
でも、本当に海音君だけなんだろうか?
「え? いや、葵以外全員知ってたぞ?」
「へ?」
「いや、だから葵以外全員虎が葵に惚れてること知ってるから」
呆然とする僕に、海音君は笑う。俺だけじゃないっていうか、葵以外全員だから。って。
僕は理解できず助けを求めるように虎君を見上げる。虎君は困ったように笑って、ただ「ごめん」って謝ってきた。
それは海音君の言葉が正しいという肯定を意味していて……。
「う、うそ……」
「残念ながら、本当のことだよ。先輩が葵のこと激ラブだってみんな知ってるよ。学校で葵にちょっかい掛ける輩がほとんど居ないのってそう言う理由だからね?」
慶史は苦笑交じりに頭が真っ白になる。
そして次の瞬間、僕の頬は一気に高揚した。あまりの恥ずかしさに。
(嘘、嘘嘘嘘っ! 僕、僕、全然虎君のこと理解できてなかったの!? それなのに僕、一番の理解者だって豪語してたの!?)
何それ? そんなの恥ずかしすぎて穴があったら入りたい―――っていうか、穴を掘ってでも隠れたいレベルで恥ずかしいんだけど!?
みんなは、一番肝心なことを知らない僕の『理解者面』をどう思っていたのだろう?
呆れた? それとも、バカだと思った?
赤くなった顔が青くなる僕。
それを見た虎君は僕を抱き締めると「ずっと隠してたから知らなくて当然だから」って言ってくれる。
「なんで? なんで隠してたの……? 言ってくれたら、僕だってもっと早く虎君のことを―――」
「葵に自分の意志で好きになって欲しかったんだ。俺が言ったからじゃなくて、葵から俺のことを好きになって欲しかったんだ……」
だから僕にだけはずっと隠していた。
そう告げた虎君は僕を更に強く抱き締めると、もう二度と隠し事はしないと約束してくれた。僕には全てを見せてくれると誓ってくれた。
「絶対……? 僕、虎君の一番になれる……?」
「俺の一番はずっと葵だよ」
「そうじゃなくてっ! ……そうじゃなくて、僕、虎君の一番の理解者になりたいよ……」
他の人が虎君の一番なんて、嫌だよ……。
震える声で零れたのは、子供染みた独占欲。誰にも、そう、誰にも虎君を渡したくない。そんな僕のワガママ。
「俺も、葵に俺の全部を知って欲しいよ。俺のことを知って、その上で俺を愛して欲しいよ……」
「なら、教えて? もっともっと虎君のこと好きになるから、大好きになるから、だから……」
「ありがとう、葵。ありがとう……」
虎君が望むなら、望んでくれるなら、僕は今日から虎君の一番になるために努力しようって決めた。
(そうだよ。昨日までは確かに何も知らなかったかもしれないけど、けど、今日から知ればいいだけだよね!)
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僕は虎君を見上げ、少し照れくさいと思いながらも笑った。
「今日からは僕が虎君の一番になるからね? 海音君達には絶対負けないからね?」
と。
「お! なんだ葵。俺と張り合おうってか? いいねぇ。負けねぇぞ? なんたって俺は―――」
「年の差はどうしようもないけど、でも、僕だって負けないよ!」
親友の座を明け渡す気はないと言う海音君に、笑顔で宣戦布告。
海音君は受けて立つと不敵に笑った。
でも、僕の視界は海音君から一転、虎君だけになる。
「俺以外にそんな可愛い笑顔見せるの禁止」
「! もう! 虎君ってば!」
ちゅっとキスしてくる虎君はどうやら海音君にヤキモチを焼いたみたい。
僕はそんな愛しい人に頬を緩ませ、虎君がいるから笑えるんだよって教えてあげた。
「虎君が傍にいてくれるなら、僕はずっとずっと幸せだからね? だから、ずっと一緒に居てね?」
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