白幸と狩谷

OTOGI

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はじまりは

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「は…?」

「だぁからぁ~、あんたには弟のとこに居候してもらうから準備お願いねっていってんの!」

「違うそうじゃねぇんだわ、いやそれもそれで問題はあるが…?」

「なによぉ、他になんか解んないことあったかしら?」

「あったろーが!!」
「母さんの弟があの人気モデル兼俳優の【Kirei】だとか何とか言ってたろーが!」

「あらぁ?あんた知らなかったの?え、マジ?」

「マジ」
「つうか、ガワ剥がれてんぞ母さん」

「おっとぉ、まぁ、もういいべよあれ疲れる」

「…だろうな」

寝起きの頭に悪い「頭の悪い女」の演技でポンと重要事項と新情報を伝えてきたこの女、自分の母である。

この演技が何かにいかされたことは今まで一切無いが、物心ついたときには母が行っておりもはや当たり前のように我が家では横行している。

勿論、これが普通でないことは幼少期に自覚済みである、ご心配なく。

「で?」

「母さん仕事で海外に転勤することになったから~、弟のとこに居候してちょ?って話ね。」
「ちな、弟のお仕事はモデル兼俳優芸名は【Kirei】だぜ☆」

「…了承は?」

「おん?」

「向こうは良いっていってんの?」
「母さんの話がマジなら芸能人じゃんさ、本人は勿論、所属事務所的には?」

「あっはは!大丈夫、大丈夫!」
「お部屋余ってるって言ってたし、マネさんに確認をとってもらっておkもらったよ☆」

なんと自由な母親だろうか、
今は亡き父はこれの何処に惚れたのだろう、いやまぁ…父はこれを仕方ないなぁ何てスタンスで何時も見ていた気がする。

うん、きっとそうだ。

とにもかくにも俺の運命は定まった
そして、母の運命も…

「あ!明日には弟が迎えに来てくれるから!ちょっぱやで準備よろ~!」

ひっぱたいてあげたい、
そんな気にさせる事実を捨てゼリフに、俺名前の書かれたのプリンを頬張る母…

俺は笑顔で拳を握ったのである

「そういうのは先に言えー!!!」
「それとそのプリンは俺のもん!!」

え?
殴ったのかって?
あら、嫌ですわね、
そんな物騒なことはいたしませんことよ!
グリグリの刑に処しただけですの!

「フンッ」

「うぅぅ、当真ちゃんのけち」

「アァ゛?」

まぁ、こんな始まり。
俺の、俺たちの運命の歯車は回りだしたばかりである。

「…はぁ、準備、準備!」







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