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本編
31、楽しい日常
しおりを挟む「正樹、昨日はどこに行っていたの?」
朝一番、学校で正樹を捕まえた。
「ちょっと! お前どういうことだよ、親になんてこと抜かしてくれたんだ!」
「なんてことって、正樹をくださいってお願いしただけだよ? 結局曖昧にされてしまったけど、今日は送るから一緒にお願いしよう」
「な、なんでっ、俺、お前と番になるなんて言ってない、そういうのやめろよ」
なんだと? 俺と番にならない!? おもわずムッとしてしまった。
「正樹、俺のこと好きだって言ってキスしたじゃないか、あの流れでそれは番になるのをオッケーしたってことじゃなかったのか?」
「んなわけあるか!! 俺は番にはならない、なんなら司とも付き合ってない、だからこれ以上勝手なことするならもう、んんんっ」
えっ、付き合っていないってどういうこと!?
そんなぁ、そんなぁ、そんなまさかぁ!!
俺は泣きそうになったが、それを隠す為に有無を言わさず正樹の唇を奪った。
「ひゃ、や、っめ、ここがっこ、んんんっ」
ほら、正樹はキスするとすぐにとろけた顔をする。それに口の中は抵抗せず俺の舌を受け入れてきている。行動と言動が伴ってなさすぎで、お前が心配になるよ。人を騙すことができないって、そんな人間見たことなかったから、驚きの連続だった。
「こんなとろけた顔して、何言っているの? 正樹はもう俺の恋人で、番になる人だ。正樹も俺が好きなくせになんでそんなに頑ななの? いい加減、可愛くないよ」
嘘です、可愛すぎですからぁ!!
「はっ!? 可愛くなくて結構だよ、ってか男に可愛いってなんだよ、ムカつくな! 恋人うんぬんってのも司が勝手に言っているだけで俺、一言もそれに関しては了承してない」
言ってやったぜって顔をしている。可愛いな、クソッ。
「セックスしているのに? 正樹はセフレはやなんだろ? じゃあ俺たちの関係は何? なんて名前になるの?」
「っ、そ、れは。だから、もうしない、司とはやらないし番にもならない、それで終了」
このやりとりじゃ埒が明かない。ホテルに連れてって、思いっきり贅沢をさせてやろう。
今までの女たちは大抵、家のホテルに連れて行くと喜ぶ。それだけのランクのホテルにたかがセックスで来られることに感動するみたいだ。使えるものなら何でも使う、正樹が少しでも俺になびいてくれるなら。
そうだ、正樹の好きなところに連れていけばもっと喜ぶかもしれない、あそこしかないな。
とにかく俺は必死だ。この男を手に入れたい、手に入れたと思っていたら俺の勘違いだったなんて、だめだ! もう正樹以外考えられない。正樹を抱えて学校をあとにした。
言葉では抵抗するも、いつも俺の言いなりになってくれるのでそのまま連れ去った。
「おろせっ!!」
正樹、必死な姿も可愛い。もう何を言っても何をしても可愛いしかない。
「こらっ、学校はどうすんだよ! 何勝手なこと、」
「別にサボるくらいどうってことない、それより正樹は誰のものなのか、また一から教え直さなくちゃならなくなったからな。出せ」
何かあった時のためにうちの車を待機させていた。いつ何時、正樹を抱きたくなるかわからないし、いつ何時、正樹が俺におねだりをしてくるかわからないから、準備だけはいつも万全だ!
これアルファの常識。
「司、俺はお前のものじゃない! いい加減にしろ。こんなの犯罪だぞ、櫻井とやっていること同じだ」
「俺をあんなやつと一緒にするのか? 恋人が駄々をこねているんだ、それをしつけ直すのも恋人の役目だろ? 櫻井はただのなんの関係もないレイプ魔だ、俺たちはもう繋がっている、これは痴話喧嘩だろ?」
そうだ、俺達は付き合っている。これは痴話喧嘩だよね? 楽しいな。
正樹とはぽんぽんと会話が進む、これこそ恋人っていう間柄だからだよな? 俺、真剣交際は初めてだから、楽しすぎてたまらないよぉ、まさきぃ!
好きダァぁぁぁぁぁぁ!!
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