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弓騎士の愛欲と悲しみ
しおりを挟む第一章生まれて初めてのオンナ
俺は今、イギリスから誰も知らない国へ向かいその荒地を彷徨っていた。弓矢も持たず、服もボロボロだった。オンナを探しているのだ。俺がたった一人愛したオンナを……。
思い出す、あの美しい金髪、大きな瞳、あの笑顔。忘れられない美しい踊り子を……。
「ミン何処にいるんだ……俺はお前を愛している、美しいミン。世界で一番愛しい人……」
美しかった長い黒髪も、今は荒れて冷たい風にさらされていた。スイという美男子は、今はもう煌びやかさはもうなくなっていた。今日も愛した女を探し続けていた……。
二年前もなる、イギリスで弓騎士を務めていた事を思い出す。
「スイ様!この間の戦、凄かったのでしょう?でもスイ様が、弓で遠くにいる敵の大将を一発命中で大逆転をしたのね!貴方は凄いのね……!もちろんここも……」
薄暗い屋敷の中で赤い髪で豊満な娼婦がスイの逞しい下腹部を撫でていた。スイの長い黒髪と、雪の様な白い肌を月明かりが美しく照らしていた。
「ふっ……ありがとな。そう言ってくれて……」
スイはイギリスの騎士団の有能な弓騎士で、
長身で引き締まった体を持ち、それに加えどんな美女をも惑わすほどの美貌を持ち合わせていた。
そのため二十歳の若者でありながら、女に優しく何人の女と夜を過ごしている程の色男であった。
「そうだろ?でも今日はお前だけのモノだ
……じゃあ、これからが本番だ。俺は激しいぞ?」
と、スイは甘くとろけた蜂蜜色の瞳を娼婦に向けて、細く長い指を使って彼女の豊満な肢体を優しく撫でまわす。
「アッ……!」
赤い髪の娼婦は彼の切れ長の眼を見つめながら、かすれた声を出してしまう。彼はそんな彼女に
妖艶な笑みを浮かべ、彼女の豊かなふくらみを激しく揉み、同時に女の秘めやかな部分をクチュクチュと、口で愛撫したのだった。
「スイ……!だめ、もう……」
「俺はまだ満足していないぞ?お前だってそうだろ?何度もしたいんだ……!う、くっ……」
そう言いながら、スイは引き締まった体を彼女に見せつけ、彼女に覆いかぶさり、彼女の首筋に優しくキスをする。彼は彼女の体の至る所にキスをした。所々に強く吸った所には愛の痕を残した。そして彼は彼女の足を開かせ、自分の熱い欲望を彼女の秘めやかな入口に押し付けた……。
ジリッ……、と彼女の膣口の中に欲望を押し広げた。女の中はとても潤っていて、彼の欲望を受け入れてくれた。スイは女とは神秘的な物だと体の中で思った。自分の体で悦んでくれるのなら、彼女を今夜だけでもいいからモノにしたいと思いながら彼女の中を何度も突いていた。
「あ、ぁああ……もっと、欲しい……!大丈夫よ……!」
「もっとか……。俺の全てを受け入れるのかい?」
喘ぐ娼婦を妖艶な眼差しで見つめながら、スイは彼女を攻め続けていた。
「俺も体が寂しいんだ……。いや、心が……」
スイは心に思ってない言葉を漏らす――
彼は彼女の奥深い部分を突き続けていた。
彼の欲望も限界を来ていた。彼女も娼婦とはいえ、欲しいものはあるのだろうか――
「くっ……!」
スイは限界を超え、彼女の子宮に白濁の蜜を噴出したのだ。いつもこれを楽しみにして、
何人の女に白濁の蜜を噴出して欲望を満たしていた。
「アアァ……気持ちいい……!」
娼婦の肌はうっすらと紅を染め、繋がっている所からお互いの蜜がタラリ、と流れて行った。スイは
「今日は一番気持よかった……」
彼女に優しいキスをし、抱きしめた。彼女のやわらかい体の感触に癒されたのだった。しかし、彼の体は満たされていても、どこか満たされない夜をいつもの様に終えるのだった……。
「俺は女に何を求めているんだ……?」
彼はそう思いながら彼女の二つのふくらみを見つめながら、眠りにつくのだった……。
次の日、豪華な王宮の訓練場で凛とした姿で弓を引くスイの姿が兵士たちの眼を輝かせていた。
「凄いな……!素敵だ!」
「男でも美しいなあ~」
スイは艶やかな黒髪をなびかせ、矢を射る。
不思議な夢を見ているかのようにシュッ、シュッ!と、的に命中していく
(やった!何時も凄いな!)
スイは口元を上げて兵達に微笑む。兵達はそんな美しい彼を見て、思わず表情が緩んでしまう。
「スイ様は弓の腕はイギリス一だけでなく、美貌も何とも言えないな~……」
「そこらの貴婦人よりも綺麗だよ。男でもあの方に恋心を抱いている人も結構いるんだ
よ!そうだ、あの上級官僚のハンス様も……!」
「えっ!あの上級官僚のハンス様がスイ様を?」
スイは、ピクッと矢を射るのを止めた。心に何か突っかかっていたからだ。
上級官僚のハンスは、イギリス一の好色でも有名だった。女だけでなく、美形の男でも愛人にする程だった。スイは自分が美少女の様な容姿に昔から嫌だったのだ。幼い頃、男に女の子と間違われた事があった。スイはそれが嫌で貴族の身でありながら自ら騎士になり、苦しい訓練に耐え、徹底的に体を鍛えてイギリス一の弓騎士にまでになったのだ――
「自分は何で、女々しい姿に生まれちゃったんだ……!そんな男に惚れられたくない!俺は男だ。あいつが本気なら、弓矢でお見舞いしてやるよ……」
スイは蜂蜜色の瞳をぎらつかせ、弓を構え矢に的に放った――
ドンっ!
矢が的の端っこの方に当たったのだ。兵達が驚きの表情をしていた。皆、眉をひそめて
「え……スイ様が、外した――!」
「な、何だよ――!」
兵達は背中を震わせるスイをなぜ、矢を外したのか話し続けていた。スイはさっきの嫌な話を聞いていたからか、イラついていたのだったのだ。そんな話をしないで欲しいと、思った。俺は女々しくないんだ――
スイはそんな兵達に対し、
「オイ!お前達くだらない話をするな!特訓をしろ!俺は女々しくない!」
スイは美しい顔を歪ませ、兵達に吠えたのだ。
「は、はいい~!」
「さ、さあ特訓だ――!」
兵達は鬼のような顔をしたスイに睨まれて、慌てて弓矢の特訓を再開した。兵達はなぜあんなに端正な顔が鬼みたいになるのだと、思いながら弓矢を引いていた。
ヒュッ!
ヒュッ!
風をも切り裂くような音が流れてゆく。
スイは、そんな兵達を見つめていた。しかし、自分が何故的を外した理由が、あの話なのか疑問に思っていた。確かに自分も好色かもしれないが、それには理由があったからだ…
スイの母親は長い黒髪が美しく優しい女で、厳格な性格の父からもとても愛されたほどだった。母親に良く似た容姿のスイはいつも母と一緒にいたのだ。母を愛していたのだった。
しかし、七歳の時に母は流行病で亡くなった。スイはとても悲しみ、しばらく母の部屋に籠りっきりになってしまったのだ。
(お母さん……早く帰って来て……。うう……、わぁあああん!)
父は一切再婚しなかった。それほどまでに母を愛していたのだった。父は外交官の仕事をしながら、男手一つでスイを育て上げたのだった。しかし、スイが上級騎士になったばかりの時、父が心臓病で亡くなってしまった。
スイは天涯孤独になってしまったのだ。スイはいつか花嫁となる人を家族に見せてあげたかったのだ。それがもう、一生叶えられなかったのだ。悲しみを紛らわす為に町の娼婦を口説き、性交を繰り返していたのだった。
わざと好色になっていたのだ。でも、いつかは本当の愛が欲しいのだ。そして、幸せな暮らしがしたいのだ。
「クッ……!」
「俺だって幸せになりたいんだ。俺は本当に愛してくれる人に出逢いたいのだ……!」
そう思いながら、王宮の訓練場の中で黒髪を風になびかせていた。王宮の空はいつもの様に澄み渡っていた。
夜、イギリスの街はいつも賑やかだった。
市場は色々な果物、魚や肉がたくさんあり、
酒場はいつも満員で、異国の旅芸人が踊りや歌、オリエンタルな衣装が客を喜んで見ていた。
人はみんな夜の街を楽しんでいた。スイはそんな街が好きだったのだ。
「今日はどうしようか……」
スイは今夜誰を口説こうか、吟味していた。しかし、スイは町の広場で楽しそうに踊っている一人の金髪の美しい踊り子に目が留まったのだ。
「綺麗な踊りだな……」
スイはそんな踊り子の髪の動きや、ほっそりした腕で艶やかなしぐさ、胸元を大き目に開いた煌びやかな衣装からのぞく雪の様な白い肌を目が離せなくなっていた。
「何だろう?この懐かしい気持ち……もっと観てみたい……」
スイはこの気持は何なのかは分からない。
でも、この美しい踊り子に話しかけてみたいと思っていた。彼は勇気をもって、彼女に近づいていく――
「ワ――!凄い!ミンさん!」
客が喜んでいた。そんな中嬉しそうに微笑むミンにスイが彼女を美しい蜂蜜色の瞳で見つめながら腕を大きく振った。
「あの、ミンさん……!」
スイはミンという踊り子に、大きな声で話しかけた。ミンは黒く大きな瞳で、彼に優しく話しかけた。
「何でしょうか?弓騎士様?」
そうか、仕事の帰りだったのか軍服を着ていたからか――
自分が弓騎士である事は彼女にも分かっていたのだった。ミンは金髪を一つに纏めながら、黒と白のオリエンタルな衣装をなびかせながら彼に近づいていく。
「あの……?」
「ミンさん、あのええと……こ、今……」
「?」
しどろもどろに話すスイにミンはどうしたのかと聞こうとしたその時――
「きゃあ!」
いつのまにかミンはスイに唇を塞がれていたのだった。
スイはなぜかミンの唇を重ね合わせていたのかは分からない。しかし、彼女が欲しいと、踊りを見てそう思っていたのかもしれない。
客は目を丸くしてキスをする二人を見ていた。
「ああ、スイ様が……!」
「また、あの方は……」
客達はスイの好色ぶりを改めて見つめていたのだった。
「ちょっと、やめて下さい!」
ミンは眉を顰め、スイの唇から離すのだった。しかしスイは、真剣な眼差しでミンにこう告げたのだ。
「今夜はお前が欲しいのだ。俺の女になってくれ!」
「ええ?」
ミンは驚いてしまった。今まで男にこんな事が言われたことがなかったのだ。自分の容姿が美しい事は分かっていた。しかし、踊り子は一番身分が低いのだ。身分の高い騎士に口説かれるとは思ってもなかった。
「待ってください!騎士が踊り子を口説くなんて……駄目です!」
しかしスイは、そんな彼女を気にせず真剣な顔をしていた。
「そんなの関係ない!良いから俺の屋敷に来い!」
そう言い、スイはミンの白い腕をグッと掴み、彼女を自分の胸の中に引き寄せた。
ミンは困惑と同時に、甘いときめきが生じていた。
私はこの人に抱かれたいの?でも私は――
「いいから、俺の屋敷に来てくれ!」
スイはそんなミンの体を抱え、見物客の元から離れた。
町から離れ、貴族の屋敷が沢山並んでいた。そこに煌びやかな所にしては、グレーの壁と、
ブラウンの屋根の屋敷があった。スイの屋敷だった。
「あの、私を自由にして下さい……!お願いです!」
「嫌だ!俺と一緒にいてくれ。お願いだ!」
泣き顔になっているミンはこんな事に遭うのは困る。しかしスイは、駄々をこねる子供の様にミンを抱きたいと言い張る。
「良いから俺の部屋に来てくれ!」
スイはミンを強引に抱え、ずかずかと足音を立てながら貴族にしては素朴な内装の屋敷の中を歩いた。そして、ブラウンのドアの前に立った。スイは待っていたのだ。銀のドアノブをカチャっと、開けた――
スイの部屋は素朴なものだった。金銀の物がほとんどなく、白い家具ばかりだった。野蛮な男とは思えない清楚な感じの部屋だった。ミンはこの男、本当に野蛮な男なのかと考えてしまうのだった。そう思っている間にミンはスイに唇を塞がれ、ベッドに押し倒されてしまう。
「ミン、お前は踊り子だろ?こうゆうのは慣れているよな?まあ俺には都合がいい。俺が一番いい思いさせてやるよ」
高慢な事を言い、スイはミンに首筋にキスをしてミンの艶やかな衣を手際よく剥ぎ取る。
ミンの雪の様な肌が暗闇の中にほのかな光を放っていた。それはスイの心に惹き付けていた。
「綺麗な肌だな。まるで子供の肌だな」
素肌を晒され身をよじるミンに対し、スイは彼女の素肌を艶やかな瞳で見つめていた。
「見ないでください!ヤ……!」
そんな彼女をよそにスイは女の象徴の二つのふくらみをいやらしく触れてきたのだ。
「あ……」
「ふん、そんなに感じるのか……まだ最初だぞ」
そう言いながら豊かなふくらみを揉みしだいた。そのふくらみは絹の様なすべらかで、とろける様な柔らかさを持っていた。今までの女より極上の胸だった。スイは彼女の胸の小さな桜色の蕾に唇を寄せた。優しくその蕾に舌で舐めたのだ。
「ア、やめて……!私はまだ……」
ミンは涙声をあげ、彼の愛撫に戸惑っていた。ミンは胸の淫靡な刺激に体をピクピクと震えていた。そんな彼女をスイはもっと彼女に悦びを与えたいと思った。スイはミンの胸に子供の様に顔を埋めたのだ。
「や、あ……」
「良い体だな。俺にとってはこんな嬉しい事はないな」
「あなたは、子供みたいな事をしていいのですか?」
「へ?男はこういうのが好きだって、知らないのか?お前の気持ちいいんだ。許してくれ。」
スイはミンの胸に顔を埋めながら、しなやかな指で胸の蕾をつまんだり、指の腹で乳頭を押したりしていた。ミンはそんな行為に悶えてしまう。そんな彼の涼やかな笑みを見つめるだけで蕩けるのは何故だろう?彼女は未知の経験がこれから来ることはまだ知らないのだ――
「ふ……」
スイはミンの細い腰を優しく撫でる。ミンはそれだけでも感じてしまいついに彼の胸に抱き付いてしまう。
「あ、わたし……」
「ふん……自分だってそうじゃないか。俺は本気だ。今まで一番いい夜に出来そうな」
スイはミンの体のあちこちに口づけを散らしそして甘い声でミンに囁いた。
「抱くぞ……」
「待って……」
「お前だってもう、抱ける準備が出来ているのだろう?」
「あっつ、そこは……」
そんな彼女にスイは欲情のこもった声で、
「ふ、俺の気持ちが分からないのか?俺はもう準備は出来ている……!」
そう言いながらスイは軍服を脱ぎ、細身ながら引き締まった体をミンに見せつけた。そして彼は、雄々しい物がもう硬く反り返っていた。それをミンに見せつけた。
「み、見せつけないで下さい……恥ずかしいです……」
「そんなに嫌なのか?安心しな。優しくするから……挿れるぞ」
「あ……駄目……!」
スイはミンの脚を大きく開かせ、彼女の秘めやかな部分をさらけ出す。彼女の秘めやかなここは綺麗なピンク色をしていた。そして、そこから濡れ光る愛液がトロリ、と内腿へと流れて行った。スイはそんな卑猥な所を早く突いて見たくなってくるのだ。
スイは彼女に覆い被さり、自分自身を彼女の花弁に押し付けてくる。クチュっと、濡れた音を立て彼女の膣内に入っていった。勢いよく突き、ミンは想像も絶する痛みに襲われる――
「あ、あ……!あ――!痛い……!う、うう……」
ミンは大きな悲鳴を上げてしまう。体を剣で斬られた様な恐怖で一杯だった。
「な、な……!ミン始めてなのか……!」
「痛い……!くすん……くすん……」
スイは慌てて動きを止めた。まさかミンが初めてだったとは……いつもは経験した女と寝ているばかりだったから、経験ある自分は可憐な乙女になんて事をしたのだ、痛い思いをさせてしまったのだ、スイはもう彼女に責任を取るしかないと思った。
「すまない、ミン……!許してくれ!こんな事をしたから、これからはお前だけを見るから――」
「な、何を……?う……」
「俺は寂しいのだ、いつかは好きな人を両親に見せたかったんだ……。それが叶わなくなって、だから肉欲を満たす為だけ好色を装っていたのだ。でも本当はやりたくないんだ。体を売る騎士なんて、娼婦と同じみたいなものだ。俺だって好きな人だけに捧げたいんだ!」
悲しげな顔をしたスイにミンは彼のどこか影の一面を見たのだった。
スイは涙ぐむミンを優しく髪をなで、ミンの額にキスをした。ミンはなぜかフワッと、
軽くなり彼の苦悶している顔を眺めた。
なぜなの、この人に乱暴されたのにこの気持は一体、この人は寂しいの?
「俺たちはもう夫婦だ。お前が嫌でも責任を取らせて欲しい……今度は優しくするから……!」
「スイ様……でも私は身分が卑しいものです。それは良い事ではありませ……ンっ……!」
いきなりそんな事を言われて戸惑うミンに、スイは優しく微笑みキスをした。彼はミンの白い腕や、腹部を優しく撫でてやった。彼女はそんな行為に少しほっとした様な気持ちになってゆく。
「アン……」
「く……進めるぞ……」
「あ……!ン、んんっ……」
「俺はお前が好きなんだ……!」
スイはミンに負担を与えないように緩々と腰を動かした。ミンは彼の愛撫に激しく反応してしまう。そしてスイの腰の動きが艶やかに動かしてゆく彼の長い黒髪が美しくきらめいていた。ミンの長い金髪も月明かりに照らされて、美しい。二人の息遣いも徐々に激しくなってくる。スイは一物を彼女の最奥まで押し入れた。ミンは自分の中に男の物が埋まっているという性の神秘を感じていた――
「あ、あ、スイ様……私もう……!」
「大丈夫だから、俺を信じてくれ……クッ……!」
スイは一物が彼女にギュっと、締め付けられてしまう。怖がっている彼女に本当は自分を求めているのか?彼はこんな名器は今までなかったのだ。無垢な女はこんなすごい物を持っている、彼の眉間がギュっと寄せてしまう。
ミンの肌は汗と愛液にまみれ、胸のふくらみの頂点もツンッと上を向いていた。スイはミンを抱きしめキスをした。そして――
「俺と一緒になってくれ。他の女とはもうしないから……」
スイは我慢できず、ミンの子宮に精を放った。ミンはスイに無理やりこんな事をされたのに、彼の寂しさを知ったのだ。スイは彼女を優しく抱きしめ、二人はウトウトと眠りについた。もう夜が明けていた……。
第二章恐ろしい貴族
『俺はお前のそばにいたいんだ……ちゃんと幸せにします。約束します』
ミンはスイに朝起きて、屋敷を出る時にこんな事を言われ驚いていた。スイの真剣な顔には蕩ける様な蜂蜜色の眼を見つめられた事を何度も思い出してしまう……。
「そんな事を言われても、私には出来ないわ……」
ミンは顔を赤らめたまま、赤とオレンジの胸元をあまり開いていない衣装を纏った。
そして、町の広場の花壇の多い所にしょう。
あまり変な人がいないからだ。昔、別の街で変な男に絡まれた事があったからだ。しかし、ミンの背後に不審な男が付いて来ていることはまだ知らないのだ。スイとミンに恐ろしい目に合うことを……。
「お客様、私の踊りを観て下さい!お願いします!」
ミンは町の人達に呼びかける。すると人々が集まってきた。安心したミンは、舞を始める。
屈んだ姿勢のミンは徐々に手を上げ、背を伸ばし、腰をくびらせてステップを踏んだ。
それはとても軽やかで、妖艶な美しさを持っていた。綺麗な金髪、雪の様な白い肌にどこかあどけない所のあるミンは、妖艶な踊りを舞うのが観る人々が魅了してしまうのが彼女の舞だったのだ。ミンは、つま先立ちをして蝶を誘うような手付きで客の方に舞ってゆく。そんな彼女を遠くから見つめる、青のベストと黒ズボンを着ているスイは幸せそうな顔をしていた。
「ミンは綺麗だなあ……」
ミンは遠くにいる彼に気付き、少し顔を赤らめた。
「どうして、私はまだ……」
しかし、遠くから見つめる不審な二人組がいた。
「ミンさんありがとう!」
「今日も素敵です」
客の歓声にあまりの嬉しさにミンは
「みなさんありがとうございます!私の為に嬉しいです……!」
涙を流しながら笑顔で答えるミンにスイは、
ミンに話し掛けようとするが、スイの腕を掴まれ気付き顔を上げると、豪華な装飾の貴族服を身にまとった男と茶髪で派手な化粧と、スカートの丈が短く、胸元を大きく開いた衣装を着た女だった。
「な、何だ!あんたらは!」
「初めましてスイ殿、私は上級官僚のハンスだ。この人は今の恋人だ」
「ハンス……わ、私は弓騎士のスイです。あなたの話は聞いております」
スイは強張った表情で、二人を見ていた。
端正な顔に銀髪のセミロングで赤い瞳のハンスはニヤニヤとスイを見つめていた。
「踊り子の事を観ていたのか?彼女の舞はいい舞だな。しかし、君もいい男だな。好みだ」
「え……!」
スイは一瞬躰がゾッとした。眉を歪めてハンスを見つめ、この男はなんかおかしい、嫌な事が起きると、そう感じた。
「あの、私はこれで……」
スイは逃げようとした時、にやけた顔をしたハンスが彼の手を握り彼を自分の胸に引き寄せた。
「少しいいかい?すぐに終わる」
「ハンス殿、私はそのような男ではありません!」
「安心しろ、スイ。私もあの踊り子を手に入れたいのだ。お前の協力が欲しい」
「え……!何で分かるんだ……!あっ!」
驚くスイはハンスに体を掴まれ、人通りの少ない路地裏まで連れて行かれてしまう。ハンスは恋人と共に震えるスイを壁に獣の様に追いつめる。スイは逃げようとするが、
「や、やめてくれ!俺を自由にしてくれ!俺はあんたに構うくらいなら、殴るぞ!」
鋭い目をし、拳を構えるスイに、ハンスと茶髪の女は平然とした表情で見つめていた。
「そうか、じゃあ良い思いさせてやるぞ。
俺の女は上手いぞ。おい、媚薬を持っているな?」
「ええ、ハンス様。この綺麗な弓騎士様はどんな喘ぎ声をするのかしら?」
二人の会話に不安を覚えるスイ。
早く逃げないと……。
「アッ……!」
逃げようとするスイに、茶髪の女が唇を塞がれてしまう。女の薄くて冷たい唇はスイには甘い官能と同時に恐怖を感じていた。
「ふふ……あなた、こんなの好きでしょう?ここでしましょうよ……」
「俺には好きな女がいるんだ!これからは他の女とはしないって約束したんだ!俺はあんたみたいな娼婦じゃない!」
キッっと、睨みつけるスイに茶髪の女は何か小瓶を取り出す。それを見つめるハンスがいやらしい目で見ている。ハンスは女に何か指示をしていた。
女はスイを抱きしめ鎖骨にキスをする。スイは思わず小さく喘ぎ声を出してしまう。それを楽しんだ女はさらに、スイのズボンを脱がしてしまう。
「ああっ……!何やっている!」
スイは顔を赤らめ、すぐに股間を隠す。
「あら、結構大きいのね……清楚な容姿の割には、楽しみね」
「お前はその大きいモノで何人の女を喜ばせているのか、スイ殿、それを彼女に触らせてやってくれ」
恥ずかしがるスイを二人はいやらしく見つめていた。
「嫌だ!やめ、や……!」
女はスイの股間に触れ、長く伸びた一物を握った。女は一物を優しく撫で、亀頭を揉んだり、二つの子種袋を振り子の様に揺らして巧みな愛撫で、亀頭の先から、先走りの液が滲んでくる―
「あ、はあ……クッ、ウ……!」
「あら、もう感じているの?かわいい子……」
色白の肌が赤くなるスイは女のいやらしい愛撫で喘ぎ、一物が激しく反応してしまう。
そんな快楽を、拒絶するスイだが、一物がムクムクと膨張してしまいしかも、
もう一人の男が情事を楽しげに眺めている所が、スイに一番の恐怖を与えていた。
ハンスは女に何か低い声で囁いていた。
「そろそろ、媚薬を使え……!」
ハンスに命令され、女は小瓶から、蜜の様な物を指にたっぷりと付け彼の一物に塗り付けてゆく。
「スイ殿、良い気持ちになりますから……」
「なっ……。アアアアァ!」
一物に塗り付けられた媚薬のせいで、一気に熱を帯びてゆき、さらに一物が空に向かって反り返ってしまう。スイはそんな薬で快楽を得たくない。彼はいやらしいハンスに一矢を報いたい。
しかし今日は休みのため、弓矢を持っていないのだ。
「悔しい……!うう……!」
「スイ、そんな事を言っている割に気持ちよさそうじゃないか?ここで出してもいいぞ?」
「な、何を言っている……」
躰が快楽にのめり込まれたくない、本能と理性の狭間に苦しむスイに涼しげな瞳で見つめるハンス。ハンスは、スイの淫らな表情で射精する所を見るのが何よりの目的だったのだ。
スイは女に媚薬を塗り続けられ、彼のモノがが、限界にまで昂っていた。ここで出したくない、スイの瞳には涙を流してしまう程苦しい思いがあったのだ。
「ミン……!」
スイは思わずミンの名を小さく低い声で喘ぎながら口にした。顔を赤く染まるスイに女はさらに、スイのモノを揉み始めたのだ。スイのモノはズキズキと脈打っていた。女は怪しげな笑みで陰茎を思いっきり握った。
「凄いわ……綺麗な男がこんなモノを……」
「駄目、ああ、あ――!あ――?あ……!」
三白眼の眼で見つめる女。スイは身悶え、蜂蜜色の瞳は涙で濡れて、体中汗を噴出してしまう程だった。我慢が出来ず思いっきり大量の精をあちこちに放ってしまった。スイは恥ずかしさとこれまでにない経験を地面や壁に飛び散った精を自分はなんてこんな事をしてしまったのだ……、と思いながら、クラクラしてしまい壁に倒れ込んでしまう――
「スイ……お前の身悶える顔、喘ぎ声、
全て綺麗だ……」
ハンスは倒れている涙で濡れているスイの頬に触れ、この男を必ず手に入れる――と不敵な笑みを浮かべ、
女と共に何事も無かったかのようにスイの元から去って行った。
「何であの男に……く、悔しい!許さない……!」
スイはこの男にこんな酷い事をされたのだ。彼に必ずやり返してやると、瞳に憎しみの炎を燃やしながら心に誓った。
また夜が来た、スイは一心不乱に自宅で弓矢の練習をしていた。的を、あの憎きハンスだと思いながら練習していたのだ。
(俺はあいつに屈するのは、絶対に嫌だ!
必ず倍にして返してやる!)
スイは目をぎらつかせ、次々と矢を射る。
そんなスイを遠くから見つめる一人の女がいた。
「あの、スイ様……」
金髪の美しい踊り子がスイに声をかけてくる。
「誰?」
スイは聞き覚えのある声に探した。
「何処にいるんだ?あっ……!」
「スイ様。私です。ミンです……」
屋敷の門の前にミンが、小さな袋を持って彼を待っていた。スイは門を開け、彼女を屋敷に入れた。スイは庭の弓の練習場に案内した。
「ミン、昨日は……いや、どうしてここに来たんだ?何だ?その袋は……?」
「スイ様にパンでも食べてもらいたくて……。あまり良い物じゃないのですが、私のお気に入りのパンです」
ミンは袋から、チーズのかかった丸いパンを取り出す。
「あ、ありがとう。あっ、このパンは俺の母のお気に入りのだ!ああ、久しぶりにこのパン食べられるぞ!じゃあ、後で食べよう!」
スイはミンからこんな嬉しい物をくれるとは思わなかった。昨日は少し強引過ぎてしまって、嫌われていたのかと思っていた。
「ミン、どうしてなんだ?女遊びする様な男に酷い事をされたのに、パンを届けるんだよ?」
「それは……それと話は別です!それより、こんな時間に弓の練習を?」
ミンは強い眼差しでスイを見つめ、スイも彼女の眼差しに心を奪われた。スイは彼女にこう言った。
「この世の理不尽な奴に立ち向かう為!
そいつに一矢を報いる!そして、愛する人を守るために……!」
スイは真剣な顔をして背筋を伸ばし、弓矢を構え、的をめがけて矢を放つ。
ヒュッ!
ドスッ!
ドンっ!
「凄い……!」
ミンは驚いた。スイが凄い弓騎士であるのは本当だった。そして、ミンに満面の笑みを向けるスイは、彼女の為に矢を的に命中出来た事が何よりも嬉しかった。ミンは太陽の様に笑った。彼がもしかして、神様じゃないかと思ってしまった。
「どうだ?ミン、俺の実力だ!」
「あなたを見ていると、本に出てくる神話の神様みたいだったわ!嘘じゃないわ!本当に!」
「ははは。お世辞は言うなよ……。そうか、ミンは神話が好きなんだな。子供だな~」
子供の様に笑うスイにミンはムッ、として
「私はあなたと同い年です!」
「え、え――!」
スイはまさか、彼女が自分と同い年だったのか、思わず目を丸くしてしまった。
「早くパンを食べましょう!さあ、先に屋敷に入りますから!」
「ミン、ま、待ってくれ!俺を置いていくな~!」
膨れっ面で屋敷に入っていくミンをスイは慌てて、駆け足で追いかける。
屋敷で二人は食事をした。チーズのかかった丸いパンは懐かしい味だった。スイはとても嬉しく、美味い!っと、大きな声で言ってしまった。ミンも笑顔でパンを頬張り、それを見たスイは母がおいしそうに食べるところを思い出す。
「やっぱり、このパンはおいしいな!ありがとう、ミン。お返しはちゃんとするからな!」
「よ、良かったです……あなたが喜んでくれて……」
大きな声で笑うスイを見て、ミンは照れてしまう。思い出のパンを食べるスイは母親が好きなのが良く分かるのだ。自分も同じ気持ちだった。ミンは親の顔が知らないのだ。幼い時から、踊り子をやってきたのだ。オリエンタルな国から、遥々旅を続けていた。
もちろん危険な目にも合ってきた。それでも生きてきた。弓騎士のスイも命がけの戦いを何度もやってきているのだろうと、ミンはどこか、彼に同情してしまう。昨日はあんな事をされたのに――
「ミン……こ、今夜はここで泊ってもいいぞ。いや、ずっとここで……」
「スイ様……私。まだ、考えさせて下さい。あなたのお気持ちは分かります。でも私は身分が違います……」
「いや、身分なんて関係ないのだ。お前は心から愛する人なのだ。俺は、豪華な暮らしより静かな暮らしがしたいんだ……!」
スイはミンを優しく抱きしめる。彼の切ない顔がミンは戸惑う。スイはミンの額にキスをする。スイはミンの手を取り、自分の部屋へ連れてゆく。不安な表情をするミンはまた、乱暴な事をされるのか、と考えてしまう。
「ミン。今夜は優しくする……。実は俺、昼間ミンの踊りを観ていたんだ。仕事が休みだから……君の踊りは綺麗だったな……」
「私、あなたが来ていたのは分かっていました。でも、すぐいなくなってしまったから……」
「理不尽な奴に絡まれたから……いや、話すと君にも嫌な思いをするな……」
優しさと、悲しさを持ち合わせた微笑むスイ。ミンは、そんな彼に何も言えなかった。
何もできず、悲しい顔のミンに、優しい笑みでスイはミンの服に手を添える。ハッとしてしまうミンは、それだけでも体が熱くなってしまう。彼に服を脱がされ、ミンの美しい肢体がスイの瞳に映し出す。スイも服を脱ぎ、
細く引き締まった裸身でミンを抱きしめた。
「綺麗だな……愛している。これからも傍にいてくれ」
そう囁き、ミンの肩にキスをしたスイは前屈みになり、舌でミンの臍をねっとりと舐め始めたのだ。
「スイ様、アッ……!駄目です……アン……!アアァ!」
泣く子猫の様な声を出してしまうミン。しかしスイは、彼女を悦ばせたいと無我夢中でミンの臍を舐め続ける。ミンは彼の愛に蕩けそうになってしまう。しかも今、立って性交をしているのだ。それだけでもお互いの官能が燃えてしまうのだ。二人の白く美しい肌は
桃色に染まり、体中が一輪の花が朝露に濡れた様に美しかった。スイはさらに、ミンの秘めた所に顔を埋めてしまう。そして、そこを愛おしく唇で秘めた所から溢れる蜜を美味しそうに吸った。
「スイ、スイ……ああ……そんな所を舐めないで……わたし、ンンンン……!ん、あぁああああああぁ――!」
「ミン……綺麗だ……!このままこうさせてくれ……!」
恥ずかしくて涙を流してしまうミンに、スイは彼女に構わずに彼女の花弁を甘噛みし、舌で襞を舐めまわし続けた。ミンの足がガクガクと震えてしまい、尻もちついてしまう。
「スイ……あ、あ、もうダメ……」
「俺はまだ、満足していない……挿れるぞ」
スイは力が抜けて立てないミンを抱き上げ、
ベッドの淵に座りミンをスイの逞しい太腿の上に乗せた。抱き合う形で座っている。そして、
「スイ、キャア!ああ……!」
スイは己自身をミンの花弁に押し込んだ。
彼女の膣内は良く濡れて、スルスルと奥まで進んでいく。スイはあまりにも気持良かった。彼女の乱れた姿が、彼には何よりも悦んだ。激しくミンを突くスイは不敵な顔をし、ミンにこう言った。
「気持ちいい……!ああ、お前の躰は、俺を大きくしてくれる……このまま終わらせたくない……!」
「スイ様……奥にまで……!駄目、ああ……う、うんっ……!」
「もっと欲しいか?俺の妻よ……俺も……!くうっ!」
「わた、私……あなたが、あなたが……、
ほ、欲しい……ああ!」
ミンは激しいスイの突き上げに身も心も蕩けてしまっている。二人の結合部はもうお互いの蜜でビチョビチョに濡れていた。グチュ、グチュ、と淫らな音で空間を覆っていた。スイは、もう自分の一物がパンパンになり限界が来ていた。彼女に出したい――と、思った。
「ミン……出していいのだな?お前の躰は俺のモノだ……!」
「スイ、私はあなたと離れたくない……!あ…!」
スイは彼女の背中がしなるほど抱きしめ、ミンを愛している――と低いかすれた声で告白し、ミンはスイの熱い想いが体の隅々まで感じた。ミンも最初は乱暴な男だと思っていたが、抱かれるうちに、彼のそばにいたい……、と思うようになっていく――
ミンは彼につながれて、淫らになっていく。
スイは、ミンの淫らに揺れている裸体が女神の様な美しさに見とれ、達したのだ。ミンもスイの熱い蜜に子宮に注がれ、甲高い声を上げて彼に覆い被さった。スイもミンを抱きしめた。
「あなたは何故、私を妻だと言ったの…?
教えて下さい。私みたいなので良いの?」
「お前は世界一いい女だよ。これからも一緒にいてくれ……!俺はどんな事があってもミンのそばにいる。本当だよ!ここにいつまでもいてくれ……」
スイとミンは抱き合いながら、愛を語り合ったのだ。スイは愛おしそうに、ミンにキスをした。彼の愛情に喜び、ミンも彼にほほにキスをした。
「スイ……!分かったわ……そのかわり、あなたは少しでも長く生きてよね……!」
「ありがとう、ミン……」
ミンはスイの顔中に口づけを散らし、彼を自分の豊満な胸に母の様に引き寄せた。
スイはミンの優しさにこんな嬉しい事はしばらくなかった。この人と一緒にいたいと、願いながらミンの胸にキスをした。また二人は何度も愛を交し合った――
一方、ある豪華な屋敷では端正な貴族のハンスと、その恋人の女が淫靡は音を立てながら激しく交わっていた。
「ハンス様、ああ、もっと……!もっと、突いてください……!うん、オオォン……!」
ハンスの上に跨った女が淫らな笑みで激しく腰を振っていた。ハンスは口元を上げ、彼女の最奥を自分の欲望で貫いていた。二人は淫らな声を上げ続けていた。
「ふ、私もそうだがお前は、こういう体位が好きだな……クッ……!ハハ、もっと突いてやる。そして、私に溺れろ……!」
「私……私、あなたの、だ、出して……。出してぇ――……!」
茶髪の髪を振り乱し、大きな胸を淫らに揺らし、ハンスに子種を最奥に出してほしいと、せがんでいた。ハンスは赤い瞳で女を見つめていた。しかし、その瞳はどこか冷めていた。ハンスは別の事を考えていた。
(あのミンという女、必ず手に入れてやる……。そしてスイも……!)
彼の心は暗い望みに満ちていた。その冷めた瞳のままで女を見つめながら、腰を振り続け暗い欲望で女の最奥を貫いた。
「ハンス様、もう………!」
「ああ、私もだ…!クッ…」
ハンスは女の子宮に精をドクドクと注ぎ込んだ。女は満足気な笑みを浮かべ彼の胸に倒れ込んだ。しかしハンスは、冷めた瞳のままだった。
それぞれの夜は全く違った思いのものだった。愛し合う二人と、バラバラの二人というものだった――
次の日王宮では、異民族がイギリスに侵略していることが分かった。スイ達騎士団はその異民族を撃退するようにと、王様から命令が下されたのだ。
「ああ、またやってくるなんて…あいつらも暇だな………」
「仕方ないだろ。俺たちは騎士としての務めを果たす!甘えるな!」
情けない事を呟く兵にスイは厳しい一言を説いた。
(必ず生きて帰ってくる………ミンの為にも……)
スイはキッとした眼で前を向き、愛する女を思い必ず帰ると誓った――
その夜、スイは屋敷に戻った。明日、戦に出る事をミンに伝える為に。スイはドアノブに手を掛けた。
「ミン。ただいま」
「お帰り、スイ!」
ミンが笑顔でスイを迎え、二人はキスをした。
ミンはスイの屋敷で暮らすことにしたのだ。
二人はいつか結婚をする約束をしたのだ。
身分が違ってもいい。二人で生きていればそれでいいのだ。スイは今、好きな女はミンだけだ。確かにスイには女性遍歴があるが、ようやく本当の愛に巡り合えたのだ。スイは抱きしめてくれるミンにこう伝えた。
「ミン…すまないが、明日から戦いが始まるんだ。でも、すぐに帰ってくるから……」
「スイ……いやよ、私を一人にするなんて。
あなたに何かあったら私……!」
「大丈夫だよ。俺はちゃんと帰ってくるよ。
俺は最強の弓騎士だから、死なないから泣くなよ………」
泣きじゃくるミンにスイは優しい笑みで、
彼女の髪を撫でてミンを安心させようとするが、ミンは涙を流し続けていた。スイを離さず、ミンはスイにキスをした。
「スイ、私にもし何かあったらどうするの?あなたは来てくれるの?だから……必ず帰って来てよね?帰ってこなかったら私、
許さないんだから!」
キッとしながら、泣いている子猫の様な瞳でスイを愛おしげに見つめる。スイは彼女を抱き上げ、庭へ出た。庭に出て二人は美しい光景を観た。夜空にはたくさんの星が二人を見つめていた。星々は二人の愛を見守っているのだ。
「綺麗だな、俺達の愛を見守ってくれている……」
「そうね……星だけね、私達の愛を認めてくれるのよ」
二人は星空を見つめていた。こんな小さい事に見えるが、二人には何よりも幸せな事だ。スイはこんなに幸せな事は今まで無かった。ミンという女神が幸せを呼んでくれたからだ。「ミン、俺は…必ず帰るから、そしたら結婚
しよう。それが約束だ。お前は俺が帰ってくるまで、この家を守ってくれるか?」
「分かった、私もスイの為に頑張るから……死なないで、生きて帰ってくるのよ…!」
スイとミンは抱き合い二人の約束を星に誓ったのだ。そして、二人は部屋のベッドでお互い肌をさらし、抱き合った。スイはミンの唇に触れこう呟いた。
「ミン、俺の母は先祖が東洋の人でこの黒髪は母譲りなんだ。母さんはお前みたいに優しくて、綺麗な人なんだ。父さんも母さんの事誰よりも愛していた……俺はそんな二人が羨ましかった……」
スイは自分の腰まで届く程長い黒髪に手をやり、美しい瞳でミンを見つめた。ミンも純粋な瞳でスイを愛おしげに見つめた。スイの頬にキスをした。
「私も会ってみたかった…あなたのご両親は素晴らしい人だったのね。」
「ありがとう。そう言ってくれて……」
スイはミンの気持ちに応えようと、抱きしめミンの金髪を撫でた。ミンもスイの美しい黒髪に優しく撫でた。自分達はとんでもない事をしている。世間から冷たい目で見られてもいい。ただ二人が幸せならそれでいいのだ。豪華な暮らしより質素だが平和な暮らしの方を選びたい。二人の願いはそれだけだった。
「ミン、帰ったらどこに行きたい?」
スイはミンの耳元に囁いた。ミンもスイの耳元に優しく囁いた。
「あなたの望む所なら、どこまでもついていきたい……本当よ。私はどんな事があっても平気です……!」
と、スイの首筋にキスをした。スイは暖かい感触に心が癒された。こんな女に愛されるとは今までなかった。スイも彼女の胸元に熱い口づけをした。ミンを自分の妻だと知らしめるように、赤い愛の印を付けた。スイはミンの上を跨り、ミンの体を自分の舌でチロチロと、舐めまわした。
「スイ……!あ……あん……」
「愛している、愛している……!」
「わたし……私のそばにいてよ……!だから、あ………!」
ミンはスイの刺激的な愛情表現に嬌声を漏らし、部屋中に官能的な響きが流れていった……。二人はお互いの蜜で濡れ、舐め合いながら激しい喘ぎ声で包まれていった。美しく激しい愛、スイとミンにふさわしい愛の形だった。二人は交わり続け、愛の言葉を言い合い欲望は高めていった。大きな光に包まれた瞬間、二人は最高潮の中果てた――。
しかし、この二人の愛が悲しい形で終わることを知らずに……。
第三章狂わされる二人
次の朝、イギリス軍は国境の異民族の侵略を食い止める戦いが始まった。スイ達騎士団は、街の人々からの暖かい声援を受けていた。
兵達はキリリとした笑みを浮かべていた。
黒い軍服をまとったスイはミンの姿を探していた。
(ミン、何処にいるんだ……?あっ!)
スイは目を凝らし、華やかな格好をした女達の片隅に、白いローブを着た清楚な女がいた。ミンだった。
「ミン……!俺は必ず帰ってくるから!」
スイはミンの方に目をやり、彼女に大きな声で自分の気持ちを伝えた。ミンも笑顔でスイに手を振った。スイはそんな彼女をずっと見つめていた――
(スイ、必ず帰って来てね……!そしたら……)
ミンもスイが好きだ、という気持ちでずっと見つめていた。しかし、その陰でハンスが獣の様な瞳でミンを見ていたことには気づかなかった。スイ達騎士団は町の外へ消えていっていた。ミンはずっとスイ達騎士団を見つめていた。お互い離れていても一緒だと……。
しかし、毒々しい上級官僚の男が、何か起こそうとしている。隣にいる女も蛇の様に恐ろしい事を考えている事は、あの二人にはまだ知らなかった。
スイが異民族の討伐に行っている間、ミンはスイのいない屋敷を守ることに専念している。スイの洋服の洗濯、庭の花の手入れをしていたのだ。広い屋敷を守る事は大変だが、ミンはとても幸せなのだ。愛する男の為ならどんな事でも出来る、幸せな時間なのだ。
「はあ……あと少しで庭の手入れが終わるわ……そうだ、スイに新しい服でも作ろう!」
ミンはウキウキしていて、スキップしながら夕焼けを見つめていた。夕焼けはとても美しく、ミンの金髪が透ける様に美しかった。
「きれい…スイも見ているのかな……?」
ミンはスイが戦場に行ってもこの夕焼けを見ているのかもしれない、そして戦場での疲れを癒しているのでしょう、とミンは愛おしい笑みを浮かべた。しかし、門の所からトントンと、音がした。ミンは
「はい、どなたでしょうか……?」
と、ミンは門の所へ向かった。そこにあの貴族の男がいるのを知らずに……。
「あ、あの……!貴方はどなた?」
門を開けたミンは豪華な衣装を着た端正な男と、目があってしまった。銀の髪をなびかせ、真紅の瞳でミンを見つめていた。ミンは驚いていた。ミンは思わず、じっとこの男を見てしまった。
「ミンといったな……踊り子の女、今はスイの女か……?私は上級官僚のハンスだ。よろしくお願いします。ミンさん……」
と、ハンスはじっとミンを見つめていた。ハンスは美しいミンをどう食べようかと、考えていた。しかしミンは、
「あの、実はスイ様にこの屋敷を守るようにと言われているので……怪しい人は屋敷に入れるなと、言われていますので……すみません。彼との約束です」
「ふ……そうか、君は貞女の鏡のようだな……私はそういう女は好きだな。だが君は、
本当は好きな男の前では淫乱な顔をしているのが分かるのだが……」
ミンはハンスを少し怪しい男だと思っていた。しかしハンスは、ミンの腕を掴み自分の厚い胸に引き寄せた。
「ハンス様……な、何するの?や、やめて!」
「ミン、私もお前が好きなのだ……。スイはいないから、少しはいいだろう…?」
「やめて下さい……!あっ……!」
ミンはこの男の誘惑から逃れようとするが、しかしハンスはミンを離そうとしなかった。そしてミンの唇を自分の長い舌でペロリと、舐めまわしたのだ。
「あ、ああ……!」
ミンはあまりの気持ち悪さに、体が震えた。自分はスイの妻だと、言い聞かせた。理不尽なハンスにミンは怒りにまかせてパンッ!と、ハンスの頬に平手打ちをしたのだ。それでもハンスはいやらしい瞳でミンを見つめていた。
「ミン、男はみんな好きでない女でも抱く事だってあるのだぞ。あの男もそうだ……!寂しい思いしているとそうなる……だが、私はお前を寂しい想いにはさせない。愛も金も権力も手に入るぞ?お前もそう望んだ事もあるのだろう?違うか?」
「私は真実の愛だけが欲しいだけです!それ以外は何もいりません!」
ミンは怒りに満ちた瞳でハンスを睨んだ。ハンスも怯まずミンの瞳を離さなかった、そしてミンの服の胸元を大きく引っ張り、ふっくらとした乳房が露わにした。その乳房はプルプルと可愛らしく揺れ、その頂の赤い実は男を誘っているようにいやらしかった。
「……っ。何てこと……!」
「ふっ……あの男に見せているのだろう……。何人観て様が構わないだろう?」
「帰って下さい!ひ、人が見ています!ああ……!」
あまりに破廉恥な事をされてミンは混乱と、怒りで一杯だった。ハンスにもう一度ひっぱたきたいと思った。ハンスは余裕の表情のままで、ミンの胸をまじまじと見つめていた。 町の人達もそれにつられて見ている。
「その前に、恥ずかしい物を隠したらどうだ?みんな見ているぞ?」
ハッとしたミンは、周りの人に見られている!と、慌てて胸元を手で隠した。ミンはあまりの恥かしさで泣きべそをかいていた。
「まあ、今度はお前を抱いてやる…。必ずそうさせる……」
と、ハンスは艶めいた声でミンの耳元を囁いた。そして何事も無かったかのようにミンの元を去って行った。
ミンはあまりにも怖くて、逃げるように屋敷の中に入っていった。ドアに鍵をかけ、部屋のベッドに倒れ込み涙を流していた。
(スイ、早く帰って来て……私、怖い目にあったのよ……う、う……)
ミンはスイの優しい顔を思い出し、スイが早く帰って来て欲しいと何度も呟いた。一晩中、そればっかり呟いていた。
一方、スイは国境から異民族との戦いに明け暮れていた。異民族は、武術に長けていた。スイ達騎士団もかなり苦戦していた。しかし、突然雷が鳴った。異民族たちはこれに驚いたか、士気が下がっていってしまった。これはチャンスだと思い、スイは弓矢を構えた。
「俺の矢でお見舞いしてやる!覚悟しろ!」
スイは美しい黒髪をなびかせ、その姿勢は凛としていて暗い空からでもあまりにも美しかった。誰が見ても美しく見えた。スイは矢を思いっきり放った。ヒュン、ヒュン!と、光の速さで矢が敵の方に向かってくる。スイはさらに連続で矢を放ち、矢の雨を降らせた。
「う、うわわわ……!わ――!」
敵は思わず矢の雨に浴びせられてしまう。敵はどんどん倒れてゆく。残った敵は一目散に逃げていった。スイは勝利の予感がしたその時、ヒュン!と、スイの右腕に何かがかすめていった。
「くっ……!」
スイは右腕から血が滲んでいた。
「スイ様!」
「大丈夫ですか?」
兵達は心配するが、スイは気丈に振舞う。
「平気だ」
スイは痛む右腕を押さえた。異民族は追い払うことは出来たが、スイが負傷するという結果に終わった。
戦いに勝ったイギリス軍は夜、宴を行うことにした。兵達はこんな良い事はないと、お祭りムード一色だった。兵達は久しぶりに酒が飲める事は、騎士はそれほど禁欲的な者だ。
「やった――。酒が飲める!女もいれば良いけどな――!」
「おい、そんな事言ってはダメだぞ。王様に知られたらどうするんだよ?」
兵達は顔をにやけて、くだらない話をしていた。スイはあきれた顔で
「お前達……結婚している身でそんな事言うな!」
と、兵達に叱った。兵達は慌てて、
「は、はい!」
「そうですよね~。結婚すれば妻か一番って事ですよね!……あなた様はどうなのですか?」
スイに頭を下げてどこか意味深げな事を言う兵達。スイは考えた。ミンの事だ。ミンはどうしているのだろうか、困った事がないのだろうかと、ミンの美しい顔を思い出していた。スイは星空を見上げた。帰ったらミンを抱きしめてあげよう、愛していると言ってあげようと星空を見つめながら思った。
「ミン……もうすぐ帰れるから、俺は大丈夫だから……」
宴が始まり、兵達は楽しそうに酒を飲み交わしていた。暑苦しい声で歌を歌ったり、踊りを楽しげに舞っていた。スイも兵達と共に酒を飲んでいた。スイの右腕には包帯が巻かれていた。スイのけがは深くはなく、問題はないという事だ。
「ふう……」
スイは酒のせいか、色白の肌がうっすらと紅に染まっていた。その肌は絵画の美女の様な美しさがあった。腰にまで届く程の長い髪も合わさって、それをさらに際立たせていた。スイの姿を見た兵は、
「あの方はやっぱり綺麗だ……」
「おい、酔っ払っているからだろ。しっかりしろ」
兵はスイの中性的な美しさに酔いしれていた。スイは酔っているせいか、そんな兵に一切気付かなかった。しかし酔っているスイに新たな罠がすぐあるという事を……。
「あの、スイ様……」
スイはハッとした。天幕の外から女の声が聞こえた。スイは天幕の入口の方まで行き、
「誰だ?」
スイは赤い顔のまま外へ出た。スイは驚いた。見覚えのある女だったのだ。ハンスの恋人だった。しかも、城の女官服を纏っていた。
「スイ様お久しぶりです……私はハンス様の命令でここまで来ましたの……実は私、城の女官です……隠していて申し訳ございません」
「あんた、女官だったのか。いやらしい女が女官だとは……」
スイは酔いが一気に冷めてしまった。あのいやらしい茶髪の女が城の女官だなんて!
スイはまた変な事をするじゃないかと、女を警戒していた。スイは女に冷たくこう言った。
「女官さん。俺はもうあなたと戯れる気はありません。俺には妻となる人がいます。もう、ほっといてください……!」
スイは女に睨みつけた。女は平然とした顔のままだった。茶髪の髪をまとめた姿は一見清楚に見えるが、妖艶な雰囲気はいまだに漂わせていた。女はスイに抱きしめる。そしてスイの唇に触れた。
「な……!また何かする気なのか!」
スイは女から離れようとするが、しかしスイの足が急にガクッ、ときてしまった。
「なに……あ……あ、あ……」
「媚薬が聞いてきたわね……」
「な、何だって……!く…」
「分からなかったの?あんたの酒だけにワザと媚薬を入れたのよ。ハンス様にあんたを抱いて来いって、命令でここに来たのよ」
「……!」
スイは意識が朦朧として、女をひっぱたきたいが体が思うようにいかない。それどころか、この女に抱かれたいと淫らな事を考えてしまうのだ。
女はスイに色っぽい声で囁いた。
「スイ様。こちらに泉がありますわ。さあ……いいでしょう?」
「………ああ……」
スイは女の妖艶さと媚薬に酔いしれてしまう。スイは快楽の渦に飲み込まれていってしまった。スイは女に連れられて、泉のある方に行ってしまった。誰もいない夜の泉はあまりにも美しく、淫靡な雰囲気も漂わせていた。
スイと女も、その淫靡な雰囲気に引き込まれ言った。
「スイ様、さあ……誰もいないから平気よ……」
「でも、外では…俺は今日だけは……あ…」
スイは女に首筋を舐められ、ゾクゾクと身震いがした。媚薬のせいか、もっとして欲しい、そんな淫らな思いが込みあがってしまった。スイの体は熱くなる一方だ。女はそんなスイにもっと快楽を与えようと、淀んだ心でスイの軍服に手を掛けた。
「もっと欲しいでしょ……今夜は思いっきり楽しみましょう……」
「…ああ………あ……!」
「かわいい子……あの方の為に、私は…!」
女は快楽に酔いしれているスイの軍服を
優しい母親が子供の服を脱がす様に、手際よく脱がした。
スイの引き締まった裸体が月夜に美しく照らされていた。女はそれを蛇の様に見つめていた。スイは女の視線にドキドキしてしまう。
「抱きしめてくれ……」
スイは我慢できず、潤んだ瞳で女に懇願する。女は不敵な笑みを浮かべ、スイに抱き付いてくる。スイは女の柔らかさに心をときめかせる。女はスイの唇を重ねる。それは深い、深い口づけだった。
「ん……うう、あ……!」
「もっとして欲しい?ふふ……」
「欲しいのだ……。もっと……!ああ!」
「じゃあ……」
誘惑に耐えられないスイ。女はさらに過激な事をしようとする。スイの体を押し倒し、その引き締まった体の上に跨った。彼の元気になった一物を見つめた。女はニヤリと、笑った。そしてそれを掴んで、自分の膣口にニュルリと、滑らせて中に入ってしまった。
「お、おい。いきなり……くぅ…」
スイはいきなり己自身が入っていって、胸の高まりがさらに激しくなってしまう。
体が熱くなり、喘ぎ声もこぼれてしまう。
「ねえ、動いてよ……あんたもそうしたいでしょう?」
女は怪しげな声でスイに囁く。
「ん、ん…ああ……!」
スイは媚薬の効果で淫らな事しか考えられなくなってしまった。スイは欲望に負けて、女の大きな尻を掴み淫らに腰を振った。
「もっと、もっといい……?」
「ええ……どんどん突いて……!ああ、あ……」
「気持ちいい……何もかも。もっとしたい…中が俺を締め付けてくれる……」
スイはますます体が熱くなり、繋がっている部分が淫らな液が溢れてくる。草むらに流れ、それを濡らしていく。
「あん、あ、ん……んんん・・・・・・!」
女は淫らに体を振り、長い茶髪が月明かりに美しく照らしていた。スイも長い黒髪が乱れ、それは見事に美しかった。二人は、大きな喘ぎ声を誰もいない泉でところ構わず響かせていた。スイはもう、何もかも忘れていた。
性交を楽しみたい、それしか頭になかった。
「おい……で、出る……」
「いいわよ……あなたが望むようにして……あ、あ……!」
「くっ……あ、ああああ……!」
スイはもう我慢できなくなり、女の最奥に思いっきり射精した。その精水はあまりにも量が多く、繋がっている所から溢れてくる。
その淫らな液はお互いの下肢を汚していく。
女は淫らな遊びを終え、絶頂の余韻に浸っているスイの濡れた太腿に触れ、
「スイ様、今夜はありがとう……あなたは可愛いわ……ふふ……」
女はスイの太腿にキスをし、服を着替えた。
女は不敵な笑みを浮かべながら、スイを見つめていた。赤い唇が実にいやらしかった。
(ハンス様……私はあなたの為にやりました。でも、私の想いは届かないのね……)
瞳からポロッと涙がこぼれた。妖艶な女が何故、涙が出てしまうのか分からなかった。
愛する男の為に何でもした。でも、愛する男は別の人なのだ。そんな複雑な思いが女にはあった。
女は涙を流しながら、横たわっているスイをそのままにして何処かへ去っていってしまった。
「あ、う、うう……」
スイは裸のまま横たわっていた。それがとても気持ちよく、何もかも忘れていきたくなってくるのだ。そしてスイは乱れた姿のまま眠りについた。
そして夜が明け、朝焼けが泉を照らしていた。スイはその光によって目が覚めた。
「う……もう夜が……え……!」
スイはあたりを見回し、どうしてここにいるのか分からなかった。そして自分のあられもない姿に、驚いてしまった。
「俺……何でこんな姿なのだ…酔っぱらってしまったのか…?」
何故こんな姿なのか、スイは恥ずかしくて体を木陰に隠すように、逃げ込んだ。スイは昨日の事を思い出しながら、軍服を急いで着替えた。
「昨日…あ、あ……!あの女だ!あの女に騙されて……!何てことだ、ミンを裏切ってしまって……ああ……!」
昨日の情事を思い出したスイは、あの茶髪に女に泉まで連れて行かれて、あんな所で淫らな事をしてしまった。
「とにかく、急いで戻らないと……」
スイは身なりを整え、急いでイギリス軍の基地へと風の様に走っていった。
(すまないミン……!)
スイは心の中で愛するミンに謝罪した。何で俺達の邪魔をするのだ?俺達はただ愛し合っているのだ。涙を流すスイに、大空だけは彼の悲しみを知っていた。
「あ、スイ様!どこにいたのですか?」
「本当に心配しましたよ!」
基地にたどり着いたスイに兵達は今まで大騒ぎしてスイを探していたのだ。
「みんな……すまない……俺は大丈夫だから、安心して」
心配顔の兵達にスイは笑顔でふるまい、謝罪した。兵達は安心した。
「さあ、皆の者故郷へ帰ろう!」
スイは明るい顔をして、兵達に高らかに声を上げた。そして皆で帰る準備を始めた。スイは兵達が無事で何よりだった。何かあったら弓騎士としての自覚がないと、思われてしまうからだ。スイは微笑んだ。ようやくミンの元へ戻れると……。
「ミン、帰ったら結婚式を挙げようか……そして、ずっと一緒だ……」
スイは空を見上げて思った。しかし、スイとミンの別れの時がもうすぐであるという事をいまだに知らなかった……。
ハンスと、いう恐ろしい陰謀がすぐに迫っていた。
「あ、スイ様だ――!」
「ああ、良かったご無事で……あの方が帰ってこないとどんな兵よりも心配よ――」
「何言ってるのよ。みんな帰ってくれればそれでいいのよ!バカ!」
「ごめ――ん」
イギリスに帰還した騎士団は、街の人々の感謝の言葉で溢れていた。兵達はその感謝の言葉に笑顔でいっぱいだった。
「俺達は帰れてよかった……」
「みんなの笑顔が何よりの贈り物だよな!」
兵達は、みんなの笑顔で戦いの疲れもとても癒された。スイも同じだった。大切な人の元へ帰る事が出来たから……。
(ミン、俺は帰って来たよ!どこにいるんだ?)
スイは、愛しいミンを人ごみの中から探し続けていた。蜂蜜色の瞳を光らせて、愛する女の姿を追っていた。
会いたい、そして伝えたい事がある。スイはただそれだけだった。民衆の歓声よりも大事な美しい声を聴きたい。
しかし、美しいミンの姿はなかった。スイはそれでも探した。スイは馬を走らせた。もしかしたら屋敷で待っている、そう思ったスイは思いっきり声を上げた。
「ミン!俺は帰ってきた!今すぐ行くぞ!」
その愛の叫びは町中に響いた。民衆達はスイの愛の叫びに驚いてしまった。
スイはそんな驚きにはかまわなかった。ミンの所に帰ればいい、それだけだった。スイは馬を走らせ、自分の屋敷まで帰っていった。
ようやく帰って来られた、久しぶりに見る屋敷はどこか新しい感じがした。ミンが綺麗にしてくれたのだろうか、庭がとても良く手入れされている。花壇も雑草が一本も無く、綺麗になっている。
スイは、ミンがこの屋敷を守ってくれていると、心の中で感謝した。スイは笑顔で屋敷の中へ入った。
「ただいま、ミン!……あれ?ミン、ミンどこにいるのだ?俺は帰って来たよ!」
大きな声でミンを呼ぶスイ。しかし、ミンの姿がなかった。スイは眉間にしわを寄せてしまう。ミンはどこにいるのだろうか?と、考えながら屋敷の中を探し回る。
「お――い、ミン。返事をしてくれ――!
隠れてもだめだぞ?」
スイはミンに逢いたくて、逢いたくてウキウキしながら探していた。スイは自分の部屋へ入った。すると、家事で疲れてしまっているのか、ベッドにスヤスヤと眠っているミンを見つけた。スイはホッとした。
ミンが無事で良かった、と。
「ミン……俺だ。スイだ……」
スイは声をかけ、ミンの背中を優しく撫でた。ミンはその愛しい手に気付き、うん、と小さな声を出し目覚めた。
「スイ……?あ、本当に……」
「ああ、帰って来たよ。俺は生きている……!」
スイは目覚めたばかりのミンを抱きしめる。ミンもスイの大きな背中を手に回し、優しい笑顔をスイに向けた。
「良かった……わ、私……いつ帰ってくるのか、待っていたのよ……!私、ちゃんとあなたのお屋敷を守っていたのよ。でも……」
ミンは寂しかったのか、スイにしがみついてスイの唇にキスをした。スイも嬉しくて、
ミンを押し倒し、お互いの体を密着させた。やっと一緒にいられる嬉しさを、言葉にした。
「ミン、言いたい事があるんだ。俺はミンと結婚したい。すぐにでも式を挙げて、みんなに認めてもらおうよ!」
「スイ、式は挙げなくてもみんな認めてくれるわ。あなたの想いがあればそれでいいの。
どんな事があっても一緒よ」
「ミン……良かった。これを言いたかったんだ。だから、生きて帰るって…!」
「私も、あなたは帰ってくるって信じていたから、神様がその願いを叶えてくれたのよ」
スイとミンは、ベッドの上でくっつき合いながら笑顔で、お互いの気持ちをいっぱい言葉にした。しかし、その屋敷の外ではあの貴族の男が待ち構えているのが二人には知らなかった。
「ふふ…私達、幸せね。こうして二人で」
「そうだな。ミンと一緒にいられるのが最高の幸せだな。……なあ、今からでもしてもいいか?」
「スイ、駄目よ。昼間は。夜ならいつでも……ふふふ…」
「そうか~夜ならいいか……じゃあ、今夜な!」
スイはミンにキスをしながら、甘い言葉をいっぱい囁いた。ミンも照れながら、スイに甘える。
ドンドン!と、大きくドアをたたく音がした。じゃれ合う二人はハッと気づき、ベッドから離れ玄関の方へ向かった。
スイがドアを開け、
「はい、どなたでしょうか……?……え!」
スイは目を大きく見開いた。この屋敷に来たのは、ハンスだった。
「久しぶりだな……スイ。ミンさんもこの前……話がある。いいか?」
「何でしょうか……?」
スイとミンは驚き、思わず身を寄せ合った。
ハンスはきらめく銀髪と、赤い瞳を光らせて警戒するスイとミンを見つめていた。
ミンは怯えていた。この前のひどい事を思い出していた。
「あの、ハンス様ですよね?この前はどうも……」
「ああ、ミンさん。この前会いましたね?
今日は君に話したい事がある。私が言っていたのを覚えているか?」
「ミン?」
スイは分からなかった。何故、ミンとハンスが会っていたのか。買い物で会ったのか、
それともいかがわしい場所であっていたのか。スイの頭の中は混乱していた。
「ミン、どういうことだ?俺がいない間……二人で会ったのか?なあ、答えてくれ!」
「……スイ、それは……」
スイはミンに問い詰める。ミンはつらそうな顔をする。そんな二人を冷たく見つめるハンスは煌びやかな服をなびかせながら、ミンの方に近づきそしてスイからミンを奪った。
「な……!何するのですか!」
「ミン!」
「スイ、私はミンさんを妻にしようと思っている。女はみんな権力のある男に魅力がある。彼女もそう……お前より、私の方が良いっていな!」
「何だって……ミン、本当にそうなのか……?」
スイの顔が青ざめた。まさかミンがハンスと……。いや、そんなことはない。そう思いたかった。ミンは、自分が留守にしている時ちゃんと家を守っていた。ハンスが出まかせを言っているだけだ。
ミンはハンスに抱き寄せられて、嫌がっていた。この男から逃げようとするが、ハンスの逞しい腕からどうしても逃げられなかった。
それでもミンはスイにこう訴えた。
「スイ!違うわ!私はこの男に酷い事をされたのよ!信じて!」
ミンは必死に声を出した。スイはこの男に屈してはダメだと、涙を流しながら愛するスイに訴えた。
「ミンさん、私に逆らうのか!こんな男と一緒にいても無駄だ!私に身を任せろ……今すぐ、この男の前でさせてやろうか?」
「嫌よ!ハンス様!あなたは酷い男よ!
権力を誇示する男なんて、地獄に落ちる運命なのよ!私には分かるのよ!」
ミンがスイの想いにハンスは、怒りをあらわにした。自分の腕でミンの体を離さなかった。ハンスはスイに、憎しみに満ちた目で睨みつけた。スイもキッと、金色の眼を光らせハンスを睨みつけた。
「ハンス!ミンを離せ!さもないと……!」
スイは怒りをあらわにし、近くに置いてあった弓矢を構えハンスに向けた。
鋭い矢でハンスを撃とうとするスイは、ここでハンスを討たなければもっと恐ろしい事が起きる、そう思っていた。しかし、ハンスは恐ろしい事を告げた。
「そんな事をしても無駄だ。私を殺せば、城の官僚に逆らったことになる。お前は犯罪者になってしまうぞ?ここは私に従った方がいい。ミンを私に譲ってくれぬか?」
「あんた……!人間じゃない。官僚に媚を売れって言うのか?汚い事ばかりしている奴ららしい言い方だな!俺はそんなこと従わない。ミン、こっちに来い……!早く!」
汚い事をさらりと言えるハンスに、スイはそんな汚い事出来るかと、反論する。
ミンは困惑していた。このままではいけない。ミンはスイを助けたい、そう決意した。
「スイ!逃げて――!」
と、ハンスの腕をガブリと噛みつき、ハンスから逃げ出した。そしてミンは隠し持っていたナイフをハンスに突き付けた。
「ハンス!私はあなたに従わない!あなたを殺します!」
ミンは震えながらハンスにナイフを突きつけた。ハンスはこの女に怒りを覚えた。この女を従わせてやる、バシィ!とミンの頬を思いっきり殴った。
「ミン!」
「……く……!」
ミンは頬を殴られ、体ごと吹っ飛んでしまい、そのまま倒れ込んでしまった。スイは慌ててミンの元へ駆け寄り、彼女の体を抱きしめてミンに必死に声を掛けた。
「しっかりしろ、ミン……」
「スイ…う、う……」
ミンは意識が朦朧としていた。スイは涙目で心配し、そしてスイはハンスに抗議した。
「何てことをするんだ!」
「いいから、私に従え!もう、後はない……!」
ハンスに抗議するスイにかまわず、ハンスは倒れているミンを無理やり抱き上げ、そのまま大きな足音をたてながら、階段をのぼっていった。
「ハンス、待て――!」
「黙れ!私に逆らえばどうなるか、分かっているのだろう?私が彼女を抱いてやる……」
階段をのぼるハンスを追うスイ。スイは許せなかった。しかし、スイの気持ちにハンスは通じなかった。
それどころか、ハンスは自分が正しいと言い張った。ハンスはスイの部屋までやってきてしまう。ミンは頭をぶつけたらしく、意識が朦朧としていた。抵抗が出来ないのだ。ハンスになさせるままにしか、出来ないのだ。
「ミン、今日は私がお前の相手になってやる。私がお前を満足させてやろう……ククク……」
「……うう」
冷たい目でミンを見つめるハンス。そして、
ミンの唇に熱いキスをした。ミンは淡い声を出し、体が熱くなってしまう。
スイは悲しかった。自分の愛する人があんな男に、蜂蜜色の瞳から涙がボロッとこぼれてしまった。悲しみと怒りに満ちたスイは、ハンスの肩を思いっきり掴み切れ長の目で睨みつけた。
「お前……!」
「まあ、ここで私達の愛を見ていれば良いのだ……」
起こるスイにそんな事はどうでもいいようなハンスは、ニッと口元を上げスイの足に思いっきり蹴り飛ばした。
「ぐ……」
足を蹴飛ばされたスイ。あまりにも痛かった。そんなスイを眺めているハンスは、ミンを連れてそのまま部屋へ入り、鍵を掛けられてしまった。
「ミン!ミン!」
スイは必死にドアを叩き、ミンを呼んだ。しかし、ミンはその呼びかけには答えなかった。
部屋の中では、ハンスはミンをベッドに横たわらせミンの服に手を掛けた。
「ミン、お前を私の虜にしてやる……あいつの元には帰れなくなるぞ……」
「……あ、あ……!」
ハンスはミンの服を手際よく脱がし、ミンの美しい裸体が露わになった。ハンスは赤い瞳を輝かせ、ミンの裸体をじっと見つめていた。そしてミンの豊かな胸を大きな手で、柔らかく揉んだ。
「ん、んん……!ああ、あ……」
「ミン、気持ちいいのか?」
「ハンス様……さ、さわらないで……」
ミンはハンスに胸を揉まれ、感じてしまっていた。スイに揉まれるのと違う、ハンスは淫らな大人の楽しみを知り尽くしているようだと、抵抗できないミンは思った。
ハンスはミンの胸の頂点に唇を付けた。ガラス細工を扱うかのように、舌で舐めていた。
その絶妙な舌づかいは素晴らしかった。
ミンは小さな喘ぎ声を出してしまい、ハンスから逃げようとする。しかしハンスは逞しい腕で、ミンの体をきつく抱きしめていた。
「お願い……やめ……あ……!嫌ぁ……」
「やめない。もっと欲しいと言っているぞ。
ほら、果実は大きくなった……」
嫌がるミンにハンスはワザと、いやらしい事を言った。ミンの大きなふくらみの頂点が赤い果実の様にプクッと、大きくなっていた。
感じてしまっている証だ。ハンスはミンの胸を丸く持ち上げたり、交互に揺らして玩具の様に扱っていた。
ハンスは余裕の笑みでミンに向けた。ミンはその笑みが怖かった。私はこんな男に感じさせられている、私にはスイだけしか体を許さないつもりなのに……。
ミンはスイの優しい顔を思い出した。スイに助けて、と言いたい。しかしミンの体は快楽の海に落とされてしまった。ハンスの巧みな愛撫に虜にされてしまっていた。
「スイ……」
「おい、その名を口にするな……!」
ミンのスイに助けを呼ぶ声にハンスは、ミンの唇を塞いだ。そして自分の舌でミンの口腔をいやらしく舐めまわした。ミンの舌を絡めて熱くて淫靡な悪戯を繰り出した。
「ハンス!ミンを返してくれ!お願いだ……!」
そんな悪戯をドア越しで聴くのを耐えられないスイは、ドン、ドン!と強く叩き続けた。
「スイ、お前は黙っていろ……お前だって私の恋人としたのだろう?私は知っている。
あれは私の命令でやっていたのだ……!」
「……!」
そうだ、自分はミンだけにしか体を許さないと決めていたのに、あの夜は騙されたのだ。
「くっ……!」
スイは悔し涙を流した。自分は無力だと、いくら弓の名手であっても愛する女を助ける事は出来ないという事を……。
扉の向こうでは、ミンとハンスが淫らな行為をし続けていた。ミンは拒んでいたが、今はもう快楽に酔いしれていた。ハンスも煌びやかな服を脱ぎ、逞しい裸体を晒していた。
「ハンス様、もうやめて……ああ…私をこれ以上は……!」
「いや、まだこれからだ……お前はもう私のモノだ……!私の手管でしかイケない体にしてやる……」
「うん、ああ……」
ハンスはミンの下肢の方へ顔を落とし、ミンの茂みをまじまじと見ていた。そして、その茂みをごつい手でかき分けた。
「っつ……!」
ミンは、スイにしか触れさせなかった所にジョリジョリと音を立てられて、思わず喘ぎ声を出してしまう。ミンはこんな事でも感じてしまう。相手が違うだけでも――
早くこんな悪夢から覚めて欲しかった。
しかしハンスの巧みな愛撫は、スイよりも激しく悦ばせてくれる。ハンスの経験は相当あるという事を。
不敵な笑みを浮かべるハンスは、ミンの陰毛を口にくわえ、思いっきり強く引っ張った。
「ア――、ア――アアァ……ア――!」
ミンはあまりの痛みと快楽で、大きな悲鳴を上げてしまう。ミンの秘めた所から大量の蜜が溢れてしまった。シーツに大きなシミを作ってしまい、ミンはこんな恥ずかしい事をされたと、グズグズと泣き崩れてしまう。
「良い反応だ。お前はどんな女よりも素晴らしい……」
「うう……ひ、ひどい……う……!」
ハンスはミンの花弁から蜜を取り出し、その淫靡な美しさに酔いしれていた。その笑みは肉食獣そのものだった。
ミンの体が感じ切ってしまい、上手く動く事が出来ないのだ。秘めた所からはしたない蜜が溢れ続けてしまっていた。もう、嫌でもハンスを受け入れる準備は出来ているのだ。
ハンスはミンの両脚を持ち上げた。そして自分の熱くて硬いモノを、ミンの可憐な花弁に遠慮なく押し入れてきた。
「あ……!駄目です……それだけは……!」
「何言っている。ここは欲しがっているじゃないか……私に従え……!」
「い、嫌――……!」
ハンスは自分自身を、ミンの膣内をかき回し、襞を吸い付かせるようにして激しく犯した。そして最奥にまで推し進めようとする。
ミンはこんな苦しみを味わった事はなかった。ミンはスイを裏切ってしまった、という苦しみを……。
「スイ、助けて……!お願い……助けて――!」
ミンは快楽に負けないように、声を絞り上げる様にスイに助けを求めた。
「ミン……」
扉の向こうでミンが呼んでいる、そう聞こえたスイは鍵を開けようとする。まだ間に合う、そう信じスイはドアノブをガチャガチャと音を鳴らす。
「ミン、今すぐ行くから――……!」
スイは大きな声でミンを呼びかけた。しかしハンスはそんな声に憎しみを抱き、ミンの体を押さえつけ唇までも塞いでしまった。
ミンは体も声までも、ハンスの欲望に縛り付けられた。ミンは怖くて涙を流していた。
そんなミンをハンスは、暗い笑みを浮かべミンの中を自分の欲望を打ち続け、そして自分の欲望に限界が来てミンに恐ろしい事を告げた。
「ミン、子種はたっぷり注いでやる……
受け取れ……!クッ……!」
ハンスはミンの赤い乳首をギュっと摘み、そして自分の子種をミンの子宮にたっぷりと注いだ。
「いや……!あああ――……!」
大きな悲鳴を上げたミンは、自分の体にこんな男の子種を注ぎ込まれてしまった、自分はスイの子をいつかは産みたかったと思った事があった。しかし、こんな酷い男に孕まされたらスイに罵られ、別れてくれと言われてしまうかもしれない。
ミンは泣き叫んでいた。スイを裏切ってしまった、ずっと泣いていた。
そんなミンをよそに、何事も無かったかのように服を着替え冷たい声でミンにこう言った。
「ミン、お前は私の妻になるのだ。お前はそれしか残されていない。私がお前を幸せにしてやる…クク……」
「……」
ハンスは澄ました顔でミンにキスをし、そのまま部屋を出ていった。ミンはベッドに横たわったままだった。ハンスは自分の夢が叶ったと、暗い喜びがあった。そしてドアを開けたら、怒りの涙を流すスイが待っていたのだ。
「スイ、ミンの事は諦めろ……お前の妻にはふさわしくない。私が彼女を幸せにする。お前は、誰とも幸せにはなれないのだ……ハハハハハ……!」
「ハンス……!お前にいつかは…天罰が下るときが来るってことを、わ…忘れるな……?」
ハンスは自分が勝ったと、自信満々でスイに言い放つ。しかし、スイはひるむ事無くハンスに復讐すると宣言した。
ハンスはスイを無視し、そのまま屋敷を出ていった。スイは急いでミンの元へ向かった。
スイが見たミンの姿は酷いありさまだった。
「ミン……」
人形の様に動かないミン、その瞳は死んだ魚の様になっていた。そして、ミンの下肢にはあの男が放った白濁の蜜で濡れていた。
スイは悲しかった、明るくてかわいいミンがあのハンスに玩具にされて、愛する人を闇の中に落とされた事を……。
それでもスイは、裸のミンに優しく呼びかけた。スイはミンが好きだ、どんな事があっても守ると決めたからだ。
「ミン……大丈夫だ……俺がいるから……
ミン、笑ってくれ……!」
「……スイ……?う、う……!ごめんなさい……!」
スイの呼びかけにミンは弱弱しい声でスイに話した。そして、ミンの大きな瞳からポロポロと涙かこぼれていく。
ミンはハンスに強姦された事を思い出し、
スイを裏切ってしまった。その後悔の涙が、
こぼれていったのだ。
「私……!あなたを裏切ってしまった。あいつを殺せば、私達は幸せな時が続くと思った……でも、私には力がなかった…!ううう……ああ……!」
泣きじゃくるミンにスイは、抱きしめる。
そして、汚れた体をスイのハンカチで拭いてやった。
「ミン、泣かないでくれ……!そんな顔をしたら、俺だって……!」
スイは涙をこらえながら、ミンを励まし続けた。しかし、ミンは涙を流しながらスイに悲しい決意を言葉にした。
「スイ…私、あの人と結婚するわ……スイを裏切ってしまった。私には、ハンスと結婚する道しか残されてないの……どうか別れてくれと言ってください!ほかの男に抱かれた女なんて嫌だって言ってよ!私にスイに愛される資格なんてもうないわ……うう…!」
「何言っているん1だ。愛に資格なんて、いらないモノだよ。君にも分かるだろ!俺は
……ミンと一緒にいるよ!だから、だから……!」
ハンスの妻になろうとするミンに、スイはそんな事は本心じゃないと、言い張る。
二人の別れの時はもうすぐ来ていた。
夕空が、二人の心を悲しげに照らしていた。
スイはミンをギュっと抱きしめた。もう離さないと言わんばかりだった。しかし、悲しげな顔のミンはスイの体から自ら、離れた。
「ミン……どうして……あの楽しい時を君は忘れられる事が出来るのか!絶対に出来ない。俺には分かるんだ!俺と寝た他の女達とは違ったのだ!心から俺の事を思ってくれる人はミンだけなんだ!今から考え直せ、あいつの所に行っても不幸なだけだ。ミンは辛い思いしかしないんだぞ!」
「ごめんなさい……!私だって辛いわ!あなたはほかの人と、一緒になればいいじゃない!私みたいな卑しい女より、煌びやかな女の方がお似合いよ……!くっ……!」
スイはミンの強気な発言に言い返せなかった。ミンは泣いているのにでも、自分は何も出来なかった。スイは悲しい顔をした。蜂蜜色の瞳が潤んで、涙がこぼれそうだった。
スイはミンの顔を見る事が出来なかった。
そのくらい落ち込んでしまった。
ミンはベッドから降り、服を着替えた。
ミンは悲しげな笑みを浮かべ、スイにこう告げた。
「私、もうあなたに会わない……ハンス様の所に行きますから。さよなら……!」
うつむいたままのスイに、ミンはスイの頬に手をやりスイにお別れのキスをした。
そして、スイの部屋から出ていってミンの姿は幻の様に消えていった。
スイはミンの姿を追った。しかし、ミンはもういない。スイは長い黒髪を振り乱しながら走った。外を出てミンを何度も呼んだ。
しかし、ミンの返事はなかった。スイはポロポロと、涙がこぼれた。拳で何度も地面を叩いた。スイの純粋な思いは、誰にも分かってくれないのだ。あの愛は幻だったのだ。
愛とは悲しいものだ。別れという物は必ず来るものだと、分かっているのにスイはそれを受け入れられなかった。
「ミン……!うう……わぁああああ……!」
スイの嘆きは夜空に鳴り響いた。
第四章悲しい別れ、憎悪の愛
ハンスが結婚する事になったと、街では大騒ぎしていた。上級官僚のハンスが、若くて美しい花嫁を迎えると民衆はお祝いをしようと、その話で持ちきりだった。
ハンスはミンが自分の屋敷に来てくれたのだ。そして妻になると言ってくれたから、端正な顔が笑みを浮かべていた。
しかしハンスは、スイの歪んだ想いもまだあったのだ。いつかスイを抱きたい、暗い感情も端正な顔から浮かんでいた。
婚礼の日、教会ではたくさんの見物客が並んでいた。美しい新郎新婦を一目見ようと、
思っていた。
そして、新郎新婦が豪華な衣装を纏い、見物客の前に現れた。
ミンは白い花嫁衣装を纏い、その姿はまるで白バラの様だった。ハンスは白い花婿衣装を纏っていた。その姿は王の様な美しさだった。
「素敵だ……!」
「まさしくお似合いの夫婦だ――」
「あの花嫁、前はスイ様と一緒じゃなかったか?何でハンス様と結婚したのだ?」
「権力ある男の方が良かったのでしょ?あの花嫁は、もとは踊り子でしょ?あの娘も、そういうのが好きなんでしょ。嫌だね――」
「おい聞こえる……!」
「まあ、あの娘さんが幸せなら良いじゃないか」
見物客は二人の美しさに見とれながら話していた。しかし、良く無い事も言っていたが新郎新婦には一切聞こえなかった。
(スイ……ごめんなさい。私は……!)
ミンは美しい笑みを浮かべていたが、心の中はスイの事でいっぱいだった。スイの姿を探そうと目を凝らすが、スイはいなかった。
そんなミンにハンスは、ミンに優しく声を掛けた。
「ミン……これからは新しい生活が始まる。
お前の願いは何でも叶えてやる。私がお前を幸せにするから……!」
ハンスはミンを抱きしめ、キスをした。ミンは笑みを浮かべるが、どこか悲しげだった。
ハンスはミンをやっと自分の妻になった。
彼女を思い通りに出来るのだ。そんな暗い感情が、ハンスの心の中で渦巻いていた。
夜の宴が終わり、ハンスとミンは屋敷で休んでいた。ハンスは寝間着を着ていた。
ミンはハンスに夜食を運んでいた。本当はハンスと結婚したくなかった。逃げるのは今しかない、心の中で思っていた。ミンはひそかにナイフを持っていた。
「ミン、これからはここで一生二人、いや……子供と一緒に暮らすのだぞ。私は先にお前を抱いた。責任を取るつもりだから……!
分かってくれるな?」
「ハンス様……」
「旦那様と呼んでくれ、私にはお前だけ愛する……!」
「私は、自分の想いを出せない生活なんて私にはできません……子供の話は後にして下さい。私達はまだ結婚したばかりです」
「ミン……私の気持ちが分からないのですか……?」
ハンスは二人きりになる事に慣れていないミンに、ミンの金髪に触れた。ミンの美しい金髪は甘い香りがした。ハンスは愛おしそうにその髪に唇を落とした。
ミンはハンスの愛情表現に困惑していた。
ハンスはミンの寝間着に手を掛けた。ミンは、ハッとしてしまいハンスの手を止めた。
「お前は可愛い……私の心に火を付ける。
私と一緒に寝てくれ」
ハンスは赤い瞳でミンを見つめていた。しかしミンは、ハンスから目をそらしハンスのそばから離れ、ミンは鋭い目でハンスを睨みつけた。そして隠し持っていたナイフを取り出した。
「ミン!」
「来ないで!」
ハンスは驚いた。まさかミンがこんな事を起こすとは思ってなかった。
ミンは自分の顔にナイフを突きつけ、ハンスを脅していた。
「私はスイが好きなのよ!あなたと結婚するくらいなら、私は死を選びます!」
「お前は私がお前の事をどれだけ考えているのか分からないのか。私は仕事も頑張るし、さらに出世をすることを約束する。ミン、頼むから死ぬのはよせ!」
ハンスはミンを死なせたくない、ミンに近寄ろうとするがミンの鋭い目に負けてしまう。
怖い。この女は怖いものを持っている。愛する男の為に、自ら命を投げ出す女だという事を。ハンスは身震いした。しかしハンスは、ミンを止めようとそろり、そろり、と歩み寄った。
近づくハンスにミンは、ナイフを自分の目を当て、
ザクッ!
と風を切るような音を立てた。そして、ミンの顔から血がドクドクと濁流の様に流れ落ちた。
「ミン――……!」
ハンスは獣の様に叫んだ。端正な顔を歪め、
なりふり構わず叫び続けた。ミンの顔が血だらけになっていた。ミンはあまりの痛みでウッ、ウッと枯れた声で泣いていた。
「誰か、来てくれ!私の妻が――!誰か助けてくれ――……!」
ハンスは屋敷の使用人たちを大声で呼び続けた。使用人たちが慌てて駆けつけ、ミンの無残な姿を目のあたりにする。
一方、スイは屋敷の庭で夜空を見つめていた。ミンの事を思いながら、スイの悲しみは深かった。
「ミン……」
重傷を負ったミンは使用人たちに連れられ、街の医者に手当てをしてもらった。幸い、命に別状はなかった。しかし、ナイフで両目を切り裂いてしまいミンの両目はほとんど見えなくなってしまった。ミンの両目には包帯が巻かれていた。その姿は痛々しいものだった。
次の日、ミンはハンスと離婚をする事になったと、そしてイギリスから出ると、スイの耳に入ったのだ。
スイはミンが辛い思いをしているのに自分は何も出来ないと、苦悩する。ミンがイギリスから離れる日、スイはミンに会いに行こうと決めたのだ。しかし、今更ミンに何を言えば良いのか正直スイは苦しんでいた。
(ミン……ごめんな……俺はミンに酷い事をしてしまった。今の俺には……)
スイは頭を抱えて、ミンの事を考えていた。一方、港には両目に包帯を巻いているミンの姿があった。手には杖を突いて歩いていた。そして、船に乗ろうとしていた。ミンはスイに会いたかった。しかし自分の目はほとんど見えないのだ。杖を突いて歩かないと不安になってしまうからだ。ミンはスイの声だけでも聞きたかった。
「スイ、どこにいるの?」
ミンは思い切ってスイを呼んでみた。しかしスイの声は全くなかった。スイは来ていないのか?と、心がぽっかりと穴が開いたような気持ちになった。ミンは杖をカンカンと、音を立てたが港の船員が嫌な顔をして止められた。
「おい、もう出るぞ!早く中へ入れ!」
「はい……」
ミンはしぶしぶ船の中へ入った。船が動く音がした。船は大海の方へ向かい、新たな大陸に旅立っていく。ミンは寂しい思いをした。
スイと会えたことが唯一の幸せだった。最後に一言言って欲しかった、ミンは波の音を聞きながらそう思った。
港の片隅には、長い黒髪の男がひっそりと佇んでいた。スイだ。スイはミンに会いに来たのだ。スイが来た時は、船がもう出ていってしまった。ミンの姿を見る事は出来なかった。
スイの瞳から、一筋の涙が流れた。スイはミンの想いを伝えられなかった。
「俺はミンに何もしてやれなかった……ごめん、ごめんよ……?」
スイはハンスと離婚したミンを迎えに行こうと思っていた。もう一度一緒に暮らそうと、自分の想いをきちんと伝えるつもりだった。
曇り空のイギリスに、一人寂しく泣いているスイの姿を見つめていた。
あの日から半年、イギリスの城では騎士団の訓練が生き生きと行なわれていた。
スイは凛とした姿で矢を放っていた。その姿は、相変わらず美しかった。他の兵達も見惚れてしまう程だった。
「スイ様、やっぱり綺麗だ……!」
「ただ、どこか寂しげな感じがするよな……それに、妖艶な雰囲気があるし…」
「なあ、今度の官僚たちが接待を多くするとか言っていたぞ。女だけじゃなくて男も接待させるつもりらしいぞ?」
「ええ――?官僚がそんな事を考えているのか?しょせん、色と権力か……いつか、大変なことになりそう……」
周りの兵達の変な話に、苛立ったスイは切れ長の目を兵達にキッ、と睨みつけた。
「お前達!いつまで話している!何度言ったら分かるのだ?」
怒る顔も、色香に満ちたスイの顔に兵達は驚きと同時に乱れた姿はどんなモノなのかと、不謹慎な事も考えさせてしまう程だった。
「は、はい――!すみませんでした!」
兵達は慌ててスイに頭を下げた。スイの長い眉はすっかり上がってしまった。
「全く……!しかし、官僚達の接待は本当なのか…?」
スイは城を見つめていた。城の官僚達は変な事をしようとしているのか、スイは、ハッとした。あの男だ。あの憎き男が政治を腐らせようとしている、止めないと……。
スイは黒い軍服を翻し、城へと歩み始めた。
「ハンス……お前の思い通りにはさせない……!」
城内の奥にある上級官僚の個室へと向かったスイは、深く深呼吸してドアをノックした。すると、穏やかな声でスイに返事をした。
「入れ」
スイは、覚悟を決めてドアを開けた。
「スイでございます……」
スイは中へ入った。穏やかな声の正体はハンスだった。上級官僚にはそれぞれ、豪華な個室が与えられていた。ハンスは最近、昇格したと話を聞いていた。それも最高の地位を手にしたと。スイはその話を聞いた時は、どこか黒いやり方で手にしたとしか思えなかった。スイはハンスにあの話を聞こうと決め、重い口を開いた。
「ハンス様…昇格おめでとうございます。
私の方からもお祝い申し上げます……」
「ありがとう。スイからそう祝ってくれるのは、私もさらに職務に励める。話とは何だ?」
ハンスは豪華な官僚服を纏い、赤いマントを翻しスイの方に歩み寄る。
端正な顔でスイを見つめるハンス。しかしスイの顔はハンスを疑う顔をしていた。それでもハンスは、笑みを浮かべながらスイに穏やかに話しかけた。
「スイ、私からも話がある。実は町の商人達が、官僚達に新しい商品を見て欲しいと言っている。官僚達は、最初は断っていたが商人達が踊り子達を連れて宴を催す事にしようと、話を聞いて私達は町の人間の声を聞けるいい機会だと思った。私達はそれに承諾した。
スイ…君ももし良かったら宴に参加しないか?」
ハンスの余裕のある話しぶりに、スイは黒い部分を見ていた。この男が政治を腐敗させていると、スイは眉を上げてハンスの笑顔を見ていた。スイはその話にこう言った。
「ハンス様、あなたは色と、金と権力を得て何が楽しいのですか?そんな物はいずれ崩れ落ちる物です。私はあなたのせいで大切な人を失いました……私はあなたを止めるためにここに来ました……!あなたは優しいふりをして、他人を貶める様な悪魔です!
私はそんな男を認めるわけにはいきません!」
スイは怒りに満ちた声でハンスに思いっきりぶつけた。
しかしスイの怒りの声は、ハンスには全く届かなかった。それどころか、ハンスは狂喜に満ちた笑みで、スイに恐ろしい事を低く重い声で告げた。
「私には今、お前しかいないのだ。私に身を委ねれは何でも手に入る。権力のある者にすがって生きていくしかない、この世界の常識だ……私は全てを手に入れるために何でもした!最後に欲しいものはお前だけだ……!」
こんな事を告げられてもスイにはただの我儘しか見えなかった。この男の我儘に振り回され、そして愛するミンを失ったのかと思うと、スイもこの腐敗した国のせいだ、嘆くしかなかった。
「私の愛するミンを返してください!ハンス様のせいで……!どんなに苦しい思いをしたのか、あなたにも分かるはずだ!」
スイは激怒した。ハンスに詰め寄った。しかしハンスは愛おしげにスイの唇に触れ、体を抱き寄せた。
「離してくれ……!」
「私の所から離れるな……!スイ……!」
「あなたに抱かれる気はないんだ……!」
ハンスに抱きしめられ、軍服を脱がされてしまうスイはハンスの体から逃げようともがくが、足がふらついてしまい床に倒れてしまった。ハンスは妖艶な笑みを浮かべて、懐から小瓶を取り出した。それをスイに見せた。
「この媚薬は、他国からの輸入品だ。どんな人間でも足を開かせる事が出来る程の媚薬だ……私はいち早くこれを手にし、政治に利用していた。私の欲はだれにも止められない。王でも………!」
ハンスはその媚薬のふたを開け、スイに飲ませようとする。軍服がほとんど脱げてしまい、素肌をさらされたスイは身をよじろうとするが、ハンスに組み伏せられてしまう。そしてハンスにその媚薬をスイの口を無理やり開けられ、甘い香りの液体がスイの口に入れられてしまった。
「あ…うん……うう……!く…!」
スイは媚薬が細い喉に通り、そこから熱くなってしまい、体が色を欲してしまっている。
ハンスに脚を開き、体が媚薬に侵されてしまっている。それを見てハンスはスイの胸元を男らしい手で触れ、その胸の頂点の淡い色の果実を摘んだ。その果実を摘まれ、嬌声が漏れてしまう。スイは薬で思うように動けず、体を擦られるだけでも声を上げてしまう。
それを面白がり、ハンスはスイの体中に唇を這わせスイの体を色の渦に落とした。
「ああ……!い、ああ…ンン……!」
「もっと欲しいか、どこまでしてもらいたい……?」
「駄目です……こ、これ以上……ん、ああ……」
スイは長い黒髪を振り乱し、その美しさは
誰もが息を飲む程だ。下肢が熱を帯び、硬くはち切れてしまいそうになってしまったスイは怖くて、怖くて、涙がツ――、と流れてしまう。ハンスはそんなスイの涙を舌で舐め取った。眉を上げ、スイの片足に甘噛みをした。
「お前は可愛い奴……弓騎士よりこっちの方がお似合いだ……」
「な、あなたはどこまで黒い奴……何だ……!い、嫌・・・・・だ…!あ…!」
こんな凌辱を受けているのに体が言うことが聞かないなんて、スイはハンスを一矢報いてやりたい、スイの怒りが拳に力が入る。スイの右腕がもがく様に動かし、床に置いてある片手で持てる程の大きさの瓶に触れた。
それに気付いたハンスは赤い瞳をぎらつかせ、スイを睨んだ。スイは瓶を握り、ハンスを睨みつけた。
「そんな物で私を殺すのか?」
「あんたは、地獄に落ちるべきだ!」
「わ、私が地獄へ、だ…と…?権力のある者をどこまで侮辱する…気だ――?私の言うことを聞け――!媚を売れ!この恥知らず!お前は私の人形なれ!」
ハンスはスイの怒りの言葉に気が触れ、なりふり構わず叫んだ。そしてスイの体をがっしりと押さえつけた。スイの唇を塞いだ。しかしスイはハンスの唇を噛みつき、体がわずかに離れた。そしてスイの右腕には瓶を手にし、
ハンスの顔に目掛けて力の限り殴り掛かった。
ガンッ!
稲妻の様な音が城中に鳴り響いた。城の人間たちはその大きな音に驚いた。彼らはその音のありかへと駆けつけた。ハンスの個室へと向かった彼らは、ドアを開けた。そして、無残な光景を目の当たりにした。
中にはハンスが倒れていた。ハンスの眉間には赤い血が大量に流れていた。彼らはハンスに呼びかけるが、反応がなかった。傍らには、
一糸まとわぬ姿のスイが血の付いた瓶を握ったまま倒れていた。気を失っていたスイの太腿には白濁の蜜が流れていた。
最終章 あの人の元へ
まぶしい光に包まれ、気を失っていたスイは目覚めた。体がまだ重く、ベッドから起き上がれなかった。スイはここは何処だと、どうしてここに運び込まれたのか、疑問に思っていた。寝間着を纏ったスイは、ハンスはどうしたのか聞きたかった。スイは誰かを呼ぼうとした時、女官が入ってきた。その女官はあのハンスの女だった。茶髪を一つに纏めた女は、暗い面持ちだった。スイは何かがあったのだと、分かった。スイはその女官に声を出した。
「ここは医務室です……」
「何かあったのか……?」
女官はスイの呼びかけに、涙を流しながら弱弱しい声で答えた。
「ハンス様が亡くなった……あ、あなたに殺されたのよ……」
スイは女の話からハンスは、各国に多額の賄賂を贈り黒い信頼を得て王を騙し、多額の税で民達の生活を苦しめたのだ。あの男は本当に黒い人間だったのか、スイは深いため息をついた。しかし、泣きながら話す女はスイに頭を下げた。
「ごめんなさい。私はあの方に拾われた。あの方は、家族に愛されていない人だった……だから、そばにいてくれる人が欲しかった。
あなたには本当はそばにいて欲しかったのよ…あの方は、寂しい人生を歩んでいた。それは本当よ……許してくれとは言わない。私はあの方のそばにいたかった。でも……あなた達が……!」
「……分かったから。これ以上話さないでくれ……」
床に座り込む女はスイに何度も謝罪した。スイは、この人達の本当の気持ちがやっとわかったのだ。スイは穏やかな声で女にこう言った。
「女官さん。俺はミンに会いに行く……こんな城にいる事は出来ない。俺はこの国を出る。
ミンを見つけて謝りたいんだ……そして新しい人生を送りたい……」
「スイ様……!」
スイは新しい道を歩ける、しかし、ミンに会えるのかは分からない。それでもスイはこの道を間違いはないと……。
王はスイに、ひどい思いをさせた事を謝罪した。そして王は正しい政治を行うと、スイと約束した。スイは弓騎士の職を捨て、イギリスを出る事を決めた。
スイは質素な身なりで、イギリスの港へ向かった。強い足取りで船に乗った。
(この町ともお別れだな……父さん、母さん……俺は新しい人生を送ります。どうか、見守って下さい……!)
スイは心の中であの世にいる両親に呟いた。
船が出港し、新たな大陸へと向かった。スイの長い黒髪が潮風に美しくなびいていった。
スイは新しい大陸でミンの情報を聞き出したりしたが、なかなか得られず次々と国を渡り、
ある町で顔に包帯を巻いた女が一年前来たと、その女は身ごもっていた事を知った。
スイはミンだと分かった。スイはミンがこの国のどこかにいると、大きな喜びが溢れた。
しかし、ミンをなかなか見つけられなかった。
山を渡り歩き、所持金も底を突き食べるのもままならなかった。
「ミン、どこにいるんだ……?俺はお前を探している。返事をしてくれ……!」
ミンを探してもう二年になろうとしている。しかしスイの体は限界に近づいていた。美しいスイの身なりは、あまりにもみすぼらしいものだった。自慢の黒髪もすっかり荒れていた。それでもスイは必死にミンを探し回っていた。
やっと新しい街を見つけるが、みすぼらしいスイを相手にしてくれる人はいなかった。
スイは途方に暮れた。このままじゃミンを見つけられない、うつろな目で街をさまよった。町の人々から冷たい目で見られ、やつれてしまったスイはパン屋に入ろうとした時、グラッと風景が歪んで見えるのだ。
「あ、頭が……もう、駄目……だ…」
スイは頭をふらつかせ、パン屋の前で倒れ込んでしまった。町の人々は驚いてしまった。
「た、大変!だ、誰か――!」
街の人々が倒れ込んだスイに、助けを求めた。
意識が朦朧としているスイは何も聞こえなかった。スイはミンに会いたいという思いしか残されていなかった。スイはミンの笑顔を思い出し、目を閉じた。
「大丈夫ですか?良くなりましたか?」
まただ。この感じ……。誰かが呼んでいる。
優しい声で俺を呼んでいる……。
重い瞼を少しずつ開け、スイは一筋の光を見つめる。ここはどこだ、とあたりを見回す。
「ここは診療所ですよ。良かった。薬を飲ませましたから、顔色が良くなって……」
目の前には白髪の女医がスイを診察していた。
「あの、俺は……」
「あなたは遠くから来たのですね?大変だったでしょう?もう大丈夫ですよ。ゆっくり休んでください」
スイは、いつも誰かに生かされている、自分が辛い時も死んではいけないと言われていると。スイは蜂蜜色の瞳から涙がこぼれた。
白髪の女医が慌てて、スイにハンカチを渡す。
スイは素直に受け取り、涙を拭いた。
「あ、ありがとう……!男が泣くなんて、格好悪いですよね……」
「いいえ、泣きたい時は泣いて…一年前この町に来た若い妊婦さんが、倒れていたの。町の人たちが助けてここに連れてきて、子供を産んだけど……すぐに亡くなったのよ。その人は目がほとんど見えなくて、大変だったって……」
スイは、分かった。ミンがこの町にいるって、スイは慌ててベッドから飛び上がり、女医に聞き出した。
「その人は俺の愛する人なんです!ど、どこにいるんだ?」
女医はびっくりしてしまった。この人は、愛する人を探す為に遠くから来たのか、と目を丸くした。
「お、落ち着いて……あの人はい、今はここで子供たちに…」
「ありがとうございます!子供たちの所ですね!」
スイは女医にお礼を言い、元気よく病室を飛び出ていった。女医は困った顔をしたが、あれだけ元気になってくれれば良いと、心の中で思った。
スイは診療所で、看護婦たちに聞いて子供たちのいる所へと向かった。スイは子供たちの部屋まで来た。すると、子どもと女性の歌声が楽しそうに聞こえる。スイは聞き覚えのある声だった。ドキドキしながら、部屋のドアを開けた。
(ミン、ミンなのか……?)
ドアを開けると、子供たちと顔に包帯を巻いた金髪の女性が楽しそうに歌を歌っていた。子供たちは笑顔だった。女性の歌声は、懐かしい声だった。スイは目を丸くした。スイはその女性に大きな声で呼んだ。
「ミン!俺だ。スイだ……!」
包帯を巻いた金髪の女性は、その声にハッとして振り向いた。目はほとんど見えないが、音を聞く事は出来るようだ。
「スイ…スイなの?ど、どこ……」
女性はスイの名を口にした。スイはやっと会えたと涙を流してミンの元へ駆け寄った。
「ミン、俺が分かるか……?俺は君を探してここまで来たんだ……!」
目が不自由なミンは、スイの姿を追う。スイはミンの手を握ってやった。ミンは唇を震わせて、スイがここにいると、改めて思った。
「ここにいるのね……覚えている。このあたたかい手……優しい声……!」
周りにいる子供たちは、突然の事で驚いてしまっていた。子供たちの大きな目は二人に向けていた。
「お姉さんのお友達なの?」
「あのおじさんが?」
ミンは子供たちにスイは私の旦那さんだと、笑って言った。子供たちはスイの顔を見て、笑顔で笑った。
「ごめんね。また、明日お歌を歌いましょうね」
「お姉さん、また明日だよ!」
ミンは子供たちにスイと話をすると言って、子供たちを見送った。子供たちはキャッ、キャッと笑いながら部屋を出ていった。
「ミンはここで子供たちと歌を歌っているのか……良かった。無事で何よりだ。…俺は全てを捨てて、君を探していた。ずっと……!」
スイはミンを抱きしめた。ミンは懐かしいぬくもりにスイの背中に手をまわした。窓の外は、青空だった。あたたかい光が二人を包んでいた。スイはミンに色々と聞きたい事があった。
「何故、俺から離れたんだ…?悲しかった……ハンスのせいか?あいつはもういない。
俺が……!」
「ごめんなさい……私も色々とあったの…イギリスから離れてしばらくして、私のお腹に子供がいるって分かって……ここで産んだわ…でも、子供はすぐに……」
「落ち込まないでくれ…一人で辛かっただろう…これからは俺がそばにいるから…安心してくれ」
ミンは震えながらスイに苦しい話を全て話した。スイは産んだ子の父親は、聞かなかった。
聞いたって、ミンはさらに苦しむだけだ。
スイはミンに本当の想いを、真剣な眼差しで言った。
「俺はここで暮らす。ミンと一緒に暮らす。どんな事があっても一緒だ……!」
「……ほ、本当に……!」
「豪華な暮らしよりも、愛する人と平和に暮らす道を選ばせてくれ。愛している……!」
スイは愛の言葉をミンに優しい笑顔で告げた。
そして、深いキスをした。ミンも、スイを抱きしめた。そして、スイにあるお願いをした。
「私を抱いて……!すべてあなたにあげます……!」
「ミン……!」
スイとミンは、お互い服を脱ぎベッドに入った。ようやく一緒にいられると、大きな喜びに満ち溢れていた。スイはミンの柔らかな肌に触れた。ミンは温かい手に触れられ、小さく喘いだ。ミンは目が不自由ながらも、スイの顔を探しその頬にキスをした。スイもお返しにミンの頬にキスをした。スイはミンの太腿を撫でて、ミンの秘めた所にまで触れた。
「あ……!」
「欲しい…ここ……」
「ん、ん……ああ、あ…!」
ミンの花弁を指で触れ、小さな粒を柔らかく押した。一番感じてしまう所を押され、ミンの腰が揺れてしまう。スイはミンの胸のふくらみに顔を埋め、豊かなふくらみに唇で吸った。
「懐かしい……この感触は変わらないな」
「もっと触れて、もっと触れて欲しいの……あなたに全て……!」
「俺の心も体も全て、お前だけのものだ……!」
スイはミンの体中に唇を這わせ、ミンの体を濡らしていった。顔も背中も、脚も全てスイのものになった。
「私もあなただけよ……!」
ミンもスイの逞しい脚に柔らかい唇で、愛の印を付けた。一生消えないくらいに…。
この世界は二人きりだ。誰にも邪魔する事は出来ない。彼らは、永遠の愛の世界で生きていく。そう決めたのだ。
「ミン、そろそろいいか?挿れても?」
スイの肉刀は硬く反り、早く挿れたいと、懇願している。ミンの花弁も、甘い蜜で溢れシーツにまで濡らしていた。
「あなたの好きにして……私の体を……!」
お互いに待ち望んでいた、一つになる事を二人は深いキスをし、正常位の形で?がった。
スイはミンの濡れた花弁に、自分自身をゆっくり押し入れた。ニュルッと、お互いに求めているかのように中に入っていった。
「く……俺をこんなに求めてくれて……!」
「あなたの温かいわ……あ、あ…」
「俺でも、お前には簡単にもっていかれてくる…愛されている証拠だな……!」
スイはミンの腰を押さえつけた。ミンもスイを求めて、自分の腰をスイに押し付けもっと?がってほしいと、微笑んでお願いした。
スイの腰が、しなやかに動かしミンに愛を打ちつけた。ミンの可愛い喘ぎ声をいっぱい聞き、スイの心と体を熱くした。
「こんな幸せな事は…今までなかったわ。もっと、もっと……ふ、あ…!」
「はあ、ミンお前はいきそうか?……お前の中がすごく、あ…熱くなっているんだ。俺のものをもっと硬くなって……!く…!」
「本当ね……!」
二人の息遣いはさらに荒くなり、肌も紅色に染まっていった。スイの長い黒髪は乱れ、男の色香を漂わせていた。ミンの金髪もシーツの中でキラキラと輝いていた。この美しい二人の性愛は、どんな神話よりも美しかった。
スイの腰の動きはさらに激しくなった。ミンも、自ら腰を淫らに振った。二人の繋がっている部分は、お互いの蜜で溢れ脚の方まで濡れ光っていた。達しそうになったスイは、切羽詰まった声でミンの耳元で囁いた。
「愛している…う、く……!」
「あ、愛しているわ。スイ……!」
ミンはスイの背中に手を回し、キスをした。
スイはミンの優しさに触れ、ミンの子宮にたくさんの精を注いだ。ミンはこの命の水を奥深く入っていくのを、こんな嬉しい事はないとスイの頬を優しく撫でた。
「スイ、ありがとう……」
「ミン……俺もこんな嬉しい事はない……!」
夜になり、営みを終えた二人は満月を見つめていた。
スイはミンの肩に手を回し、ミンのそばにいる事を実感していた。ミンもスイの胸に触れ、スイが生きている事を目が見えなくても分かった。
「長い道のりだったな…本当に一緒になれる日まで、色々な事を思い出すな」
「色々とあったけど、今は一番幸せよ。神様がめぐり合わせてくれたからよ……」
「いつになるか分からないけど、俺とミンの子供が欲しい。その子にはちゃんと幸せにしたい」
「私も思った……私達の家族が……出来る事を」
スイはミンとささやかな夢を話した。温かい家庭を作る事を。スイはミンのお腹に手を優しく擦った。ミンもスイの大きな手を重ね、スイに優しく微笑んだ。スイはミンの唇に優しくキスをした。
二人はより添いながら、明るい未来を夢見た。
(了)
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