31 / 54
LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN.
LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN. 第30話
しおりを挟む
唯哉の次の恋の為に、次に好きになった人に真っ直ぐ想いを伝えられる親友のままでいて欲しいから、だから―――。
「それ、悠栖的には『思いやり』なんだろうけど、僕から言わせてもらえばただのお節介だよね」
「そ、そんなハッキリ言うなよっ」
「だって言わないと悠栖、分からないでしょ? 悠栖がしたことは汐君のためじゃなくて、自分の理想を押し付けてるだけの『自己満足』だよ」
間を取り成して欲しいって汐君から頼まれたわけじゃないんでしょ?
朋喜は真面目な面持ちで尋ねてくる。
茶化しているわけでも馬鹿にしているわけでもなく、真剣に話してくれている。
だから、並べられた言葉はキツイものばかりだったが、真摯に受け止めようと思えた。
「後、悠栖は理解してないだろうからこれも言っておくね」
「な、なに……?」
自分の為に注意してくれているのは分かるが、そろそろキャパオーバーになりそうだ。
悠栖は自分の浅はかさを深く反省しながらも泣きそうになってしまう。
「那鳥君は汐君が憎いから酷い事を言ったわけじゃないからね?」
「そ、れは、分かってる……」
「本当に? ……まぁ、悠栖にはまだ経験ないから分からないとは思うけど、『本気で好きになった人』が相手だと『優しい言葉』とか『思いやり』とかって逆に辛いんだよね。望みはないのに、『嫌い』になれないんだもん……」
だからこの先ずっと『応えられない』ままなら、僕は那鳥君がしたように辛辣な言葉で傷つけて欲しい。
瞳を伏せる朋喜は薄く笑い、「『嫌い』にならせて欲しいものなんだよ……」と呟いた。
「朋喜……」
「! ま、まぁ、そういうことだから、悠栖は汐君が諦めるってチャンスを潰して、汐君の為に敢えて悪者になった那鳥君の努力を無駄にしたんだよ」
「うっ……頼むから傷口に塩塗り込むのやめてくれよ……」
オブラートが必要です。と訴える悠栖。しかし朋喜は、痛みが無いとすぐに同じ事を繰り返すでしょ? と意地悪を言ってくる。
『そんなことない』と言い返せないところが実に辛いところだ。
「……なぁ、姫神って案外良い奴だよな……?」
「今更何言ってるの? 汐君をとられて拗ねて目の敵にしてた悠栖以外、もうみんな知ってるよ?」
本当に辛辣な態度をとっていたのは悠栖の方。
那鳥はずっと自分達の事を考えてくれていた。ただちょっと言葉や態度に示すのが苦手なだけ。
そう笑う朋喜は、悠栖が見落としていた事実まで教えてくれた。
「那鳥君が自分の意思を曲げてまであんなふうに汐君と喋ってるのは、誰の為?」
「!! そ、か……。『俺の為』、か……」
限りなく答えに近い問いかけに、ハッとさせられた。
一度傷つけ突き放した相手ともう一度付き合いを持つことがどれほど大変か、それは自分も知っていたから。
もしも自分が那鳥の立場であったら、たとえ親友達に注意されても、懇願されても、自分の『思い』が無いなら二人きりで喋ることはもちろん、他の友人達を交えても言葉を交わせるか微妙なところだ。
それなのに那鳥は自分の言葉を聞き入れ、唯哉に酷い言葉を浴びせたことを謝り、友人としてああやって付き合ってくれている。
それはすべて、自分が――『友人が望んだから』だった。
「そ。那鳥君は悠栖の大事な人のためにああやって『酷い人』になってくれてるんだよ」
「! だから、言い方っ」
本当に頼むからもうちょっとオブラートに包んでくれよ!
情けないやら恥ずかしいやら嬉しいやら感情がぐちゃぐちゃになって涙ぐんでしまったから、机に突っ伏し声だけ朗らかに言い返す悠栖。
朋喜はそんな悠栖の頭をポンポンと叩くと、「ちょっとだけ大人になったね」と茶化した。それは朋喜なりの励ましだ。
悠栖は気づかれないように鼻を啜ると「大人になっちまった」と頬を吊り上げ自分に対して笑顔を見せた。
「それ、悠栖的には『思いやり』なんだろうけど、僕から言わせてもらえばただのお節介だよね」
「そ、そんなハッキリ言うなよっ」
「だって言わないと悠栖、分からないでしょ? 悠栖がしたことは汐君のためじゃなくて、自分の理想を押し付けてるだけの『自己満足』だよ」
間を取り成して欲しいって汐君から頼まれたわけじゃないんでしょ?
朋喜は真面目な面持ちで尋ねてくる。
茶化しているわけでも馬鹿にしているわけでもなく、真剣に話してくれている。
だから、並べられた言葉はキツイものばかりだったが、真摯に受け止めようと思えた。
「後、悠栖は理解してないだろうからこれも言っておくね」
「な、なに……?」
自分の為に注意してくれているのは分かるが、そろそろキャパオーバーになりそうだ。
悠栖は自分の浅はかさを深く反省しながらも泣きそうになってしまう。
「那鳥君は汐君が憎いから酷い事を言ったわけじゃないからね?」
「そ、れは、分かってる……」
「本当に? ……まぁ、悠栖にはまだ経験ないから分からないとは思うけど、『本気で好きになった人』が相手だと『優しい言葉』とか『思いやり』とかって逆に辛いんだよね。望みはないのに、『嫌い』になれないんだもん……」
だからこの先ずっと『応えられない』ままなら、僕は那鳥君がしたように辛辣な言葉で傷つけて欲しい。
瞳を伏せる朋喜は薄く笑い、「『嫌い』にならせて欲しいものなんだよ……」と呟いた。
「朋喜……」
「! ま、まぁ、そういうことだから、悠栖は汐君が諦めるってチャンスを潰して、汐君の為に敢えて悪者になった那鳥君の努力を無駄にしたんだよ」
「うっ……頼むから傷口に塩塗り込むのやめてくれよ……」
オブラートが必要です。と訴える悠栖。しかし朋喜は、痛みが無いとすぐに同じ事を繰り返すでしょ? と意地悪を言ってくる。
『そんなことない』と言い返せないところが実に辛いところだ。
「……なぁ、姫神って案外良い奴だよな……?」
「今更何言ってるの? 汐君をとられて拗ねて目の敵にしてた悠栖以外、もうみんな知ってるよ?」
本当に辛辣な態度をとっていたのは悠栖の方。
那鳥はずっと自分達の事を考えてくれていた。ただちょっと言葉や態度に示すのが苦手なだけ。
そう笑う朋喜は、悠栖が見落としていた事実まで教えてくれた。
「那鳥君が自分の意思を曲げてまであんなふうに汐君と喋ってるのは、誰の為?」
「!! そ、か……。『俺の為』、か……」
限りなく答えに近い問いかけに、ハッとさせられた。
一度傷つけ突き放した相手ともう一度付き合いを持つことがどれほど大変か、それは自分も知っていたから。
もしも自分が那鳥の立場であったら、たとえ親友達に注意されても、懇願されても、自分の『思い』が無いなら二人きりで喋ることはもちろん、他の友人達を交えても言葉を交わせるか微妙なところだ。
それなのに那鳥は自分の言葉を聞き入れ、唯哉に酷い言葉を浴びせたことを謝り、友人としてああやって付き合ってくれている。
それはすべて、自分が――『友人が望んだから』だった。
「そ。那鳥君は悠栖の大事な人のためにああやって『酷い人』になってくれてるんだよ」
「! だから、言い方っ」
本当に頼むからもうちょっとオブラートに包んでくれよ!
情けないやら恥ずかしいやら嬉しいやら感情がぐちゃぐちゃになって涙ぐんでしまったから、机に突っ伏し声だけ朗らかに言い返す悠栖。
朋喜はそんな悠栖の頭をポンポンと叩くと、「ちょっとだけ大人になったね」と茶化した。それは朋喜なりの励ましだ。
悠栖は気づかれないように鼻を啜ると「大人になっちまった」と頬を吊り上げ自分に対して笑顔を見せた。
0
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
タトゥーの甘い檻
マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代)
どのお話も単体でお楽しみいただけます。
「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」
真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。
それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。
「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。
アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。
ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。
愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。
「……お前のわがままには、最後まで付き合う」
針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。
執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。
【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】
彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。
高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。
(これが最後のチャンスかもしれない)
流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。
(できれば、春樹に彼女が出来ませんように)
そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。
*********
久しぶりに始めてみました
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる