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番外編
7、番の為のヴィラ 3 ※
しおりを挟む俺は自信満々に正樹に言った!!
「あるよ、俺たちが番になって初めてできたホテル、しかも立ち上げたのは俺。だから名前は急遽変えたんだ。正樹&司、頭文字をとって M&T いいだろ!」
「ええ――ダサい! その由来、めちゃくちゃダサい。マジで私物化しすぎだろ」
えっ、酷い。最高傑作なのに。こいつは、鬼か!? 鬼嫁か!!
「だ、だって、俺、正樹の頭文字取ったチョコレートが許せなくて。俺の大事な正樹の名前を他社に使われたんだぞ!? うちの商品で使うべきだろ、M&Mに問い合わせてM&Tを作って欲しいって言っても、全く対応してくれなかったから、社運をかけて作った。さすがに手に付かないってやつは特許があって、一緒の形は作れなかったんだけど、でもホテル部門のパティシエが腕によりをかけたから美味しくできていたよ。あんな庶民的な百円そこらのチョコと違って、これはひとつ千円のタブレット、最高級の素材にこだわったんだ。正樹の名前を使うならこれくらいは欲しいよね」
「ええ――この一口で千円!? てかお前M&Mに謝れ、あれは――まやままさき――という名前じゃねぇから!! お前まで俺のこといじるな つうか、なんでそんなどうしようもないネタ知っているんだよ」
俺の努力が怒られた……。
「前に近藤が、お前をそう言って笑っていたから……庶民のお菓子調べた」
「全く、お前はアルファの能力をもっと有効活用しろ」
俺、悲しいぜ!!
俺がしょぼんとしていたら、正樹がおもむろにチョコを食べだした。そしてチョコをぽいっと俺の口に入れた。もぐもぐ、うん、美味しい!! 口に入れられたままに食べていたら正樹が自分の唇で俺の口を塞いできた、え!! キス? 今?
舌がにゅっと入ってきて、食べかけのチョコを正樹の舌が追いかける、キスをしながら俺の口の中で同時にチョコを味わった。なに、なに、どうしたのよぉ――。
「うん、さすが高級チョコ、上手いな」
「う、うん、良かった」
「ごめん、俺の為に色々考えて、いろんな努力してくれているのに、俺けなすようなこと言った。本当は嬉しくて、て、て、テレカクシだからな、」
「う、うん!!」
正樹は真っ赤な顔して、ペロっと口の周りを舐めた……俺の。もうなんなの、俺が恥ずかしいよ。舐められた口を舌でこじ開けられて、濃厚なキスが始まる、そして正樹が抱きついてきてソファに押し倒された。
にやって正樹は笑う。
な、な、なにが始まるのですか? もしやナニが!?
そんな思考を巡らせていると、正樹が俺のベルトをがちゃがちゃと外して、チャックも開けると、俺の元気一番がピョコって出てきた。きゃ――恥ずかしい、チョコレートキスだけで俺、勃起。フル勃起。
正樹は躊躇なく俺のオレを口にくわえた。えっ、えっ、えっ、ちょ、ちょっと待って!! いったい何が起こっているのでしょうか!!
「うっ、あっ、正樹っ、どしたの、イっちゃうよ!!」
「イケよ。いつもお前にやられているだけの俺じゃないよ、俺だってお前を満足させてやりたい」
「うっ、っ、い、いい!! 正樹っ!!」
「ほりゃっ、イケ、しゅきだよ、ちゅかさっ、んん」
「しゃ、しゃべらないで。そこで!! あっ口、離してっ、で、でる」
正樹が一生懸命咥えて吸っているよ、その光景だけでもいけるのに、さらには正樹の口の温かさがやばかった。気持ちよすぎる、テクニックなんてものはないはずなのに、正樹が俺のを咥えているってだけでイケる、イキます。ごめん、正樹っ、イ、イ、イっちゃうよぉぉぉぉ――――。
「出せ」
「ああ!! くっ、」
「んんんん、す、スゲっ、ゴクン。出たな、お前」
「はぁはぁは、まさきっ、ごめん。気持ちよくって俺……」
「いいんだよ、俺お前の飲んでみたかったし、俺の口で気持ちよくなったなんて、嬉しいしかないからな」
白濁を口の横に付けて笑う正樹、エロ過ぎ。
俺はもうもう、もうもうももう――死んでしまうだろ――。俺は心身ともにご臨終。
男前すぎる俺の番、むしろ俺のうなじを噛んでしてください!! あっ、息子は噛まないでね、でもちょっとなら……。
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