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LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN.
LOVE IS SOMETHING YOU FALL IN. 第46話
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朋喜達が自分を受け入れて距離を縮めてくれている中で唯一悠栖だけが距離を保ち、むしろ遠ざかろうとしていた。
その理由が『何か』なんて、唯哉が初めて昼飯時に顔を出した時から気づいていた。
あからさまな態度に気づいているのは自分だけじゃないと言い切った那鳥。
それは朋喜達も気づいていると言っていて、悠栖は嘘だと言葉を失った。
呆然とする悠栖を余所に、那鳥はこうも続けた。
『汐が誰に惚れてるかも俺はすぐに気づいたんだけど、当の本人が俺が好きだと訳の分からないアプローチかけてきてあれは相当イラついたな』
と。
「だからそれは謝っただろうが……」
『はは。まぁ大人しくアドバイスに従ってくれてるし、水に流してやらないでもないかな』
楽し気に笑う那鳥の声が響く空間で悠栖は唯哉を見つめる。どういうことなのか説明してくれ。と言いたげに。
「ごめん、悠栖……」
「何が『ごめん』なんだよ……?」
「俺、お前にずっと嘘をついてたんだ」
自分を見つめ返してくる唯哉の眼差しは真っ直ぐ。
悠栖はその目に映る自分の姿に無意識に思った。自分の好きな唯哉だ。と。
「俺はずっと前から、本当、ずっとずっと前から悠栖の事が好きだったんだ」
自分の目を見つめたまま告げられたのは唯哉の『本当の想い』。
悠栖はその目に宿る光が一度も揺らがなかったことを見て、唯哉の『本心』なのだと素直に聞くことができた。
そして―――。
「お、れも、……俺もチカのこと、好きだ……」
同じ思いだと伝えた後、頬を伝う涙。
でもそれは悲しいから零れたものじゃない。喜びと愛しさに溢れ出たものだった……。
「悠栖……」
「ち、かっ……、ちかぁ……」
零れる涙を拭うために伸ばされた唯哉の手は悠栖の頬を包み、悠栖は唯哉の手に頬を摺り寄せ涙した。
これは夢じゃないんだよな? 本当に本当なんだよな?
そう涙ながらに尋ねれば、唯哉は夢じゃないと頷き、本当に本当だと抱きしめてくる。
引き寄せられるがまま唯哉の腕に身を任せる悠栖は唯哉の背に手を回し、ぎゅっと上着を握り締めた。
『……汐、それ以上は電話切ってからにしてくれるか?』
「!! わ、悪いっ!」
『大いに反省しろ。……天野もだぞ』
俺の事忘れてるだろう? と電話口から響く声。
まったくもってその通りだった悠栖と唯哉は大慌て。
那鳥はため息交じりで『貴重な自習時間に友達のそういう場面に立ち会わされる俺って可哀想』と自分を憐れむ言葉を零す。
でもそれは本心というよりも茶化されている気がして、悠栖と唯哉は顔を見合わせ笑った。
なんだかんだ言いながらも自分達の『想い』を汲み取って導いてくれるなんて那鳥は本当に『良い奴』だ。
『後は二人でよろしくやってくれ。俺は学生の本分に戻るから』
「ひ、姫神っ……!」
『なんだよ?』
「ご、ごめ―――、ううん、ありがとうっ! 俺、ずっと態度悪かったのに、それなのに―――」
『別に礼なんていいし。と、友達なんだし、仕方ないだろ!』
「姫神……」
用は済んだしもう切るからな!
そんなぶっきらぼうな言葉にも、心が温かくなる。
悠栖は唯哉の肩に頭を預けたまま電話口に向かって告げた。勉強熱心な友人に対するエールと共に。
「勉強頑張れよ、な、那鳥!」
『! 言われなくても頑張るに決まってるだろ! じゃーな! 悠栖』
ブチッと途切れる通話。
携帯を手に笑う唯哉は、悠栖らしいと目を細めた。
悠栖は唯哉のその笑い顔にようやく元通りだと安堵し、でも変わった自分達の関係に少しのくすぐったさを覚えた。
その理由が『何か』なんて、唯哉が初めて昼飯時に顔を出した時から気づいていた。
あからさまな態度に気づいているのは自分だけじゃないと言い切った那鳥。
それは朋喜達も気づいていると言っていて、悠栖は嘘だと言葉を失った。
呆然とする悠栖を余所に、那鳥はこうも続けた。
『汐が誰に惚れてるかも俺はすぐに気づいたんだけど、当の本人が俺が好きだと訳の分からないアプローチかけてきてあれは相当イラついたな』
と。
「だからそれは謝っただろうが……」
『はは。まぁ大人しくアドバイスに従ってくれてるし、水に流してやらないでもないかな』
楽し気に笑う那鳥の声が響く空間で悠栖は唯哉を見つめる。どういうことなのか説明してくれ。と言いたげに。
「ごめん、悠栖……」
「何が『ごめん』なんだよ……?」
「俺、お前にずっと嘘をついてたんだ」
自分を見つめ返してくる唯哉の眼差しは真っ直ぐ。
悠栖はその目に映る自分の姿に無意識に思った。自分の好きな唯哉だ。と。
「俺はずっと前から、本当、ずっとずっと前から悠栖の事が好きだったんだ」
自分の目を見つめたまま告げられたのは唯哉の『本当の想い』。
悠栖はその目に宿る光が一度も揺らがなかったことを見て、唯哉の『本心』なのだと素直に聞くことができた。
そして―――。
「お、れも、……俺もチカのこと、好きだ……」
同じ思いだと伝えた後、頬を伝う涙。
でもそれは悲しいから零れたものじゃない。喜びと愛しさに溢れ出たものだった……。
「悠栖……」
「ち、かっ……、ちかぁ……」
零れる涙を拭うために伸ばされた唯哉の手は悠栖の頬を包み、悠栖は唯哉の手に頬を摺り寄せ涙した。
これは夢じゃないんだよな? 本当に本当なんだよな?
そう涙ながらに尋ねれば、唯哉は夢じゃないと頷き、本当に本当だと抱きしめてくる。
引き寄せられるがまま唯哉の腕に身を任せる悠栖は唯哉の背に手を回し、ぎゅっと上着を握り締めた。
『……汐、それ以上は電話切ってからにしてくれるか?』
「!! わ、悪いっ!」
『大いに反省しろ。……天野もだぞ』
俺の事忘れてるだろう? と電話口から響く声。
まったくもってその通りだった悠栖と唯哉は大慌て。
那鳥はため息交じりで『貴重な自習時間に友達のそういう場面に立ち会わされる俺って可哀想』と自分を憐れむ言葉を零す。
でもそれは本心というよりも茶化されている気がして、悠栖と唯哉は顔を見合わせ笑った。
なんだかんだ言いながらも自分達の『想い』を汲み取って導いてくれるなんて那鳥は本当に『良い奴』だ。
『後は二人でよろしくやってくれ。俺は学生の本分に戻るから』
「ひ、姫神っ……!」
『なんだよ?』
「ご、ごめ―――、ううん、ありがとうっ! 俺、ずっと態度悪かったのに、それなのに―――」
『別に礼なんていいし。と、友達なんだし、仕方ないだろ!』
「姫神……」
用は済んだしもう切るからな!
そんなぶっきらぼうな言葉にも、心が温かくなる。
悠栖は唯哉の肩に頭を預けたまま電話口に向かって告げた。勉強熱心な友人に対するエールと共に。
「勉強頑張れよ、な、那鳥!」
『! 言われなくても頑張るに決まってるだろ! じゃーな! 悠栖』
ブチッと途切れる通話。
携帯を手に笑う唯哉は、悠栖らしいと目を細めた。
悠栖は唯哉のその笑い顔にようやく元通りだと安堵し、でも変わった自分達の関係に少しのくすぐったさを覚えた。
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