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日本編
15、類の初恋の人 1
しおりを挟む日本に来て一週間、すでに疲弊するくらい色々な出来事があった、ほぼ僕の過去関連だけど。類も親身になってくれて、僕は助けられっぱなしだった。そしていつの間にか類の友人の結婚式の日となっていた。
「……綺麗だ」
「んもう、真顔でやめてよ」
いつもニコニコ笑っているか、欲望をはらんだ目をしているか、そんな類がいつもの基本になっていたから、僕に対してこういう顔を向けるのは久しぶりだった。上から下までじっくりと見分するアルファがそこには居た。
「だって、こんなに素敵な婚約者を、俺はみんなに紹介できるんだよ。海斗が美し過ぎて心配だ」
「類ったら」
きちんとしたスーツを身にまとった、実はこのスーツ類とお揃い。ちょっと恥ずかしいけれど、類は自分の恋人だと一目でわかるように周りに牽制したいと言った。嬉しかったから、恥ずかしいのは仕方ない。それに類の初恋相手にも今日は会うんだから、変な所は見せられないし。
「僕、 正樹に会うのが怖いな」
「えっ、何が? 正樹は怖い奴じゃないよ、むしろチョロいよ」
「チョロいって、はは。そうじゃなくて久しぶりに正樹を見て類がときめかないか心配なの」
「えっ、それこそ無いだろ!? 俺、こんなに海斗一筋なのに、酷い」
類がちょっとがっかりしてしまった。
「だって、高校生の初恋なんてさ、甘酸っぱいものでしょ」
「じゃあ、海斗はあいつに再会してときめいたの?」
「それこそ、無いでしょ‼」
「じゃあ、俺だけ疑うのは良くないね。心配しないで、俺が愛しているのは海斗だけ、心が震えるのも海斗だけ、海斗は俺の全てだから」
今度は、僕が照れた。ここまでストレートに愛を言ってもらえて嬉しいけど、さすがに照れる。
「類、愛してるよ」
「俺も」
二人キスをして、ホテルを出た。
そして都内一等地にある、日本を代表するホテルに来た。ここは政治家や海外からの要人もよく利用する有名なところ。ここのオーナーの息子が、類が恋に破れた相手である正樹の運命の番である。
僕たちは会場に入った。すると一斉に僕と類に視線が来てウワっという声も聞こえる。作家の知り合いもいるだろうが、花嫁がまだ現役の高校生ということもあり、若い子が多かった。それに類もこの子たちと同じ高校に通っていたのだから、きっと類を知っている子たちが、類を見て興奮しているのだろう。高校時代からモテてただろうし、貴公子みたいで有名だったんじゃないかな?
「うわっ、やっぱ噂になっていたね。海斗のコト、みんな見ている」
「えっ、僕なの!? 類が帰ってきてみんな興奮しているんじゃないの?」
「まさか、俺なんて一年の時、ちょっといた程度だよ? ラノキリア専属モデルのkaiが来ているから興奮しているんだよ、俺の恋人だって日本でも騒がれているみたいだし」
そうなのかな、でも悪い気はしない。日本を逃げるように出てきた身分で、日本で有名になれたのは少し嬉しい。今までやってきたことが報われたって思える。
「あ、あっちに俺の友達がいる、行こう海斗」
「うん」
腕を組んで歩いた、周りの視線もすごく感じる、だけど僕はトップモデルだ。何度もランウェイを歩いた。今は隣に類がいる、背筋を伸ばして、前を向いて、類には凄い恋人がいるんだって思ってもらいたい。
そこにはベータに見える男の子が二人いた、そして類が声をかける。
「よう! 二人とも久しぶり‼」
「「櫻井!」」
二人は元気よく笑顔で類に答えた、そしてもう一人が走ってこっちに来た。
「櫻井――ぃぃ‼」
「うわっ、 明どうしたよ?」
「お前、お前、久しぶりなんだよ――‼ バカ!」
「ははっ、相変わらず暑苦しいな」
類に抱きついた子が泣き出した、そして仲が良かったんだろうなって思う四人は、久しぶりの再会に笑顔だった。
「正樹、 近藤も久しぶりだな」
「おう! 櫻井元気そうだな」
近藤と呼ばれる男の子と類は、グーで挨拶した。もう一人の子が正樹? 想像していたのと違う、普通の男の子だった。もっと小悪魔で可愛くて華奢なイメージだったけれど、健康そのもの優良男児って感じの高校生らしい男の子だった。一見オメガにも見えないくらい、ハキハキとした元気な子だ。
「おかげさまでね。みんな、この人は俺の恋人の海斗だよ」
類がやっと僕のことを、紹介してくれた。
「海斗、こちらは高校の時に仲良くしていた友人の、近藤と明と、そして正樹だよ」
「皆さんのことは類から聞いています。今後ともよろしくね」
「「よ、よろしくおねがいします‼」」
みんながあまりに丁寧で可愛くて思わず、クスっと笑ってしまった。ただの可愛い高校生の男の子たちだった。類が大人びているだけなんだよね。類から言われた通りいい子たちみたいだ、そして正樹を見た。
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