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第1話 異世界転移した男はここが地球では無いことを知る
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目を醒ますと、吸い込まれそうな青が広がっていた。
やわらかく寝心地のよいベッドは草と土に、ゆったりとした服は見たこともない地味で窮屈な服に、隣で寝ていたはずの愛する人はちっぽけな木製の武器に変わってしまっていた。
「ミウ…?」
周りに人の気配は無い。というかここはどこだ?起き上がって辺りを見渡すと、ここが山に囲まれていること、俺が日本風の木造の建物の群れ(村だろうか?)と井戸の間に転がっていたことが分かる。二人とも誘拐されて、別々の場所に捨てられたのだろうか、と焦った。しかし、現代日本であると言うには違和感がある。山の色がやけに明るい。服も変な格好だ。そして……
「うわっ!」
水の塊が飛んできた。この草原では、カラフルな水があちこちで蠢いているようだが、俺はこれの名前を知らない。
そんなことより、ミウのことが心配だ。早く帰らなければいけないのに、ここはどこで、どうすれば帰れるのか分からない。お金もないから、警察に借りるとかしないといけないだろう。そもそもミウは家にいるのだろうか?とにかく人に会わなければ何も分からない。俺は村に行くことに決めた。ここはきっと日本だろうから、住所を言えばどこら辺かは分かるだろう。
「トウキョウ?聞いた事ないかも。」
「ニホン…知らないなぁ。あなた旅人さん?」
誰一人|《だれひとり》として日本も東京も知らない。日本語が通じるにも関わらず。俺の知るあらゆる呼び方を試してみたが、やはり誰も知らなかった。
「旅人さん、世界地図見る?故郷の場所がわかるかもよ。」
道端で頭を抱えていると、先程会った武器屋の店主が声をかけてきた。埃まみれの小さい筒状のものを小脇に抱えている。見せて欲しいと頼み、それを広げると…
「この村がこの輪っかになってるとこね。それでここが~…」
「ま、待って。どうして地図が正方形なんだ?」
それに、大陸の数はひとつだし、形も見た事がない。俺は今、地球のどこにいるんだ?
「あぁ~……もしかして、異世界から来たの?」
「異世界?」
怪談でしか聞いたことがない単語だ。特に儀式をした覚えはないけど…。
「百年に一回くらい来るんだよねぇ。城に行けば何もかもやってくれるから…城の場所わかる?ここ。ちょっと遠いから馬車出すよ。武器選んでて!」
店主は喋りながら真四角の紙の真ん中を指したあと、店を出ていった。
武器を選べ、と言われてもな。どれがいいものかは全く分からない。とりあえず金ピカで派手な剣を選び振っていると、店主が戻ってきた。
「それ飾りだよ。耐久力ゴミだからこっちにしな。」
と別のものを渡された。こんなシンプルで軽い剣が強いのか?
「こんなシンプルで軽い剣が強いのか?みたいな顔してるね。己の攻撃力が強いなら、剣のちっぽけな強さより何回攻撃出来るかを重視した方がいいんだよ。あと装飾品は普通に邪魔だし金メッキなんか超目立つじゃん。囮として戦いますってんならいいけどさ。」
「うっ…」
すごいダメ出しを食らってちょっとしょげていると、励まされてしまった。
「まっまぁこの世界に来たてだしさ、戦いとかもやった事ないんでしょ?選び方を教えなかったあたしが悪いよ。仕方ない仕方ない!」
それはフォローなのか?
「ささ、馬車に乗ろう!城下町は美味しいものがいっぱいあるし、優秀な仲間も見つかるし、専用の案内人も付くと思うぞ!いい事づくめだ!」
やや強引な誘導だったが、素直に馬車の荷台に乗る。
「よぉし、じゃあ出発~!普通に一週間くらいかかるから寝てていいぞ!」
「一週間!?」
早いところ帰りたいのだが。ミウは大丈夫だろうか…?
やわらかく寝心地のよいベッドは草と土に、ゆったりとした服は見たこともない地味で窮屈な服に、隣で寝ていたはずの愛する人はちっぽけな木製の武器に変わってしまっていた。
「ミウ…?」
周りに人の気配は無い。というかここはどこだ?起き上がって辺りを見渡すと、ここが山に囲まれていること、俺が日本風の木造の建物の群れ(村だろうか?)と井戸の間に転がっていたことが分かる。二人とも誘拐されて、別々の場所に捨てられたのだろうか、と焦った。しかし、現代日本であると言うには違和感がある。山の色がやけに明るい。服も変な格好だ。そして……
「うわっ!」
水の塊が飛んできた。この草原では、カラフルな水があちこちで蠢いているようだが、俺はこれの名前を知らない。
そんなことより、ミウのことが心配だ。早く帰らなければいけないのに、ここはどこで、どうすれば帰れるのか分からない。お金もないから、警察に借りるとかしないといけないだろう。そもそもミウは家にいるのだろうか?とにかく人に会わなければ何も分からない。俺は村に行くことに決めた。ここはきっと日本だろうから、住所を言えばどこら辺かは分かるだろう。
「トウキョウ?聞いた事ないかも。」
「ニホン…知らないなぁ。あなた旅人さん?」
誰一人|《だれひとり》として日本も東京も知らない。日本語が通じるにも関わらず。俺の知るあらゆる呼び方を試してみたが、やはり誰も知らなかった。
「旅人さん、世界地図見る?故郷の場所がわかるかもよ。」
道端で頭を抱えていると、先程会った武器屋の店主が声をかけてきた。埃まみれの小さい筒状のものを小脇に抱えている。見せて欲しいと頼み、それを広げると…
「この村がこの輪っかになってるとこね。それでここが~…」
「ま、待って。どうして地図が正方形なんだ?」
それに、大陸の数はひとつだし、形も見た事がない。俺は今、地球のどこにいるんだ?
「あぁ~……もしかして、異世界から来たの?」
「異世界?」
怪談でしか聞いたことがない単語だ。特に儀式をした覚えはないけど…。
「百年に一回くらい来るんだよねぇ。城に行けば何もかもやってくれるから…城の場所わかる?ここ。ちょっと遠いから馬車出すよ。武器選んでて!」
店主は喋りながら真四角の紙の真ん中を指したあと、店を出ていった。
武器を選べ、と言われてもな。どれがいいものかは全く分からない。とりあえず金ピカで派手な剣を選び振っていると、店主が戻ってきた。
「それ飾りだよ。耐久力ゴミだからこっちにしな。」
と別のものを渡された。こんなシンプルで軽い剣が強いのか?
「こんなシンプルで軽い剣が強いのか?みたいな顔してるね。己の攻撃力が強いなら、剣のちっぽけな強さより何回攻撃出来るかを重視した方がいいんだよ。あと装飾品は普通に邪魔だし金メッキなんか超目立つじゃん。囮として戦いますってんならいいけどさ。」
「うっ…」
すごいダメ出しを食らってちょっとしょげていると、励まされてしまった。
「まっまぁこの世界に来たてだしさ、戦いとかもやった事ないんでしょ?選び方を教えなかったあたしが悪いよ。仕方ない仕方ない!」
それはフォローなのか?
「ささ、馬車に乗ろう!城下町は美味しいものがいっぱいあるし、優秀な仲間も見つかるし、専用の案内人も付くと思うぞ!いい事づくめだ!」
やや強引な誘導だったが、素直に馬車の荷台に乗る。
「よぉし、じゃあ出発~!普通に一週間くらいかかるから寝てていいぞ!」
「一週間!?」
早いところ帰りたいのだが。ミウは大丈夫だろうか…?
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