113 / 252
第7章
第154話
しおりを挟む
まず最初に前に出てきたのは、前衛にいた拳を構えていたホブゴブリンだ。他にも、前衛にホブゴブリンがいたが、武器を持たない素手のホブゴブリンは、こいつだけであり、俺の危険性をいち早く察知し、直ぐに逃げれる様に距離をとっていたホブゴブリンだ。
その他のホブゴブリンたちは、様子見なのか、素手のホブゴブリンの様に、前には出てこない。俺が後ろを気にしているのに気付いた、素手のホブゴブリンがこっちを見ろとばかりに、全身から闘気を滾らせる。
〈なるほど。ここからは、一対一の戦いって事か?俺が連戦という不利な点は、魔物だから考えないんだろうな~。まあ殺し合いなんて、そんなもんか〉
――うだうだ言ってる暇があったら、頭と身体を動かせ。相手は直ぐにでも、お前を殺すつもりで動いてくるぞ――
ふと、ヘクトル爺の言葉が脳裏に蘇る。まだ若かった頃に、殺す事に抵抗のあった頃に、言われた言葉だったけな。それに、殺したくない相手とか、無力化するだけに留めたいなら、それだけの力や技術を身に付けろとも言われたな。
「………ギ」(ファイターホブゴブリン)
ファイターホブゴブリンが、静かなる闘気でもって、俺に仕掛けてきた。その動きは何かの流派なのか、実に洗練された動きをしている。俺は、ファイターホブゴブリンの意識の隙をついて、先程よりも速く鋭く、抜刀して首を狙う。
〈……反応がいいな〉
ファイターホブゴブリンは、振るわれた打刀の刃を、バックステップして避ける。そして、振り抜いた状態の俺に向かって、勢いよく踏み込んで加速する。
「………ギャ!!」(ファイターホブゴブリン)
嵐のような拳と蹴りが、俺を襲う。俺は、襲いかかるそれらを、冷静に観察しながら避けていく。ファイターホブゴブリンの動きは、今まで殺しあってきた相手から、学習してきたものだろう。次第に、対人・対魔物の流派が混じり始めてきている。
突然、違う流派に変わっていくので、タイミングをずらされたり、蹴りだと思ったら拳だったりと、変幻自在の動きに惑わされた。だが学習した動きから、自らの技として、応用までは出来なかった様で、その動きに慣れてしまうと、ファイターホブゴブリンが、手強い相手から対処のしやすい相手に変わる。
さらに段階を上げた、超高速の抜刀術で、両腕をほぼ同時に切断する。一瞬の間をもって、両腕の切断面から血が吹き出てくる。ファイターホブゴブリンは、両腕を切断されながらも、俺に向かってさらに一歩踏み込む。
ファイターホブゴブリンは、右の上段回し蹴りを、俺の首をへし折るために放つ。それは正しく、ファイターホブゴブリンの生涯で、もっととも美しく、もっとも強力な、最高の一撃だったのだろう。
〈だが、もう遅い〉
ファイターホブゴブリンの右足の、膝から下がズルリとズレていき、ボトリと地面に落ちる。ファイターホブゴブリン自身も、何時切断されたのか分からずに驚いている。そして、その驚愕の表情のまま、首がゆっくりと落ちていく。
「ギャギャ!!」(リーダーホブゴブリン)
ファイターホブゴブリンが死んだと同時に、残っていた全員が仕掛けてきた。ファイターホブゴブリンは、この中でも結構上位の実力者だった様だ。そのファイターホブゴブリンがあっさりと殺された事で、リーダーホブゴブリンに余裕がなくなった様だ。
生き残っているホブゴブリンは、全て戦士タイプのホブゴブリンだ。ゴブリンの時の、小柄な頃よりも体格が大きくなっており、殺してきた相手の装備を、使用する事が出来る様になっている。
使用している武具は、質の良いものから悪いもの、関係なしの様だ。だが、ゴブリンたちの様な革鎧ではなく、身体の各所に金属の鎧が追加されている、一つ上のグレードの鎧を身に纏っている。その中でも、リーダーホブゴブリンの纏う鎧も、手に持つ幅の広いロングソードも、上質なものだ。
戦士タイプのホブゴブリンたちは、リーダーホブゴブリンの側近というか、護衛の様な存在らしく、練度も高い様だ。全員が魔力を自然に扱い、身体強化をしている。連携も、ゴブリンたちと比べ物にならないほど、息が合っている。
「……ギャ」(ソルジャーホブゴブリンA)
「ギ!!」(ソルジャーホブゴブリンB)
俺が、一体のソルジャーホブゴブリンを狙うと、近くのソルジャーホブゴブリンが盾やショートソードでカバーに入り、的確に防いでくる。魔力を盾に籠める事で、俺の打刀の刃に、斬られない強度に強化もしている。
ショートソードの振り方、盾の扱い方共に、Dランク冒険者の者たちに匹敵する腕前をしている。ならばと、こちらも身体強化と、打刀の刀身に、高純度の無属性の魔力を纏わせて強化する。
魔力は感知出来る様だが、それが自身にとって、どれ程の驚異になるのかは、分からない様だ。先程と同じ様に振るわれた打刀の刃を、同じ様に盾で防ごうとしたソルジャーホブゴブリンが、上下で真っ二つになった。
流石に側近クラスとなると、仲間の死にも動揺は少ない。そのまま動きが鈍る事なく、俺を包囲していく。
「……ギャギャ!!」(ソルジャーホブゴブリンA)
「ギ………グギャ!!」(ソルジャーホブゴブリンB)
時間差での攻撃や、死角から攻撃。盾を用いて、俺の視覚的情報を狭めたり、簡単な魔術を放ってきたりなど、様々な事を仕掛けてくるが、一つ一つを丁寧に潰していく。そして、一人一人の首をしっかりと、斬り落としていく。
上位種であるホブゴブリンであるため、通常種のゴブリンたちに比べると、肉体的にも魔力の扱い的にも上だった。だが、さらに上位のジェネラルやキングという最上位の存在に比べると、そこまで通常種と大差がない。
最後に残ったのは、この群れのトップである、リーダーホブゴブリンだ。彼はソルジャーホブゴブリンたちとは違い、盾を持ってはいない。剣技のみで生き残ってきた剣士の様だ。
そして、このホブゴブリンは、側近たちよりも一つ上の進化先である、ナイトホブゴブリンだ。魔力量が少なくなる変わりに、身体性能が格段に上がり、剣の扱い方も、ソルジャーホブゴブリンよりも上がる個体だ。
「…………グギャ!!」(ナイトホブゴブリン)
ナイトホブゴブリンが、闘気を滾らせる。ロングソードを上段に構えて、腰を落とす。四肢に魔力が循環され、強化されていく。そして、仲間を殺された怒気を籠めた、怒りの叫びと共に、真っ正面から俺に仕掛けてくる。
ソルジャーホブゴブリンとは、比較にならない速度で迫り、ロングソードを振り下ろす。俺はそれを、半身をずらす事で、最小限の動きで避ける。ナイトホブゴブリンは、避けられたと認識したと同時に、ロングソードの剣身を水平にし、九十度の直角で真横に振るう。
迫り来るロングソードの刃を、抜刀した打刀の柄頭で受け止める。そのままロングソードの勢いを受け流しながら、後ろに飛んで距離を取る。飛んでいる間に、納刀と共に、両脚を雷属性の魔力で、脚力を強化する。着地と同時に、高速でナイトホブゴブリンの眼前に移動する。驚くナイトホブゴブリンをそのままに、超高速の抜刀術を放つ。
「…………ギ!!」(ナイトホブゴブリン)
ナイトホブゴブリンは、俺の振るった打刀の刃にぶつける様に、ロングソードを振るう。互いの刃がぶつかり合い、火花を散らす。拮抗状態のまま、数秒間互いに動かぬままだったが、先にナイトホブゴブリンが動いた。
一旦、俺から距離をとり、ロングソードに魔力を圧縮していく。そのままナイトホブゴブリンは、俺に向かって、その場でロングソードを振るう。
「…………ギ!?」(ナイトホブゴブリン)
俺は、ナイトホブゴブリンの魔刃の範囲外に、バックステップで移動して避ける。ナイトホブゴブリンは、今まで出会った強敵を、葬ってきた技を避けられたと事に、驚いている。
ナイトホブゴブリンの動きから、こいつもまた、戦った相手の動きや、魔力の扱い方を独学で学んだのだろう。この個体は、特に騎士の様な動きをしてくる事が多い。
自由自在な動きが、魔物の強みでもある。まあ、人の技を得た魔物も、厄介である事に変わりはないが。このナイトホブゴブリンは、どちらかというと、人の技を得た変わりに、魔物本来の野性的な動きが少なくなったタイプだな。
人も魔物も、上手くいった事を、成功体験を続けたくなるものだ。ナイトホブゴブリンは、騎士の動きで仕留められた成功体験を得た事で、野性的な動きが疎かになった様だ。
〈魔刃の構成が甘い。これでは、質の良い武具を装備している者が相手なら、小さい傷一つ付けられれば、良い方だろう。こいつが相手をしてきたものは、騎士崩れの冒険者だろうな〉
ナイトホブゴブリンの、必殺の刃の連撃が、俺を殺そうと放たれ続ける。しかしそれを全て、余裕を持って避けていく。手を変え品を変え、ただただがむしゃらに、俺に向かってロングソードを振るう。
〈これで、終わらせる〉
フッと、ただただ自然と、ナイトホブゴブリンの懐に潜り込んでいく。ナイトホブゴブリンは、目の前にいたはずの俺が、いつの間にか自分の懐に入られた事に驚き、一瞬動きが固まる。だが、ここまで生き残ってきた個体だけある。直ぐ様反応して、上段から真下に、綺麗にロングソードを振り下ろしてくる。
それを、ただゆっくりと右半身を前に出して、一歩を踏み込む。そして、光速の抜刀術でもって、一太刀を振り抜く。ナイトホブゴブリンが、ロングソードを振り下ろしきり、切っ先が地面に軽く刺さっている。
最初に、振り下ろしきっているロングソードが、半ばから綺麗に断ち斬れる。そして、ゆっくりと綺麗な断面を残して、ナイトホブゴブリンの首が落ちていった。
その他のホブゴブリンたちは、様子見なのか、素手のホブゴブリンの様に、前には出てこない。俺が後ろを気にしているのに気付いた、素手のホブゴブリンがこっちを見ろとばかりに、全身から闘気を滾らせる。
〈なるほど。ここからは、一対一の戦いって事か?俺が連戦という不利な点は、魔物だから考えないんだろうな~。まあ殺し合いなんて、そんなもんか〉
――うだうだ言ってる暇があったら、頭と身体を動かせ。相手は直ぐにでも、お前を殺すつもりで動いてくるぞ――
ふと、ヘクトル爺の言葉が脳裏に蘇る。まだ若かった頃に、殺す事に抵抗のあった頃に、言われた言葉だったけな。それに、殺したくない相手とか、無力化するだけに留めたいなら、それだけの力や技術を身に付けろとも言われたな。
「………ギ」(ファイターホブゴブリン)
ファイターホブゴブリンが、静かなる闘気でもって、俺に仕掛けてきた。その動きは何かの流派なのか、実に洗練された動きをしている。俺は、ファイターホブゴブリンの意識の隙をついて、先程よりも速く鋭く、抜刀して首を狙う。
〈……反応がいいな〉
ファイターホブゴブリンは、振るわれた打刀の刃を、バックステップして避ける。そして、振り抜いた状態の俺に向かって、勢いよく踏み込んで加速する。
「………ギャ!!」(ファイターホブゴブリン)
嵐のような拳と蹴りが、俺を襲う。俺は、襲いかかるそれらを、冷静に観察しながら避けていく。ファイターホブゴブリンの動きは、今まで殺しあってきた相手から、学習してきたものだろう。次第に、対人・対魔物の流派が混じり始めてきている。
突然、違う流派に変わっていくので、タイミングをずらされたり、蹴りだと思ったら拳だったりと、変幻自在の動きに惑わされた。だが学習した動きから、自らの技として、応用までは出来なかった様で、その動きに慣れてしまうと、ファイターホブゴブリンが、手強い相手から対処のしやすい相手に変わる。
さらに段階を上げた、超高速の抜刀術で、両腕をほぼ同時に切断する。一瞬の間をもって、両腕の切断面から血が吹き出てくる。ファイターホブゴブリンは、両腕を切断されながらも、俺に向かってさらに一歩踏み込む。
ファイターホブゴブリンは、右の上段回し蹴りを、俺の首をへし折るために放つ。それは正しく、ファイターホブゴブリンの生涯で、もっととも美しく、もっとも強力な、最高の一撃だったのだろう。
〈だが、もう遅い〉
ファイターホブゴブリンの右足の、膝から下がズルリとズレていき、ボトリと地面に落ちる。ファイターホブゴブリン自身も、何時切断されたのか分からずに驚いている。そして、その驚愕の表情のまま、首がゆっくりと落ちていく。
「ギャギャ!!」(リーダーホブゴブリン)
ファイターホブゴブリンが死んだと同時に、残っていた全員が仕掛けてきた。ファイターホブゴブリンは、この中でも結構上位の実力者だった様だ。そのファイターホブゴブリンがあっさりと殺された事で、リーダーホブゴブリンに余裕がなくなった様だ。
生き残っているホブゴブリンは、全て戦士タイプのホブゴブリンだ。ゴブリンの時の、小柄な頃よりも体格が大きくなっており、殺してきた相手の装備を、使用する事が出来る様になっている。
使用している武具は、質の良いものから悪いもの、関係なしの様だ。だが、ゴブリンたちの様な革鎧ではなく、身体の各所に金属の鎧が追加されている、一つ上のグレードの鎧を身に纏っている。その中でも、リーダーホブゴブリンの纏う鎧も、手に持つ幅の広いロングソードも、上質なものだ。
戦士タイプのホブゴブリンたちは、リーダーホブゴブリンの側近というか、護衛の様な存在らしく、練度も高い様だ。全員が魔力を自然に扱い、身体強化をしている。連携も、ゴブリンたちと比べ物にならないほど、息が合っている。
「……ギャ」(ソルジャーホブゴブリンA)
「ギ!!」(ソルジャーホブゴブリンB)
俺が、一体のソルジャーホブゴブリンを狙うと、近くのソルジャーホブゴブリンが盾やショートソードでカバーに入り、的確に防いでくる。魔力を盾に籠める事で、俺の打刀の刃に、斬られない強度に強化もしている。
ショートソードの振り方、盾の扱い方共に、Dランク冒険者の者たちに匹敵する腕前をしている。ならばと、こちらも身体強化と、打刀の刀身に、高純度の無属性の魔力を纏わせて強化する。
魔力は感知出来る様だが、それが自身にとって、どれ程の驚異になるのかは、分からない様だ。先程と同じ様に振るわれた打刀の刃を、同じ様に盾で防ごうとしたソルジャーホブゴブリンが、上下で真っ二つになった。
流石に側近クラスとなると、仲間の死にも動揺は少ない。そのまま動きが鈍る事なく、俺を包囲していく。
「……ギャギャ!!」(ソルジャーホブゴブリンA)
「ギ………グギャ!!」(ソルジャーホブゴブリンB)
時間差での攻撃や、死角から攻撃。盾を用いて、俺の視覚的情報を狭めたり、簡単な魔術を放ってきたりなど、様々な事を仕掛けてくるが、一つ一つを丁寧に潰していく。そして、一人一人の首をしっかりと、斬り落としていく。
上位種であるホブゴブリンであるため、通常種のゴブリンたちに比べると、肉体的にも魔力の扱い的にも上だった。だが、さらに上位のジェネラルやキングという最上位の存在に比べると、そこまで通常種と大差がない。
最後に残ったのは、この群れのトップである、リーダーホブゴブリンだ。彼はソルジャーホブゴブリンたちとは違い、盾を持ってはいない。剣技のみで生き残ってきた剣士の様だ。
そして、このホブゴブリンは、側近たちよりも一つ上の進化先である、ナイトホブゴブリンだ。魔力量が少なくなる変わりに、身体性能が格段に上がり、剣の扱い方も、ソルジャーホブゴブリンよりも上がる個体だ。
「…………グギャ!!」(ナイトホブゴブリン)
ナイトホブゴブリンが、闘気を滾らせる。ロングソードを上段に構えて、腰を落とす。四肢に魔力が循環され、強化されていく。そして、仲間を殺された怒気を籠めた、怒りの叫びと共に、真っ正面から俺に仕掛けてくる。
ソルジャーホブゴブリンとは、比較にならない速度で迫り、ロングソードを振り下ろす。俺はそれを、半身をずらす事で、最小限の動きで避ける。ナイトホブゴブリンは、避けられたと認識したと同時に、ロングソードの剣身を水平にし、九十度の直角で真横に振るう。
迫り来るロングソードの刃を、抜刀した打刀の柄頭で受け止める。そのままロングソードの勢いを受け流しながら、後ろに飛んで距離を取る。飛んでいる間に、納刀と共に、両脚を雷属性の魔力で、脚力を強化する。着地と同時に、高速でナイトホブゴブリンの眼前に移動する。驚くナイトホブゴブリンをそのままに、超高速の抜刀術を放つ。
「…………ギ!!」(ナイトホブゴブリン)
ナイトホブゴブリンは、俺の振るった打刀の刃にぶつける様に、ロングソードを振るう。互いの刃がぶつかり合い、火花を散らす。拮抗状態のまま、数秒間互いに動かぬままだったが、先にナイトホブゴブリンが動いた。
一旦、俺から距離をとり、ロングソードに魔力を圧縮していく。そのままナイトホブゴブリンは、俺に向かって、その場でロングソードを振るう。
「…………ギ!?」(ナイトホブゴブリン)
俺は、ナイトホブゴブリンの魔刃の範囲外に、バックステップで移動して避ける。ナイトホブゴブリンは、今まで出会った強敵を、葬ってきた技を避けられたと事に、驚いている。
ナイトホブゴブリンの動きから、こいつもまた、戦った相手の動きや、魔力の扱い方を独学で学んだのだろう。この個体は、特に騎士の様な動きをしてくる事が多い。
自由自在な動きが、魔物の強みでもある。まあ、人の技を得た魔物も、厄介である事に変わりはないが。このナイトホブゴブリンは、どちらかというと、人の技を得た変わりに、魔物本来の野性的な動きが少なくなったタイプだな。
人も魔物も、上手くいった事を、成功体験を続けたくなるものだ。ナイトホブゴブリンは、騎士の動きで仕留められた成功体験を得た事で、野性的な動きが疎かになった様だ。
〈魔刃の構成が甘い。これでは、質の良い武具を装備している者が相手なら、小さい傷一つ付けられれば、良い方だろう。こいつが相手をしてきたものは、騎士崩れの冒険者だろうな〉
ナイトホブゴブリンの、必殺の刃の連撃が、俺を殺そうと放たれ続ける。しかしそれを全て、余裕を持って避けていく。手を変え品を変え、ただただがむしゃらに、俺に向かってロングソードを振るう。
〈これで、終わらせる〉
フッと、ただただ自然と、ナイトホブゴブリンの懐に潜り込んでいく。ナイトホブゴブリンは、目の前にいたはずの俺が、いつの間にか自分の懐に入られた事に驚き、一瞬動きが固まる。だが、ここまで生き残ってきた個体だけある。直ぐ様反応して、上段から真下に、綺麗にロングソードを振り下ろしてくる。
それを、ただゆっくりと右半身を前に出して、一歩を踏み込む。そして、光速の抜刀術でもって、一太刀を振り抜く。ナイトホブゴブリンが、ロングソードを振り下ろしきり、切っ先が地面に軽く刺さっている。
最初に、振り下ろしきっているロングソードが、半ばから綺麗に断ち斬れる。そして、ゆっくりと綺麗な断面を残して、ナイトホブゴブリンの首が落ちていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます
長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました
★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★
★現在4巻まで絶賛発売中!★
「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」
苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。
トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが――
俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ?
※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。