[Revenant/Fantome]

将義双世/マサヨシソウセイ

文字の大きさ
6 / 42
[Phantom/]

シルビア・トラウスト=レビルによる書記

しおりを挟む

絶対王者クローダスは敵対していたバン王の息子ランスロットにより、倒された。

私は密かにクローダス王の持つカールスナウトとヨルクスナウト…そしてクローダス王の髪の毛と血を持ち、魂を再生できるという噂のあるニグドラシュウルまで足を運んだ。

死んだ人間を生き返らせるという、噂を。

信じたわけではないが私はニグドラシュウルの樹にそっとクローダス王の髪の毛と双剣を置いた。

ただ、その前で私は数日を過ごした。

何事も起こらない。

噂は噂だったと思ったとき、ニグドラシュウルの樹を離れようとした瞬間、白い靄が一斉に樹を包んだ。

白い靄は獣に姿を変え、横をすり抜けて行った。

そして、白い獣が去った後、ニグドラシュウルの樹の下にその人物はいた。

黒い髪と鋭い眼光はまさにその人だった。

だが、違う。

一目見て分かる。

絶対王者と名を馳せたその人物ではない。

子供だった。

子供だった。

そして、どこかその魂が抜けているような気がする。

私は気づいた。

あの白き獣たちは、あの人の魂ではないかと。

意識ではなかったかと。

私は少年の手を取り、駆けた。

白き獣を追うことを。

一匹倒して分かったことだが、どうやら他人が倒すのはダメらしい。

あの人の魂は戻らない。

二匹目は無理に殺させた。

そしたらあの人の特徴である超聴覚が現れた。

つまり、分かったことだが白き獣の魂…業ともいえるそれは本人が殺さなければ意味がないという事だ。

そして、私は一匹、私が手をかけた。

あの人を戻すという事は私自身も覚悟しなければならないという事なのだ。

それはそれで、私にとって本望である。

絶対王者クローダス。

私が使えるべき最初にして最後の君主に殺されるなら、それは喜ばしいことである。

私の望みに最も近い、最高の喜びである。



………
……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

さようならの定型文~身勝手なあなたへ

宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」 ――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。 額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。 涙すら出なかった。 なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。 ……よりによって、元・男の人生を。 夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。 「さようなら」 だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。 慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。 別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。 だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい? 「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」 はい、あります。盛りだくさんで。 元・男、今・女。 “白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。 -----『白い結婚の行方』シリーズ ----- 『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。

どうぞ添い遂げてください

あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。 ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

処理中です...