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LOVE IS SOMETHING YOU PASSIONATE.
LOVE IS SOMETHING YOU PASSIONATE. 第3話
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「なぁ、チカ。男同士のエッチって、どうするか知ってるか……?」
「! なんとなく、は知ってるかな」
吐息がかかる距離で交わす言葉は触れ合うキス以上の事がしたい意思表示になる。そして行為の先を望んでいるのは悠栖だけじゃないと返事で知ることができたわけだが、どうやら先の行為の為の知識は二人してぼんやりしたもののようだ。
悠栖は目の前に唯哉の唇がある誘惑に負けて自分からチュッとキスをして「やっぱり普通のエッチとは違うのかな?」と尋ねた。普通のエッチと手筈が一緒なら今すぐ先に進みたいという意味を込めて。だが、先に進みたい悠栖にストップをかけるのは唯哉の声。
「これ以上は我慢できなくなりそうだからストップ」
もう一度キスしようとしたのに、身体を押し離される。それに悠栖は不満顔を見せ、もうちょっとイチャイチャしてもいいだろうと膨れっ面。
だが、ダメだと頑なな唯哉が不自然に身じろいだため視線を落として、納得。唯哉の股間には立派なテントができていた。
「これ以上悠栖に引っ付かれたらマジでヤバいから無理」
「みたいだな……」
「! わ、悪いっ」
理性があるうちに離れろ。
そう訴えてくる唯哉の股間から目が離せない悠栖。赤らんだ悠栖の顔に漸く気づいた唯哉は恋人の視線が何処に向いているか気づいて同じように顔を赤らめた。
二人の間に流れる気まずい空気。でも居心地が悪いわけじゃないから離れがたい。きっと唯哉のことを考えれば今は離れる方が良いだろうことは分かっているのだが、悠栖はまだ唯哉にくっついていたかった。
「ちょっとトイレで抜いてくる」
完全に勃ってしまったから自然に治まりそうにないと判断したのか、唯哉は自嘲交じりに立ち上がってトイレに向かおうとする。消灯時間も近いし自分の部屋に戻っといて良いぞ。なんて言いながら。
時間を確認すれば、消灯時間までまだ一時間もある。それなのに部屋に戻るよう言われた悠栖は淋しさと悲しさを覚えた。
だから、まだ唯哉の傍に居られる方法はこれしかないと悠栖は立ち上がった唯哉の腕を掴んで呼び止めた。
「俺が! 俺が抜いてやろうかっ?」
「……はぁ?」
「だから! だから、俺がそれ、抜いてやるって言ってんの!」
何を言ってるんだと言いたげな唯哉の視線に、羞恥を覚える。驚きに満ちた眼差しのおかげで、我ながら大胆な事を口にしたような気がすると悠栖が我に返って顔を赤らめ俯けば、唯哉は悠栖の心中を察したのか苦笑交じりにしゃがみ込んだ。
「ありがとな。でもそれこそマジで我慢できなくなるだろうし、後のお楽しみにとっとかせてくれよ。な?」
「わ、分かった……!」
ポンっと頭を叩いてくる唯哉の表情は何処か苦しそうで男の色気を感じる。悠栖は内心で『大好きだ!』と叫びながら頷いて、唯哉の腕を放した。
唯哉は抜いた後に平然と悠栖と顔を突き合わせるのは居た堪れないから無理だと言って、自分の部屋に戻るようにもう一度言ってきた。
「だよな。やっぱ、恥ずかしいよな」
「流石にな。オカズにした相手と抜いた直後に談笑できるほど図太くないからな」
「! え!? チカって、俺で抜くのか!?」
「当たり前だろうが。むしろなんでそんな驚くんだよ……」
俺達恋人だよな? と確認してくる唯哉に悠栖はそうだけどと口籠る。確かに恋人だが、まさか自分が処理のオカズになっているとは思わなかったのだろう。
唯哉は耳まで真っ赤にして俯く悠栖に聞こえないように溜め息を吐くと、「悠栖以外で抜いたことなんて片手で数えるほどしかないからな」ともう一度その髪をポンポンと叩くと立ち上がりトイレへと歩き出す。
「ち、チカっ……」
「おやすみ、悠栖。また明日な」
呼び止めようと前のめりになったものの、唯哉は苦笑いを返してバスルームへのドアを閉めてしまった。
「! なんとなく、は知ってるかな」
吐息がかかる距離で交わす言葉は触れ合うキス以上の事がしたい意思表示になる。そして行為の先を望んでいるのは悠栖だけじゃないと返事で知ることができたわけだが、どうやら先の行為の為の知識は二人してぼんやりしたもののようだ。
悠栖は目の前に唯哉の唇がある誘惑に負けて自分からチュッとキスをして「やっぱり普通のエッチとは違うのかな?」と尋ねた。普通のエッチと手筈が一緒なら今すぐ先に進みたいという意味を込めて。だが、先に進みたい悠栖にストップをかけるのは唯哉の声。
「これ以上は我慢できなくなりそうだからストップ」
もう一度キスしようとしたのに、身体を押し離される。それに悠栖は不満顔を見せ、もうちょっとイチャイチャしてもいいだろうと膨れっ面。
だが、ダメだと頑なな唯哉が不自然に身じろいだため視線を落として、納得。唯哉の股間には立派なテントができていた。
「これ以上悠栖に引っ付かれたらマジでヤバいから無理」
「みたいだな……」
「! わ、悪いっ」
理性があるうちに離れろ。
そう訴えてくる唯哉の股間から目が離せない悠栖。赤らんだ悠栖の顔に漸く気づいた唯哉は恋人の視線が何処に向いているか気づいて同じように顔を赤らめた。
二人の間に流れる気まずい空気。でも居心地が悪いわけじゃないから離れがたい。きっと唯哉のことを考えれば今は離れる方が良いだろうことは分かっているのだが、悠栖はまだ唯哉にくっついていたかった。
「ちょっとトイレで抜いてくる」
完全に勃ってしまったから自然に治まりそうにないと判断したのか、唯哉は自嘲交じりに立ち上がってトイレに向かおうとする。消灯時間も近いし自分の部屋に戻っといて良いぞ。なんて言いながら。
時間を確認すれば、消灯時間までまだ一時間もある。それなのに部屋に戻るよう言われた悠栖は淋しさと悲しさを覚えた。
だから、まだ唯哉の傍に居られる方法はこれしかないと悠栖は立ち上がった唯哉の腕を掴んで呼び止めた。
「俺が! 俺が抜いてやろうかっ?」
「……はぁ?」
「だから! だから、俺がそれ、抜いてやるって言ってんの!」
何を言ってるんだと言いたげな唯哉の視線に、羞恥を覚える。驚きに満ちた眼差しのおかげで、我ながら大胆な事を口にしたような気がすると悠栖が我に返って顔を赤らめ俯けば、唯哉は悠栖の心中を察したのか苦笑交じりにしゃがみ込んだ。
「ありがとな。でもそれこそマジで我慢できなくなるだろうし、後のお楽しみにとっとかせてくれよ。な?」
「わ、分かった……!」
ポンっと頭を叩いてくる唯哉の表情は何処か苦しそうで男の色気を感じる。悠栖は内心で『大好きだ!』と叫びながら頷いて、唯哉の腕を放した。
唯哉は抜いた後に平然と悠栖と顔を突き合わせるのは居た堪れないから無理だと言って、自分の部屋に戻るようにもう一度言ってきた。
「だよな。やっぱ、恥ずかしいよな」
「流石にな。オカズにした相手と抜いた直後に談笑できるほど図太くないからな」
「! え!? チカって、俺で抜くのか!?」
「当たり前だろうが。むしろなんでそんな驚くんだよ……」
俺達恋人だよな? と確認してくる唯哉に悠栖はそうだけどと口籠る。確かに恋人だが、まさか自分が処理のオカズになっているとは思わなかったのだろう。
唯哉は耳まで真っ赤にして俯く悠栖に聞こえないように溜め息を吐くと、「悠栖以外で抜いたことなんて片手で数えるほどしかないからな」ともう一度その髪をポンポンと叩くと立ち上がりトイレへと歩き出す。
「ち、チカっ……」
「おやすみ、悠栖。また明日な」
呼び止めようと前のめりになったものの、唯哉は苦笑いを返してバスルームへのドアを閉めてしまった。
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