凌辱夫を溺愛ルートに導く方法

riiko

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第二章 思惑だらけの結婚式

10 結婚式の朝 2

 皆が座ると、ヤンが昨夜の悲劇を語る。
 内容は例の潤滑剤を使用したところ、リックがありえないくらい乱れたということ。
 さすが王室御用達と二人で楽しんでいたが、それにしてはリックの絶頂が止まらず、しまいには泡を吹いて倒れてしまい、すぐにオスニアン家専属の医者を部屋に呼んで見せたところ、薬が使われたと判明。
 そこで、いつもと違うことといえば例の潤滑剤。医者が成分を分析したところ、媚薬成分があり得ないほどの濃度で検出された。
 幸い早い処置ですぐ体の毒素を抜くことができたので、リックは大事に至らなかったが、そのせいでまだ体は熱く旦那を求めてしまうという後遺症が残ってしまった。どんな後遺症やー。
 そこまでの代物だったとは……
 さすがに俺も知らなかった。リックに悪いことをした。さすが元十八禁アニメの世界。ということは、アニメのリリアンが初夜で乱れていたのは媚薬成分が少し残っていたから? 現場で事実を知ると、見えなかったことが少しずつ見えてくる。本当のことは、他所から見ただけではわからない?
 媚薬成分が完全に抜け切るには、まだ少しかかると言われ、妻とヤリたい……じゃなくて旦那として付き添う必要があり、休みをもらいたいと事前にガリアードに伝えていた。つまり要約すると、お仕事お休みして奥さんを抱きたいってことね。
 話を聞き終わり、隣に座るガリアードを見上げると慈愛に満ちた顔をしていた。
 ああ、ガリアードって身内にこんな親身になれる人だったんだと、俺は少し感動した。第二王子を助けるために奮闘するアニメ本編の騎士ガリアードは、忠誠心が素晴らしかった。決して裏切らない男、それがガリアード。だからこそスパイとしてオスニアン家に入り込んだリリアンが許せなかったのだろう。それ、ガリアードの思い込みだったけどね。
 ガリアードは事前にこの屋敷で起こったこととして執事から聞いていたが、ヤンから直接聞いたのは初めてだったらしい。昨夜の出来ことだし、ヤンはずっとリックに付きっきりだったからね。
「お前はすぐにでもリックの側にいって支えてやりなさい。私たちは変なものを王家につかまされたみたいだ。いや、リリアンが狙われたのか……もともとリリアンに使うつもりであの医者は持っていたんだ。王家の悪意を感じる」
「え‥…じゃぁ、リックは僕の代わりに!?」
 ガリアードのセリフを聞いた俺は、驚いたフリをした。
 純粋無垢なリリアンとして、戸惑う演技をする。初日からがっつりと触れ合って、第一王子と繋がる誤解まで解いたのが良かったのだろう。今回は初めからリリアンサイドを疑いもしない。
「あの医者は、もともと二人きりの診察のために潤滑剤を持っていた。ということはリリアンに屈辱を与えるのが目的だろう。それかリリアンに懸想していて結婚式前に汚してしまおうとしたのか。あれは第一王子が派遣したと言っていたな……リリアンは第一王子の恨みを買ったことはないか?」
「……えっ、僕一度しかお会いしたことないし、心当たりがございません。ガリアード様、僕……怖い」
 ガリアードにぴたりとくっついて甘えた。これ正解だろう?
「もう大丈夫だ。これからは警戒を怠らずに対処する。それより無事で良かった。君がとっさにあのとき、私を呼んで手を握ってほしいという可愛らしいお願いをしてくれたから、事前に防げた。そうじゃなかったら今頃リリアンの処女はあの医者に奪われていたかもしれない!」
 あっ、語尾に力を感じた。ガリアードはマジで怒っていらっしゃる。そうだよね、リリアンの処女をもらうのをとっても楽しみにしてるもんね?
 そこで俺は涙を流す。なぜ急に流れるかって? それは俺にもわからん。もしかしたらリリアンの体の特性なのかもしれない。アニメでもよく泣いていたから、泣き虫というスキルをもっているのだろう。そして俺の社畜スキルと合わせると。最強の、か弱く守ってあげたい男の子の出来上がりだい!
「僕、ガリアード様以外の人に体を奪われなくて、ほんとに良かったです。ぐすんっ」
「泣くな、君の体に触れるのは私だけだ。今夜君を優しく抱くから、そのときに君のすべてを包み込もう。今の不安、すべて忘れさせると約束する」
 そこでヤンが、コホンと咳をした。
「あの、まだ俺ここに居ますが?」
「は、恥ずかしいっ、ガリアード様に甘えているところをお見せしてしまって、ごめんなさいっ」
 社畜スキルフル活用! 
 聞きたい言葉を聞かせてあげるという大サービス付き、どや!? 俺はドヤ顔を隠し、恥ずかしそうにガリアードを見上げた。彼はまんざらでもなさそうだ。
 これで俺、仕事を大成功で納めて過ごしやすい職場を手に入れたぞ。
 楽勝ですが? 先を知っているって、マジでやりやすい。アニメで見ていたときも思ったが、ガリアード扱いやすい! 俺の作られたウブな反応はガリアードを刺激した。
「はぁ、リリアンが可愛すぎて止まらない。ヤン、大変なときにすまなかったな」
「いえ、ガリアード様が幸せならそれが一番ですよ」
 そして俺はオロオロした演技で、ヤンを見た。
「どうしよう、僕のせいでガリアード様や、リックに迷惑が。本当にごめんなさい。リックに僕の身代わりをさせてしまって……僕は第一王子殿下に恨まれていることすら知らなくて」
 はい、無知で可愛い公爵令息降臨!
 ヤンは割と男前な人種らしい。妻を愛していることを隠さずに、俺に惚気のような言葉をかけてくる。
「いえ、リックと俺は閨事に慣れていますので大丈夫です。むしろ無垢なリリアン様に使われなったことに安心しております。妻はただイキすぎて辛いという快楽をずっと味わって、私もそのおこぼれに預からせていただき、ひたすら夫夫ふうふの時間が充実しただけというか、その」
 リリアン相手になんてことを言うんだ、この騎士は。俺どう反応していいかわからないよ? 俺がぎゅっとガリアードの腕を掴んだ手に力を入れた。
 そこでガリアードがいさめる。
「もう言うな。リリアンはまだ経験がないことだ」
「はい! 申し訳ありません。ということで、リリアン様の代わりがうちの妻で良かったということなので、気になさらずに」
 すかさずガリアードの防御がきた。返答に困ったから助かった! 朝からなんの話って、真面目な話。とにかくリックはイキ地獄を旦那と味わったらしく、俺の目の前のヤンは顔を赤らめて昨夜の妻の痴態を思い出しているみたいだ。
 ヤンも、プレイを喜んだのなら良かった。
「それにしても、この事態はそのままにしておけない。医者は地下牢に閉じ込めておくように。結婚式が終わったら尋問を開始する」
「はっ!」
 俺の思惑以上にオスニアン家が動いてくれて、医者は勝手に断罪対象になってくれた。医者が地下牢なら初夜確認はなしだ。だったら思う存分、失神しちゃうほどリリアンの体を味わって、初の男、男根、ガリアードの凌辱なしの溺愛初夜を楽しんじゃうぞ!
 おー‼
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