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第130話 絶対神 バランス
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「ここが天界です!さぁ!行きますよ!」
行きたくないが?なんで急にラスボスみたいな人に会わないといけないの?どうせお前がなんかしたんだろ。
「ねぇなんで僕がこんな場所来ないといけないの?」
「絶対神に呼ばれたからですよ?話が終わったら観光でもしてみては?」
帰るよ…なんか色々白くて眩しいもんここ。
転移させられたのは長い階段の前、階段の先には重厚な扉があるのだが…ほとんど白を基調に作られており眩しい。サングラスでもかけてないとガンつけてるみたいになるよこれ。
サキエルに手を引かれるまま扉の前に到着し、音も無く扉が開く、部屋の中では金髪の青年がお茶をすすっている。若く見えるけどこの人が絶対神?
「パパー!ショウさんを連れてきたよー!」
え?パパ?お前もしかして…
「おお!ショウ君だね!初めまして!絶対神のゼウスだよ。まあ一緒にお茶でもしようよ」
サキエルお前…コネで神になったの?
「サキエルちゃんもおいで、美味しいお菓子も用意したからさ」
「わーい!食べるー!」
サキエルはゼウスの隣に座りバクバクとお菓子を食べ始めた。
きったねぇなぁ…もう少し落ち着いて食べろよ。
「サキエルちゃんは本当にお菓子が好きだねぇ」
「お酒も好きだよ!」
「じゃあお酒も用意しようか!いっぱい食べて飲んで大きくなるんだよ」
「うん!!」
親バカぁ!あなたの娘が大きくなってるのは態度だけですよ!
僕は向かいの席に座り気になってる事を聞いてみた。
「あの、女神になる試験とか無いんですか?サキエルはこんな感じですけど」
「なんですか!ちゃんと試験はありますよ!!面接試験!!」
ボロボロとお菓子食いながら話に入って来るなよ行儀悪いなぁ。
「ちなみに試験官は誰?」
「もちろんパパです!!」
実はドジでポンコツながらも一生懸命仕事はしてるかもとか思ってたけど…コイツは常にポンコツで許されてるんだな。もう女神やめて子供部屋で遊んでれば?
「まあ娘はこんな感じだけど一応女神としてはギリギリ上手くやってる気がする時もあるんだよ?」
少し気がついてるじゃん…。フォロー弱すぎるよ。
「パパ!ショウさんに話があるんでしょ?」
「そうそう、娘が君の事をよく話すからさ。どう見ても世界を滅ぼすタイプじゃないね」
「そうですね。この世界に来た経緯はどうあれこの世界の人達が好きなので滅ぼすなんてないですよ」
「良かったよ、娘が考えた画期的アイディアの幸せポイントだっけ?あれ結構常識外れだからさ、悪用なんかされたら大変な事になってたよ」
画期的アイディアなのに?娘にはゲロ甘だね。
「そうでしょ!?スキルポイントの上限が無くなるなんて画期的だよね!」
その恩恵で僕は楽しく生活出来てるけど正しい事ではないのは分かるんだよね。
「最近はすごい量のスキルポイントを使っているようだね。実際使いきれないでしょ?」
「まあそうですね、最近気がつけば1万ポイントくらい貯まってるし。まあ別にあって困るものでは無いんですけど」
「スキルって一旦付与すると余程の事が無い限り剥奪って出来ないからさ。まあ今まで通り楽しく使って良いからね、でもバランスを崩しちゃだめだよ?」
「バランス?なんですかそれ」
「そうだね、少し説明しようか」
ゼウスの話はこうだ。
この世界は絶妙なバランスで成り立っている。
魔獣は多すぎず少なすぎず。
人間は強すぎず弱すぎず。
魔族は強いが多すぎず。
「これは何の為?魔獣いります?」
別に魔族と人間で争いの無い世界でも良くない?
「多様性は必要さ、人間だけの世界にすると争いが絶えないからね。魔獣みたいな共通の敵がいた方が安定するんだよ」
そういうもんなのか?確かに転生前の世界では戦争とか紛争が絶えなかったけど…。
「別に絶対に争うって訳じゃ無いんだけどね、そうなる事が多いって話だよ」
「じゃあ魔族は?」
「それこそ多様性だよ、さっきも言ったけど人間だけの世界は不安定なんだ。抑止力みたいなものだね。世界征服みたいな事されると困るんだよ」
「困るって具体的にはどう困るの?」
「僕達神々にとって世界は子供みたいなものなんだよ。そしてその世界がどう変わっていくかを見るのが楽しみなんだ。人間同士が争うだけの世界にはしたくないんだよね」
僕は世界の創造なんてスケールの大きい話は分からないけど…確かに魔獣がいて、魔族がいる世界の方が人間同士の争いは少ないのかなとも思ってしまう。
「なんか聞いていると人間の為の世界みたく聞こえるんですけど…」
「そんな事ないよ、魔族だって魔獣だって一生懸命作ったからね。ただアレだよ、ダメな子ほど可愛いってヤツだね」
そうですか…娘さんも随分と可愛がってますもんね…。
「ちなみに僕はどうやったらバランスを崩せるんですか?まあ崩すような事はしないですけど」
「無いと思うけどね、例えば魔族や人間、魔獣のどれかを滅ぼしちゃうとかはダメだね」
「まあそれは無いですね、魔獣とかを少し倒すくらいはしますけど」
「あとはそうだなぁ…いや、あとは好きにしていいよ、数十万人とかが君の地下室で生活するようになるとかは良くないけど、それは無いよね」
「まあ無いですね、みんななんだかんだで自分の生活を大事にしているので遊んだら帰っていくし」
「大人数をあのスキルに収容とかしちゃうと世界が生まれる可能性があるからさ。まあ今日は話せて良かったよ、あとスキルポイントが使いきれない時はここにおいでよ、魔法道具とかと交換してあげるからさ」
「え?そんな事できるんですか?普通にありがたいですけど」
「まあ大した物はあげられないけどね、せっかく貯めたんだし無くすの大変でしょ?」
「そうですね、じゃあ次のアップデート前に来ますね」
「その時は何かサキエルちゃんが喜ぶお酒でも持ってきてくれると嬉しいな」
サキエルちゃんは今現在お酒飲んでますよ、真面目な話してんのに。
「話終わりましたぁ?パパー、今日の仕事休んで良いですかぁ?なんか食べたら眠くなっちゃって」
「良いよ!パパが代わりにやっておくからね!」
良いのか?今まで真面目な話してたのに急に親バカというかバカになって。
しかし上司がパパだろ?いつも誰に怒られてたんだ…。
「コラ!アンタまた仕事サボりやがって!ゼウスもサキエルを甘やかさない!!ホラ!行くよ!!」
急に部屋に現れた気の強そうな女性、この人か、お叱り役は。
「げ!お母様!嫌です!私は今日はおやすみです!パパも休みで良いって!!」
「サキエルちゃん、ダメだよ、ちゃんとお仕事しないと」
ゼウスさんも奥様には頭が上がらないんだな、やっちゃえお母様!
「あら、あなたがショウさん?サキエルの母のヘラです。いつも娘がご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
「いえいえ、でも早く連れて行ってあげて下さい。仕事しないとその子ダメになりますよ」
「結構言いますね…。ホラ!サキエル!まずショウさんを地上に帰しなさい!」
「分かりましたよぉ…」
急に光に包まれ僕は不貞腐れたサキエルに雑に地上に帰された。
勇者スキルの事も聞きたかったんだけど…
まあ良いか…疲れたし今日は寝よう…。
色々聞いちゃったなぁ。
まあ明日は依頼でも受けるか…
行きたくないが?なんで急にラスボスみたいな人に会わないといけないの?どうせお前がなんかしたんだろ。
「ねぇなんで僕がこんな場所来ないといけないの?」
「絶対神に呼ばれたからですよ?話が終わったら観光でもしてみては?」
帰るよ…なんか色々白くて眩しいもんここ。
転移させられたのは長い階段の前、階段の先には重厚な扉があるのだが…ほとんど白を基調に作られており眩しい。サングラスでもかけてないとガンつけてるみたいになるよこれ。
サキエルに手を引かれるまま扉の前に到着し、音も無く扉が開く、部屋の中では金髪の青年がお茶をすすっている。若く見えるけどこの人が絶対神?
「パパー!ショウさんを連れてきたよー!」
え?パパ?お前もしかして…
「おお!ショウ君だね!初めまして!絶対神のゼウスだよ。まあ一緒にお茶でもしようよ」
サキエルお前…コネで神になったの?
「サキエルちゃんもおいで、美味しいお菓子も用意したからさ」
「わーい!食べるー!」
サキエルはゼウスの隣に座りバクバクとお菓子を食べ始めた。
きったねぇなぁ…もう少し落ち着いて食べろよ。
「サキエルちゃんは本当にお菓子が好きだねぇ」
「お酒も好きだよ!」
「じゃあお酒も用意しようか!いっぱい食べて飲んで大きくなるんだよ」
「うん!!」
親バカぁ!あなたの娘が大きくなってるのは態度だけですよ!
僕は向かいの席に座り気になってる事を聞いてみた。
「あの、女神になる試験とか無いんですか?サキエルはこんな感じですけど」
「なんですか!ちゃんと試験はありますよ!!面接試験!!」
ボロボロとお菓子食いながら話に入って来るなよ行儀悪いなぁ。
「ちなみに試験官は誰?」
「もちろんパパです!!」
実はドジでポンコツながらも一生懸命仕事はしてるかもとか思ってたけど…コイツは常にポンコツで許されてるんだな。もう女神やめて子供部屋で遊んでれば?
「まあ娘はこんな感じだけど一応女神としてはギリギリ上手くやってる気がする時もあるんだよ?」
少し気がついてるじゃん…。フォロー弱すぎるよ。
「パパ!ショウさんに話があるんでしょ?」
「そうそう、娘が君の事をよく話すからさ。どう見ても世界を滅ぼすタイプじゃないね」
「そうですね。この世界に来た経緯はどうあれこの世界の人達が好きなので滅ぼすなんてないですよ」
「良かったよ、娘が考えた画期的アイディアの幸せポイントだっけ?あれ結構常識外れだからさ、悪用なんかされたら大変な事になってたよ」
画期的アイディアなのに?娘にはゲロ甘だね。
「そうでしょ!?スキルポイントの上限が無くなるなんて画期的だよね!」
その恩恵で僕は楽しく生活出来てるけど正しい事ではないのは分かるんだよね。
「最近はすごい量のスキルポイントを使っているようだね。実際使いきれないでしょ?」
「まあそうですね、最近気がつけば1万ポイントくらい貯まってるし。まあ別にあって困るものでは無いんですけど」
「スキルって一旦付与すると余程の事が無い限り剥奪って出来ないからさ。まあ今まで通り楽しく使って良いからね、でもバランスを崩しちゃだめだよ?」
「バランス?なんですかそれ」
「そうだね、少し説明しようか」
ゼウスの話はこうだ。
この世界は絶妙なバランスで成り立っている。
魔獣は多すぎず少なすぎず。
人間は強すぎず弱すぎず。
魔族は強いが多すぎず。
「これは何の為?魔獣いります?」
別に魔族と人間で争いの無い世界でも良くない?
「多様性は必要さ、人間だけの世界にすると争いが絶えないからね。魔獣みたいな共通の敵がいた方が安定するんだよ」
そういうもんなのか?確かに転生前の世界では戦争とか紛争が絶えなかったけど…。
「別に絶対に争うって訳じゃ無いんだけどね、そうなる事が多いって話だよ」
「じゃあ魔族は?」
「それこそ多様性だよ、さっきも言ったけど人間だけの世界は不安定なんだ。抑止力みたいなものだね。世界征服みたいな事されると困るんだよ」
「困るって具体的にはどう困るの?」
「僕達神々にとって世界は子供みたいなものなんだよ。そしてその世界がどう変わっていくかを見るのが楽しみなんだ。人間同士が争うだけの世界にはしたくないんだよね」
僕は世界の創造なんてスケールの大きい話は分からないけど…確かに魔獣がいて、魔族がいる世界の方が人間同士の争いは少ないのかなとも思ってしまう。
「なんか聞いていると人間の為の世界みたく聞こえるんですけど…」
「そんな事ないよ、魔族だって魔獣だって一生懸命作ったからね。ただアレだよ、ダメな子ほど可愛いってヤツだね」
そうですか…娘さんも随分と可愛がってますもんね…。
「ちなみに僕はどうやったらバランスを崩せるんですか?まあ崩すような事はしないですけど」
「無いと思うけどね、例えば魔族や人間、魔獣のどれかを滅ぼしちゃうとかはダメだね」
「まあそれは無いですね、魔獣とかを少し倒すくらいはしますけど」
「あとはそうだなぁ…いや、あとは好きにしていいよ、数十万人とかが君の地下室で生活するようになるとかは良くないけど、それは無いよね」
「まあ無いですね、みんななんだかんだで自分の生活を大事にしているので遊んだら帰っていくし」
「大人数をあのスキルに収容とかしちゃうと世界が生まれる可能性があるからさ。まあ今日は話せて良かったよ、あとスキルポイントが使いきれない時はここにおいでよ、魔法道具とかと交換してあげるからさ」
「え?そんな事できるんですか?普通にありがたいですけど」
「まあ大した物はあげられないけどね、せっかく貯めたんだし無くすの大変でしょ?」
「そうですね、じゃあ次のアップデート前に来ますね」
「その時は何かサキエルちゃんが喜ぶお酒でも持ってきてくれると嬉しいな」
サキエルちゃんは今現在お酒飲んでますよ、真面目な話してんのに。
「話終わりましたぁ?パパー、今日の仕事休んで良いですかぁ?なんか食べたら眠くなっちゃって」
「良いよ!パパが代わりにやっておくからね!」
良いのか?今まで真面目な話してたのに急に親バカというかバカになって。
しかし上司がパパだろ?いつも誰に怒られてたんだ…。
「コラ!アンタまた仕事サボりやがって!ゼウスもサキエルを甘やかさない!!ホラ!行くよ!!」
急に部屋に現れた気の強そうな女性、この人か、お叱り役は。
「げ!お母様!嫌です!私は今日はおやすみです!パパも休みで良いって!!」
「サキエルちゃん、ダメだよ、ちゃんとお仕事しないと」
ゼウスさんも奥様には頭が上がらないんだな、やっちゃえお母様!
「あら、あなたがショウさん?サキエルの母のヘラです。いつも娘がご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
「いえいえ、でも早く連れて行ってあげて下さい。仕事しないとその子ダメになりますよ」
「結構言いますね…。ホラ!サキエル!まずショウさんを地上に帰しなさい!」
「分かりましたよぉ…」
急に光に包まれ僕は不貞腐れたサキエルに雑に地上に帰された。
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