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LOVE IS SOMETHING YOU PASSIONATE.
LOVE IS SOMETHING YOU PASSIONATE. 第5話
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「百面相は終わった?」
「! うわっ! なんだよ朋喜! ビビらすなよ!」
唯哉の想いを信じる余裕を取り戻した悠栖の顔を覗き込むのは、同室の朋喜だ。初等部の頃からずっとルームメイトである朋喜は幼馴染というよりも兄弟に近い存在で、ある意味悠栖の一番の理解者だった。
朋喜はベッドに腰を下ろすと「何を調べてるの?」としょうのない子供を見るような目で悠栖を見下ろした。これは絶対に悠栖の調べものが何か分かっている顔だ。
悠栖は空笑いを浮かべ、「男同士のやり方」と素直に朋喜に打ち明けた。朋喜に隠し事を隠しきれた試しがないから、無駄な時間の節約だ。
「随分あっさり教えてくれるんだね。もっと恥ずかしがるかと思ったけど」
「お前相手に恥ずかしがる内容じゃねぇーじゃん。それにどうせ分かってて聞いてきてただろ?」
「まーね。でも汐君の部屋から戻ってくるなりパソコンと携帯でせっせと閲覧制限がかかってるページを開いてたら僕じゃなくても分かるんじゃないかな」
そもそも隠す気無かったでしょ? なんて、それは心外だ。流石に一応隠す気はあったと思う悠栖は反論を口にしようとした。しかし、分かり易い自分の行動を省みると確かに隠す気が無いと言われても仕方ないかもしれないと思ってしまって……。
悠栖は反論の勢いを萎えさせ、縋る眼差しを朋喜へと向けた。
「なぁ、朋喜―――」
「ストップ。僕は何も知らないから聞かないで」
まだ名前しか呼んでいないのに朋喜は良くない雰囲気を察したかのように顔を顰め言葉を打ち止めてきた。悠栖はそれに驚いた顔を見せるものの視線を逸らす友人の横顔に一途に初恋の相手だけを想っていた友人が性格の割にピュアだったことを思い出す。
拗らせすぎた十年来の初恋は既に幕を閉じているものの、本人が思うよりもずっと不器用な朋喜がまだ上手く気持ちを切り替えられていないことは悠栖も知っていた。だが、表面上学園で一、二を争うモテモテのアイドルっぷりを発揮している朋喜の仮面についつい本質を忘れてしまっていたようだ。
(あーあ。耳、真っ赤になってる)
自分達は男子高生。性欲は猿並みというよりもむしろ獣レベル。エロいことに興味津々で当たり前のお年頃だ。
性癖の暴露には羞恥を覚える悠栖だが、自分のこの性欲が恥ずかしいとは思っていない。成長過程ではよくある事だと認識しているから。
だが、朋喜のこの反応から分かったが、どうやら朋喜は性的な話題そのものに羞恥を覚えてしまうようだ。きっとこのままこの手の話題を続ければ恥ずかしさの限界を超えた朋喜に報復されるに決まっている。それはとても怖い、もとい、朋喜が可哀想だからこれ以上性的な話題を続けるのは止めておこう。
悠栖が自衛のために心の中で頷いた時、不機嫌そうな朋喜の呟きが耳に届いた。
「慶史君に、聞いたらいいんじゃない……?」
「へ?」
「! な、なんでもない! ああ! ほら、夕食の時間だよ!」
わざとらしすぎる話題の転換。
大方アドバイスしようと頑張ってみたものの恥ずかしすぎてテンパったのだろう。
悠栖はそう分析すると携帯を放り投げ、反動をつけずベッドから起き上がるとそのまま立ち上がって朋喜の肩に寄りかかる。
「……何? 重いんだけど?」
「べっつにー。腹減ったなぁーって思って」
「なら、僕にもたれかからずに歩いてくれない?」
悪態吐いたって照れ隠しだって丸分かりだぞ? だって耳が赤いし。
なんて、本当のことは言わない。絶対に反撃を喰らうに決まってるから。
(苦手なくせにちゃんと相談に乗ってくれるところとか、本当、可愛い奴)
自分ができる精一杯のアドバイスをくれた親友に心の中で感謝を伝えるのは、口に出したら朋喜を追い込んでしまうと思ったからだ。
悠栖は朋喜にもたれかかったまま、「腹が減って動けねぇー……」とぼやいて食堂まで連れて行ってと脱力する声を上げた。
「ちょ、重い! 重い重い!! 倒れる! 倒れるってば!!」
「えぇ? 全然体重かけてねーよ?」
「体育会系の体力と一緒にしないで!」
必死に抗って悠栖の腕を肩から外す朋喜は本当に転ぶかと思ったと慌てた様子。
一方悠栖は倒れてしまうほど体重をかけてないから大袈裟だと笑うのだが、毎日筋トレを欠かさず行う運動部の悠栖と茶道愛好会という文化部の朋喜を同じだと考えるのは如何なものかと大多数に言われるだろう。
「! うわっ! なんだよ朋喜! ビビらすなよ!」
唯哉の想いを信じる余裕を取り戻した悠栖の顔を覗き込むのは、同室の朋喜だ。初等部の頃からずっとルームメイトである朋喜は幼馴染というよりも兄弟に近い存在で、ある意味悠栖の一番の理解者だった。
朋喜はベッドに腰を下ろすと「何を調べてるの?」としょうのない子供を見るような目で悠栖を見下ろした。これは絶対に悠栖の調べものが何か分かっている顔だ。
悠栖は空笑いを浮かべ、「男同士のやり方」と素直に朋喜に打ち明けた。朋喜に隠し事を隠しきれた試しがないから、無駄な時間の節約だ。
「随分あっさり教えてくれるんだね。もっと恥ずかしがるかと思ったけど」
「お前相手に恥ずかしがる内容じゃねぇーじゃん。それにどうせ分かってて聞いてきてただろ?」
「まーね。でも汐君の部屋から戻ってくるなりパソコンと携帯でせっせと閲覧制限がかかってるページを開いてたら僕じゃなくても分かるんじゃないかな」
そもそも隠す気無かったでしょ? なんて、それは心外だ。流石に一応隠す気はあったと思う悠栖は反論を口にしようとした。しかし、分かり易い自分の行動を省みると確かに隠す気が無いと言われても仕方ないかもしれないと思ってしまって……。
悠栖は反論の勢いを萎えさせ、縋る眼差しを朋喜へと向けた。
「なぁ、朋喜―――」
「ストップ。僕は何も知らないから聞かないで」
まだ名前しか呼んでいないのに朋喜は良くない雰囲気を察したかのように顔を顰め言葉を打ち止めてきた。悠栖はそれに驚いた顔を見せるものの視線を逸らす友人の横顔に一途に初恋の相手だけを想っていた友人が性格の割にピュアだったことを思い出す。
拗らせすぎた十年来の初恋は既に幕を閉じているものの、本人が思うよりもずっと不器用な朋喜がまだ上手く気持ちを切り替えられていないことは悠栖も知っていた。だが、表面上学園で一、二を争うモテモテのアイドルっぷりを発揮している朋喜の仮面についつい本質を忘れてしまっていたようだ。
(あーあ。耳、真っ赤になってる)
自分達は男子高生。性欲は猿並みというよりもむしろ獣レベル。エロいことに興味津々で当たり前のお年頃だ。
性癖の暴露には羞恥を覚える悠栖だが、自分のこの性欲が恥ずかしいとは思っていない。成長過程ではよくある事だと認識しているから。
だが、朋喜のこの反応から分かったが、どうやら朋喜は性的な話題そのものに羞恥を覚えてしまうようだ。きっとこのままこの手の話題を続ければ恥ずかしさの限界を超えた朋喜に報復されるに決まっている。それはとても怖い、もとい、朋喜が可哀想だからこれ以上性的な話題を続けるのは止めておこう。
悠栖が自衛のために心の中で頷いた時、不機嫌そうな朋喜の呟きが耳に届いた。
「慶史君に、聞いたらいいんじゃない……?」
「へ?」
「! な、なんでもない! ああ! ほら、夕食の時間だよ!」
わざとらしすぎる話題の転換。
大方アドバイスしようと頑張ってみたものの恥ずかしすぎてテンパったのだろう。
悠栖はそう分析すると携帯を放り投げ、反動をつけずベッドから起き上がるとそのまま立ち上がって朋喜の肩に寄りかかる。
「……何? 重いんだけど?」
「べっつにー。腹減ったなぁーって思って」
「なら、僕にもたれかからずに歩いてくれない?」
悪態吐いたって照れ隠しだって丸分かりだぞ? だって耳が赤いし。
なんて、本当のことは言わない。絶対に反撃を喰らうに決まってるから。
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悠栖は朋喜にもたれかかったまま、「腹が減って動けねぇー……」とぼやいて食堂まで連れて行ってと脱力する声を上げた。
「ちょ、重い! 重い重い!! 倒れる! 倒れるってば!!」
「えぇ? 全然体重かけてねーよ?」
「体育会系の体力と一緒にしないで!」
必死に抗って悠栖の腕を肩から外す朋喜は本当に転ぶかと思ったと慌てた様子。
一方悠栖は倒れてしまうほど体重をかけてないから大袈裟だと笑うのだが、毎日筋トレを欠かさず行う運動部の悠栖と茶道愛好会という文化部の朋喜を同じだと考えるのは如何なものかと大多数に言われるだろう。
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