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第三章 予想外な使命
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「私も花嫁候補なの? ブリアナを浄化するためだけじゃないの?」
私は、ホアンの言葉をはっきりと自覚してしまい、狼狽えてしまう。
「もえもブリアナと同じように、花嫁候補としての試練を受けて貰います」
「試練?」
「ええ。それでもまずは、ブリアナの浄化ですがね。彼女の精魂を確実に呼び寄せるためには、二人の王子と過ごすのが一番だと思います。頑張ってください」
「は? ホアンは何を言っているの? ブリアナを私自身が探すのでしょう? ならばそんな暇なんてないはずよ」
次々と投げかけられるホアンの予想外な言葉に、私はうまく収集できずに混乱している。
特に今の言葉は、私にとって対応できる範囲ではなかった。
思わずシフィルとのファーストキスを思い出してしまう。
ふっくらとした朱色の唇が疼き、頬をほんのりと染めてしまった。
「もえは、三人の王子の花嫁候補として、何か不満でもあるのですか? 自分の世界に好きな方がいらっしゃるとか?」
ホアンは、激しく狼狽える私にきいてきた。
「いないけど。私は男の人と縁がない生活をしているの。ブリアナと違ってね」
私は、ぶんぶんと首を振って、自分の中の不安を投げかけた。
「そうゆうことですか。確かにブリアナと比べると、幼げですよねえ」
「そうよ。だから、私には花嫁候補は無理な話よ」
私は、自分をしげしげと観察してくるホアンに、目を吊り上げている。
「それは、まだもえが成長段階だからですよ。絶世の美女のブリアナとは違って華奢すぎますが、のびしろは十分にありますって」
けなしているのか、褒めているのか。
何だか複雑な心境を感じながら、小さく息を吐く。
「無理よ。ブリアナの浄化は手伝うけど、それはなしにして」
「駄目です。二人の王子はブリアナがいなくなり、少し寂しげな毎日を送っているのです。もえが慰めてあげてください」
「だから無理って」
「ブリアナは、二人の王子に傾倒していました。もえにそれを利用し、おびき寄せて欲しいのです」
言い含めてくるホアンだが、私はぶんぶんと大きく首を振る。
「無理! 王子を誘惑するなんて経験ないし、私は絶対に無理!」
「大丈夫です。まずはブリアナとして会って貰います。記憶を真っ白になったということにしますから」
「は? 一体全体どういう意味なわけ?」
ホアンの言葉が理解できず、苛立ち眉間に皺を寄せる。
「花嫁候補もそうですが、王子たちにも試練を受けて貰います。この時期は、滅多にない浄化に適していて、一刻でも大事ですからね」
「大事な時期に、わざわざ異世界から呼び寄せるの? 何か間違ってない?」
顔を顰める私は、疑問に感じたので問うてみた。
「いえ。間違っていません。ラシラス王国の三つ子の王子が誕生することは、厳格な花嫁候補の選定時期。それを意味することは、とても複雑怪奇で様々な可能性を探らなければいけないのです」
「ふ、複雑怪奇?」
真剣真顔のホアンに何だか気圧されながら、私は再度問い返した。
「三人の王子に一人の花嫁、なのですよ。その上、地上界という未発達な異世界から召喚しなければいけない。浄化をよりよく進めるためには、あらゆる歪みを見極めていかなければならないのですから」
「三人の王子に一人の花嫁?」
私は、意味がわからず目をぱちくりさせ、ホアンの言葉を繰り返す。
「ええ、そうです。それでも地上界から呼び寄せた娘が、三人の王妃に必ずなるとも限りませんが。それゆえに、様々な試練が必要なのは確かなのです」
「そうなの。ならば私は王妃向きじゃないわね。ブリアナのように絶世の美女じゃないから」
「もえは、自分に自信がないのですか?」
鋭いホアンの指摘に、私は視線を逸らした。
「私も花嫁候補なの? ブリアナを浄化するためだけじゃないの?」
私は、ホアンの言葉をはっきりと自覚してしまい、狼狽えてしまう。
「もえもブリアナと同じように、花嫁候補としての試練を受けて貰います」
「試練?」
「ええ。それでもまずは、ブリアナの浄化ですがね。彼女の精魂を確実に呼び寄せるためには、二人の王子と過ごすのが一番だと思います。頑張ってください」
「は? ホアンは何を言っているの? ブリアナを私自身が探すのでしょう? ならばそんな暇なんてないはずよ」
次々と投げかけられるホアンの予想外な言葉に、私はうまく収集できずに混乱している。
特に今の言葉は、私にとって対応できる範囲ではなかった。
思わずシフィルとのファーストキスを思い出してしまう。
ふっくらとした朱色の唇が疼き、頬をほんのりと染めてしまった。
「もえは、三人の王子の花嫁候補として、何か不満でもあるのですか? 自分の世界に好きな方がいらっしゃるとか?」
ホアンは、激しく狼狽える私にきいてきた。
「いないけど。私は男の人と縁がない生活をしているの。ブリアナと違ってね」
私は、ぶんぶんと首を振って、自分の中の不安を投げかけた。
「そうゆうことですか。確かにブリアナと比べると、幼げですよねえ」
「そうよ。だから、私には花嫁候補は無理な話よ」
私は、自分をしげしげと観察してくるホアンに、目を吊り上げている。
「それは、まだもえが成長段階だからですよ。絶世の美女のブリアナとは違って華奢すぎますが、のびしろは十分にありますって」
けなしているのか、褒めているのか。
何だか複雑な心境を感じながら、小さく息を吐く。
「無理よ。ブリアナの浄化は手伝うけど、それはなしにして」
「駄目です。二人の王子はブリアナがいなくなり、少し寂しげな毎日を送っているのです。もえが慰めてあげてください」
「だから無理って」
「ブリアナは、二人の王子に傾倒していました。もえにそれを利用し、おびき寄せて欲しいのです」
言い含めてくるホアンだが、私はぶんぶんと大きく首を振る。
「無理! 王子を誘惑するなんて経験ないし、私は絶対に無理!」
「大丈夫です。まずはブリアナとして会って貰います。記憶を真っ白になったということにしますから」
「は? 一体全体どういう意味なわけ?」
ホアンの言葉が理解できず、苛立ち眉間に皺を寄せる。
「花嫁候補もそうですが、王子たちにも試練を受けて貰います。この時期は、滅多にない浄化に適していて、一刻でも大事ですからね」
「大事な時期に、わざわざ異世界から呼び寄せるの? 何か間違ってない?」
顔を顰める私は、疑問に感じたので問うてみた。
「いえ。間違っていません。ラシラス王国の三つ子の王子が誕生することは、厳格な花嫁候補の選定時期。それを意味することは、とても複雑怪奇で様々な可能性を探らなければいけないのです」
「ふ、複雑怪奇?」
真剣真顔のホアンに何だか気圧されながら、私は再度問い返した。
「三人の王子に一人の花嫁、なのですよ。その上、地上界という未発達な異世界から召喚しなければいけない。浄化をよりよく進めるためには、あらゆる歪みを見極めていかなければならないのですから」
「三人の王子に一人の花嫁?」
私は、意味がわからず目をぱちくりさせ、ホアンの言葉を繰り返す。
「ええ、そうです。それでも地上界から呼び寄せた娘が、三人の王妃に必ずなるとも限りませんが。それゆえに、様々な試練が必要なのは確かなのです」
「そうなの。ならば私は王妃向きじゃないわね。ブリアナのように絶世の美女じゃないから」
「もえは、自分に自信がないのですか?」
鋭いホアンの指摘に、私は視線を逸らした。
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