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[Phantom/]
最終話[音]
しおりを挟む「クローダス様、こんな所にいらしたのですか?」
城門から出てきたクローダスを長い金髪の人物が待ち構えていた。
「あぁ、白き獣を追ってここまで来ただけだ……」
クローダスはその人物が待っているのを知っていたかのように返した。
「分かっています。しかし、この土地はあまり長く居たくありません。早く、次の白き獣を倒しましょう」
中世的なその容姿で笑いかけ、黒いマントを渡す。
クローダスはそのマントを受け取り、それを羽織る。
「シルビア……」
金髪の人物―シルビアをクローダスは呼んだ。
「何ですか?」
シルビアは呼ばれ、返事を返す。
「なぜここの人間は俺を王という?」
クローダスは疑問に思っていることを口にした。
そう、クローダスは自分自身が分かっていないのだ。
ここに至るまでの記憶というものが全くないのだ。
「さぁ、何ででしょうね?」
だが、シルビアはクローダスの問いに答えなかった。
「お前、何か隠しているな?」
シルビアの微かな言葉の差異にクローダスは反応する。
隠し事をしている、後ろめたさを少なからず感じる。
それでも、それはいつもの事なのだ。
この問答はいつも行われているのだ。
クローダスはシルビアが答えないのを分かっている。
「さて、何のことでしょうか?」
やはり、誤魔化した。
シルビアは静かに笑い、クローダスの頭を撫でる。
そして、すぐに手を放すとクローダスの後ろへと付き従う。
シルビアはいつもそうだ。
何かを隠し、はぐらかしている。
だが、クローダスは気にしない。
ただ一つ、分かっていることといえば…自分自身には成すべきことがあるという事だけだ。
白き獣……ファントムを倒すこと。
ただ、なぜ倒さなければならないのかその理由も分かっていない。
………
……
…
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