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第12話 オークキング 帰り道
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昨日の鉄板焼きパーティーは盛り上がったなぁ。
ゴウケツさん、サイカさん、チヒロちゃんはまだ寝ている。
追加でお徳用ウィスキーを10本ほど置いておいたのだが、もう無いな。なんでかな?
ステータスを開き幸せポイントを確認。
【幸せポイントが一定数に達しました。スキルポイント200ポイントを付与します】
うん、幸せだったならいいか…。
ポイントが500ポイントもある…サウナはいつかアクティベートするとして、今の所は別に必要な物は無さそうだな。
ん?スピードアップ?地下室の移動速度を上げるって事?300ポイントか…でもこれは是非欲しい。
300ポイントは痛いがスピードアップは魅力的だ。
僕はスピードアップをアクティブにし、急ぎオークキングの討伐に向かった。
昨日オーガ一家の一件でのんびりしちゃったしな…
依頼を受けた時にあと三日と言っていたので明日にはオークキングが攻めてくる予定だ。
遅れを取り戻す為に全速力で村に向かう。
「おぉ!早い早い!」
2倍にはなったんじゃなかろうか、移動速度が跳ね上がってる。
そこにゴウケツさんが起きてきた。
「おはようございます、よく眠れましたか?」
「あんな寝心地の良いベッドは初めてだった。寝過ぎてしまったようだ。」
そして残りの2人も続いて起きてくる。少し眠そうだな、お風呂にでも入ってきたらどう?
全員が風呂に入って目を覚まし、今は全員で朝食を摂っている。
昨日の残りの肉を三人は食べているが僕はしばらく肉は見たくないので野菜ジュースだけ飲んでいた。
「ところでショウさんはどこへ向かっているんですか?」
サイカさんは食器を洗いながら聞いてくる。
「実はオークキングが出たらしいので討伐に向かってるんですよ。明日には村にオークキングが来る予定だとかで」
「オークキングか?」
ゴウケツさんが名前を聞いてこちらに歩いてきた。
「オークキングは頭が良い、俺も学ぶ事があるかも知れない、御礼と言うわけではないが俺に戦わせてくれないだろうか」
「あなたがやるなら私も行くわ、周りの子分共も鬱陶しいでしょう。」
「私はあの豚さん汚いから嫌い!でも戦いの練習には良いかも!」
正直あの大砲は連射できないし子分もいるとなると一人じゃ厳しいか?残党が村に行ったら被害出そうだし。
「じゃあお願いして良いですか?僕も危なくなったら戦うので」
二人はショウはどうやって戦うの?という目で見てきたが大砲がありますと言ったら納得してくれた。
そして移動速度が倍になったので陽が落ちる前に村に到着した。
最初に僕が挨拶に行った時はあからさまにガッカリしていたがこのオーガの二人も手伝ってくれますと言うとみんなの表情が明るくなった。
僕だってそこそこ強いんだが?
そして作戦会議だがどうやら予定より早く到着するようだ。急いで来てよかった。今日の夜から朝にかけて来る可能性が高いと。
とりあえず村人は全員僕の地下室で待機して貰った。
これは安心だとドリンクバーで喉を潤す人、子供や男性はパンチングマシーンで遊んでいる。
緊張していたのか座ってる休む人も多数だ。
そして風呂も50ポイントで増設、20人は同時に入れるようになった。
これだけで幸せポイントがかなり貯まるハズだからお釣りが来るな。
後はモニターを覗いて待機、天井も透視で透けさせようと思ったが一瞬開いた時にサイカさんのスカートの中が見えてしまったので慌てて閉じた。
怒らせたら30000kgの拳が飛んでくるからね。
村長が挨拶に来たので少し聞きたい事を聞いてみた。
「オークキングってなんでこの村を襲うんですかね?」
「それはこの村が利便性が良いのと若い女が多いからですじゃ…川も近くで土壌も良い。」
確かに若い女性が多いな…
「十数年前に女の子ばかり産まれた年があってな、その時の赤子が皆もう良い年齢じゃ、オークキングからしたら男の戦士が少ないのも都合が良かったんじゃろ」
若い女性を襲うか…なんか生々しいな。
シャンプーとリンスを使って髪の毛が見違えるようになったとみんな喜んでいる。
こんな娘達を…
「一応聞きますけどオークキングは女性を攫ってどうするんですか?大体予想はつきますが。」
「奴隷じゃな、子分に報酬として与えたり自分の世話をさせたり、もちろん慰み者にもしますな。」
許せないな、本能だとしてもだ。
僕は討伐を心に誓うのだった。
上で見張っている三人に食事を届ける、大量の唐揚げだ。
村人に手伝ってもらい、3人にそれぞれ10キロ。
村人分の食事も唐揚げとライスにした。
全員こんな美味しい物を食べられるなんてと嬉しそうに食べている。
ビールもあるので軽い宴会だ。
ずっと怯えていたんだ、少しくらい羽目を外したって良いだろう。
僕は三人に唐揚げとライスを持って行く。
「差し入れです、まだ変化はないですか?」
「ショウさん、かたじけない」
そう言って唐揚げを一口食べると美味いと叫んでいる。感動したんだね、ゴウケツさん。
戦闘前に酔っ払うのもダメかと思ったが一応ビールを一杯だけ持ってきた。
嬉しそうに唐揚げを食べ、ビールを飲む干す。
「毎度最高の食事だな、ぜひオークを退治した後はこの唐揚げを食べさせて欲しい。」
もちろん良いですよと返事をし、他の二人にも差し入れをし、地下に戻った。
数時間後、本当に来るのか?と思っていた矢先、ぼんやりと空が明るくなった頃だった。
遠くからオークの軍勢が現れた。ちょっと待て、多すぎる、200体はいるんじゃないか!?
すぐに外に出てオーガの親子に声をかける。
「多すぎる!!早く地下室に避難を!!!」
僕がオークの軍勢側を見張っていたゴウケツさんのところに向かうと親子三人が集結していた。
「思ったより多いな…」
「まぁ豚ですしね、いくら束になってもねぇ…」
「お父さん!あれくらいなら私でも倒せる!?」
何を言ってるんだ…相手は豚と言っても武装してるんだぞ?
周辺には不気味な鳴き声がこだましている。
オークの鳴き声か、とても不快な鳴き声だ。
「まああの程度ならチヒロでも大丈夫だろう、危なくなったら呼ぶんだぞ?キングは俺がやるからな」
「独り占めは良くないですよ?早い者勝ちです♪」
全員顔に笑みを浮かべている、戦闘種族、そんな言葉が頭をよぎった。
もう止める理由はなさそうだ。
「みなさん!帰ったら唐揚げとビールで乾杯ですよ!!」
「それは楽しみだ!!」
「ではお腹を空かせておかないとね」
「今日もここでお終いしなくていいの!?」
三人はオークに向かって走り出した。
まず先頭はサイカさんだ、スピードではゴウケツさんは勝てないな。
集団にツッコミひたすらに蹴り倒す、一撃必殺だな…的確に頭を狙い周りに死体の山が積み重なっていく。
小さいオークは蹴り飛ばしボウリングのように当たったオークが弾け飛んでいた。
足技か…かっこいいな…見惚れてしまうほど美しい戦い方だ。
次に少し遅れてゴウケツさん、同じく突っ込んでひたすらに殴る、返り血で真っ赤に染まり高らかに笑いながら殴り、頭を掴んで潰していく。
まさに鬼、オークの武器は硬い身体で弾かれ、ただただ蹂躙されていった。
そして大幅に遅れてチヒロちゃんだ、大丈夫かな?
流石に突っ込みはしないが素早さと身体の小ささを生かした戦い方だ。
攻撃を避けては的確に連打を叩き込む、地面にギリギリを走り足払いをして頭を踏み潰す。
慣れてきたのかどんどん的確にオークを倒して行く。
喉を潰し、目を潰し、首を折る、あれで子供だろ?オーガって結構規格外なんじゃないの?
もう8割は倒したんじゃないか?早すぎる。
気がつけば一際大きなオークとゴウケツさんが戦っていた。
「お父さーん、もうこっち終わっちゃうよー!」
「大丈夫ですか?手を貸しましょうか?」
「バカを言うな、俺は今とても楽しいんだ!」
オークキングの巨体を投げ倒し、頭を踏みつけようとするがギリギリで避けられる。
意外に素早いな…
オークキングは素早く連打を叩き込み、距離を取る。
なんか少し苦戦してない?
するとゴウケツさんは大振りの構えを取った、いやそれじゃ当たらないんじゃ…大振りは案の定空振りした。
いや…違う、目潰し!?ゴウケツさんは拳の中に小石を握っていたのか、投げ倒した時に拾ったのか?
視界を奪われたオークキングにゴウケツさんは一言、
「やはり力だけでは無く頭も使わないとな…」
そう言ってフルスイングをした拳でオークキングの頭を弾け飛ばしたのだった。
凄かった…そしてかっこよかった…。
いつの間にか村人全員が地上に上がってきており、全員興奮した目でオーガの家族を見ていた。
そして大きな歓声が上がった!
「すっげぇええ!!」
「感動したぞー鬼の父ちゃん!!!」
「母ちゃんもカッコよかったぞおお!!!」
「嬢ちゃんもすげぇな!その歳で大したもんだぜ!」
戻ってきたら戦士達は村人に囲まれて揉みくちゃだ。
なんか良いもの見たな…
その後、鉄板焼きと唐揚げとビールで大宴会となった。
「ショウさん…」
ゴウケツさんだ、もう英雄だね。
「今村長から言われたんだが、この村で用心棒として働かないかと…」
「良かったじゃないですか!!住む所見つかって!」
正直この見た目で快く受け入れてくれる町は少ないかもしれないし、中身は良い人なんだけど。
「ショウさんには感謝してもしたりない、何かお返しをしたいのだが…申し訳ないが何もない」
そういう事か、別に良いのに。
「じゃあお願いを聞いてもらおうかな、またこの町に来た時に一緒に風呂入ってビール飲んで貰うよ。」
ゴウケツさんは少し悩んだ後…
「はっはっは!それは大変だ!是非全力でお返しさせて貰おう!」
大きな声で笑ったのだった。
そして晩まで飲み続け、爆睡した翌朝、みんなに御礼を言われながら町を後にした。
そして今僕は寂しく一人帰っているわけだ。
うーん寂しい。
そして前方に倒れている子供を見つけた。
僕は回収スキルで地下室に招き入れ様子を見ると…
死んではいないな、ん?お尻の下に何か…
尻尾?よく見たら耳もある。
ネコ族?絶対可愛いじゃん…
ゴウケツさん、サイカさん、チヒロちゃんはまだ寝ている。
追加でお徳用ウィスキーを10本ほど置いておいたのだが、もう無いな。なんでかな?
ステータスを開き幸せポイントを確認。
【幸せポイントが一定数に達しました。スキルポイント200ポイントを付与します】
うん、幸せだったならいいか…。
ポイントが500ポイントもある…サウナはいつかアクティベートするとして、今の所は別に必要な物は無さそうだな。
ん?スピードアップ?地下室の移動速度を上げるって事?300ポイントか…でもこれは是非欲しい。
300ポイントは痛いがスピードアップは魅力的だ。
僕はスピードアップをアクティブにし、急ぎオークキングの討伐に向かった。
昨日オーガ一家の一件でのんびりしちゃったしな…
依頼を受けた時にあと三日と言っていたので明日にはオークキングが攻めてくる予定だ。
遅れを取り戻す為に全速力で村に向かう。
「おぉ!早い早い!」
2倍にはなったんじゃなかろうか、移動速度が跳ね上がってる。
そこにゴウケツさんが起きてきた。
「おはようございます、よく眠れましたか?」
「あんな寝心地の良いベッドは初めてだった。寝過ぎてしまったようだ。」
そして残りの2人も続いて起きてくる。少し眠そうだな、お風呂にでも入ってきたらどう?
全員が風呂に入って目を覚まし、今は全員で朝食を摂っている。
昨日の残りの肉を三人は食べているが僕はしばらく肉は見たくないので野菜ジュースだけ飲んでいた。
「ところでショウさんはどこへ向かっているんですか?」
サイカさんは食器を洗いながら聞いてくる。
「実はオークキングが出たらしいので討伐に向かってるんですよ。明日には村にオークキングが来る予定だとかで」
「オークキングか?」
ゴウケツさんが名前を聞いてこちらに歩いてきた。
「オークキングは頭が良い、俺も学ぶ事があるかも知れない、御礼と言うわけではないが俺に戦わせてくれないだろうか」
「あなたがやるなら私も行くわ、周りの子分共も鬱陶しいでしょう。」
「私はあの豚さん汚いから嫌い!でも戦いの練習には良いかも!」
正直あの大砲は連射できないし子分もいるとなると一人じゃ厳しいか?残党が村に行ったら被害出そうだし。
「じゃあお願いして良いですか?僕も危なくなったら戦うので」
二人はショウはどうやって戦うの?という目で見てきたが大砲がありますと言ったら納得してくれた。
そして移動速度が倍になったので陽が落ちる前に村に到着した。
最初に僕が挨拶に行った時はあからさまにガッカリしていたがこのオーガの二人も手伝ってくれますと言うとみんなの表情が明るくなった。
僕だってそこそこ強いんだが?
そして作戦会議だがどうやら予定より早く到着するようだ。急いで来てよかった。今日の夜から朝にかけて来る可能性が高いと。
とりあえず村人は全員僕の地下室で待機して貰った。
これは安心だとドリンクバーで喉を潤す人、子供や男性はパンチングマシーンで遊んでいる。
緊張していたのか座ってる休む人も多数だ。
そして風呂も50ポイントで増設、20人は同時に入れるようになった。
これだけで幸せポイントがかなり貯まるハズだからお釣りが来るな。
後はモニターを覗いて待機、天井も透視で透けさせようと思ったが一瞬開いた時にサイカさんのスカートの中が見えてしまったので慌てて閉じた。
怒らせたら30000kgの拳が飛んでくるからね。
村長が挨拶に来たので少し聞きたい事を聞いてみた。
「オークキングってなんでこの村を襲うんですかね?」
「それはこの村が利便性が良いのと若い女が多いからですじゃ…川も近くで土壌も良い。」
確かに若い女性が多いな…
「十数年前に女の子ばかり産まれた年があってな、その時の赤子が皆もう良い年齢じゃ、オークキングからしたら男の戦士が少ないのも都合が良かったんじゃろ」
若い女性を襲うか…なんか生々しいな。
シャンプーとリンスを使って髪の毛が見違えるようになったとみんな喜んでいる。
こんな娘達を…
「一応聞きますけどオークキングは女性を攫ってどうするんですか?大体予想はつきますが。」
「奴隷じゃな、子分に報酬として与えたり自分の世話をさせたり、もちろん慰み者にもしますな。」
許せないな、本能だとしてもだ。
僕は討伐を心に誓うのだった。
上で見張っている三人に食事を届ける、大量の唐揚げだ。
村人に手伝ってもらい、3人にそれぞれ10キロ。
村人分の食事も唐揚げとライスにした。
全員こんな美味しい物を食べられるなんてと嬉しそうに食べている。
ビールもあるので軽い宴会だ。
ずっと怯えていたんだ、少しくらい羽目を外したって良いだろう。
僕は三人に唐揚げとライスを持って行く。
「差し入れです、まだ変化はないですか?」
「ショウさん、かたじけない」
そう言って唐揚げを一口食べると美味いと叫んでいる。感動したんだね、ゴウケツさん。
戦闘前に酔っ払うのもダメかと思ったが一応ビールを一杯だけ持ってきた。
嬉しそうに唐揚げを食べ、ビールを飲む干す。
「毎度最高の食事だな、ぜひオークを退治した後はこの唐揚げを食べさせて欲しい。」
もちろん良いですよと返事をし、他の二人にも差し入れをし、地下に戻った。
数時間後、本当に来るのか?と思っていた矢先、ぼんやりと空が明るくなった頃だった。
遠くからオークの軍勢が現れた。ちょっと待て、多すぎる、200体はいるんじゃないか!?
すぐに外に出てオーガの親子に声をかける。
「多すぎる!!早く地下室に避難を!!!」
僕がオークの軍勢側を見張っていたゴウケツさんのところに向かうと親子三人が集結していた。
「思ったより多いな…」
「まぁ豚ですしね、いくら束になってもねぇ…」
「お父さん!あれくらいなら私でも倒せる!?」
何を言ってるんだ…相手は豚と言っても武装してるんだぞ?
周辺には不気味な鳴き声がこだましている。
オークの鳴き声か、とても不快な鳴き声だ。
「まああの程度ならチヒロでも大丈夫だろう、危なくなったら呼ぶんだぞ?キングは俺がやるからな」
「独り占めは良くないですよ?早い者勝ちです♪」
全員顔に笑みを浮かべている、戦闘種族、そんな言葉が頭をよぎった。
もう止める理由はなさそうだ。
「みなさん!帰ったら唐揚げとビールで乾杯ですよ!!」
「それは楽しみだ!!」
「ではお腹を空かせておかないとね」
「今日もここでお終いしなくていいの!?」
三人はオークに向かって走り出した。
まず先頭はサイカさんだ、スピードではゴウケツさんは勝てないな。
集団にツッコミひたすらに蹴り倒す、一撃必殺だな…的確に頭を狙い周りに死体の山が積み重なっていく。
小さいオークは蹴り飛ばしボウリングのように当たったオークが弾け飛んでいた。
足技か…かっこいいな…見惚れてしまうほど美しい戦い方だ。
次に少し遅れてゴウケツさん、同じく突っ込んでひたすらに殴る、返り血で真っ赤に染まり高らかに笑いながら殴り、頭を掴んで潰していく。
まさに鬼、オークの武器は硬い身体で弾かれ、ただただ蹂躙されていった。
そして大幅に遅れてチヒロちゃんだ、大丈夫かな?
流石に突っ込みはしないが素早さと身体の小ささを生かした戦い方だ。
攻撃を避けては的確に連打を叩き込む、地面にギリギリを走り足払いをして頭を踏み潰す。
慣れてきたのかどんどん的確にオークを倒して行く。
喉を潰し、目を潰し、首を折る、あれで子供だろ?オーガって結構規格外なんじゃないの?
もう8割は倒したんじゃないか?早すぎる。
気がつけば一際大きなオークとゴウケツさんが戦っていた。
「お父さーん、もうこっち終わっちゃうよー!」
「大丈夫ですか?手を貸しましょうか?」
「バカを言うな、俺は今とても楽しいんだ!」
オークキングの巨体を投げ倒し、頭を踏みつけようとするがギリギリで避けられる。
意外に素早いな…
オークキングは素早く連打を叩き込み、距離を取る。
なんか少し苦戦してない?
するとゴウケツさんは大振りの構えを取った、いやそれじゃ当たらないんじゃ…大振りは案の定空振りした。
いや…違う、目潰し!?ゴウケツさんは拳の中に小石を握っていたのか、投げ倒した時に拾ったのか?
視界を奪われたオークキングにゴウケツさんは一言、
「やはり力だけでは無く頭も使わないとな…」
そう言ってフルスイングをした拳でオークキングの頭を弾け飛ばしたのだった。
凄かった…そしてかっこよかった…。
いつの間にか村人全員が地上に上がってきており、全員興奮した目でオーガの家族を見ていた。
そして大きな歓声が上がった!
「すっげぇええ!!」
「感動したぞー鬼の父ちゃん!!!」
「母ちゃんもカッコよかったぞおお!!!」
「嬢ちゃんもすげぇな!その歳で大したもんだぜ!」
戻ってきたら戦士達は村人に囲まれて揉みくちゃだ。
なんか良いもの見たな…
その後、鉄板焼きと唐揚げとビールで大宴会となった。
「ショウさん…」
ゴウケツさんだ、もう英雄だね。
「今村長から言われたんだが、この村で用心棒として働かないかと…」
「良かったじゃないですか!!住む所見つかって!」
正直この見た目で快く受け入れてくれる町は少ないかもしれないし、中身は良い人なんだけど。
「ショウさんには感謝してもしたりない、何かお返しをしたいのだが…申し訳ないが何もない」
そういう事か、別に良いのに。
「じゃあお願いを聞いてもらおうかな、またこの町に来た時に一緒に風呂入ってビール飲んで貰うよ。」
ゴウケツさんは少し悩んだ後…
「はっはっは!それは大変だ!是非全力でお返しさせて貰おう!」
大きな声で笑ったのだった。
そして晩まで飲み続け、爆睡した翌朝、みんなに御礼を言われながら町を後にした。
そして今僕は寂しく一人帰っているわけだ。
うーん寂しい。
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