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掌握
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「前から思っていたけど、貴方は人間を信用し過ぎよ。使用人に優しくしても厳しさがなければ、つけあがるだけだわ。飴は、ほんのちょっぴりでいいのよ? 貴方は主人なんだから、もっと堂々としているべきよ」
「……ねぇセリーヌ。もっと早く、僕と結婚出来ない? 君には女主人として、屋敷を管理して欲しいなぁ……」
マリオンは、未だに新しい侍従を雇用出来ていなかった。
蝶人間もいるし、以前のトラブルを考えれば人選には慎重にならざる得なかったが、やはり侍従が居ないのは不便だった。
以前マリオンが採用した獣人のメイドも、トラブルが多発しているらしい。
人材の育成及び管理は、侯爵家から連れてきたメイドだけに頼るわけにはいかないなと、思い始めていたところだった。
人見知りで、心を許した者以外にあまり関心がないマリオンにとって、人心掌握は苦手とするところだったが、その点、セリーヌはメイドや使用人の扱いに長けていた。
「結婚式は学校を卒業したらという約束でしょう? 相談なら何時でも乗るけど、今は嫁入り前の勉強が忙しいのよ。貴方に嫁ぐためには教養が必要らしくて、家庭教師が離してくれないの。読み書きぐらいなら、何とでもなるけど、とにかく私って手先が不器用でしょう? 裁縫とか刺繍が苦手で猛特訓中なのよ……。こんなに出来の悪い生徒は初めてだなんて言われてしまったわ! 買えばいいものを、なぜ習わないといけないのか、納得いかないわね」
「あぁ……。それで最近逢えなかったんだ。……うん、僕ちゃんと学校に通って卒業するよ」
正直、学校は辞めるつもりだったが、セリーヌと結婚するなら、障害は少ないほうがいいだろう。
「マリオン……。家が近くて家族ぐるみの付き合いがあったから私と貴方は頻繁に逢っていたけど、普通、婚約者とはそう頻繁に逢えないものなのよ? 結婚式の日に、初めて逢うことも多いのだし」
「そうなの? じゃぁ僕は運が良かったんだね」
セリーヌに素っ気なくされて落ち込む日も多かったけど、それでもセリーヌに逢うことは、マリオンにとって糧になっていた。
良くも悪くも、セリーヌが生活の中心だったからだ。
「男はいいわね。結婚前に勉強しなくていいんだから。その間にマリオンの気持ちが離れてしまったら、勉強しても何の意味もないわ」とセリーヌは言った。
マリオンは、ぷりぷりと怒るセリーヌを見ながら、
(なんだかんだ言って、セリーヌとお喋りするのは楽しいんだよなあ。話が合うし)
と思った。
だからこそ、ニーナと出逢うまでは、セリーヌに執着していたのだ。
「で、私とあの蝶人間の女、どちらのほうが好きなのかしら?」
「セリーヌ……! 意地悪な質問はやめておくれよ……!」
「ごめんなさいね。これでも私、怒っているのよ? 貴方の童貞を貰い損ねたもの」
「な、なぜ……!?」
セリーヌの言葉に、マリオンは驚いて、目を丸くした。
「……ねぇセリーヌ。もっと早く、僕と結婚出来ない? 君には女主人として、屋敷を管理して欲しいなぁ……」
マリオンは、未だに新しい侍従を雇用出来ていなかった。
蝶人間もいるし、以前のトラブルを考えれば人選には慎重にならざる得なかったが、やはり侍従が居ないのは不便だった。
以前マリオンが採用した獣人のメイドも、トラブルが多発しているらしい。
人材の育成及び管理は、侯爵家から連れてきたメイドだけに頼るわけにはいかないなと、思い始めていたところだった。
人見知りで、心を許した者以外にあまり関心がないマリオンにとって、人心掌握は苦手とするところだったが、その点、セリーヌはメイドや使用人の扱いに長けていた。
「結婚式は学校を卒業したらという約束でしょう? 相談なら何時でも乗るけど、今は嫁入り前の勉強が忙しいのよ。貴方に嫁ぐためには教養が必要らしくて、家庭教師が離してくれないの。読み書きぐらいなら、何とでもなるけど、とにかく私って手先が不器用でしょう? 裁縫とか刺繍が苦手で猛特訓中なのよ……。こんなに出来の悪い生徒は初めてだなんて言われてしまったわ! 買えばいいものを、なぜ習わないといけないのか、納得いかないわね」
「あぁ……。それで最近逢えなかったんだ。……うん、僕ちゃんと学校に通って卒業するよ」
正直、学校は辞めるつもりだったが、セリーヌと結婚するなら、障害は少ないほうがいいだろう。
「マリオン……。家が近くて家族ぐるみの付き合いがあったから私と貴方は頻繁に逢っていたけど、普通、婚約者とはそう頻繁に逢えないものなのよ? 結婚式の日に、初めて逢うことも多いのだし」
「そうなの? じゃぁ僕は運が良かったんだね」
セリーヌに素っ気なくされて落ち込む日も多かったけど、それでもセリーヌに逢うことは、マリオンにとって糧になっていた。
良くも悪くも、セリーヌが生活の中心だったからだ。
「男はいいわね。結婚前に勉強しなくていいんだから。その間にマリオンの気持ちが離れてしまったら、勉強しても何の意味もないわ」とセリーヌは言った。
マリオンは、ぷりぷりと怒るセリーヌを見ながら、
(なんだかんだ言って、セリーヌとお喋りするのは楽しいんだよなあ。話が合うし)
と思った。
だからこそ、ニーナと出逢うまでは、セリーヌに執着していたのだ。
「で、私とあの蝶人間の女、どちらのほうが好きなのかしら?」
「セリーヌ……! 意地悪な質問はやめておくれよ……!」
「ごめんなさいね。これでも私、怒っているのよ? 貴方の童貞を貰い損ねたもの」
「な、なぜ……!?」
セリーヌの言葉に、マリオンは驚いて、目を丸くした。
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