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LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN.
LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN. 第41話
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夏休みに入った後の寮は人が少なくなる。
それは部活動や補習が無い限りほとんどの生徒が自宅に帰省するからだ。
だから、休みに入って数日しかたっていないが、夕食時の廊下を歩いても他の寮生とすれ違う頻度は格段に低かった。
夕食を終えた悠栖は、部活に所属していないのに例外的に寮に残っていた朋喜と自室へ戻るために廊下を歩いていた。
「みんな家に帰ってるみたいだね。食堂も凄く空いてて快適だったし、夜も静かで過ごしやすいよね」
「ああ、そうだな……」
「お盆休みだともっと人が少ないの? 僕、お盆はいつも家に帰ってるから知らなくてさ」
「ああ、そうだな……」
「! ……この前慶史君が悠栖は本当に凄い奴だってベタ褒めしてたよ」
「ああ、そうだな……」
「この前ふざけて撮った悠栖の着替え中の写真、売り捌いてもいい?」
「ああ、そうだな……」
朋喜の声に同じ言葉しか返さない悠栖は放心状態で歩いているようで、このまま放っておけば壁か何かに激突しかねない。
何を話しかけても壊れたプレイヤーのように同じ言葉しか返ってこないなんて会話していても楽しくないというもので、朋喜は足を止め、「ちょっと!」と怒りを露わにした。
「え……? ど、どうした? 何怒ってるんだ?」
「『どうした?』じゃないよ。珍しく早く帰ってきて一緒に夕飯食べようって誘ってきたかと思えば、心此処に在らずで中途半端な相槌ばっかり。喋りかけてる僕が馬鹿みたいじゃない!」
朋喜に遅れて足を止める悠栖には友人が突然怒り出したように見えて、戸惑いを隠せない。
だが朋喜からすれば、寮に帰ってきた後の会話内容を思い出せない悠栖に対して今まで怒らなかった自分をむしろ褒めてもらいたいぐらいだというもので、驚かられるなんて心外も心外だった。
目を瞬かす悠栖に朋喜は詰め寄り、「何に悩んでるのか知らないけど、さっさと解決してきて!」と凄む。
ないがしろに扱われて怒り心頭な朋喜の勢いに呑まれかけていた悠栖だが、その状態のままだと部屋に入れないからね!? なんて言われたら呆けてばかりもいられない。
「べ、別に悩んでなんかいねぇーよ!?」
「僕にバレバレの嘘つくとはいい度胸だね? この一週間ずーっとキノコが生えそうなぐらいうじうじしてたくせに!」
「! な、なんで知ってんだよ!?」
「あのね、前から言ってるけど、悠栖は隠し事に向いてない性格してるの。毎回毎回気づいてるのに気づかない振りして自分から相談してくるの待っててあげてるんだよ? 僕は!」
だから今回の『悩み』に悠栖が落ち込んでいる事だってお見通し。
両手を腰に当てて偉そうにふんぞり返る朋喜は、「さっさと汐君と仲直りしてきて!」と命令してきた。
自分の方が背が高くて今も見上げられているはずなのに、何故か見下ろされている気がする悠栖は気圧されながらも「で、でも……」と戸惑いを見せる。
いつもならすぐに『分かった』と頷いていただろう悠栖の反論の言葉に、朋喜は眉を顰めて「『でも』ぉ?」と威嚇した。
普段は女の子みたいに可愛い顔をしている朋喜だが、こういう時の眼光はやっぱり男そのものだと悠栖は思った。
「きょ、今日、ヒデに変な事言われて、なんか、分かんねぇーんだよ……」
「上野君に? 何言われたの?」
「お、れが、チカの事、好き、とか、どう、とか……」
言葉尻を小さく今頭をグルグル回っている悩みを口に出す悠栖。
自分が今何をするべきかも、どうするべきかも分からない。
そう言葉を続けて俯けば、朋喜は当てつけのような大きなため息を吐いてくれた。
「あ、呆れんなよ……」
「別に呆れてるわけじゃないから。上野君が馬鹿だと思っただけだから」
「! ヒデの事悪く言うなっ! ヒデは俺の事を想って色々アドバイスを―――」
「アドバイスなんてせずに奪っちゃえばよかったのにって話だよ。まぁ悠栖には分からないだろうけど」
自分の事はともかく、自分なんかのために傷ついてくれた親友を悪く言われるのだけは許せない。
そう悠栖が朋喜の言葉に噛みつけば、朋喜はまたわざとらしく溜め息を吐いた。
吐いて、今から唯哉と話してくるよう言ってきた。
「上野君のためにも、ちゃんと話してきなよ」
「! で、でも……」
「いつもの悠栖なら、ハッキリさせるために会いに行くって自分から言うところでしょ? それなのにそれができないって、本当は『答え』、分かってるじゃないの?」
違う? と首を傾げて尋ねてくる朋喜に『違う』と言い切れない。
悠栖は唇を噛んで口を噤んだ。
朋喜は悠栖のその様子に息を吐くと、「考えるよりも動いた方が早いんじゃないの?」と一歩足を引いて道を作った。
それは逃げ道ではなく、本当の自分に辿り着くための道。
促された悠栖は躊躇いながらも一歩を踏み出す。
朋喜の隣を通り過ぎ、向かうは唯哉の部屋だ。
それは部活動や補習が無い限りほとんどの生徒が自宅に帰省するからだ。
だから、休みに入って数日しかたっていないが、夕食時の廊下を歩いても他の寮生とすれ違う頻度は格段に低かった。
夕食を終えた悠栖は、部活に所属していないのに例外的に寮に残っていた朋喜と自室へ戻るために廊下を歩いていた。
「みんな家に帰ってるみたいだね。食堂も凄く空いてて快適だったし、夜も静かで過ごしやすいよね」
「ああ、そうだな……」
「お盆休みだともっと人が少ないの? 僕、お盆はいつも家に帰ってるから知らなくてさ」
「ああ、そうだな……」
「! ……この前慶史君が悠栖は本当に凄い奴だってベタ褒めしてたよ」
「ああ、そうだな……」
「この前ふざけて撮った悠栖の着替え中の写真、売り捌いてもいい?」
「ああ、そうだな……」
朋喜の声に同じ言葉しか返さない悠栖は放心状態で歩いているようで、このまま放っておけば壁か何かに激突しかねない。
何を話しかけても壊れたプレイヤーのように同じ言葉しか返ってこないなんて会話していても楽しくないというもので、朋喜は足を止め、「ちょっと!」と怒りを露わにした。
「え……? ど、どうした? 何怒ってるんだ?」
「『どうした?』じゃないよ。珍しく早く帰ってきて一緒に夕飯食べようって誘ってきたかと思えば、心此処に在らずで中途半端な相槌ばっかり。喋りかけてる僕が馬鹿みたいじゃない!」
朋喜に遅れて足を止める悠栖には友人が突然怒り出したように見えて、戸惑いを隠せない。
だが朋喜からすれば、寮に帰ってきた後の会話内容を思い出せない悠栖に対して今まで怒らなかった自分をむしろ褒めてもらいたいぐらいだというもので、驚かられるなんて心外も心外だった。
目を瞬かす悠栖に朋喜は詰め寄り、「何に悩んでるのか知らないけど、さっさと解決してきて!」と凄む。
ないがしろに扱われて怒り心頭な朋喜の勢いに呑まれかけていた悠栖だが、その状態のままだと部屋に入れないからね!? なんて言われたら呆けてばかりもいられない。
「べ、別に悩んでなんかいねぇーよ!?」
「僕にバレバレの嘘つくとはいい度胸だね? この一週間ずーっとキノコが生えそうなぐらいうじうじしてたくせに!」
「! な、なんで知ってんだよ!?」
「あのね、前から言ってるけど、悠栖は隠し事に向いてない性格してるの。毎回毎回気づいてるのに気づかない振りして自分から相談してくるの待っててあげてるんだよ? 僕は!」
だから今回の『悩み』に悠栖が落ち込んでいる事だってお見通し。
両手を腰に当てて偉そうにふんぞり返る朋喜は、「さっさと汐君と仲直りしてきて!」と命令してきた。
自分の方が背が高くて今も見上げられているはずなのに、何故か見下ろされている気がする悠栖は気圧されながらも「で、でも……」と戸惑いを見せる。
いつもならすぐに『分かった』と頷いていただろう悠栖の反論の言葉に、朋喜は眉を顰めて「『でも』ぉ?」と威嚇した。
普段は女の子みたいに可愛い顔をしている朋喜だが、こういう時の眼光はやっぱり男そのものだと悠栖は思った。
「きょ、今日、ヒデに変な事言われて、なんか、分かんねぇーんだよ……」
「上野君に? 何言われたの?」
「お、れが、チカの事、好き、とか、どう、とか……」
言葉尻を小さく今頭をグルグル回っている悩みを口に出す悠栖。
自分が今何をするべきかも、どうするべきかも分からない。
そう言葉を続けて俯けば、朋喜は当てつけのような大きなため息を吐いてくれた。
「あ、呆れんなよ……」
「別に呆れてるわけじゃないから。上野君が馬鹿だと思っただけだから」
「! ヒデの事悪く言うなっ! ヒデは俺の事を想って色々アドバイスを―――」
「アドバイスなんてせずに奪っちゃえばよかったのにって話だよ。まぁ悠栖には分からないだろうけど」
自分の事はともかく、自分なんかのために傷ついてくれた親友を悪く言われるのだけは許せない。
そう悠栖が朋喜の言葉に噛みつけば、朋喜はまたわざとらしく溜め息を吐いた。
吐いて、今から唯哉と話してくるよう言ってきた。
「上野君のためにも、ちゃんと話してきなよ」
「! で、でも……」
「いつもの悠栖なら、ハッキリさせるために会いに行くって自分から言うところでしょ? それなのにそれができないって、本当は『答え』、分かってるじゃないの?」
違う? と首を傾げて尋ねてくる朋喜に『違う』と言い切れない。
悠栖は唇を噛んで口を噤んだ。
朋喜は悠栖のその様子に息を吐くと、「考えるよりも動いた方が早いんじゃないの?」と一歩足を引いて道を作った。
それは逃げ道ではなく、本当の自分に辿り着くための道。
促された悠栖は躊躇いながらも一歩を踏み出す。
朋喜の隣を通り過ぎ、向かうは唯哉の部屋だ。
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