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第六章 決戦の夜会
42 凌辱の定義
あれからすぐに俺はガリアードに抱っこされて、公爵家に帰ってきた。怖い体験をしたので、腰を抜かして動けなくなってしまったのだよ。
得意の社畜スキル……あのときばかりは全く出てこなくて、ガリアードの言うままに凌辱は進んだ。でも結果、二人で自慰して“かけっこ“しただけだったんだけどね。
今は風呂を済ませ清い香りになり、ベッドの上で二人してまったりと寝転がっている。
「あの……」
「どうした?」
俺は隣に横になっている旦那に、おそるおそる声をかけた。
「もう、怒っていませんか?」
「ああ、先ほどは怖がらせてすまなかった。鏡でリリアンの痴態を見る変態を目の前にしたらどうしても許せなかった。あの場で殺さなかったのは王子だからだ。ただ怒りは鎮まらず、君を私の匂いで包みたかった」
「……」
言葉通り、精液の匂いに包まれたよ、俺。
マーキングがしたかったんだね! 王子のこと変態って言っているけど、俺の旦那の方が変態度は高い気がするの、気のせいでしょうか? あんな行為する人いるんだって、驚いたよ。
凌辱って言ったらさ、普通レイプでしょ。卑猥なおもちゃ使うとか、いたぶって泣かせてガンガンに突くとかじゃないの? アニメのあなたはそういう凌辱していましたよ。アニメの世界でもやらなかったことしないでよ。ノー知識で俺、固まったからね。
なぜか、リリアンとして俺が受けたであろう凌辱過去が思い出せなかった。
実際に前世で死ぬ前に、ガリアードからの凌辱は経験済みだと思うのだが、どうしてだろう。そこのシーンは自分の記憶にはなくて、社畜時代の俺の記憶――つまり十八禁ウェブアニメの世界でしか見た気がしない。
まさか尻が無事パターンの凌辱もあるんだね。
もしや、さっきのは凌辱ではなかった? あれれ? そういえば、痛めつけられてはいない。なんならナニも挿入ってこなかった。
ガリアードが溺愛ルートに入らなかったら、凌辱夫になると思い込んでいたので、少しでもガリアードから「俺」が出てくると凌辱始まった!? ていう具合にパブロフの犬状態な俺だった。
なんかごめん、俺ガリアードのこと何かっていうと凌辱夫にしてしまうけど、今度からは変態夫に昇格してあげるよ。
そんなことをぼんやりと考えていると、旦那のスイッチが入ったらしい。
「リリアン、愛してる」
「僕も」
条件反射で返してしまう自分。
そこでキスが始まる、まぁやってしまったものは仕方ない。考えてもよくわからないし、もう怒りが鎮まった様子。この甘いキスで全てがわかる。
二度とあんな行為がないように、これからはあざとくするのはやめようと心に誓った。
「もう演技でも、私以外の人に抱きつかないでくれ」
「言い訳に聞こえるかもしれませんが、僕からは抱きついておりません。王子がいきなり抱きしめてきて、力が強くてはがれなくて……ぼく、気持ち悪かった! ガリアード様以外に触られて本当に気持ち悪かったですっ」
「リリアン!」
はい、強い抱擁。
これだよ、こういう想い想われる関係だからこその抱擁。あれ、俺ってあざとい? でも本心から、あのキモ王子がマジでキモかった。上書きされるかのように抱きしめられているガリアードの雄っぱい、やはり落ち着く。
「ガリアードさま、僕を抱いてくださいませんか? あの部屋ではそこまではしてくれなかった……少し寂しいです」
「ああ、さすがにあそこでは……。君を抱くときは私が唯一無防備になる瞬間だ。だから自室でしか今までもリリアンを抱いていないだろう?」
そうなんだよ、あんなガッツリ抱き続けてきたガリアードが俺を抱いてない。
旅の途中は体調を考慮してくれたのはわかったけど、今は俺の実家だよ。部屋も夫夫が泊まれるように気を使った配置の場所を用意してくれているのに、どうして抱かないんだって思っていた。
「えっ、この旅で一度も最後までしてくれなかったのは、そういう理由なんですか?」
「そうだ、たとえ公爵家だろうとも無防備になれない。最も安全なのは辺境伯の屋敷の私の部屋だけなんだ。だから煽らないでくれ。私も先ほどは溜まりすぎて爆発したが、君の可愛いお尻は守った」
お尻は守った――いったい何から? あなたは何と戦っているのですか?
「えっと、王都は危険じゃないですよ?」
「そんなことはない。リリアン、私はいつなんどきも君を守らなければならない。君以外が相手なら私はとっさに対応できるが、リリアンだけはダメなんだ。君の中に挿入ると夢中になって無防備になってしまう。だから自分のテリトリーでしか抱けない」
「テリトリー……」
お前は野生か!? テリトリーってなんだ。動物か!? まあ仕方ない。明日には王都からも出るし、もう少し我慢だ。
「ガリアード様、リリアンはガリアード様に大切に思われていて幸せです。ただ口づけだけは深いのをしてください」
「ああ」
そうして深い、深いキスをして、その日は眠りについた。
しかし凌辱とは、いったい何だろう。
ガリアードは変態なだけで、本来なら凌辱行為をしないのだろうか。俺は安心していいのだろうか? ああ、スマホがあれば何でも調べられるのに! 俺みたいな可憐な男の子が凌辱ってどんな行為ですか? なんて聞いたら、夫がまず疑われてしまう。そんなことを夫に聞いたら、凌辱魂に火がついて試してみるか? なんてことになっても困る。
フラグは作らないゼッタイ!
こうやって妻の実家で我慢するような忍耐は持ち合わせているのに、どうして王子が抱きついた一瞬の行為には忍耐を示せなかったのだろうか? 俺はガリアードを過大評価していたようだ。こいつは妻を大事にすることはできても、妻が他の誰かといいことしようとしてなくても、そう思い込んだだけで人が変わる――本性が現れる男。
とにかく嫉妬させてはダメ、ゼッタイ!
どんな貰い事故でも許してもらえない、それが男ガリアードだった。
眠気が襲う中、ガリアードの雄っぱいの逞しさに包まれていると、いつの間にか今日の不条理な出来事が浄化されていたのだった。
「雄っぱい……むにゃむにゃ」
「リリアン、愛してる。早くあなたの中に入りたい」
得意の社畜スキル……あのときばかりは全く出てこなくて、ガリアードの言うままに凌辱は進んだ。でも結果、二人で自慰して“かけっこ“しただけだったんだけどね。
今は風呂を済ませ清い香りになり、ベッドの上で二人してまったりと寝転がっている。
「あの……」
「どうした?」
俺は隣に横になっている旦那に、おそるおそる声をかけた。
「もう、怒っていませんか?」
「ああ、先ほどは怖がらせてすまなかった。鏡でリリアンの痴態を見る変態を目の前にしたらどうしても許せなかった。あの場で殺さなかったのは王子だからだ。ただ怒りは鎮まらず、君を私の匂いで包みたかった」
「……」
言葉通り、精液の匂いに包まれたよ、俺。
マーキングがしたかったんだね! 王子のこと変態って言っているけど、俺の旦那の方が変態度は高い気がするの、気のせいでしょうか? あんな行為する人いるんだって、驚いたよ。
凌辱って言ったらさ、普通レイプでしょ。卑猥なおもちゃ使うとか、いたぶって泣かせてガンガンに突くとかじゃないの? アニメのあなたはそういう凌辱していましたよ。アニメの世界でもやらなかったことしないでよ。ノー知識で俺、固まったからね。
なぜか、リリアンとして俺が受けたであろう凌辱過去が思い出せなかった。
実際に前世で死ぬ前に、ガリアードからの凌辱は経験済みだと思うのだが、どうしてだろう。そこのシーンは自分の記憶にはなくて、社畜時代の俺の記憶――つまり十八禁ウェブアニメの世界でしか見た気がしない。
まさか尻が無事パターンの凌辱もあるんだね。
もしや、さっきのは凌辱ではなかった? あれれ? そういえば、痛めつけられてはいない。なんならナニも挿入ってこなかった。
ガリアードが溺愛ルートに入らなかったら、凌辱夫になると思い込んでいたので、少しでもガリアードから「俺」が出てくると凌辱始まった!? ていう具合にパブロフの犬状態な俺だった。
なんかごめん、俺ガリアードのこと何かっていうと凌辱夫にしてしまうけど、今度からは変態夫に昇格してあげるよ。
そんなことをぼんやりと考えていると、旦那のスイッチが入ったらしい。
「リリアン、愛してる」
「僕も」
条件反射で返してしまう自分。
そこでキスが始まる、まぁやってしまったものは仕方ない。考えてもよくわからないし、もう怒りが鎮まった様子。この甘いキスで全てがわかる。
二度とあんな行為がないように、これからはあざとくするのはやめようと心に誓った。
「もう演技でも、私以外の人に抱きつかないでくれ」
「言い訳に聞こえるかもしれませんが、僕からは抱きついておりません。王子がいきなり抱きしめてきて、力が強くてはがれなくて……ぼく、気持ち悪かった! ガリアード様以外に触られて本当に気持ち悪かったですっ」
「リリアン!」
はい、強い抱擁。
これだよ、こういう想い想われる関係だからこその抱擁。あれ、俺ってあざとい? でも本心から、あのキモ王子がマジでキモかった。上書きされるかのように抱きしめられているガリアードの雄っぱい、やはり落ち着く。
「ガリアードさま、僕を抱いてくださいませんか? あの部屋ではそこまではしてくれなかった……少し寂しいです」
「ああ、さすがにあそこでは……。君を抱くときは私が唯一無防備になる瞬間だ。だから自室でしか今までもリリアンを抱いていないだろう?」
そうなんだよ、あんなガッツリ抱き続けてきたガリアードが俺を抱いてない。
旅の途中は体調を考慮してくれたのはわかったけど、今は俺の実家だよ。部屋も夫夫が泊まれるように気を使った配置の場所を用意してくれているのに、どうして抱かないんだって思っていた。
「えっ、この旅で一度も最後までしてくれなかったのは、そういう理由なんですか?」
「そうだ、たとえ公爵家だろうとも無防備になれない。最も安全なのは辺境伯の屋敷の私の部屋だけなんだ。だから煽らないでくれ。私も先ほどは溜まりすぎて爆発したが、君の可愛いお尻は守った」
お尻は守った――いったい何から? あなたは何と戦っているのですか?
「えっと、王都は危険じゃないですよ?」
「そんなことはない。リリアン、私はいつなんどきも君を守らなければならない。君以外が相手なら私はとっさに対応できるが、リリアンだけはダメなんだ。君の中に挿入ると夢中になって無防備になってしまう。だから自分のテリトリーでしか抱けない」
「テリトリー……」
お前は野生か!? テリトリーってなんだ。動物か!? まあ仕方ない。明日には王都からも出るし、もう少し我慢だ。
「ガリアード様、リリアンはガリアード様に大切に思われていて幸せです。ただ口づけだけは深いのをしてください」
「ああ」
そうして深い、深いキスをして、その日は眠りについた。
しかし凌辱とは、いったい何だろう。
ガリアードは変態なだけで、本来なら凌辱行為をしないのだろうか。俺は安心していいのだろうか? ああ、スマホがあれば何でも調べられるのに! 俺みたいな可憐な男の子が凌辱ってどんな行為ですか? なんて聞いたら、夫がまず疑われてしまう。そんなことを夫に聞いたら、凌辱魂に火がついて試してみるか? なんてことになっても困る。
フラグは作らないゼッタイ!
こうやって妻の実家で我慢するような忍耐は持ち合わせているのに、どうして王子が抱きついた一瞬の行為には忍耐を示せなかったのだろうか? 俺はガリアードを過大評価していたようだ。こいつは妻を大事にすることはできても、妻が他の誰かといいことしようとしてなくても、そう思い込んだだけで人が変わる――本性が現れる男。
とにかく嫉妬させてはダメ、ゼッタイ!
どんな貰い事故でも許してもらえない、それが男ガリアードだった。
眠気が襲う中、ガリアードの雄っぱいの逞しさに包まれていると、いつの間にか今日の不条理な出来事が浄化されていたのだった。
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「リリアン、愛してる。早くあなたの中に入りたい」
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