ゴブリン転生【完結】

ちゃむにい

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ゲーム ※勇者視点

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俺は異世界に召喚されてから王様の不評を買い、牢屋にぶちこまれて以降、牢屋で寝起きをしていた。今は王様も失脚し、もう50年もの間、ゴブリンの王が国を支配している。

ゴブリンが支配したと言われた時は「俺も食われちゃうのかな、召喚者だし」と思ったが、むしろ人間の王様が居た時より、好待遇である。
つい先日も、ゴブリンが角材などの資材を担いで持ってきて、牢屋を再リフォームをしてくれた。出来上がった俺の牢屋は、見た目は牢屋だが中身は住み心地の良い部屋になっている。部屋のテーブルにはお菓子が置かれているし、本棚もある。
しかも、ゴブリンの王が飼い始めた猫が子を産んだということで、可愛い子猫付き物件だ。風呂も併設され、入りたい時には入れるため、監視のゴブリンに「こんないいとこに住めて運がいいギャア」と羨ましがられるぐらいだ。

この50年の間に食事も劇的に改善され、日替わりメニューで温かい食べ物が提供されるようになった。年を取るにつれて歯が悪くなっていったので、柔らかい食べ物はありがたかった。
俺の牢屋は、なんと窓が自由に開閉できる。何時でも脱獄してくれと言わんばかりの環境だった。

ゴブリンはどれも似たような顔をしているので見分けがつきにくいが、ゴブリンの王は他のゴブリンより一回りも二回りも体が大きく、定期的に「必要なものはないか」と顔を見に来るので、顔馴染みになってしまった。

それが、ここ数か月もの間、まったく来なくなったから心配していたのだが「すまないな、ちょっとごたついていた。日本に戻れるようになったぞ。戻るか?」とひょっこり顔を出した。その手にはゲーム機付きで。
「これはあっちの世界にあった格闘ゲームだ。息子がはまって、俺もやってるのだ。お前もあっちの世界の住人だろ、やるか?」
「あ、あぁ、やるけど……」
どうやら俺とゲームをするために、わざわざ足を運んだらしい。
テレビと小型発電機、そして据え置きのゲーム機とソフトを運び入れた。それらが余裕で入るぐらいに、俺の牢屋は広い。

「ってこれワンダボの新作じゃん!?」
「ああ、お前たちが召喚されてから、もう50年も経っているからな」

俺の大好きな格闘ゲームの新作だ。これをやらないわけにはいかない。

「これ、ここで出来るのか?」
「多分出来る。さっき試したら出来た」
「こんな場所でゲームが出来るなんてなあ!」

俺はワクワクしながら、電源をいれるのだった。

「これ対戦ゲームだから、いっしょにやってくれる?」
「無論だ」

ゴブリンは強かった。俺よりは弱いけど。何時も世話になってるから、お礼に接待プレイでもしてやろうかと思ったけど、手を抜くのも失礼だよなーと思って、本気で勝負した。

ただ、引っかかった事があった。
こいつの攻撃の癖が、どうもあいつと被るのだ。
まさか、こいつ……と思って、試しにフェイントを仕掛けてみた。

あいつなら、何時も引っかかる攻撃だ。

「くそっ! ずるいぞ!!」

見事に引っかかった。そのままコンボを決めて嵌め殺しにしていく。

ゴブリンの王は手も足も出せずに負けた。

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